夜、夕食後

唯「うう~ん…なんか眠いよぉ」

律「はは、唯はお子様だな。ご飯食べたばっかじゃん」

紬「きっと疲れてるのよ。唯ちゃん寝室に案内するわ」

唯「ほ~い…」


紬(ククク)


紬「私が唯ちゃんのご飯に睡眠薬を入れたとも知らず…これで邪魔者はいない…!フフフ…フハハハハ!」



律「ムギの奴どうしたんだ?役者でも目指してんのか?」

澪「さあ?疲れてるんじゃないか?」


律「澪、静かなところ…そうだな、星を見に行かないか?」

澪「うん、いいよ」

律「へへ」

澪「なんだよ」

律「なんか恋人同士みたいだなって」

澪「な!?ば、馬鹿!」

律「ふふ、ほーら、早く行こ」

澪「あ、待ってよ律ぅ!」



キュピーン

紬「はっ!?」

唯「…zzz」



律「ここだとよく見えるよ」

澪「うん…キレイ」

律「澪の方がキレイだよ」

澪「!?」

律「なんちゃってw」

澪「もう!からかうなよぅ」



ダダダダダ

紬「うおおおおおお!!!!間に合え!間に合えええええ!!」

紬「おぉ…神よ…ハアハア」


律「なぁ、澪。私の頭ナデナデしてくれよ」



紬「ホワッツ!!!!???」



澪「いーや」

律「な、なんで!?」

澪「さっきからかった罰だよ」



紬「おぁ…お、お、お…」



……

一方その頃


唯「むにゃむにゃ」

唯「はっ!?」

唯「おしっこおしっこ」


唯に睡眠薬はきかなかった


……

紬「二人がキスをした瞬間このスイッチを押して花火を打ち上げるわ!」

紬「フフフ、私ったら演出家になれるんじゃないかしら」



澪「嘘だよwほら、こっちおいで」

律「むぅ…」

澪「はは、拗ねるな拗ねるな」



紬「ハアハア!む、むふー!!!」



唯「おトイレどこー?」

唯「あ、ムギちゃーん!おトイレどこー?」


紬「げぇっ唯ちゃん!ファック!!!こんな時に!!!!!」

唯「何してるの~?」



ナデナデ

律「ふふ」




紬「な、なんでもないわよ。唯ちゃんは寝てていいわよ。むしろ寝ててください」

唯「うん、寝たいんだけどおしっこ行きたくて。お?」

唯「りっちゃんと澪ちゃん何してるの?」




律「澪とこうしてると…なんか安心するな」

澪「ん~?」

律「澪、またキスしたくなっちゃった」

澪「フフ、いいよ」



紬「唯ちゃんトイレはあっちよ。早く行って」

紬(ああん!いいところなのに!唯ちゃん早くどっかいってよもおおおお!)

唯「お?ムギちゃん、ポッケから何か出てるよ。えい」


唯「ポチッとな」

紬「え?」

紬「えーーーーーーーーーーーー!!!!!」



ドーン(笑)

