梓「お疲れさまで」ガチャ

梓「……す。私が最初か」

梓(唯先輩来るかな。憂が大丈夫だって言ってたから来るよね)

梓(トンちゃんに餌あげてから机でも拭くか)

梓「トンちゃ~ん。餌だよ~」パラパラ

梓(この子も私のことを心配した先輩方が飼ってくれたんだよね、言い出しっぺが唯先輩で)

梓(やっぱり唯先輩は私のこと……)

梓(いやいやいやだって私たち女の子同士だし唯先輩は誰にだってああいう態度取るしそもそも私が唯先輩のことを……だなんて思ってるはずないし)

梓(そりゃあ唯先輩は可愛いしたまにすごくかっこいいしいつも私に優しいし抱きついてきたらあったかくて柔らかくていい匂いして気持ちが良いけれど)

梓「んっ、はぁ、唯先輩の机、あっ、ゆっ唯先輩……///」クチュッ コスコスコス

紬「こんにちわ~」ガチャ

梓「ぎゃわー!」ビクビクッ!

紬「どうしたの梓ちゃん?」

梓「んなっなんでもないです! お疲れ様ですムギ先輩!」

紬「机拭いてくれてたのね。ありがとう」

紬「あら、唯ちゃんの机の角だけ濡れてるわよ。拭き残しね」

梓「ふっ拭きます今すぐ拭きます!」



唯「それでねー」ガチャ

梓「あ、お疲れさまです」

唯「う゛お゛ー! あずにゃ~ん!」ダダダッ ダキッ

梓「に゛ゃっ!」ジュン

梓「ひあっ……にゃぁ、あっ……///」ビクンビクン

唯「どうしたのあずにゃん? 惚けた顔して涎まで垂れちゃってるよぉ」

梓「な……なんでも、ない、です」ヒクヒク

紬「どうしようなんだかとてつもない出来事が目の前で繰り広げられているような気がしてならないわ」

澪「!」ムッ

澪「……ん?」

唯「あずにゃんお久しぶりぶりぃ~」グリグリ

梓「にゃあん! ゆ、唯先輩昨日会ってないだけじゃないですか」

唯「あずにゃん分は毎日補給しないと大変なんだよ! 一日わずか四十秒のあずにゃん分で、この肉体をあなたにも!」

梓「ムキムキマンですか!? 唯先輩はムキムキになりたいんですか!?」

律「いや普通にそれないから」

紬「微笑ましいわぁ」

澪「」ムー

律「ほらほら唯、梓も心配してたんだぞ。その辺にしてやれ」

唯「心配かけてごめんね~あずにゃん」

梓「もう元気なのは充分わかりましたから……」ゲッソリ

紬「それじゃ唯ちゃんの快気祝いということで、梓ちゃん手伝ってもらえる?」

梓「はい!」

梓(良かった。昨日は普通に体調悪かっただけなのかな)

コポコポ

梓「あふぁっ……」

紬「あら、寝不足?」

梓「は、はい。ちょっと遅くまで勉強していて」

梓(心配で眠れなかったなんて言えないよ)

紬「…………」ニコニコ


唯「…………」チラッ

唯「澪ちゃん、ティータイムの前に一緒にトイレ行こうよ」

澪「ちょっと待って」ムー

唯「澪ちゃん」

澪「なに。待ってって」ムー

唯「」ギュッ

澪「あ……」

澪「……///」

唯「いこ」

澪「わっ、唯」

唯「澪ちゃん怒ってるの?」

澪「べ、別に……。それより部室の外で手繋いだままで恥ず」

唯「いいの」

唯「澪ちゃんとまた仲悪くなるよりずっといい」

澪「唯……」


唯「戻ったよー。すっきりー」

澪「そういう恥ずかしいこと言うな!///」

律「よっこらっせっと」

唯「りっちゃんおじさんくさ~い。それにそこ私の席だよ」

律「まあたまには席替えもいいじゃん。な、澪?」

澪「あ、ああ。いいんじゃないか」

澪(唯が正面に……)

梓「澪先輩どうぞ」コト

澪「ひゃっ。あ、ああ。ありがと」

梓「?」

梓「唯先輩もどうぞ」

唯「ありがとあずにゃん」ニコ

梓「あ、熱いから気をつけてくださいよ///」

澪(なんだか胸がざわつくな。どうしたんだろ私)

