シェリー「ママは…いつもそうやって私より仕事を優先する…今回だって…。こんな時になっても私を置き去りにして……」
アネット「シェリー……」
シェリー「でもハンクと澪はそんな私を守ってくれたの!会ったばかりの私を命懸けでママに会わせようとしてくれた……だから…」
澪達も休憩室に到着し、一目見ただけで状況を唯一把握出来た澪がアネットに言う
澪「アネットさん…、ハンクは確かにあなたの夫の仕事を奪ったかもしれません。けれどその成果はまた犠牲を産み憎しみの連鎖を作っている…そのこともご存知ですよね?」
澪はアンブレラに荷担しているあなた達も恨まれる対象なのにそれを無視し、一方的にハンクを責めるアネットが許せなかった
アネット「……」
澪「一重に全てのアンブレラの人が悪いとは私も思ってません……けれどそうやって作った物で人が死んでいると言う事実に目を背けないでください」
アネット「なら私はどうすればいいの……」
澪「……シェリーと、幸せに暮らしてあげてください。仕事は出来れば夕方には終わるような……そして帰って来たら話を聞いてあげてください。学校であったこととかを……」
シェリー「澪……」
澪「人は誰でも何かしらの罪を背負って生きてるんだと思います……私も…そうです」
私のせいで人を殺めてさせてしまった罪は、一生消えないだろう
澪の後ろにいた律も話し出す
律「私もだよ、澪。背負い切れないぐらい…私は罪を犯した」
人を撃ち仲間を傷つけた罪、全て過去のことなんて水には流せない。どんなに仲間が許してくれても、私は忘れないだろう
和「それなら私もよ…。」
澪「和も……?」
和「私の指示や実力が及ばないせいで何人もの人が死んだわ。それに……忘れてはいけない」
このバイオハザードをプレイする全ての者への、和からのメッセージ
和「ゾンビだって…BOWだって…元は人間なのだから。これは詭弁かもしれないけど…私は斬ったゾンビの数罪を背負って行かなくちゃならないのよ」
そう、忘れてはいけない
彼らもまた無念半ばで半死した、人間なのだから
澪「でも…私は償うことは出来ると思うんだ。私がそう思ったのは…彼……ハンクのおかげなんです」
アネット「……彼が?」
澪「彼にはその時の記憶がないんです。多分それは本当でしょう。でなければ彼が身を呈して私を守る何てことあり得ませんから。ハンクは……そんな簡単に人殺しが出来るような人じゃない」
彼は署長を撃った際本当に後悔していた。
自分が撃たれるとわかっていても、署長がどんな人間かわかっていても、自分からは撃てなかったのだから
シェリー「ママ……ハンクを……許してあげて」
アネット「…………。シェリー、あなたはいつの間にか大きくなったわね…。パパを撃った人かもしれない人を許せだなんて…」
シェリー「ママやパパがいつも言ってたから……もう一人で決めれる歳になった、だから自分の善悪は自分の気持ちでしっかり考えて決めなさいって」
それはシェリーが私達の様にならない為に言った言葉だった。
自分の言葉を忘れて…それを子供に言われるなんてね…
アネット「……わかったは、シェリー」
アネットは静かに銃を下ろした
澪「アネットさん…」
アネット「でも勘違いしないで。あなたがいくら記憶を無くしていようとあなたの犯した罪は消えない。澪の言う通りずっと背負ってもらうわ」
ハンク「……元より覚悟の上です……」
アネット「ならもし記憶が戻っても、こんなことは二度としないで、約束してくれるかしら?」
ハンク「わかった、約束しよう。こちらからも1ついいか?」
アネット「何かしら?」
ハンク「シェリーをよろしく頼む……。」
アネット「言われなくてもね。シェリーは私の大事な娘なんだから……」
シェリー「ママ……」
律「これで本当の一件落着だな!」
和「そうね、締めもよくていいわ」
アネット「あなた達はまだでしょう?シェリー、ちょっといいかしら」
シェリー「?」
アネットはシェリーの首元にぶら下がっているペンダントを開けると、中から小さな小瓶を取り出した
アネット「Gウイルスよ。あなたの家族をこれで助けてあげて」
律「……でも…それがまた悪用されたら…」
アネット「大丈夫よ……彼のことは良く知っているから。」
律「どう言う意味?」
アネット「このGウイルスを使って何かしようなんて思ってないわ彼は」
和「そうね、大方みんなで競わせてそれを楽しんでたってとこかしら。Gウイルスは言わば家族と言う名の景品を交換出来るチケット……てところかしらね。言い方は悪いけど」
律「和……ウェスカーのこと知ってるのか?」
和「ただのS.T.A.R.S.の面汚しよ」
ハンク「げっふげっふ!あの、空気読まないようで悪いんだが……そろそろ限界……」
澪「あっ!ハンクの治療忘れてた!」
ハンク「えっ……?それ最優先事項だろ普通…」
アネット「そう言えばその裁縫箱は…」
澪「はい、研究室にあるのを借りて来ました。ハンクの脇腹の傷口の血が完全に止まらないので縫おうと思って…」
アネット「貸しなさい。私がやるわ」
ハンク「おいおい縫うなんて冗談だろ…?」
澪「シェリー、押さえつけるぞ」
シェリー「うん♪」
二人でハンクを押さえる
ハンク「えっ……本当に縫うの?縫う流れなのこれ?」
律「……」
さっきの話をまだ深く考えてる様子の律にアネットは言った。
アネット「あなたなら大丈夫よ、シューテングスター田井中律」
律「!!わ、私にもあったんだ……」
和「えっ、そこ喜ぶところかしら?」
痛々しいハンクの手術が終え皆唯達がいるこの下のプラットフォームへ行こうとした時だった。
バンッ!
