お昼!

純「あった! ゴールデンチョコパン最後の一個!」

澪「あ」

純「あ」

純(ちょっと怖い)

澪「ど、どうぞ」

純「え、あ、秋山先輩に差し上げます。私は別の買いますから」

澪「いや先に手ついたのはそっちだから私はいいよ」

澪(私の名前知ってる……確か梓と憂ちゃんの友達だったかな)

純(遠慮されるともっと怖いな。美人だから迫力ある……)

純「いえ、ほとんど同時だったし。ホントにどうぞ」

澪「あ!」

純「うわ」

澪「あーなんだか無性にクリームパン食べたくなったなー」

純「は?」

澪「私クリームパン買うから、んゴっゴールデン///……チョコパンはいいよ。じゃあね」

純「なんだったんだろう……。まあいいや、よもや今日も食せるとは。ラッキー!」

憂「あ、純ちゃん買えた?」

純「うん! なんとゴールデン」

澪「あ」

純「あ」

純澪(きっ気まずい!)

憂「純ちゃん、澪さんとなにかあったの?」

澪「いや、ちょっと買うとき顔合わせただけだよね///」テレ

純「さっきはどうも……」

純「憂なんでこのこんなに人照れてるの」ヒソヒソ

憂「澪さんはシャイな人なの。あまり追求しないであげて」ヒソヒソ


憂「澪さんお昼はパンなんですね」

澪「ああ、今日はお弁当持ってきてなくてね。そういえば梓はいないの?」

憂「はい。梓ちゃんはちょっと用事があるとかで……」

憂「あの、お姉ちゃん朝何かありました?」

澪「え、そうだな……少し元気はなかった気がするけど」

憂「あ、ごめんなさい勝手に話始めちゃって。これからお昼ですもんね」

澪「……。いやいいよ。ちょっと待って」ピッピッピッ

純(携帯のボタン押す音消さないんだ)

澪「よしっと。よかったら一緒にお昼食べないか。今日は天気もいいし庭とかで」

澪(唯から連絡きたら切り上げよう)

憂「え、いいんですか」

澪「律に今日は他で食べるってメールしたから大丈夫。話してから食べる時間もないでしょ」

憂「すみません。気を使わせてしまって」

純(かっこいいし良い人だー)


憂「あ、純ちゃんごめん。勝手に話進めちゃって」

純「いいよ。なんか込み入りそうだから私教室に戻ってるね」

憂(どうしよう私のワガママで純ちゃん一人で食べさせるわけにはいかないよぉ)

憂「澪さん、純ちゃんも一緒じゃ駄目ですか?」

純「憂、私は大丈夫だから」

純(別の友達と食べようと思ってたんだけど、憂は本当に良い子ちゃんだなぁ)

澪「あーうーん、朝のことならまあ伏せる話でもないし。二人が良ければ」

澪「じゃあ決定。鈴木さん、だっけ。いいかな」

純「あっはい。むしろ私が遠慮するべきなんでしょうけど。せっかくの誘いですから」

澪「ありがとう」ニコ

純(うわっこんな美人に笑顔向けられたら私落ちちゃう~!)

純「なんちゃって」

憂「えっ」

澪「えっ」

純「あ、いえなんでもないです」


メルメルメル♪

『あの木の葉が落ちきった時が私の寿命が尽きるときなの…… from 律』

ピッ

澪「それで、朝の事だっけか」

憂「はい。今朝、お姉ちゃん珍しく早く起きてきたと思ったらすごく寝ぼけていて、寝ぼけたお姉ちゃん可愛いよぉって思って寝起きの体臭をかごうと」

純「憂ストップもう少し簡潔に」モグモグ

憂「それで制服まで着てるからどうしたのかなって思ったんですけど、眠気は音楽室でギー太を弾いて覚ますっていうのでそのまま見送ったんです」

澪「音楽室に? 私も今朝音楽室にいたけど誰も来なかったぞ」

憂「え、それじゃ……もしかしてお姉ちゃん登校中に何かあったのかもそりゃあんなに可愛いお姉ちゃんじゃ襲いたくなる気持ちもわからないでもないけれど」
憂「あんな可愛いお姉ちゃんが寝ぼけて隙だらけなの見たらここぞとばかりにお姉ちゃんの髪の毛の匂い嗅いだりお姉ちゃんの耳の後ろの油脂が貯まりやすい部分の匂いを嗅いだり舐めたり」ハァハァ

