…………
梓「唯先輩!手首見せてください!」
唯「ふぇ!?あずにゃん……どうしたの?」
梓「ムギ先輩から聞きましたよ!この前、私が怒って帰った後に、部室で泣きながらリストカットしようとしたんですって!?」
梓「他にも変なことしてないかチェックです!」ガシッ
唯「なっ……む。、ムギちゃん、なんで言うのさ!///」グ、グ、グ…
紬「ごめんなさぁい……話の流れでぇ……///」ポワポワポワーン
唯「どんな話の流れなのお……」グ、グ、グ…
律「でも、恋人の凶行を咎めるのも恋人の役目だろー」ハハハ
唯「ふゎ///……恋人……///」ポワーン
梓「つっ、かまえたっ!」ガシッ
唯「あっ!」
梓「……傷跡は……無い。もう片方の手は!?」ギロッ
唯「な……何も無いよお……」スッ
梓「どれどれ……うん。無い」ホッ
梓「はぁ……よかったぁ……」サスリサスリ
唯「……あ……あずにゃん?///」
梓「大事な唯先輩の手首に傷なんかついてたら……はぁ……よかったあ……っ」グスッ
唯「あ……ありがと。あずにゃん///」
梓「って!ありがと、じゃありません!」バンッ
唯「ひいっ!」ビクッ
律「まったく……あの二人は……」ハァ
澪「ほんと……ついこの前に……」
…………
唯『私あんたのことずっと嫌いだったんだぁ』
梓『……えっ』
唯『……ずっとムカついてたんだぁ……』
唯『あんたいつも偉そうにして……』
唯『後輩が自分一人しかいないからって調子こいてんじゃないの?』
梓『そ……そんなこと……』
…………
梓『……唯先輩』
唯『……なに?』
梓『……私、唯先輩の言うとおりにします』
唯『……え?』
律澪紬『……?』
梓『……私、唯先輩のこと大嫌いになります。……どこか見えないところに行ってください』
唯『……!』
…………
澪「……なんてことあったのに……それが今じゃ……」
梓「なんでそんな事するんですか!ヒステリーか何かですか!?」
唯「う……ううぅ……ごめんなざぃ……」ジワッ
律「こっちが恥ずかしくなるくらいラヴラヴだもんなあ……ハハハ」
…………
梓「まったく……心配かけるようなことしないでください」
唯「うん……ごめんね」
律「でも何気に梓のせいでもあるよなー。梓が唯のこと大嫌いって……」
梓「……」
澪「……?あずさ?」
梓「……っぅうう゛うぅっ……うう゛っ゛っ……」ポロ…ポロ…
唯「あ、あ、あ、あずにゃん!?」
律「ど、どうしたんだよ!?」
梓「だがら……だがらいやなんでずう……ヒッグ」ボロ…ボロ…
梓「わだ、わだしのせいでえ……ゆいぜんぱいがぁ……ヒッグ……傷つくなんてえ……わだし……わだしぃ……!」グスッ
唯「あずにゃあん……あずにゃあん……」ダキッ
梓「ヒッグ……ぐすっ……」
唯「あずにゃん、私もう大丈夫だから」ギュッ
唯「あずにゃんに心配かけるようなこと、もう絶対しないから」
唯「わたしは、あずにゃんとずーっといっしょにいるから」
唯「だから……安心して?」
チュッ
梓「あっ……///」
唯「ん?まだたりない?」
唯「じゃあ……えいっ」
チュッ
チュッ
チュッ
チュッ
梓「んぁ……ふぁ……///」ドキドキ
唯「ふふっ……あずにゃんかわいいねっ」ギューッ
唯「じゃあ……もっと……」
律「ええい!やめえ!」ガシッ
唯「ああん!りっちゃんひどいよぉ」
澪「ひどいのはお前らだ!そんなのは家でやれ!///」
唯「ぶーっ!ひどいよぉみんなぁ!ねー?あずにゃん!」ギューッ
梓「んあぁ……ぷぅ……ゆいせんぱいぃ……だあいすきい……///」ポワーン
澪「あずさがこわれた……」
紬「うわあっ……すてき///」ポワポワポワーン
律「ったく……私らだって心配したんだぞ?唯がそこまで思い悩んでたなんて……」
唯「うん……私もね……あの時はどうかしてた」
唯「あの時はね、酷いこと言って、あずにゃんに嫌われて、あずにゃんと距離をとろうと思ったんだ」
唯「でもね、わかってたけど、あずにゃんに「大嫌い」って、あんな冷たい顔で言われたら……」ポロ…
唯「ん……グスッ 悲しいのが……止まんなくて……」ポロ…ポロ…
律「おいおい……唯まで泣き出しちゃったよ……」
唯「それにね……ヒッグ 聞いて」
唯「わだ、わだしは……あずにゃんと……気まずくなって……あずにゃんが私から離れてくれるだけで……ヒッグ……よがったの……」