急に勢いよく休憩室の扉が開く
梓「問題発生です!大変です!」
唯「大変なんだよ!って……あり?何か物凄いいっぱい人がいる……」
律「まあ来たときは四人だったから当然の反応だな。で、どうした?」
梓「あぁ~もうとにかく来てください!細かい話は後にしましょう!」
梓に急かされるまま全員プラットフォームへと続くエレベーターに乗り込む形となった
澪「しかし唯はともかくいつも冷静な梓がこれだけ慌ててるってことは」
律「……でもまだランク的には2番目だよな。もし和がこのテンションで来たら私は死を覚悟するよ」
和「さりげに失礼よね律って」
律「そうか?」ニコ
澪「(あれ?何か前より仲良くなってる気が…)」
プラットフォームへついた一同は電車の前に集められた。
澪「で、何が大変なんだ?」
律「こう言うのは常に最悪の事態を想定して聞くんだよみんな。そうだな~この事態で一番最悪って言ったら電車が動かない、かな!」
唯「ピンポーン!大正解!」
梓「律先輩が先に言ってくれて良かったです。これでみんなのショックもやわら……」
他一同「な、なんだってー!?」
澪「まさか本当に一番最悪な事態が起こるなんて……」
和「マジで?!」
律「さて、死んだフリ……」
シェリー「ママ、電車動かないとどうなるの?」
アネット「そうね……簡単に言えばシェリーの好きなアニメが何回も何回も同じ内容を繰り返し放送されるくらい大変ね」
シェリー「やだー!」
ハンク「俺の生還無駄wwwwww」
アネット「ふざけてる場合じゃないわ。電気系統は問題ないのお二人さん?」
梓「はい、マニュアル通りに立ち上げましたから。プラグもセットされてます」
アネット「話のわかりそうな子で助かったわ。ちょっと中の様子を見るわね」
唯「おばさんわかるんですか?」
アネット「アネットよ天然ちゃん。次言ったらGウイルス射ち込むから」
律「こわっ」
アネット「冗談よ」
ハンク「ヘイナイスアメリカンジョーク!」
シェリー「イェーイ!」
パンッ
澪「え、何でハイタッチ……」
律「日本人にはわからない空気だな…」
唯「イェーイ!私も私も~」
和「唯ってハーフだったかしら…」
律「天然恐るべし……っ」
──────。
アネットは一通り見て回るすぐに動かない原因を弾き出した。
アネット「単純に電力が足りないのと老朽化によるブレーキの故障……辺りかしら。」
ハンク「他にもあったぜ。オイルが不足してるのと電線ケーブルが漏電してる」
アネット「あなた記憶は……」
ハンク「体が覚えてるってやつだな。見た瞬間気付いたんだ」
アネット「あなたイケる口ね」
ハンク「それほどでも」
律「足りないものだらけだな…とりあえず手分けして探すしかないか」
アネット「その必要はないわ。あなた達は他にやることがあるでしょ?こっちの事は私達に任せてくれないかしら?」
澪「私達と言うと?」
アネット「私にシェリーにハンクよ」
ハンク「俺も?」
アネット「人手が足りないのよ。それに知識がある人じゃないと」
ハンク「怪我人をこきつかいやがるぜ…わかったよ。やればいいんだろやれば」
アネット「シェリーは材料を集めて来て。このプラットフォーム内にあると思うから」
シェリー「わかった!」
アネット「ということよ。私達が電車を直している間あなた達は律の家族を助けに言ってあげて」
律「アネット…」
ハンク「嬢ちゃんなら出来るさ!澪の恋人だろ?」
澪「ハンクっ///」
律「みんな…私の為にすまない」
唯「私のお父さんやお母さんも捕まってるんだから当然手伝うよりっちゃん!」
梓「軽音部の仲間として当たり前です」
和「大事な友達の頼み何だから、断れないわ」
澪「行こう!律!」
律「うん!」
アネット「プラットフォームの一番奥にあるエレベーターを使いなさい。あそこは地上と直轄してるわ。このキーで動くはずよ」
律「何から何までありがとう!」
アネット「その代わりと言っては何だけど、プラットフォームにいるゾンビ達の退治は任せたわよ」
律「了解!」
二人ツーマンセルになりプラットフォーム内のゾンビを一掃するために走り回るみんな
律のペアは澪だった。
律「あちゃ~これは多いな~」
澪「ほんとだね」
気づくと律と澪がゾンビに囲まれてしまっている。
澪「あ、そうだ、これ」
律「ん?」
澪は紬邸で拾った黄色いカチューシャを律に手渡した
律「お~!これ私のじゃん!よく見つけたね!」
律は直ぐ様それを頭にかける。懐かしい軽音部時代の律がそこにいた
澪「ずっと渡しそびれちゃってさ」
律「サンキューな!澪!じゃあそろそろ行きますか!」
澪「うん!」
律と澪は銃を構えながらお互いの背と背を合わす。二人でいる限り、もう誰にも負ける気はしなかった
二人はゾンビ達に向けていい放つ
律&澪「shall we dance??」
ラクーンシティ編
完
最終更新:2010年05月20日 20:16