唯「あず~にゃん!」ダキッ

梓「もうにゃー! ゆ、唯先輩、そのあず~にゃんっていうのはちょっと」

唯「なんか口にしてみたら結構ヒットしたんだ」

梓「ヒットしないでください」

唯「えーひどいよあず~にゃん!」

梓「にゃっ! も、もうやめ……力つよっ!」グググッ

唯「あず~にゃん分吸収……吸収……っ!」ギュルッポンギュルッポン!

梓「うっあっ……///」グッタリ

紬「ふふ。いつも微笑ましいわね」

澪「」ムスー

律「憂ちゃんにも和にもよく抱きついてるし、まあ唯なりのスキンシップだよな」

澪「ま、まあそうだよな。はは」

~♪

梓「唯先輩、私の分わけてあげます」

唯「えーいいの!?」

梓「朝練付き合って貰ったお礼です」

唯「あずにゃん大好き~ん」ナデナデ

梓「ふにゅ///」

澪(なんか二人いい感じだな……)ムカムカ

紬「まるで唯ちゃんのもう一人の妹みたいね」

梓「///」

唯「あずにゃんみたいな可愛い妹いたら嬉しいなぁ」

澪「!」

澪「……ほら唯、それ食べたら練習するからな」

唯「う? うん。ちょっと待ってね」パクパク

梓「唯先輩そんなに急いで食べたらむせますよ」

梓「最近はよく練習してるですし、少しくらい遅くても」

澪「梓まで」

律「まあまあ落ち着けよ澪、なんだあの日か? それとも好きな人とうまくいってないとか?」

唯「!?」

澪「またそんなこと言って、そ、そんなことあるわけないだろ」

紬「そうなの澪ちゃん!?」パァ

澪「だっだから違うって!」

澪(唯……こっち見てる……恥ずかしい)

律「またまた~澪ちゅわんったらお顔真っ赤になって図星だったりぃ~」

律(ゲンコくる~!)

澪「…………」フルフル

律(……って、あれ?)

澪「…………」ポロポロ


唯「澪ちゃん? りっちゃんいくらなんでも言い過ぎだよ!」

律「わり、冗談だったんだけど。澪……」

澪「もぅ帰る……」ガタッ

律「ごめん澪言い過ぎた」

澪「…………」ガチャ バタン



梓「澪先輩、帰っちゃいましたね……」

唯「……私追いかけてくる」

梓「今はそっとしておいたほうが」

唯「でも、一人じゃ心配だよ」

梓「唯先輩……」

律「唯! 待て!」

唯「なに!? 早くして!」



澪「…………」グスグス

澪(感情が昂ぶっちゃってる……恥ずかしいところ見せちゃったな)

澪(どうしてこんなになってるんだろ。あれだっていつもの律の悪ふざけじゃないか)

澪(でも唯も満更じゃない態度取って……梓と仲良くて……)

唯「澪ちゃ~ん!」

澪「唯!?」ドキィ!

唯「よかった、遠くまで行っちゃってなくて、はぁ、はぁ」

澪「……唯、どうしたんだよ」ゴシゴシ

澪「まっまた唯まで私を笑いにきたのか……」ドキドキ

澪(また……唯の前で)

唯「ちっ違うよ! ただ私は――」

澪「だってそうだろ! 恥ずかしいのに、あんなに恥ずかしかったのに唯だってじっと私のこと見て!」ドキドキ

澪「好きな人がいるとかいないとか、分からないよそんなこと!」

澪(唯にこんなこと言いたくないのに……!)

唯「澪ちゃ」

澪「嫌なんだそんな風に言われるの絶対に嫌っ!」ダンダン!

唯「澪ちゃん! ぎゅぅ!」ギュウゥ!

澪「はぅ……!」

唯「大丈夫、大丈夫だよ澪ちゃん……。私、笑いにきたんじゃないの」ナデナデ

澪「はぁ、はぁ、はぁ……」

唯「私、澪ちゃんと一緒に帰りたかっただけ……。だめ?」ナデナデ

澪「…………」フルフル

唯「よかった……。もう大丈夫だからね、澪ちゃん」ナデナデ

――♪

律『唯、あいつすっごい恥ずかしがり屋だろ。少しくらい恥ずかしく思ってもいつもの通りだけど、沢山ストレス溜まるとたまに爆発しちゃうんだ』

律『そうするともう誰の話も聞かなくなっちゃって、子供みたいに駄々こねるんだよ。自分でも感情をコントロールできないみたい』

律『でもそういうのを繰り返してストレスとの付き合い方が分かってくるみたいで、昔に比べたらそれも全然少なくなってきてるけど』

律『もしそうなってたら……落ち着くまで側にいてやってくれ』

律『あと、私がこんなこと言ってたなんて、言わないで』

――♪

澪「…………。ご、ごめん。……唯」

唯「ううん、いいよ。私は一緒に帰りたかっただけなんだから」

澪「そっか……でも部活」

唯「大丈夫だよ。今日はお茶飲んで終わり」

澪「……ごめん、私のせいで部活中止にさせて、こんな恥ずかしいとこまで見せて。もう大丈夫」スッ

唯(あ、離れちゃった……。澪ちゃんって、柔らかくて気持ちいいなぁ。すごくいい匂いするし、おっぱいなんか憂より大きいよ///)

