唯「君を見てるといつもハートドキドキ!」

紬「揺れる想いはマシュマロみたいにふーわふわ」


いつもがんばるキミの横顔

ずっと見てても気づかないよね

夢の中なら二人の距離縮められるのにな




澪「あぁカミサマお願い 二人だけのドリームタイムくだーさい…」

母「澪…」

唯「お気に入りのうさちゃんだいてーえ!今夜もおーやすみ!いえー!」

澪唯紬律「ふわふわターアイ ふわふわターアイ ふわふわターアイ」


澪「うっ…ゲホッ!ゲホッ!」

母「澪!?あんたやっぱりずっと無理して…」

澪「うぐっ…」

母「澪!しっかり!澪!」





ざわざわ

「すげー」

「うまいねー」

「やるじゃん」

唯「わぁ!」

律「おっしゃあ!」

紬「うん」

さわ子(私グッジョブ!)

唯「みんなーありがとー!」






アンコール!アンコール!

律「す、すげぇ…」

さわ子「りっちゃん、どうするの?続ける?」

律「うん、まだとっておきが残ってるから!唯、紬!」

唯「ほいほい!」

紬「どんとこいです!」

律「それじゃあもう一曲。曲は翼をください。1・2・3・4」




……

和「お疲れさま」

唯「和ちゃん!へへ~、大成功だよ!」

和「見てたよ。頑張ったね」

唯「えへへ」

唯「あれ?りっちゃんは?」

紬「澪ちゃんを探すって出て行っちゃった」



……

律(澪、澪どこだ。見てたか?私達の演奏)

律(澪のために頑張ったんだよ。この日のために毎日夜遅くまで練習して)

律(澪、会いたいよ澪)

