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村でもっとも大きい家に通された五人は、今その家の広間で村長と向かい合って座っている

村長「いやー、よくきてくれましたな!歓迎いたします」ペコリ

村長はかなり年を取っている様だがそのしっかりした体躯から、昔は頑健な若者だったろう事がよくわかる

澪「あ、いえいえこちらこそ」ペコリ

村長「先ほども村の者を助けて頂いたそうで、本当にありがとうございました」

律「いやー、当然の事をしたまでっすよ!」タハハ

村長「いやいや、本当に助かりました、あの魔物達にはほとほと困らされておりましてな」

梓「あの魔物達はよく来るんですか?」

村長「そうじゃのう…あいつらが出る様になったのはここ数ヶ月の事ですのう」

律「あいつら人を襲うのか?」

村長「いや、幸いな事に村人で怪我をしたものはおらんのですが、畑を荒らされるので参っておったのです」

澪「そうだったんですか…」

村長「…さあさあ、魔物とも戦ってさぞかし疲れたじゃろう、依頼の事は明日にして今日はもう休んでくだされ」

梓「え、でも…」

村長「なにも無い村ですが食べ物と寝床ぐらいはあります、せめてものお礼にゆっくり疲れを癒してくだされ」

律「まあ、そう言う事ならお言葉に甘えさせてもらうか」

澪「うん…」

唯「そうだね、さすがに疲れたよ…」

村長「それでは、誰か案内の者を…」

青年「案内なら僕がやりますよ!」

村長「おお、そうか!それでは頼んだぞ」

青年「はい!…じゃあ、皆さん行きましょうか」

挨拶をすませた五人は青年に従って村長の家をでた


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テクテクテク

一行は村の中心部を通る舗装されていない道を進んでいく

周りには木で造られた簡素な家が立ち並びときおり村人達が出入りしている

律「なあ、そう言えばこの村の畑は何を作ってるんだ?」

青年「この村では主に大根を作ってるんだ」

紬「」ピクッ

澪「大根?こんな乾燥していて育つんですか?」

青年「ああ、この辺りのは乾燥に強い種類でね、痩せた土地でもよく育つんだ」

唯「へー、大根か~」ジュルリ

梓「唯先輩…」

一行は村の外れにある一軒の家の前で立ち止まった

青年「さあ、着きました、この村にいる間はここを使ってください」

律「へ~、結構立派な家だな~」

梓「良いんですか、こんなところ使わせてもらって?」

青年「はは、構わないさ、君達は僕らの恩人だからね、それにこの村のために働いてもらうんだからこれくらい当然だよ」

唯「わーい!ありがとうございまーす!」

青年「僕は行くけど、何か必要な物があったらいつでも言ってくれ」

紬「何から何までありがとうございます」

青年「ああ、それじゃ」

唯「ばいばーい!」

青年は身をひるがえしたが、ふと立ち止まると振り向いて口を開いた

青年「あ、そうそう、言い忘れてたけど、夕食は村長が歓迎の宴を開きたいから家まで来てほしいってさ」

律「マジで!?」

澪「歓迎の宴ってそこまで…」

青年「はは、ぜひとも来てくれよ!」

青年は来た道を戻っていった

律「んじゃ、一休みしますか!」

ドア「ガチャ」

律「おじゃましまーす!」

唯「おお!広い!」

木でできた家の内部は綺麗に掃除されており、室内は三つの大きな部屋に別れている

そのうち一つは寝室らしく、簡素な木製のベッドが置かれていた

澪「へー、綺麗なもんだな」

ドア「ガチャ」

梓「澪先輩!こっちにはお風呂もありますよ!」

紬「まあ!」キラキラ

澪「本当か!」

律「よーし!みんなで入るか!」

唯「わーい!」

梓「えー…いやですよ、一人ずつ入りましょうよ」

律「おいおい、そんなことやってたらどんだけ時間がかかると思ってるんだ?」

唯「そうだよ、あずにゃん!わがままは良くないよ!」

梓「わがままって…」

紬「梓ちゃん、みんな一刻も早くお風呂に入りたいのは一緒なのよ?ね?」ハァハァハァハァ

梓「まあ、そうですけど…なんか…」

律「お風呂も広いし問題無いだろ」

梓「そうなんですけど…」チラ

紬「」ハァハァ

梓「……」

澪「梓」ポン

梓「澪先輩…」

澪「諦めろ」

梓「…はい」

紬「それじゃあ私は外の井戸でお水を汲んでくるわ」

唯「あ、私もいく!」

律「風呂焚きはあたしにまかせろー!」


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カポーン…

唯「ゔい~…」

ザバー!

澪「ぷっ、なんだよそれ」ケラケラ

梓「親父じゃないんですから…」

唯「でへへ、ついやっちゃうんだよね」

梓「でもやっぱりお風呂は気持ちいいですすね~」

澪「そうだな久しぶりだし」

紬「…」

梓「あれ?ムギ先輩入らないんですか?」

紬「あ、うん」

チャプ…ザバー

紬「う、ゔい~?」

澪「」

唯「あははは!ムギちゃんなにそれ!」

紬「えへへ…やってみたかったの」///

梓「ぷっ…あははははは!ムギ先輩ってば!」

澪「くく…あははは!」

紬「えへへ」///

アハハハハハハハ!

ドア「ガチャ」

律「おー!なんだか楽しそうだな!」

澪「律!」

梓「律先輩!火の方は大丈夫なんですか?」

律「おう!なんか、ここで使ってる燃料ってどうやら石炭らしいんだ」

チャプ…ザバー

律は手桶で湯船のお湯を汲み体にかけていく

澪「石炭?」

律「ああ、だからあたしらが入る間くらい何もしなくても持つだろ」

チャプ…ザバー

梓「そうだったんですか」

律「さーてと…あたしも仲間にいれろー!」

ジャバーン!