唯「澪ちゃんそんなことないよ。それに誰だってああいう話は恥ずかしいもん///」

唯「でも、りっちゃんも……悪気はなかったと思うんだ。だから」

澪「うん、それは分かってる。あいつとは十年近く付き合ってるからな」


唯「…………」

澪「なんだか今日は不安定みたいでさ。律のことは怒ってないよ」

唯「そう、良かった。私もごめんね、図々しいこと言って」

澪「いや、ありがとう」

ギュッ

唯「!」

唯(澪ちゃんから手握って……)

澪「正直に言うと、ちょっと一人で寂しかったんだ」

澪「唯が来てくれて、止めてくれて嬉しかった」

唯「そ、そんな大したことしてない……私」

澪(唯、か、可愛い……)ドキドキ

澪(私……どうして……)ドキドキ

唯「…………///」

澪「…………///」

澪「さ、最近よく思い出すんだ」

唯「なにを?」

澪「…………」

澪「高一の合宿で、花火の前でギター弾いてた唯のこと」

唯「あれかぁ。楽しかったよね」

澪「私……あんなに楽しそうにギター弾く唯を見て、すごく」

澪(感動した……? ううん、感動っていうか、うう~ん今みたいな感じなんだけど……)

唯「すごく、なに?」

澪「ええと、すごくいいなぁって思った」

澪「言葉じゃうまく言い表せない、かな」

唯「そっかぁ」

唯(そっかぁ……そんなに前から。嬉しい……///)


~♪

梓「ムギ先輩」

紬「あら、梓ちゃん。何か忘れもの?」

梓「あの、ちょっとお話しがあって……。少しいいですか」

紬(別れたあとにわざわざ追いかけてくるなんて。余程の話かしら)

紬「いいわよ、今日はアルバイトもないから。そこの喫茶店でいい?」

梓「はい。ありがとうございます」

~♪

紬「唯ちゃんたち結局戻ってこなかったわね」

梓「はい……、律先輩も冗談にしては言い過ぎです」

紬「私も同罪。反省しないといけないのは私よ。澪ちゃんの様子に気づいて止めるべきだった」

紬「それと、あまりりっちゃんを責めないであげて。りっちゃんはいつもみんなを盛り上げようとしてくれてるの」

梓「まあ、それはあると思いますけど……」

紬「ときどき行き過ぎちゃうこともあるけれどね」クスッ

紬「それにりっちゃんと澪ちゃんの仲だから、明日には大丈夫よ」

梓「そう、ですよね」

紬「あ、ごめんなさい。それで梓ちゃんの話ってなにかしら?」

梓「……その……」

紬「うん?」

梓「ムギ先輩はこういうこと詳しそうだし、相談もしやすいので……」

紬「なにかしら」

梓「…………。せ、先輩は、お、女の子同士の恋愛とか、どっどう思いますか///」

紬「…………」

紬「悪いことではないと思うわ。普通の恋愛より色々辛いことも多いでしょうけれど、お互いが好きあってるなら」

梓「…………。意外です」

紬「え? なんで?」

梓「だって、その、いつもムギ先輩って部活でも先輩方がこう、くっついたり仲良く話したりしてるだけでハァハァしてたまに鼻血とか……。だからもっと私の話にもハァハァするのかと」