梓「今日の唯先輩のヘアピンってファンシーですよね。いつもはシンプルなの着けてるのにどうしたんですか」

唯「えへへ~。かわいいでしょ?」

梓「え、ええ」

梓(子供っぽい感じがするけど、唯先輩になら似合うな)

唯「この前澪ちゃんと遊びに行ったときにね、買って貰っちゃったの」

梓「え?」

澪「お、おい唯。あんまり言いふらすな。大したことじゃないのに恥ずかしいだろ///」

梓(知らなかった。澪先輩が、唯先輩に……)

唯「部活のみんなと和ちゃんと憂にしか言ってないよぉ。いいじゃん~。ねぇあずにゃん」

梓「え、はい。まあ……」


~♪
ジャカジャカジャーン

唯「ん~?」

ジャカジャカジャーン

唯「んん~?」

唯「ねえ、澪ちゃん。なんか今の私のおかしくなかった?」

澪「唯、そこ間違ってるぞ」

唯「え、そうだっけ?」

澪「譜面よく読め。ほら、ここ」

唯「あ、ほんとだ。こうか」

ジャカジャカジャーン♪

澪「そうそう」

唯「澪ちゃんは教え方上手いよね~」

澪「このくらいは普通だ///」

梓「…………」

梓(ギターのことなら私に聞いてくれればいいのに)

唯「ねね、澪ちゃんほら」ヒソヒソ

澪「え? わわっ!」

唯「声大きいよ!」ヒソヒソ

澪「なんでこんな恥ずかしいのを」ヒソヒソ

唯「大丈夫だよ。澪ちゃんのいうとおりプリクラ目立たないところに貼ったんだよ」ヒソヒソ

唯「携帯の電池カバー外したところ」ヒソヒソ

澪「///」

澪(写真見てるだけであの時の唯の匂いと体温を思い出してしまう///)

唯「澪ちゃんはどこに貼った?」

澪「まだ迷って貼ってない……」

唯「なぁ~んだ。貼ろうよぉ」

澪「なんだか……勿体なくて」

唯「……うふふ。そうだね」

唯(お揃いでギターとベースに貼りたいなぁ……)



梓の部屋!
梓(いつの間に澪先輩とあんなに仲良くなってたんだろ……唯先輩もあんなに喜んじゃって。)

梓(個人練習の時も澪先輩と一緒にやってて、良い感じだったな。一つの譜面二人で見てくっつく程)

梓(でも今日も私に抱きついてきたし、なんかあるわけじゃないよね)

梓「そうだよねー。唯先輩」ダキッ

梓「うっ、唯先輩人形から据えた匂いが……。毎日擦ってたもんね。お風呂入るとき洗濯してあげなくちゃ」

唯(梓)「あずにゃん一緒にお風呂入ろうよぉ」

梓「そ、そんなことできません! 入るなら一人で入ってくださいよ!」

唯(梓)「またまたそんなこと言っちゃってぇ。同じ軽音部員同士裸の付き合いも必要だよぉ」

梓「は、裸って/// そんな……」

唯(梓)「あれあれぇ。あずにゃんえっちなこと考えちゃったのかなぁ」

梓「そ、そんなことありません! 唯先輩がそんなこと言うから……」

唯(梓)「あずにゃんのここ……濡れてきちゃってるよ……いけない子だね」

梓「あっ、や、やめてください、せん……ぱい……」クチュ

梓母「早くお風呂に入りなさい!」バタンッ!

梓「ぎゃー! おかーさーん!」


……

憂「梓ちゃんどうしたの? 今日は元気ないね」

梓「いや……どうしたらうちのお母さんにノックして部屋に入る習慣を付けて貰えるか悩んでいて」

純「あ、まさか一人エッチしてるところでも見られた?」ニシシ

憂「じゅ、純ちゃん!///」

梓「そそそそそんなことあるわけないじゃんんんんんん!」

憂純(あーそんなことあったんだー///)

梓「そ、それよりも憂。唯先輩って澪先輩と遊びに行ったって部活してたとき聞いたんだけど」

憂「うんそうだよ。お姉ちゃん楽しんできたみたいだよ。すっごく嬉しそうにしてた」

憂「――妬けちゃうくらい」オオォ...

純「あれ? なんだか寒くない?」ガクガク

梓「そっかぁ。いいなぁ」

純「梓、澪先輩に憧れてたもんね。同じ部員なんだし梓も気軽に誘ってみたらどう?」

梓「う? えと、そ、そうだね」

梓(そりゃ澪先輩はかっこいいし美人で、今でも憧れてる。でも……)

梓(でも、今は……私)



放課後!

