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ガヤガヤガヤガヤ

服屋での買い物を終えた一行はまた大通りに繰り出した

律「頼むぜ~二人とも」

澪「悪い、律……」

梓「すいません、思わず唯先輩のペースに乗せられちゃいました…」

澪「でも、あの服可愛かったな…」

梓「そうですね…」

紬「ふふ、しょうがないわ、こっちに来てからお洒落する余裕なんてなかったもの」

唯「あーあ、残念だったな~、二人ともよく似合ってたのに…」

律「まあ、お洒落は帰ってからゆっくり楽しもうぜ!」

澪「ああ、そうだな、律の言う通りだ」

梓「そうですね…それじゃあ次は何処に行きますか?」

律「そうだな~…」

紬「とりあえず食糧を揃えない?」

澪「そうだな…今私達の持ってる食べ物ってこの携帯食糧だけだよな?」

梓「そうです、でもこれだけじゃ足りませんよ」

唯「食べ物屋さんは反対側の通りじゃなかったっけ?」

澪「ああ、ここからだと結構歩くな…」

律「……よし、んじゃここからは手分けして買い物しよう」

梓「良いと思います、集合は宿屋ですか?」

律「それで良いだろ」

紬「それじゃあ私は食糧を買いにいくわ」

梓「私もムギ先輩と行きます!」

律「じゃあ、あたし等は他に必要そうな物を買ってくるよ」

澪「そんな漠然と…」

律「まあ、まかせとけって、澪」

梓「暗くなる前には戻りましょうね」

律「ああ、わかってる…そうと決まれば早速行動開始だ」


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それから一行は街中を回り旅に必要そうな物を買い集めていった

そしてその日の夕暮れ時には買い物を終え全員が宿へと戻った

律「はぁ~疲れた~」グデー

澪「流石に一日中動き回ってたから体が重い」

紬「りっちゃん達は何を買って来たの?」

唯「じゃーん!こちらでーす!」

ドサドサ

唯が買ってきた物をテーブルの上にばらまいた

梓「へー、結構色々かってきたんですね」

律「ああ、取り合えず日常生活に必要そうなもの一式と、後はこれだ」バサッ

紬「これって、リュック?」

律「そうそう、たぶん今日買った物を全部今のカバンに入れるのは無理だからな」

唯「ムギちゃんちも沢山買ってきたもんね」

梓「五人分ですからね、結構ありますよ」

澪「どんな物を買ってきたんだ?」

紬「ええと、お米とかドライフルーツなんかの乾物を中心に日持ちの良さそうな物を選んできたわ」

唯「いろいろあるね~」

紬「この街って賑わってるだけあって色んな食べ物があったの、やっぱり交易の街なだけあるわ」

律「よし、んじゃこのでっかいリュックは私とあと……」

紬「私が持つわ」

律「大丈夫か?」

紬「ええ、この中で一番力があるのは私とりっちゃんでしょ?」

律「…そうだな!じゃあムギにお願いするよ」

その後一行は手分けして荷造りしていった

澪「ふぅ、これでもう準備は万端だな」

律「今日はもうやることないな」

唯「あずにゃ~ん、一緒にギター弾こうよ~」

梓「珍しいですね、唯先輩から…」

唯「だってなんだかそんな気分なんだもん」

梓「まあ良いですよ、気分転換にもなりますし」

唯「さすがあずにゃん!」

紬「唯ちゃん!」

唯「ほぇ?」

紬「私も入っていい?」

唯「うん、もちろんいいよー」

紬「うふふ、ありがとう」

梓「澪先輩もどうですか?」

澪「私は疲れたからいいや…」

唯「りっちゃんは~?」

律「あたしもパス~、下でお茶飲んでくる」

澪「あ、律、私も行く」

律「ん、わかった」

ドア「ガチャ」

澪「あ、三人ともご飯の時間には降りてくるんだぞ?」

梓「はい、それは大丈夫です、唯先輩がご飯の時間を忘れる訳無いですから」

唯「む、あずにゃん、それはどういう意味~?」

梓「そのままの意味です」フンス!

