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梓(結局、あれからウインドウショッピングをはしごする羽目に…)グッタリ…

紬「梓ちゃん」

梓「はいー…なんですか?」

紬「私ね、梓ちゃんと二人でこうやって歩くのが夢だったの」

梓「え…?」

紬「今までそういう機会が無かったでしょう?」

梓「まあ、そうかもしれません…」

紬「本当はもっと梓ちゃんと仲良くなりたかった、こうやってお喋りしたり、お店を見て回ったり…」

梓「ムギ先輩…」

紬「だからね…今こうやって梓ちゃんと一緒にいられて私、とっても嬉しい!」ニコ

梓(うぅ…その笑顔は反則です…!)

梓「ムギ先輩はずるいです…」ボソッ

紬「ん?梓ちゃんなにか言った?」

梓「なんでもないです!私もムギ先輩と仲良くなれて嬉しいんです!」///

シーン…

梓「あれ?ムギ先輩?」

梓が目を開けると紬は少し先の店の前で立ち止まっている

紬「うふふ、さあ、ここが目的地よ~♪」

梓「あ、いつの間に!待って下さいよー!」

先に歩き出してしまった紬の後を梓は追った


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ドア「カランカラン…」

梓と紬が店の扉を開くと乾燥した埃っぽい匂いが鼻をついた

梓「ここは……本屋さんですか?」キョロキョロ

紬「そうよ、私も来るのは初めてだけど…」

梓「ムギ先輩は本が欲しかったんですか?」

紬「そうよ、でも本と言っても小説じゃないわよ」

梓が辺りを見回しながら呟いたように二人の周囲には背の高い本棚が並んでおり、どの本棚にもぎっしりと書物が押し込められれている

梓「なんだか懐かしい匂いがしますね…」スンスン

紬「私こういう匂いって結構好きなの」

梓「私もです、図書館とかいいですよね」

二人は話しながらカウンターまで歩いて行った

梓「誰も居ませんね…」

紬「そうね…奥にいるのかしら?」

梓「呼んでみましょう……すみませーん!」

梓が声をかけると奥からくぐもった声で返事が聞こえてきた

梓「あ、誰かいるみたいですね」

紬「よかったわ~」

パタパタパタパタ

本屋「やあ、いらっしゃい」

店の奥から店主と思しき老人が姿を現した

紬「こんにちは」ニコ

本屋「すまんのう…滅多にお客が来ないもんだから」

梓「そうなんですか?こんなに沢山揃ってるのに…」

本屋「ほっほっほ、街の連中は本なんぞ滅多に読まんからの」

梓「…なんか勿体無いですね」

本屋「ほっほ、さて、娘さん方は何の本をお探しかな?」

紬「はい、あの、この辺りの魔物が挿絵付きで載ってる本と薬草の本とこの辺りの地図を貰いたいんです」

本屋「地図に魔物図鑑、薬草図鑑か…なんじゃ、お前さん達旅にでも出るつもりか?」

梓「いえ、あの…!」

本屋「ほっほ、まあちょっと待っとれ」

店主はそう言うと立ち並ぶ本棚から数冊の本を抜きっとっていった

ドサ!