ドーン(笑)パラパラ




律「うわっなんだ!?」

澪「急に花火が」

律「びっくりしたけど…キレイだな」

澪「うん」

チュッ

澪「!?」

律「へへ、今度は私から」



紬「この蟲野郎!!!!!!!!」

バゴーン

唯「あうあうあー」


……

音楽室

紬「海ではてんすちゃんのおかげで散々な目に合ったわ…」

紬「せっかくリツミオのために用意した花火がわけのわからないタイミングで…ああもう!」



ダダダダダ

ガチャ

唯「大変だ大変だー!」

紬「どうしたの?てんすちゃん」

唯「今そこで先生達の話が聞こえたんだけど…りっちゃんが転校するって!」

紬「なぁんだ転校か」


紬「えーーーーーーー!!!!」


紬「そんな…それじゃあ私は何を糧に生きれば…」ガタガタ

唯「焦らないで!とにかく詳しいことは本人に聞いてみないとわからないよ」

紬「そ、そうよね。早とちりはいけないわよね。さすがてんすちゃん」

唯「えへへ///」



ガチャ

澪「ういーす」


澪「転校!?そんな話聞いてないぞ…」

紬「やっぱりみんなに黙って行く気なのだわ…」

澪「そんな律が転校だなんて…嘘だ…嘘だよ」

澪「う、う…うわ」

紬「うわあああああああああん!!!!あー!!!!!あー!!!おーいおいおい」

澪「…」


律「実は親の都合で引っ越すことになってな」

紬「うわあああああああああん!!!!そんな馬鹿な!!!!」

唯「ムギちゃんうるさい…」

澪「嘘…私はそんな話聞いてないぞ!」

律「うーん、心配かけたくなかったから黙ってるつもりだったんだけど」


澪「そんな…離れたくない…離れたくないよ律」

紬「澪ちゃん…」

律「なんだよしんみりしちゃって!何も一生会えなくなるわけじゃないんだ。電話すればいつでも声を聞けるしさ」

澪「うっ…」

タタタ

唯「あ!澪ちゃん!」

律「あ!おい!澪のやつどうしたんだ?」

紬「…」

紬「りっちゃん…あなたがそんな子だったなんて…見損なったわ!」

律「え?」


律「なにが?」

紬「何がって…りっちゃんの馬鹿ー!」

ダダダ

律「みんな一体どうしたんだよ…唯、何かわかるか?」

唯「…!」

唯「みんなりっちゃんと離れるのが辛いんだよ!私でさえわかるのになんでりっちゃんはわからないの!」

律「…」


……

川原


紬「澪ちゃん!」

澪「ムギ…」

紬「りっちゃん、あまりにもひどすぎるわ…あんなにあっけらかんとして」

澪「…」

澪「律のことは悪く言わないで」

紬「え?」

澪「きっとこれもあいつなりに私達に心配かけまいとしてやったことなの。律、ああ見えて不器用だから」

紬「も…」

澪「え?」


紬「もっふーーーー!!!!!!」


澪「もふ…?」

紬「あ、ごめんなさいつい興奮して…」

澪「そう…」

澪「ムギになら言ってもいいかな…」

澪「実は私と律は付き合ってるんだ」

紬「むふー!!!それでそれで!?」

澪「どっちから告白ってわけじゃないんだけど、自然にそんな風になったんだ」

紬「続けろ」

澪「…?」

澪「実は毎日部活の後に二人で帰ってたんだ。そ、それで手を繋いだり…///」

紬「ふむ、続けたまえ」

澪「この前なんてキキキキスしちゃってさ///」

紬「なん…だと…?」


紬「キス…だと?」

澪「うん」

紬「…」

紬「どどど動画はないの!!???」

澪「動画!?急になにを」

紬「じゃあせめて画像を!!むふーはふー!!!!」


澪「ないよ馬鹿!」

紬「oh…シット!!!!くたばれ!!!!」

澪「そんなことより戻ろう。戻ってちゃんと律と話そう」

紬「そうよね。まだチャンスはあるものね、ウフフ」

澪「?」


……

学校

紬「りっちゃんまだいるといいわね」

澪「うん…」

紬「ん?唯ちゃんの声が」



唯「りっちゃんの馬鹿!オタンコナス!マヌケ池沼!うんたんうんたん♪水虫ワキガ自閉症吐き気を催すようなデコつるぺたガンタンク!」

律「おーい、そろそろ殴っていいかー」


ガチャ

澪「唯、律のことそんな風に言わないで」

唯「あ、澪ちゃん。でも」

律「ふん、どうせお前らも唯と同じこと思ってんだろ。気分悪い。帰る」

澪「律!ちょっとま」

澪「律…」



紬「最後の山場ですねわかります」


紬「あの日以来、田井中律は音楽室に姿を現していないのであった」

唯「ムギちゃん?」

紬「な、なんでもないのよオホホ」

澪「…」

澪「私、やっぱり律に謝ってくる!」

ダダダ



紬「…」

紬「私達も行くわよ!」

唯「ラジャー!」



……

澪「律!」

律「…」

女「律ー、呼んでるよ」

律「いいよ、帰ろうぜ」

澪「いやだ…いや…」

女「帰りカラオケ行こうぜー」

律「おっいいね~」

澪「待ってよ…待ってよ律!」



紬唯「ハアハアハアハアハアハアハア」



律「悪い!行ってて!」

女「わかったー。頑張れよウヒヒ」

律「う、うっせー!」

律「で、話ってのは?」

澪「律…ありがとう」



紬「唯ちゃん!彼女らの軌跡をしかと見届けるのよ!」

唯「ら、ラジャー!ハアハア」



澪「私達…律の気も知らないで好き勝手なことばかり言ってた」

律「…」

澪「律が私達に心配かけないようにってしてくれたことなのに」

律「澪…そんなこと…」

澪「ホント馬鹿だよね。残された時間をこんな無駄に使うなんて…私…ホント馬鹿だ…」ポロポロ



紬「くっはあああああああああ!!!!たまんねぁーーーーー!!!」

唯「ム、ムギちゃん…!ハアハア」

紬「はい!うんたん!それ!うんたん!」

唯「ムギちゃんの白い肌が興奮で紅潮してる…ハアハア」

唯「スリスリしたいよぅ。ムギちゃんにスリスリしたいよぅ」

紬「ついについにリツミオキスが見れるのね!デジカメスタンバイOK!」

唯「ダメ!我慢できない!いただきまーす!」

紬「!?」




紬「」


……

律「いいよ澪」

澪「グスッ…」

律「私こそ意地張って…澪を苦しめてたんだね」

澪「律…」

律「ごめんね澪」

澪「律…律ぅ!うわああああああん!」

律「よしよし」

ナデナデ

澪「ふふ、海の時と逆だな」

律「だなw」

澪「律?」

律「ん?」

澪「その…またして欲しいな…」


律「ふふ、いいよ」

澪「律…」

律「ほら、目を閉じて…」

澪「ん…」



唯『いただきまーす!』

紬『!?』


ゴチーン!

紬「」ガクッ

唯「」ガクッ


4
最終更新:2010年01月08日 01:58