唯「むむむ~!」

紬「うふふ♪」

律「まあ、明日も早いし程々にしとけよ」

唯「はーい!」

律と澪の二人は連れ立って部屋を出ていった

唯「それじゃやろっか!」

シュィィィィン…

唯達が楽器を取り出すと、周りに小さめの光の輪ができる

梓「音量は小さめですよ!」

紬「ええ、わかってるわ♪」

唯「いくよ!せーの!」


ジャジャ ジャジャ ジャジャジャーン



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テクテクテクテク

一行はまだ朝靄のかかる平原を歩いている

唯「ふむぅ…眠いよ~」

梓「唯先輩しっかりして下さい!」

澪「唯、大丈夫か?」

唯「うん、大丈夫だよ」

律「昨日あんなにはしゃぐからだぞ!」

唯「うぅ~…ごめんなさい~」

紬「まあまあ」

梓「ムギ先輩、荷物は重くないですか?」

紬「大丈夫よ、心配してくれてありがと、梓ちゃん♪」


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テクテクテクテク

律「澪、疲れてないか?」

澪「うん大丈夫、ありがとう、律」

一行が暫く歩き続けると、先に分かれ道が見えてきた

梓「分かれ道ですね」

唯「ここって最初のクエストの時も通ったよね?」

紬「遺跡の調査の時ね」

律「ああ、この前は右に行ったけど、今日は左だぞ」

一行は分かれ道を左へ進む

テクテクテクテク

太陽も昇り朝の市に間に合わせるためであろうか、綺麗に整備された街道を荷馬車や商人風の旅人が時折一行とすれちがっていく

今も一行の横を一台の荷馬車が通り過ぎていいった

ガラガラガラガラ

澪「この辺りって結構平和なんだな」

梓「澪先輩はどうしてそんな事がわかるんですか?」

澪「だって普通、魔物が沢山いるような所を護衛もつけずに一人旅する人なんていないだろ」

唯「そういえば、さっきすれ違った人達は皆一人だったね」

梓「なるほど…でも護衛なんて物を付けるなんて、商売するだけでも大変なんですね」

紬「そうねえ、でも私達の世界でも中世位までは陸路で行商する時は護衛がつきものだったのよ」

梓「え?そうだったんですか?」

紬「ええ、普通はキャラバンっていうものを組んで旅をしていたのよ」

澪「日本語で言うと隊商だな」

梓「へー、そうだったんですか」

律「全くこの二人といると勉強になるな~」

唯「澪ちゃんもムギちゃんも物知りだね!」

澪「そ、そんな事ないよ…」///

律「またまた~、謙遜しちゃって!本当は嬉しい癖に」ニシシ

澪「う、うるさい!」

紬「あらあら澪ちゃんたら赤くなっちゃってかわいい♪」

澪「」///


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梓「ところで律先輩、今日は何処まで進むのか決めてあるんですか?」

律「あー、それなら…取り敢えずこの先で街道が川に近づく所があるからそこまでは行きたいと思ってる」

澪「うぅ…まだ結構あるな…」

律「へへ、疲れたらあたしがおぶってやるよ」

澪「うん、ありがとう、律」

紬(やっぱり律澪は至高ね…!)グッ

梓(ムギ先輩がなにか良からぬ事を考えている気がする…)


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律「ふぅー、今日の所はここまでだな!」

澪「やっとついた…」

一行は今日の目標である距離を歩ききり、街道を少し離れた川べりまで来ていた

傾きかけた太陽が川面をオレンジ色に染めている

唯「綺麗だね!」

紬「そうね~」

しばしその光景に見とれる一行

梓「……さあ、それでは野営の準備をしましょうか」」

律「ああ、そうしよう」

梓「あ、私ちょっと川で顔を洗って来ますね」

唯「あ、私も~」

唯と梓が川へと近づく

パシャパシャ…

梓「ふぅ…さっぱりしますね」

唯「そうだね~、一日中歩いたから顔が砂埃だらけだよ」

パシャパシャ

唯と梓は水際にしゃがみこみ顔を洗っている

律「唯!梓!川から離れろ!」

突然律が叫んだ

唯「え?どうしたの?」

梓「いきなりなんなん……きゃ!」

ザバァァァ!