紬「くすっ。後輩のご身分でとてもよろしい根性していらっしゃるわね。梓ちゃん」ゴゴゴゴゴ

梓「ひっ! すっすみません!」ガタガタ

紬「冗談よ~」

梓「はひっ、はひぃ!」

紬「……確かに私は女の子同士が仲が良いのが好きよ。でもね、例えそれが普通の恋愛だとしても、真剣に恋をしてる人を茶化すようなことはしないわ」

梓「ムギ先輩……」

紬「それで、唯ちゃんとのこと?」クスッ

梓「っ! なっななななんで!?///」

紬「うちの部で一番仲が良く見えるから」

梓「///」

梓「せ、先輩は、おかしいと思いますか……」

紬「おかしくないわよ。唯ちゃん可愛いもの。それにしっかり者だわ」

梓「でっでも、練習しないし、いつもだらだらした雰囲気で、家でもいつもゴロゴロしてるって憂が///」

紬「くすっ。梓ちゃんはそんな唯ちゃんを好きになったんでしょ?」

梓「うっ……/// だ、だって、いつも優しいし、決めるところでは決めるし、先輩に言う言葉じゃないですけどか、可愛いですし……///」

梓「……でも、怖いんです」

紬「怖い?」

梓「断られるだけならいいんです。唯先輩に気持ち悪いと思われたらと思うと……。それならいっそこのまま、先輩後輩の、姉妹みたいな関係のほうが……」


~♪

和「怖い?」

律「……怖いよ。もし本当にそうなら、それで私たち軽音部の関係が壊れるかもしれないって思うと……」

和「…………」

和「あなたたちなら、それも乗り越えられるんじゃないかと私は思うけど」

和「その前に、どうして澪が唯のことを……って?」

律「そりゃ分かるよ。私らが何年幼馴染みしてると思ってるの。あいつの変化なんて目をつぶってても気づける」

和「珍しく同感ね」

律「今日だってまさかと思って冗談半分で突っついたらあれだし、本当なら応援してやりたいとも思うよ。でもさ」

和「自分から離れていくのが寂しい? 律って澪のこと好きなの?」

律「好きだよああ好きさ一番大切な人だよ、……親友としてだけどな。それ以上の気持ちは残念ながら」

和「ごめん。意地悪な質問だった」

律「……いいよ、別に。和は唯が澪をどう思ってるのか聞いてないか?」

和「律って本当に優しいわね」

律「なっ、なんだよ急に気持ち悪いな」

和「澪が一番傷つかない方法を探してるから」

律「そ、そんなんじゃないよ///」

和「唯は……まあ見たとおりかしらね。あの子思ってることが素直に態度に出てくるから」

律「なるほどってことは唯は梓が好きなのか」

和「それは分からないけれどね。短絡的ね」

律「だとしたら梓は……あーわかんねぇ~!」

和「はい、緑茶おかわり」トン

律「あーりがと」ズズッ

律「うー。まさか生徒会室に落ち着けるようになるとは夢にも思わなかった」

和「くすっ。もうすぐ下校時間になるからね」

律「そういや生徒会室にお茶常備してたんだ。いつから?」

和「さあね」


~♪

澪(結局あのあとなにも話さないで家まで着いちゃったな)

澪(あんなに恥ずかしい姿みせちゃって、なにかもっと気の利いた話できればよかった……)

澪(唯、幻滅したかな)

澪(まだ唯の手の感触が残ってる……)

澪(私……)

澪(律には……相談しづらいな。こういうことはムギが詳しそうだし、ムギに相談してみようか)

澪「まだ起きてるかな……」

プルルルルル

紬『はい、もしもし。琴吹紬です』

澪「もしもしムギ? 今ちょっといい?」

紬『こんばんわ澪ちゃん。あの、部活ではからかっちゃったりして……ごめんなさい。どうお詫びしていいか』

澪『だ、大丈夫だよもう。気にしてないよ。冗談だって分かってる』

澪「それより、あの、ちょっと相談なんだけどさ」

紬『うん、なにかしら?』

澪「ちょっと変に思うかもしれないけど、ムギは女の子同士の恋愛って、どう……思う?」

紬『…………』

紬『悪いことじゃないけれど、大変なことは多いと思う。それでもお互いが好きならいいと思うわ』

澪「そ、そうか」ホッ

紬『…………』

紬『それで?』

澪「あ、いや、そういう話を聞いたというか、どういうものなのかなぁって思って」

紬『……そう。でも相談って』

澪「あっ」ドキッ

澪(いやまだ分からない勘違いかもしれない、違うなら違うって分かるればそれはそれで安心できるし……)

澪(でも、唯のことを思うとすごくドキドキして……)ドキドキ

澪(ええい、言ってしまえ!)ドキドキ

澪「ああああのさ、そのっ、さ、最近、私……。ゆゆっ唯のことが気になっ」

紬『ごめんなさい』

澪「……えっ?」


プーッ プーッ ピッ

律「話し中か……」

律「はぁ、なんで電話繋がらなくてホッとしてるんだ私は。……明日話すか」

律(本当なら謝らなくちゃな……)

律(あの様子だと絶対癇癪起こしてるだろうし……。もうあの程度ならこんなこと無いと思ってたのに)

律(唯のこと、よっぽど真剣に考えてストレスになってるのかも)

律(これって自分で気づかないと意味ないよな……)

律「はぁ~。澪のあほんだらぁ~……」バフッ


……

紬「ごめんなさい。……その相談は受けることできないの」

澪『な、なんで? だって前は、唯と仲悪くなったと思ったときは……』

紬「それはあの時は二人が普通のケンカをしてたと思ったから」

紬「だから、私は恋愛を経験したこと無いから……同性も異性も関係無くあまり無責任なことは言えないの」

澪『あ、あの、助言だけでもいいからさ』

紬「……りっちゃんならきちんと聞いて貰えると思うの……。ごめんなさい……」

澪『…………』

澪『そっか。ごめんなムギ。無理言って』

紬「ううん。私こそ相談にのれなくて、ごめんなさい。それに、今日のことも……」

澪『いいよ。それじゃ、また明日』

紬「うん。また明日ね」

ピッ
紬「…………」

紬「ふぅ……」トサッ

紬(ごめんね澪ちゃん。私、梓ちゃんの応援するって決めたから。話は聞けないの)

紬「……つらいのね。こういうの」


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