唯「あずにゃんがあ……たぃ……退部、するって、ぎいて……わだし……そこまでするぎなくて……ヒッグ」
チュゥ
唯「あっ……」
梓「ゆいせんぱい……泣かないでください……」ソッ
梓「あの時のことはもう済んだんです……だからもう良いんです……」
唯「んっ……でも、私はあずにゃんに……」
チュッ
唯「んぅ!///」
梓「……唯先輩。もう良いって言ってるでしょ?」
梓「それ以上言っちゃうと……また大嫌いになっちゃいますよ?」クスッ
チュッ
チュッ
チュッ
チュッ
唯「ふゎ……あずにゃあん……きらいになっちゃあ……やあ……///」ポワーン ポワッポワッ
梓「ふふっ……甘えんぼ先輩……可愛いですっ」ギューッ
律「ああ!もう恥ずかしいな!こいつら!///」
澪「で……でもまあ……仲悪いよりはいいんじゃないかぁ……///」プヒューッ
紬「ふふふ…///」ポワーン
律「はぁ……もう好きにしてくれ……」
唯「あずにゃあん……すきいっ……///」
チュッ
梓「ゆいせんぱあい……だあいすきぃ……///」
チュッ
お、わり じゃないよん?
…………
唯「むう……それにしてもあずにゃん心配だなあ……」
唯「私にひどいこと言われるとすぐ泣いちゃうんだから……」
唯「へへ……でもそんな所もかわいいからだいすきっ///」ポワーン
唯「でも……そんな可愛いあずにゃんだから……誰かに狙われちゃうかも……」
唯「やだよお……あずにゃんが誰かに襲われたりしたら……わたし……」
唯「必 ず そ い つ を 殺 す」
唯「でも私が警察に捕まったらあずにゃんきっと泣いちゃうよぉ……そんなのかわいそうだよぉ……」
唯「私もあずにゃんと離れたくないよぉ……」
「お姉ちゃーん! ご飯だよー!」
唯「はーい!今行く!」
トテトテトテドタン
唯「うい~今日のご飯何~?」
憂「今日は肉じゃがとカレーとシチューだよ」ニコニコ
唯「わぁい!どれも美味しそう!」
テレビ『ドオン!……コレガタイギノタメッテヤツデスカ……』
唯「はっ!?何の音!?」ビクッ
憂「映画のCMだよ。お姉ちゃん」
テレビ『コクミンノショクンニツグ。ゲンザイヲモッテコッカイギジドウシュウギイントウハ……』
唯「これ私、野望篇見たよ~」
憂「へぇ。どんな終わり方だったの?」
テレビ『ハヤクシナイトテオクレニナリマス! オチツケッテ!』
唯「それがよくわかんなくってさぁ……」
憂「へぇ」ニコニコ
テレビ『コレイジョウエスピーノメイヨヲケガスヨウナマネハシナイヨウニ…… バキッ!』
唯「なんかビルの上のスナイパー見えてて……はっ!?」
憂「どうしたのお姉ちゃん?」
テレビ『ホンモノノオガタソウイチロウハベツニイマス』
唯「これだ!これだよ憂!」
憂「ふえ?何が?」
テレビ『ジュウヲステテクダサイ! イノウエ……オマエニオレガコロセルノカ? オガタサン!』
唯「私もSPになる!!」
…………
律「……で?誰の?」
唯「決まってるじゃん!あずにゃんのだよ!」
澪「決まってるのか……」
唯「あんなに可愛いあずにゃんだよ!?誰かがついてあげなきゃ悪い人に狙われちゃうよ!」
律「いや知らないけどさ……」
唯「私がずっとあずにゃんの傍にいて……あずにゃんを守ってあげるんだよ!」
紬「唯ちゃんたら……そんなに梓ちゃんの傍にいたいのね」ニコニコ
ガチャ
梓「こんにちはー」
唯「あっ、あずにゃーん♪」ダキッ
梓「ふふっ、唯先輩。憂から聞きましたよ?私のSPになるんですって?」
唯「おっ、もう情報がマルタイに降りてるんだね!私がSPの平沢唯です!」ピシッ
梓「ぷぷっ」
唯「!?」
梓「唯先輩が私のSPですって……ぷぷぷ」
梓「唯先輩……多分映画か何かの影響だと思いますけど……」
梓「SPってのは、知力、体力、精神力などに長けてる人がなれるもので……」
梓「どんくさくておバカで優しくて可愛い私の大好きな唯先輩がなれるものじゃなんですよ」プププ
律「デレた」
澪「デレた」
紬「梓ちゃんも唯ちゃんが大好きなのね~///」ポワーン
唯「なっ!私がどんくさいですってえ!?」
律「気づいてねえし」
唯「聞きづてならないよ、あずにゃん!」
唯「見てよこの私のSPばりのアクション!」
しゅばばばば!