???「グルルルル…」

川の中から大きな獣が姿を現した

唯「あわわわ!」

梓「唯先輩!早く下がってください!」

唯「う、うん!」

タタッ

紬「唯ちゃん、梓ちゃん、大丈夫?」

梓「はい、律先輩のおかげで…」

グルルルル

ザバ…ザバ…

獣は唸り声をあげながら近づいてくる

唯「こっちにくるよ!」

澪「なんなんだあいつは…熊か?」

紬「あれはアーヴァンクよ!」

梓「アーヴァンク?それってどんな魔物なんです!?」

紬「でっかいビーバーよ、力が強いから腕の攻撃に気をつけて!」

澪「でっかいビーバーって言われたって…」

アーヴァンクは川からあがり、律達と睨みあっている

梓「やるしかないみたいですね…」

律「唯、梓、先制するぞ!」

唯「うん!」

梓「はい!」

ダッ!

三人がアーヴァンクへと向かって駆け出す

グアァァァ!

アーヴァンクは律を迎え撃つように両足で立っている

律「で、でけえ…!」

アーヴァンク「グアァァァ!」ブン!

ヒュッ!

律「危ねえ!」

律はすれすれでアーヴァンクが振り下ろした腕の一撃をかわした

梓「律先輩!」

律「大丈夫だ!」

唯「やあああ!」

梓「はぁ!」

律に気を取られていたアーヴァンクに唯と梓が斬りかかる

ザシッ!ザシュザシュザシュ!

アーヴァンク「ギャアァァァ!」

唯と梓の攻撃はアーヴァンクの腹部に当たったが、厚く覆われた毛皮のせいで致命傷にはならない

梓「効いてないの!?」

唯「か、硬くて深く斬れないよ!」

アーヴァンク「グアァァァ!」ブン!

ガキィィン!

唯「うわぁ!」ドサ

紬「唯ちゃん!」

梓「唯先輩!」

唯はアーヴァンクの攻撃を盾で受け止めたがそのまま吹き飛ばされてしまった

律「この!馬鹿力め!」ブン!

ブシッ!

アーヴァンク「ガァァァァ!」

梓「やった!効いてます!」

律「よし!この調子でいくぞ!」

澪「律!梓!離れろ!」ボゥ!

ババッ!

澪の声で律と梓は魔物から距離をとった

澪「はぁぁ!」ボゥ!

澪は自分の前に発生させた大きな火球をアーヴァンクへと飛ばす

ゴオオォォォ!

アーヴァンク「グギャァァァ!」

澪の放った火球はアーヴァンクの頭部に命中し、魔物は身体をくの字におり曲げ頭を振って炎を振り払おうとしている

澪「ムギ!頼む!」

紬「ええ!」

タタッ…バッ!

紬「は!」ブゥン!

ダァン!バキバキバキ!

紬は飛び上がり勢いをつけて魔物にハンマーを叩きつけた

律「今だ!」

唯「やぁ!」ブン!

梓「えい!」ヒュバ!

ザシュザシュザシュ!ダァン!

アーヴァンク「グァ…ァァ…」ドサ

三人の一斉攻撃を受けたアーヴァンクはその場に倒れて動かなくなった

唯「は~、やった~…」

澪「大変だったな…」

律「みんな怪我は無いか?」

紬「唯ちゃん、大丈夫だった?」

唯「うん、大丈夫だよ!」

律「う~ん、さすがに疲れたな…」

梓「そうですね、さっさと野営準備をしちゃいましょう」

律「そうだな」

紬「じゃあ、私は焚き火を熾してくるわ」

澪「あ、私も手伝うよ」

梓「それじゃあ、私達は食事の準備をしましょうか」

唯「そうだね!」

律「んじゃあ、あたしは魚でもとってくるか」

梓「律先輩、魚なんて取れるんですか!?」

律「おう!まあな!」

唯「それじゃあ今夜は豪勢になるね!」ジュル

律「という訳で澪、先にこっちを手伝ってくれ」

澪「なんでだ…」

律「そりゃあ、魔法でちょっと魚を痺れさせちゃったりなんか…」

澪「はぁ、わかったわかった…」

梓「…そうゆう事ですか」

律「まあまあ、それじゃあ行動開始だ!」


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