本屋「さて、こんなもんかの」

紬「結構ありますね」

本屋「ああ、何種類かもってきてみたんじゃ、ほれ、薬草図鑑はこれなんてどうじゃ?」ペラ

店主は持ってきた本のうち一冊を広げて見せた

紬「う~ん出来れば薬草図鑑も挿絵つきでお願いしたいんです…」

本屋「ほっほ、挿絵つきは値がはるぞい……それならこっちはどうじゃ?」

紬が何冊かの本をパラパラをめくっていく

紬「そうですね……それではこれとこっちのを頂きます」

本屋「そうかい、それじゃあお代は銀貨五枚じゃ」

梓「え?高すぎじゃないですか!?」

本屋「ほっほ、言ったじゃろ、本は値がはると」

紬「それでは銀貨五枚…あと地図を…」

本屋「地図ならおまけじゃ、気前のいい客にはサービスせんとな」

紬「まあ!ありがとうございます」

本屋「ほっほ、またよろしく頼むよ」


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テクテクテクテク

本屋を後にした紬と梓は律達の待つギルドへ向けて歩いていた

梓「むぅ…まさか本があんなに高いなんて」

紬「うふふ、印刷技術が無いからしょうが無いのよ」

梓「そうは言っても高すぎですよ……ああ、あの銀貨でどれだけの事ができたか…」

紬「でも、この本の知識は今の私達には欠かせない物よ」

梓「それはわかってるんですけどね…」

紬「さあ早くギルドにいきましょ♪」

梓「そうですね、だいぶ時間かかっちゃいましたし……ってムギ先輩?」

紬「梓ちゃん!あそこのお店ちょっとみて見ない?」キラキラ

梓「はぁ…」

紬「早く早く!」キラキラ

梓「…もう、しょうが無いですね、少しだけですよ」

紬「うふふ♪」


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ドア「ガチャ」

ガヤガヤガヤガヤ

律「ふ~、着いた着いた」

澪「掲示板は向こうか…」

ギルドに入った律達はクエスト依頼が貼ってある掲示板へと向かった

唯「へ~、結構沢山貼ってあるんだね~」

澪「さて、どれにしようか…」

律達はクエストを物色し始めた

律「おい、澪!これとかどうだ?」

律が貼ってあった一枚の用紙を手に取り澪に見せる

澪「ん~?……ってお前それ赤い紙のクエストじゃないか!」

律「地竜の討伐だって!」

澪「で、できるわけないだろ!戻せ!」

律「へへ、冗談だよ」

唯「ねえねえ!じゃあこれなんかどう?」

澪「ん?どれどれ…」

唯が差し出したクエスト用紙を律と澪が覗き込む

澪「炭鉱の調査依頼か…」

唯「どうかな?これなら私たちにもできそうだよ」

澪「ふむ、危険は少なそうだな…律はどう思う?」

律「んー、良いんじゃないか?」

唯「じゃあこれで決まりだね!」

律「それじゃあカウンターで手続きしてこよう」

澪「詳しい話も聞きたいしな」

律達はクエスト用紙を持ってカウンターへと近づいた

受付嬢2「こんにちは、何の御用でしょうか?」

律「このクエスト受けたいんだけど」

律が用紙を差し出す

受付嬢2「承りました、それでは依頼内容を説明します」

受付嬢は分厚い台帳の様なものを取り出し、パラパラとページをめくっていく

受付嬢2「依頼された内容はニギリ村にある炭鉱内の調査です、依頼主はこの村の村長」

唯「ニギリ村?それって何処にあるの?」

受付嬢2「この街から北西に三日ほど行った所にあります」

律「それで調査っていうのはなんの調査なんだ?」

受付嬢2「はい、二週間ほど前から坑道で怪しい物音がするので心配だから調査して欲しい、とのことです」

澪「それってもしかして…魔物が住み着いたって事ですか?」

受付嬢2「おそらくはそうでしょう、しかし断言はできません、詳しい話は村で直接伺って下さい」

澪「そうなんですか…」

受付嬢2「それでは、契約完了印を押させていただきます」

律「ああ、頼む」

ポン

受付嬢2「今回はこの用紙もお持ち下さい」

受付嬢はハンコの押された用紙を律に渡す

律「ん?なんでだ?」

受付嬢2「今回は報酬を直接依頼主から受け取って下さい、その時にこの用紙にサインして頂くのも忘れずに」

唯「サインが必要なの?」

受付嬢2「はい、戻ってきたらその用紙を再び提出してもらいます」

律「なるほどね、よし、取り合えずクエストはこれでオッケーか」

受付嬢2「クエストの期限は二週間ですのでお忘れなく」

唯「うん!大丈夫だよ!」

律「ひと段落したし、ご飯食べてよーぜ」

澪「そうだな、もうそろそろムギ達もこっちに来るだろうし」


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ドア「ガチャ」

ガヤガヤガヤガヤ

梓「やっと着いた…」

紬「りっちゃん達はどこかしら?」キョロキョロ

唯「あ、ムギちゃんとあずにゃんだ!おーい!」フリフリ


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紬「みんなお待たせ~」

律「ずいぶん遅かったな、二人とも」