律「反復横とびしてるだけじゃん」
澪「しかも大して早くない……」
唯「はあ……はあ……づかれた……」
紬「そして体力ないのね……」
梓「ぷぷぷ。わかりましたか唯先輩。唯先輩は黙って私というテロリストにハートを狙撃され続ければ良いんです」
律「こいつも何か言い出したぞ」
唯「むっ、むむむーっ!上等だよあずにゃん!今日の帰り道に危険に襲われるであろうあずにゃんを私が警護してあげるよ!」
梓「臨むところです!」
律「結局普通に一緒に帰るだけだろ……」
紬「ふふふ……マルタイ×SP……あなたのテロリストは、わ・た・し・ってキャー!///」ポッポー!
澪「ムギも最近壊れだしたよな……」
…………
唯「じゃあまた明日ねー!」
律「おうまたなー」
紬「あーん、私もいくぅ///」
澪「ムギ……やめとけ」ガシッ
紬「あーん澪ちゃんもっと見たいー」ズルズル
唯「……さっ、あずにゃん!行くよ!」
梓「ぷぷっ。よろしくお願いします。甘えんぼ先輩」
唯「……そんな事言ってられるのも今のうちだけだよ」ガバッ
梓「……なにしてるんですか?」
唯「ふふーん。SPはね、警護のときに武器をとりやすくするために上着のボタンは全部開けておくんだよ!」ジャーン
梓「……だらしないから閉じてください」
唯「あっ……うん」シュン
唯(はっ、これじゃマルタイに……あずにゃんに舐められっぱなしだよ!)
唯「……いえ、これは決まりなので!」ピシャーン
梓「……寒いんだから閉じといてください」ピシャッ
唯「あぅ……」
梓(……上着の前開けた唯先輩……ワイルドでかっこよすぎて見てらんないよお///)ドキドキ
…………
唯「……」ジリジリ
梓「……唯先輩」
唯「なんですか?マルタイ?」ジリジリ
梓「マルタイって……そんなにまん前で歩かれちゃ歩きづらいです」
唯「警護ですので」ジリジリ
梓「それに……手つないだままじゃ警護できないでしょ?」
唯「私はあずにゃんの恋人だもん」ギュッ
梓「……!……もう///」
唯「はっ!?」
キュイイイィィィィン
唯(これは……シンクロ!)
唯(解説しよう!シンクロとは、神経成長因子(NGF)というタンパク質の血中濃度の異常な増加がどうたらこうたらで)
唯(要するに勘がすごく鋭くなるのだ!)
唯(これは……嫌な予感がビシビシするよ!)
唯「……何かが起こる」
梓「唯先輩どうしたんですか?」キョトン
唯「あずにゃん気をつけて!何か……何かが起こるよ!」
梓「はあ?」
唯「あずにゃんに起こる危機はこの私が……」
ビシャッ
唯「あ」
梓「あ」
唯(……足元に……水溜りが……)
梓(うわあ……結構深いなあ……)
唯「み……見てあずにゃん!水溜りからあずにゃんを守ったよ!」ポタ…ポタ…
梓「……唯先輩。ダメじゃないですか、ちゃんと周り見て歩いてください」
唯「あぅ……」
梓「あーあ、片足ビシャビシャじゃないですか……ウチ寄ってください。靴と靴下乾かしましょう」
唯「う……うん!」
唯(やった……あずにゃんの家に行く口実ができた!///)ルンルン
最終更新:2011年03月25日 20:26