律「澪?」

律「すみません、澪を知りませんか?」

通りすがり「澪?誰それ」

律「あの、澪って子を探してるんですけど」

DQN「はあ?意味わかんね。あっち行けよ、しっし」



律「澪がいない」

唯「ええ!?来れなかったのかな…」

先生「さわ子先生」

さわ子「はい?」

先生「病院から連絡がありまして、秋山澪がたった今意識を失って病院に運ばれたとか…」


律「へ?」

紬「嘘…」

唯「澪ちゃんが…?澪ちゃん…うわあああああん!」

律「嘘…ですよね?ああ、ドッキリ?先生も人が悪いんだから。あ、もしかして澪が病気なのもドッキリとか?」

さわ子「りっちゃん落ち着きなさい」

律「なあ!ドッキリって言えよ!澪を返せよコラア!」

パシッ
さわ子「落ち着きなさい!」

さわ子「何も死んだと連絡が来たわけじゃないでしょう…!」

先生「そ、そうだぞ。ただ病院に運ばれただけで」


律「だって…だって…」ウル


ギュウ
紬「りっちゃんも我慢する子だから。女の子なんだから隠れて泣かなくていいんだよ。一緒に泣いてあげるから」

律「う、うわああああああん!」


唯「せんせ~じゃあ澪ちゃんは私達の演奏聴いてないってこと?」

さわ子「そう…かもしれないわね。仕方ないわよ…」

紬「聴かせてあげたかったな…澪ちゃんに…」

律「…グスッ」

律「さわちゃん!先生!お願いがあります。実は」




さわ子「ええ!?」

先生「そんな馬鹿な話があるか!無理に決まってる!」



律「お願いします!じゃないと澪は…澪は…」

さわ子「うーん…協力してあげたいけど…」

先生「無理だ無理!諦めろ!馬鹿が!」

校長「うおっほん」

先生「こ、校長」

校長「話は聞かせてもらいました。私にできることならばぜひ協力したいのだが」



さわ子「校長先生!」

校長「君たちを見ていると何か熱い気持ちが込み上げてきてね。こんなことくらいしかできないが…」

律「いえ、充分です!ムギ、唯!すぐに準備だ!澪のところに行くぞ!」

唯「ほいほい!」

紬「どんとこいです!」





……

病院

ガラガラ
澪「ハアハア」

母「澪…澪…」

院長「なぜここまで放置したんだ!」

医師「澪ちゃん!聞こえるかい!返事をするんだ!」

院長「医師君!絶対に彼女を救いたまえ。彼女と約束したんだろう?」

医師「ええ、絶対に助けてみせます。最善は尽くした、なんて言葉で逃げるつもりはありません」






……

病院

ブロロロ、ガチャ

律「早く早く!急いで準備!ドラムはそこ!アンプはここ!唯!病院の中からコード引っ張ってきて!」

看護師「ちょちょちょ!一体なにしてるんですか!」

さわ子「先生!お願いします!」

先生「あーもう!どうにでもなれ!うおー」

看護師「キャー!キモい!」



ざわざわ

患者「なんじゃなんの騒ぎじゃ」

患者「コンサートでもやるんかの」

律「おっしゃ!準備はいい?」

唯「どんとこいです!」

紬「唯ちゃん、それ私の…」




看護師「院長先生!」

院長「見ていたよ」

看護師「すぐに警察を」

院長「待ちなさい」

看護師「え?」

院長「医師君の気持ちがわかったよ」

看護師「は?」

院長「彼女達に…賭けてみたくなる気持ちが」





……

律「すぅぅ、澪ー!」

唯紬「澪ちゃーん!」

律「聞こえてるかー!今度こそ澪のためだけの演奏だー!いくぞ、1・2・3・4」




紬「今ー 私のー ねがーいごとがー かなうーなーらばー 翼がーほしい」





このー 背中にー

鳥ーのようにー

白いつーばさー つけてくださーい


紬唯


この大空に翼をひろげ 飛んでいきたいよー

悲しみのない 自由な空へ

翼はためーかーせー

行きたい





……

医師「澪ちゃん聞こえるかい?」

澪「ん…んん…」

医師「君のために部活のみんなが来てくれたんだよ」

澪「みんな…」

医師「気付いたのかい!?」


澪「みんなの演奏…聞きたい…」


医師「ああ!ほら、起きれるかい?」

医師「澪ちゃん、見えるかい?」

澪「見えるよ…見える」

医師「あんな重そうな道具をわざわざ…君は最高の友達を持ったね」

澪「うん…自慢の…ゴホッ」



澪「自慢の友達なん、だぁ」ニコッ

医師「澪ちゃん…」





……


今ー 富とかー

名誉ーならーばー


(澪、ちゃんと聴いてる?私達の演奏)


いらないーけどー 翼がーほしーい



(見ない内にうまくなっただろ?みんな澪のために練習したんだぞ)

(次は澪のパートだからな!)






こど…き… ゆ…みたことー


(聴いてるよ、律。ドラム上手くなったな)


今…おなじ 夢にみ…る



(ごめんね、みんな。もう、ちゃんと歌えないや)







この大空にー! 翼をひろげー! とんでー行きたいよー!


悲しみのない 自由な空へ 翼はためーかーせー


律紬唯「行きたいー!」

律「ハアハア」


唯「りっちゃん!」

紬「りっちゃん」



律「届いたかな」

唯「うん!」

紬「きっと澪ちゃんも一緒に歌ってくれたわ」

律「澪…大丈夫だよな?」

警備員「こらー!いい加減にしなさい!」

先生「うわーもう押さえ込めない!」

律「ヤバい!逃げるぞ!」

唯紬「どんとこいです!」








……

律「う…う~ん…澪ぉ」

唯「りっちゃん!りっちゃん!」

律「んぁ!あれ澪は?」

唯「もぅ!まだ寝ぼけてる!今日は3人で居酒屋に来たんでしょ!」

律「あ、ああ。そっか、そうだったな」

紬「りっちゃん…大丈夫?」

律「へ?」

唯「涙が」

律「あ、あれ?おかしいな…」ポロポロ

唯「じ、じゃあ今日はお開きにしますか。明日も旦那の弁当作らなきゃないし」

紬「そうね、私も明日早いの。大丈夫?りっちゃん?」


律「うん、そうだな」ゴシゴシ

律「よし!今日は楽しかった!明日からまた頑張れそうだよ!」

唯「えへへ、良かった」

紬「またこうやって3人で会いましょうね」

律「4人だよ」

唯「そう、だね」

紬「うん、澪ちゃんも一緒」











10年たっても澪のことをこんなに想ってくれる人達がいるんだぞ
お前は幸せ者だな





Fin



最終更新:2010年01月28日 03:51