唯「そうだよ、もう私達ご飯とっくに食べ終わっちゃった」

梓「いろいろあったんですよ…」

紬「うふふ♪」

梓「それはそうと、クエストの方は決まったんですか?」

澪「ああ、それならばっちりだ」

澪は二人にクエストの内容について説明した

梓「炭鉱の調査ですか…」

紬「今度は違う街にいくのね」

澪「まあ、そんなに大規模な集落じゃないみたいだけどな」

律「出発は…早速、明日には出ようと思ってる」

梓「そうですか、まあ早めのほうがいいですよね」

澪「それでムギ達の方はどうだったんだ?」

唯「そうだよ、買い物ってなんだったの?」

紬「これを買ったの」

ドサ

紬は自分のカバンの中から買ってきた物を取り出しテーブルに置いた

唯「本?」

律「これってなんの本なんだ?随分しっかりしてるけど…」

梓「図鑑です、あとこの辺りの地図も」

紬「ほら、旅に出るなら魔物とか薬草の知識もあったほうが良いと思って…」

澪「確かに、地図も必要だったな!」

律「なるほど、さすがムギ!」

唯「じゃあ早速見てみようよ!」

バサ

唯がテーブルに地図を広げる

澪「ここが今私達のいるポルテリオの街だ」

澪が地図上を指差しながら言う

澪「それでここから北西だから…」

ススス…

澪「ニギリ村はここだな」

唯「う~ん、そんなに離れてるようには見えないね」

梓「でも徒歩で三日かかるんですよね…?」

律「ああ、そう言ってたな」

梓「……夜はやっぱり野宿ですか?」

律「そりゃあそうだろ」

紬「まあ!私、野宿するのが夢だったの!」キラキラ

梓「いや、さすがにその夢はおかしいと思いますよ…」

唯「なんかキャンプっぽいね!」

梓「それでも野宿はいやですよ…」

澪「まあまあ、この辺は気温も過ごしやすいからそんなに大変じゃないと思うぞ」

梓「でも、お風呂に入れないのはちょっと…」

澪「う…それは私も嫌だ…」

唯「私も~…」

律「風呂はなー…しょうがないさ、村についたら入れてもらおうぜ」


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梓「ふう、もうお腹一杯で食べられません…」

唯「ふふ、あずにゃん沢山食べたねー」

梓「そ、育ち盛りなんです!」///

紬「うふふ……それでりっちゃん、今日はこれからどうするの?」

律「そうだな…この後は取り合えず食料と旅用の装備とか着替えを買っておこうと思う」

澪「そういえば私達のカバンにはそういう物って全然入ってなかったな」

律「初めからなんでも至れり尽くせりって訳じゃないさ」

梓「でもお金は有るんだし、しっかりとした装備を揃えましょうね」

紬「そうね、慣れない事だし何があるかわからないものね」

澪「と、いう訳で買い出しにきてみた訳だが…」

唯「旅の装備ってなに買えば良いの~?」

澪「まあそうなるよな…普通の女子高生がわかる訳ないし」

律「取り合えずキャンプ的な物を揃えれば良いんじゃないか?」

澪「う~ん、まあそうかなぁ…」

梓「取り合えず行ってみましょうよ、色々見てるうちにわかるかも知れませんよ」

律「じゃあまずは、服から見て行こうぜ」

紬「そうね、それならわかりそうだし」


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一行はとある服屋へと入った

服屋「いらっしゃい!」

律「へー、結構沢山置いてあるな」

唯「みてみて!この服可愛い!」

澪「こら、唯!可愛い服探しにきたんじゃ無いんだぞ!」

梓「そうですよ、唯先輩!」

唯「でもほら!これも可愛いよ!」

梓澪「「う…」」

梓「くっ…ダメです、そんなもの見せても…」

澪「うぅ…そんなんじゃ釣られないぞ…!」

律(う~ん、女子高生の悲しき性なり…)

紬「えーと、旅装はこの辺ね…」

律「ムギ、何着ぐらい買うのがいいかな?」

紬「う~ん…取り合えず上に着るのは今皆が着てるの一枚で良いと思うわ」

律「そうだな、これじゃ無いと戦闘できないし」

紬「うん、だから取り合えず下着を三組ずつ買って後は部屋着みたいな物を一枚買いましょう」

律「それだけで足りるか?」

紬「ギリギリだと思うけど、あんまり買ってもかさばっちゃうし…」

律「そうだな、後は……お!これなんかどうだ?」

紬「それはマントかしら?」

律「うん、まあマントっていうよりローブみたいな物だけど、これなら厚めだし風除けにも雨除けにもなるんじゃないか?」

紬「良いと思うわ、夜はどうする?」

律「これかけて寝れば良いだろ」

紬「じゃあ服はこれ位で良いわね、私、お会計してくるわ」

律「あたし達も行くよ、おい、澪ー!……って何やってんだ?」

澪「あはは、律ーこの服似合うかなー?」クルクル

梓「あはは、澪先輩とっても似合ってますよ~」クルクル

唯「あずにゃんも可愛いよ~!ほら、こっちも着てみて~」

梓「あはは、もちろんです~」

律「お前ら…」


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