純「憂落ち着いて」

純(憂のお姉ちゃん好きは見ていて面白いなー)チュー ゴクゴク

憂「澪さん、今朝は音楽室に本当にお姉ちゃん来なかったんですか?」

澪「今朝は私が音楽室の鍵を預りに行ったんだ。最初に開けたのは私だし、それから歌詞作りしてて寝てしまったけど誰も」

純「寝ちゃってるんじゃないですか」

澪「いやでも起きてから扉が少し開いていたけど誰もいなかったぞ」ブルブル

憂「澪さん怖がらなくてもいいです。きっと澪さんが寝てるときにお姉ちゃんが来て、起きる前にお姉ちゃんが出て行って扉が開いてたんですよ」

澪「あ、そうかぁ! いやー私もそうじゃないかと思っていたんだアハハハハ」

純「だからって寝てる秋山先輩のそばに本当は誰がいたのかはわからないですけど」

澪「」

澪(梓と言い最近の一年生は突っ込み好きなのかな)

純(秋山先輩って意外と表情豊かなんだな。もっとクールなのかと思った)モグモグ


憂「それで今朝学校に来た時にお姉ちゃんのお弁当を届けに行ったら、ちょっとお姉ちゃんの様子がおかしかったので」

澪「あ、ああ……。私が今日会ったのは教室でだから、う~ん。少し具合が悪そうには見えたけれど、それからはいつも通りだったぞ」

憂「そうですか、良かった。ならいいんです」

澪(でも……)

純「良かったね。憂」

澪(でも本当に今朝唯が私と一緒にいたとしたら?)

憂「うん。最近お姉ちゃん物思いにふけることが多かったり、食欲が前に比べてなかったりして心配だったんだぁ。でもそんなお姉ちゃんも可愛い! あ、もちろん元気ないお姉ちゃんより元気なお姉ちゃんじゃないと嫌だけど」ウンタラカンタラ

澪(普通に考えろ、今朝早く家を出て音楽室が開いているんだ。唯がいたに違いない)

澪(だったら今朝の唯の様子は? 三時間目の休み時間に言いかけた言葉はなんだ?)

澪(胸騒ぎがしてきた……。唯から連絡早く来ないかな)


~♪

梓「…………」

梓「…………」

梓(唯先輩……来てくれる、よね)ドキドキ

梓(だって、いつも私に抱きついてきて、優しくしてくれて、私のこと、好き、なんじゃないかな……)

梓(私だって、ずっと好きだった。唯先輩のために色々してあげたい。憂にだって負けないもん)

梓(……唯先輩)

梓「…………」

梓「…………遅いな」

ガチャ

梓「!」

唯「……ごめんね、あずにゃん。遅くなって」

梓「いえ……///」ドキドキ

唯「お昼、食べた?」

梓「まだ、です。食欲なくて……」

唯「そか……」

梓「…………」ドキドキ

唯「…………」

唯(あずにゃん……私のこと好き……なんだよね。こんな私でも……)

唯(澪ちゃんはやっぱり、私よりもりっちゃんのことのほうが……)

唯(親友としてなのか、私やあずにゃんみたいになのか分からないけど、でも私よりも……)

唯(そもそも私が澪ちゃんを好きになっちゃったらダメなのかもしれない)

唯(それなら私を好きでいてくれるあずにゃんを……。私だってあずにゃんのこと大好きだもん)

唯(そうだよ、きっとうまくやっていけるよ。あずにゃん気が強いけど本当に可愛いもん)

唯(……だから)

梓「…………」フルフル

唯(震えてる)

唯「あずにゃん……」

梓「」ビクッ

唯「私……、私ね――」


~♪

律「ちぇ~。澪のやつ返事もしねーの」

和「まあそんなふざけたメール送ったら了承としか考えないわね」

律「ったく。他で食べるって私を差し置いて誰と仲良く食ってるんだっつーの」

紬(多分……少なくとも唯ちゃんとではないでしょうね。きっと、梓ちゃんが今頃……)