コポコポ

紬「え?」

梓「あの、最近唯先輩と澪先輩に何かあったのかな……と」

紬(ああ……)

紬「私も詳しくは分からないんだけどね、ついこの前唯ちゃんと澪ちゃんの意見が食い違って、しばらくギクシャクしていたみたいなの。それが最近仲直りしたみたい」

梓「そうなんですか」

梓(それも知らなかった……。憂が言ってた一緒に遊びに行ったのが関係してるのかな)

紬「…………」

紬「私もほんの少し話聞いただけだから、今日知ったようなものよ。りっちゃんにも聞いてみたけど同じようなこと言っていたわ」

紬「でも今思うと、梓ちゃんもちょっと唯ちゃんと澪ちゃんの様子がおかしいかな、って思うことなかった?」

梓(……そういえば、部活中に違和感はあったかな)

梓「少し思い当たることは。そうでしたか。まあ……仲直りされたんでしたらいいことです」

唯「こにちゃー!」

澪「お、おい唯引っ張るな」

律「おいーす」

紬「こにちゃー♪」

梓「唯先輩こんに……ちは」

梓(なんか昨日よりもくっついてる。ほとんど腕組んでるじゃないですか)

唯「あずにゃんこにちゃー♪」チャクセキ!

梓「あ、澪先輩すみません。今席どけますんで……」

澪「ああ、いいよ。食器移動するのも面倒だろ。それに今日はすぐ練習始めるからな」

梓「そ、そうですか」

律「お、私がお誕生日席か。今日のケーキはロウソク付きかぁ?」

紬「残念。今日は”あん豆ふ”よ~。梓ちゃん、私がお茶淹れるわね」

梓「あ、はい。お願いします」

梓(律先輩は私の席。澪先輩は……自然に唯先輩の隣に座ったな)

律「ん? どうした梓元気ないな、ムギに尺骨神経刺激され続けてイジメられたのか?」

梓「は?」

澪「律、ムギがそんなことするわけないだろ」

紬「……あっ! それ昨日のドラマね」

唯「あれって地味にキクよね~。コメディドラマで見てる分には面白いけど」

梓「あ、それ私も見ました。主人公がヒロインにビリビリされ続けるっていうのですよね」

律「そうそう」

紬「もぉ~りっちゃんたら。梓ちゃんにそんなことしないわぁ」

律「ははっ、悪い悪い」

紬「りっちゃん、はいどうぞ」コト

律「ありがとムギ」

紬「市販の木綿豆腐でいいわよね」

律「えっ」

紬「はいみんな、今日はウェッジウッドの紅茶よ~」

唯「わーい!」

紬「りっちゃんは水道水でいいわよね」

律「えっ」

唯「あっ」

ジャーン

梓「ズレましたね。ここはこうですよ。もう、さっきも教えたじゃないですか」

唯「ごめんごめん。もう一回さっきのところから」

梓「じゃあいきますよ。ワンツー……」

ジャンジャンジャカジャカ♪

唯(うおっと!)フラッ

澪(やばっ)トスッ

ジャカジャカジャンジャカ♪

唯(澪ちゃんが背中で受け止めてくれて助かったよ)

澪(唯手元に集中して足がふらつき過ぎだ)

梓「…………」

ジャラーン♪

梓「……言わなくても分かると思いますが……」

唯「ごめんごめん~。転びそうになって変な体勢で弾いちゃったから」


唯「澪ちゃんありがとね。結局弾き終わるまで体預けちゃった」

澪「別にいいよ。唯がそんなのは高一の頃から分かってるし」

唯「デヘヘ。すいやせん///」

梓「」ムムムッ

律「はぁ~もうちかれたぁ~!」

梓「お疲れ様でした」カタヅケ

紬「梓ちゃん?」

梓「実は今日はこのあと用事がありますので。これで失礼します。律先輩いいですか」

律「あ、ああ。気をつけて帰れよ~」

梓「失礼します」ツカツカ ガチャ

唯「……あれ、あずにゃん怒っちゃったのかな。言われたところちゃんとできなかったから」

紬「よ、用事があるって言ってたからきっと急いでいたのよ」

律「でもなんかちょっと顔しかめてたぞ?」

澪「まあなんかあっても誰にだってそういう日はあるだろ。聞かれたくないこともあるかも」

唯「あ、明日は頑張るよ!」


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