放課後

トントン

澪「やっぱり来た!」

律「よしみんな。作戦通りいくぞ」

紬「おー♪」

澪「ムギ、なんか楽しんでないか?」

紬「こういうことやってみたかったの♪」

律「と、とりあえず入れるぞ。どうぞー!」

ガチャ

唯「失礼しまーす。生徒会の平沢です。あの、昨日はすいませんでした」

律「いいっていいって!まあ座れよ!」グイ

紬「すぐにお茶とお菓子を出すわね♪」

唯「あ、あの(言わなきゃ・・・人数のことを・・・でもお菓子食べたいよ)」

紬「はい、おまたせ」カチャカチャ

唯「えっと(うう、おいしそうだよ・・・でも今言わなきゃまた忘れちゃう!)

唯「あの!」

律・紬・澪「!!!」

唯「軽音部の部員は実際何人なんですか?(よし!言えた)」


律「よ、四人ですよ~?なあ澪」

澪「え?あ、ああ・・・」

唯「じゃあもう一人はどこですか?」

律「ギクウ!それはその~あはは!」

唯「どうしたんですか?」

律「なんというかその・・・風邪で休んでるって言うか・・・みたいな?」

澪「律・・・もういいよ」

律「い、いいって何が?私たち4人でしょ?今日はたまたま・・・」

紬「そんな嘘、すぐにばれてしまうわ・・・」

律「う・・・」


唯「じゃあ部員は・・・3人なんだね」

澪「ごめんなさい」

律「どうしても廃部にしたくなかったんだ・・・」

紬「このことはすぐ生徒会に報告するの?」

唯「ううん。すぐじゃないけど、来週までに言ってくれって」

律「じゃ、じゃあ」

律「来週までに部員集めるから、報告ぎりぎりまで待ってもらえないか!」

唯「え?」

律「おねがい!」



唯「(いきなり廃部になるのはかわいそうだもんね)
  うん、じゃあ来週まで待つよ」

律「あ、ありがとう!」

澪「ほんとにいいのか?」

律「あ、じゃあさ!来週まで暇だろ?」

唯「え?うん」

律「それなら毎日遊びに来いよ!お茶もお菓子も出るぞ!」

唯「そんなあ悪いよ~」

律「遠慮すんなって!」



律「そういえば自己紹介、まだだったな」

唯「あ、私は平沢唯です」

律「(平沢唯・・・?聞き覚えがあるような・・・)」

律「私は田井中律。こっちはベースの秋山澪と、キーボードの琴吹紬」

澪・紬「よろしく」

澪「平沢さん。迷惑だったらごめんね」

唯「そんなことないよ~。それに、唯でいいよ!」

澪「えっと、ゆ、唯?//」

唯「(かわいい!)」




金曜日

澪「で、なんだかんだでもう金曜日なわけだが」

律「うう・・・部活入ってない知り合い全員に頼んだけど無理だった・・・」

紬「私も・・・」

唯「みんな・・・ごめんなさい」

紬「唯ちゃんが謝ることないわ」

澪「ああ、唯は来週まで待ってくれてんだし。感謝してるよ」

唯「違うの・・・そうじゃなくて・・・私のせいなんだ グスッ」

律「・・・唯、ちょっといいか」ガシッ

唯「え、ちょ、ちょっとりっちゃん」タッタッタ

バタン

澪「律・・・唯を連れていってどうするんだろ。もしかして律も気づいたのかな」

紬「わからないけど・・・りっちゃんなりの考えがあるのよ。
  りっちゃんを信じて待ちましょ?」

澪「そうだな。律はあんなことで唯を責めたりする奴じゃないよな」

紬「ええ♪」



……

唯「り、りっちゃん。こんなとこ連れてきてどうしたの?」

律「唯・・・。お前さ、4月の終わり頃軽音部に入部届け出したろ?」

唯「・・・うえ、知ってたの」

律「ちょっと前に思い出したんだ。さっき謝ろうとしたのもそのことだろ?」

唯「うん・・・私が入るって言っておいて辞めたせいで・・・
  軽音部がこんなことになっちゃって・・・ごめんなさい」

律「やっぱりな。そんなことで謝る必要ないのに」

唯「ううん・・・ほかの二人は知ってるの?」

律「さあなー。でも二人とも私なんかより賢いからな。覚えてると思うよ」

唯「やっぱり・・・謝らないと」

律「だから謝る必要ないって!二人も絶対に唯を責めてなんかないから!」

唯「うう・・・グスッ、でも」

律「いいって言ってるだろ?それにさ、澪も言ってたけど唯にはむしろ感謝してるんだよ。
  軽音部を少しでも存続させるチャンスをくれてさ・・・」

唯「でも・・・でもりっちゃんがあんなに軽音部を残そうと努力してるのに・・・
  噂で聞いたんだよ?この数日は他のクラスとか上級生のとこまで行って勧誘したって」

律「はは・・・結局全部だめだったけどな。変人みたいな目で見られたし。
  そりゃこの時期に知りもしない奴がいきなり勧誘してきたら気持ち悪いよな」

唯「なんでりっちゃんはそこまで軽音部のために頑張るの?
  それに・・・澪ちゃんとムギちゃんにはそのこと言ってないよね?さっきは知り合いに頼んだって」

律「二人に迷惑かけるわけにはいかないから。あいつら良いやつだからさ、
  私がそんなことしてるって知ったらきっと手伝おうとする。
  澪なんて知らない上級生と話ししたら緊張でぶっ倒れちゃうよ」