和「あら、妬いてるの?」

律「あ、いや。そういう訳じゃないけどな」

律(なんかやーな予感がするんだよな)

紬「澪ちゃんなら大丈夫じゃないかしら」

律「……ふぅ。どっかで壁の染みに驚いて気絶してなきゃいいけどな」

和「なまじあり得そうなことだから心配になるわね」

和(唯も用事、澪も行方不明。私のやることも、もうないわね)


~♪

キーンコーンカーンコーン

澪「ただいま」

律「お帰り。一体誰と昼飯食ってたんだよ」ニヤニヤ

澪「憂ちゃんと鈴木さんとだよ」

律「はぁ~な~んだ。つまらん」

澪「何を期待してたんだ……」

唯「…………」ガラッ

和「唯、おかえり」

唯「あ、ただいまぁ……」

澪(唯……朝にも増して元気が無いな。心なしか目も赤くなってないか)

和(何かあったわね。澪も気付いてるみたいだし、ここは任せておくかな)

澪「唯、大丈夫か」

唯「何が?」フィ

澪「何がって……」

唯「予鈴鳴ったし、もう先生くるよ」

澪「そんなのいいだろ」

唯「! 」

澪「少しくらいなら授業遅く出ても大丈夫だから、ちょっと廊下で話そう」

澪「午前の休み時間に言いかけてたことあったろ? それでなにか……」

唯「…………」

唯「もぅ……そいょ、澪ちゃん」

澪(えっ?)

澪「唯、い、いこ?」グッ

唯「んっ!」ググッ

澪「唯……」

唯「…………」スッ

澪(さっき、なんて言ったんだ?)

紬(……そう。唯ちゃん……)

律「…………」


~♪

紬「今日のお菓子は氷砂糖よ~」

唯「…………」ポリポリポリ

澪(部活始まってからも、ずっとこんな調子だな……いったいどうしたんだろう)

律「ムギー。悪いけどおかわり貰える?」

紬「……あ、うん。今淹れるわ」

律「そういや澪。今朝言ってた歌詞ってもうできたのか?」ポリポリポリ

澪「まだできてないよ。そうだ、なぁ唯、お前も朝音楽室に来たのか?」ポリポリポリ

唯「い、行ってないよ……」

澪「でも憂ちゃんが、今朝唯は音楽室に行くって言ってたって。私も音楽室にいて誰か来たような感じがあったし」

唯「行こうと思ったけど、そのまま教室に行ったんだもん……」

律「だよな-。唯は朝私と会ってたんだから。息切らして家から走ってきたんだぜ。多分音楽室に来たのはビッグフットが……」

澪「ひぃいっ! そんなのがいるわけないだろ!」

澪「……なぁでも唯」

唯「行ってないって言ってるでしょ!」バンッ!

澪「!?」

律紬「!」

澪「……そ、そういう言い方はないだろ。憂ちゃんが心配して」オロオロ

唯「もう澪ちゃんはしつこいなぁ! 私帰る!」ダッ

澪「ゆっ唯!?」ガタッ

紬「唯ちゃん……」

律「なんなんだありゃあ……。澪、追いかけなくていいのか」

澪(……どうして、唯……)

律「澪が変なこと言ったわけじゃないけど、一応お前と話していきなりキレたんだからさー。当事者同士で話したほうが」

澪「人が心配してるってのにあんな態度取られてフォローできるほど、私は人が出来てないよ」

澪「唯なんてもう知らない」フィ

紬「……澪ちゃん。唯ちゃんにだって何か事情があるのかもしれないわ」

澪「いいよ知らない。これじゃ今日は部活にならないだろ。私も帰る」

律「いい加減にしろよ!」

澪「!」

紬「!」

律「朝から唯があんな暗い顔して、昼間はもっと酷かったじゃんか。それを放って帰るだぁ? ふざけんな!」

澪「り、律……」

律「今の唯に何が必要なのか、澪にはもう分かってんだろ!」

澪「…………」

紬(梓ちゃん……ごめんね)

紬「澪ちゃん。これ、唯ちゃんの鞄。持って行ってあげて」

澪「…………」

澪「わかった」


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