澪「うわ!」

梓「ちょっと、やめてください!」

ジャバジャバ!

律「うぇっへっへ…お姉ちゃんいい乳してまんなー!」

モミモミモミモミ

澪「ひぃ!」

唯「あ!私も!」

モミモミ

澪「やめろー!」

ゴチッ!

律「なんであたしだけ…」

澪「」ハァハァ

紬「うふふふふひ」ハァハァ

律「さて次は…梓ちゃーん!」ガバッ

梓「うわっ!」

律「あ、こら!逃げるな!唯!」

ザバザバ

唯「了解だよ、りっちゃん隊員!」

ガシッ!

梓「ちょっと!唯先輩!離してください!」バシャバシャ!

唯「ふっふっふ、暴れても無駄だよあずにゃん!」

律「観念しろー!」

モミモミモミモミ

梓「にゃ!ちょ…ん…やめっ…!」

唯「おお!なんかエロいよあずにゃん!」

紬「」ムギュウウウウウウウ!

律「う~ん…揉みごこちがいまいちだな…やっぱり澪の方が…」モミモミ

梓「」ピキピキ

律「ん?どしたんだ、梓?」

梓「律先輩…世の中には言って良いことと悪いことがあるんですよ!」

バシャ!

律「うわっぷ!」

唯「わっ!あずにゃんが逃げた!」

律「なに!?」

梓「ふっふっふ、二人とも覚悟してくださいよ…」

律「まずい!退却だ!」

唯「うわー!あずにゃんが怒ったー!」キャッキャ

梓「逃がしませんよ!」

バシャバシャ!キャッキャ!

澪「はぁ…なんで静かに入れないんだ…」

チャプ…

紬「うふふ♪でもとっても楽しいわ」

澪「ふふ、まあそうだな…」


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紬「ふぅ、いいお湯だったわ♪」ホカホカ

澪「そうだな」ホカホカ

律「あー…のぼせた~」グテッ

唯「私もだよ~…」グテッ

澪「お前らはしゃぎすぎなんだよ…」

梓「そうです!自業自得です!」

唯「あずにゃんがあんなに激しくわたしの胸を揉んだから…」

梓「そ、それは唯先輩達が…」

律「あ~、梓に揉まれたせいで巨乳になっちゃったらどうしよ~」

梓「絶対になりません!」

唯「巨乳になったらあずにゃんにも揉ませてあげるね!」

梓「別にいいです!」

澪「はぁ……私は疲れたから夜まで寝るぞ」

律「え~つまんね~」

唯「そうだよ~探検とかしようよ~」

澪「あいにくお前らみたいに頑丈にできてないんだ…ふぁ、お休み~」

ドア「ガチャバタン」

澪は寝室に入ってしまった

律「ちぇー」

唯「あ、そう言えば私も眠いかも~…」

律「なんだよ、唯まで」

唯「やっぱり私も寝よーっと…」

フラフラ…

ドア「ガチャバタン」

澪に続き唯も寝室に入っていった

律「あーあ、あたしも寝よっかな~」

紬「え!?探検は行かないの?」

梓「ムギ先輩、行きたいんですか…」

律「お!行くか、ムギ!」

紬「うん!面白そう!」

律「よっしゃあ!ムギ、あたしに着いてこい!」シャキーン!

紬「了解であります!」ビシッ!

梓(元気だなー…)

律「おい、梓はどーするんだ?」

梓「あ、えっと、私は…」

ズイ

紬が一歩梓につめよる

紬「一緒に行きましょ!」

梓「え、でも…」

ズズイ

紬「行きましょ!」キラキラ

梓「はい…」


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テクテクテクテク

律「うーん!良い天気だなー」ググッ

梓「それでどこ行くんですか?」

律「さぁ?」

梓「さぁって…」

律「いやまあ、じっとしてるのがやだから出てきただけだしな」

紬「あ、それじゃ青年さんのところにいってみない?」


梓「そうですね、でもどこにいるんでしょうか?」

律「まだ畑にいるんじゃないか?」

紬「まずは畑に行ってみよーう!」

律「ノリノリだな…」


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ザクッザクッ

青年「ふぅ…」グイッ

畑でクワを振るっていた青年は体をのばし、手で額の汗を拭った

律「おーい!」

青年「やあ、みなさん…どうかしたんですか?」

律「いやー、ちょっと色々この村でもみてまわろうかなぁ、なんて…」

青年「そうですか……もしよかったら僕が案内しますよ?」

梓「いいんですか?」

青年「ああ、畑仕事もひと段落したしね」

紬「ありがとうございます」ニコ

青年「すまないけど、一回僕の家によらせてもらっていいかい?」

梓「?、全然構いませんけど?」

青年「よかった、畑仕事で汗だくなんだ」


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四人は青年の家に到着した

青年「すぐに着替えてくるからここで少し待ってて」

梓「あ、はい」

ドア「ガチャ」

三人がドアの前でしばらく待っていると家の中から服を着替えた青年が出てきた

青年「お待たせ…あの申し訳ないんだけど…」

律「?、どうしたんだ?」

青年「いや、うちの母がさ、どうしても君たちに寄ってって欲しいって言うんだけど…」

律「え、ああ…うん、構わないぞ」

青年「よかった、悪いけどしばらく付き合って欲しい」


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最終更新:2011年03月17日 05:31