律「それにさ、もとはと言えば私があの二人を半ば無理やり軽音部に入れたんだ。」

唯「そうだったの?」

律「ああ、本当は澪は文芸部。ムギは合唱部に入ろうとしてたんだ。」

律「でもいろいろあって二人とも軽音部に入ってくれて。だから私は二人のためにも軽音部を
  終わらせたくなかったし、みんなでもっと楽しいことをしたかった。でも結局こんなことに
  なっちゃって・・・」

唯「りっちゃん・・・」

律「本当は私が二人に謝るべきなんだよ。それに唯にも・・・
  せっかく協力してくれたのに部員見つけられなくてごめんな」

唯「うぅ・・・そんな グスッ」

律「はは。泣くなって!よしよし」ナデナデ

唯「うああああん」


律「でさ、唯は一度は軽音部に入ろうとしたんだよね?なんか楽器できるの?」

唯「ううん。カスタネットくらいしかできなくて・・・軽音部はそういう軽い音楽やる部
  だと思って入ったんだけど、あとでギターとかやるものだって知って・・・ごめん」

律「あはははは!軽い音楽ねえ・・・そうだ!」

唯「どうしたの?」

律「そういえば唯ってさ、まだ私らの演奏聞いてないよね?」

唯「うん(そういえば練習とかも見てないや)」

律「よーし!」ダダッ

唯「りっちゃん?」




バンッ!

澪「律!済んだのか?」

律「二人とも!最後にさ、唯のために演奏しようぜ!」

紬「まあ、いいわね♪」

唯「え、演奏してくれるの?」

澪「そう・・・だな。唯が来てから一回も練習してなかったし」

ドタン バタン

律「準備完了!じゃあいくよ~ ワン、ツー、スリー、フォー!」

♪♪翼をください♪♪

ジャーン

唯「わあ♪」パチパチパチパチパチ

律「へへ・・・どうだった?」

唯「なんていうか、すごく言葉にしにくいんだけど」

律「うん」

唯「あんまりうまくないですね!」

律「(バッサリだあ・・・)」

唯「でも、なんだかすっごく楽しそうでした!こんなに楽しそうな部活なら・・・
  私も入りたかったです・・・それなのに・・・私は・・・うう グスッ」



澪「ありがとう。でも気にしなくていいよ」

紬「唯ちゃんには生徒会の仕事があるものね」

律「唯が最初で最後のお客さんになっちゃたけど、褒めてくれてうれしいよ」

唯「(私はたぶん・・・すごく軽音部に入りたいと思ってる。
   でも駄目だ、生徒会にも入ったばっかりだし・・・一度抜けておいてやっぱり入ります
   なんて・・・)」

唯「みんな・・・ごめん。生徒会を投げ出すわけにはいかないんだ・・・
  あれだけ頼んで入れてもらったんだもん」

ガチャ

和「失礼します。生徒会です」

唯「!!!和ちゃん!?」


和「文化祭準備に関する文化系部用の資料を持ってきました。どうぞ」

律「あ、ああ、どうも」

和「唯・・・偶然会ったからついでに言っておくけど・・・」

唯「ほえ?(偶然なの?)」

和「あなたは、あなたの一番やりたいことをやればいいのよ」

唯「え・・・」

和「私に遠慮して生徒会に無理にいる必要はないってこと」

唯「でも・・・あんなに入りたいって頼んで入れてもらったし」

和「怒ったりしないわよ。唯の興味がすぐ変わるのはいつものことでしょ?」

和「それに・・・唯の性格じゃ忙しい生徒会にはむいてないしね」

唯「ぶー!ひどいよ和ちゃん!」

和「ふふっ。それに唯に向いてるのは、いつものんびりしてて、でもやる時はやる。
  そんなところじゃない?」

唯「和ちゃん・・・」

和「じゃ、あとは自分で判断しなさい。失礼しました」

バタン

唯「(・・・ありがとう和ちゃん。私決めたよ!)」




律「なんだったんだろうな」

唯「あの!」

澪・律・紬「!」

唯「あの・・・一度取り消ししておいて厚かましいのはわかってるんだけど!
  でも、この数日間みんなと過ごしてとっても楽しくて、
  それで今みんなの演奏を聴いて思ったんです!私も入りたいって。」

唯「私を軽音部に入れてください!!!」

澪「・・・」

律「・・・」

紬「 ニコッ」

律「ば、ば、ば、ばんざーーーーーーーーい」

澪「軽音部へようこそ」

紬「歓迎いたしますわ♪」









次の年の新歓



唯「どうもー!軽音部です!」

唯「えと、新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます!」

唯「わたし、最初軽音部って聞いて、軽い音楽だと思ってたんですよ」

唯「でも、ギターとか使うって知って、怖くなって一回入るのやめちゃったんです」

唯「だけどいろいろあって、軽音部のみんなと友達の
  優しさのおかげで結局入ることになりました」

唯「だからみなさんも私みたいに楽器ができなくても怖がらないで、
  気軽に入部してください」

唯「じゃあ次の曲!”私の恋はホッチキス”!!!」



おわり