昨夜の潜入作戦から一夜が明け、一行はクエスト完了の報告のためギルドへと向かった

律「いやぁ、昨日は大変だったよなー」

澪「本当だよ、一時はどうなるかと思った」

梓「ムギ先輩、どこか痛んだりしませんか?」

紬「もうすっかり元気よ、心配してくれてありがとう梓ちゃん」ニコ

梓「」///

唯「あ、ついたよ!」

律「よし、それじゃさっさと済ませるか!」


一行はギルドへと入った

嬢1「あら、あなた達…」

一行がカウンターに近づくと受付嬢に声かけられた

唯「おはようございまーす!」

受付嬢1「おはよう、クエストの調子はどう?」

律「へへ、ばっちりだぜ!」

唯「実は私達、今日は完了の報告に来たんだよ!」

受付嬢1「へ?もう!?」

律「ほら、このとーり!」

律が依頼品である笛の入った籠を取り出して見せた


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受付嬢1「それじゃあ、ここにサインして頂戴」

受付嬢が依頼の書かれた用紙とペンを差し出た

律「おっけー」カキカキ

受付嬢1「それにしても早かったわね、少し驚いちゃった」

律「ま、あたし等にかかればこんなクエストよゆーよゆー」

澪「調子に乗るなよ」

紬「まあまあ」

律「んー、これでいいか?」ピラ

受付嬢1「ええ大丈夫よ、今報酬を持ってくるからちょっと待ってね」

律から用紙を渡された受付嬢は一度カウンターの奥へと戻り、小さな袋を持って戻ってきた

受付嬢1「はい、これが今回のクエストの報酬よ」

唯「わーい!」

梓「うふふ、お金…」ニヤニヤ

澪「梓…」

律「あ、そういや楽器は?」

受付嬢1「楽器なら直接楽器屋さんに取りにいって頂戴ね」

律「んじゃ、早速行ってみよーぜ!」

澪「そうだな!」ワクワク

紬「楽しみね!」

律「早く行こーぜー!」

唯「あ!待ってよりっちゃん!」

梓「そんなに慌てなくても…」

澪「…しょうがない、梓、ムギ、行こう」

梓「はあ…まったく…」

紬「あらあら…それでは失礼します」ペコリ

バタバタバタバタ!

ドア「バタン!」


受付嬢1「またね~…ってもう行っちゃったか」

出発を律と唯に急かされ一行は慌ただしくギルドを出発した

受付嬢1「まさか本当にやっちゃうなんてねー…」

受付嬢が先ほど律が記入した用紙を見つめながらつぶやく

受付嬢2「信じてなかったんですか?」

受付嬢1「うわ、あんたいつからいたの!?」

受付嬢2「普通にずっといました、それに今朝挨拶を交わしたはずですが?」

受付嬢1「もう、冗談よ、まともに返さないでよ」

受付嬢2「わかりました」

受付嬢1「はぁ…もういいわ…」

受付嬢2「…彼女達は一体なんなんでしょうか?」

受付嬢1「んー…私にもわからないわ」

受付嬢2「いいんですか、それで?」

受付嬢1「まあねー、あの子達には期待できそうだし」



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ドア「ガチャ」

チリンチリン…

唯「こんにちは~」

一行が店内に入ると店主が気付き顔を上げた

楽器屋「いらっしゃい…ってああ、君たちか」

紬「お早うございます」

楽器屋「お早う、どうだい、クエストの調子は?」

律「それなら…じゃじゃーん!」

律がバックの中から依頼品の笛を取り出した

楽器屋「おお!!それは!!」ガタッ

律「へへーん!」

ギュウゥゥゥ!

楽器屋「こんなに早くやってくれるとは!」

律「いやーこれくらいなんて事ないですよ」

楽器屋「ありがとう!本当にありがとう!!」ポロポロ

澪「泣くほど嬉しいのか…」

律「いや、嬉しいのはわかったからさ、あはは…」


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楽器屋「いやー、本当に君達には感謝しきれないよ」

唯「いえいえ、それほどでも~」///

楽器屋「よし、笛も戻って来た事だし、約束通り君達に好きな楽器を一つずつあげよう」

梓「本当にどれでも選んでいいんですか!?」フンフン

楽器屋「ああ、どれでも好きなのを持って行くといいよ」

唯「やったー!」

唯達はそれぞれ楽器を手に入れた

唯「あずにゃんどれにしたの?」

梓「これは以前ここで弾かせてもらった奴です、やっぱり便利そうだったので」

唯「それじゃあ、私もあずにゃんと同じ奴にしよ!」

律「結局、みんなこの前使った奴を選んだんだな」

澪「まあ、ムギとか選びようないしな」

紬「でも、このキーボード凄く沢山の音が出せるわ」

律「そうだな、上手く使えば普通の楽器より色々できそうだな」

楽器屋「みんな選んだみたいだね」

梓「はい!ありがとうございます!こんなにいい物…」

楽器屋「あはは、いいって、こっちのお礼なんだから」

楽器屋「……それより、早速君達の演奏を聴かせてもらえないかい?」

唯「もちろんいいよ!」

澪「久しぶりだな…」

律「よーし!いっちょ行くぜ!」

梓「律先輩!走らないでくださいよ!」」

紬「なんだかドキドキするわ~」

唯達が楽器に念をこめると、それぞれの楽器が光の帯を出して演奏するための形に変わっていく

唯「うん!ギー太にそっくり!」

梓「ギー太二号ですか?」

澪「なんだよその単純なネーミング」クスクス

律「準備いいかー?」

紬「ばっちりよ♪」

梓「あ!ちょっと待ってください!」

律「どうしたんだ、梓?」

梓「歌どうするんですか!?これじゃあ聴こえませんよ!」

唯「あ……」

澪「そうだった…」

楽器屋「うん?歌もやるのかい?」

紬「そうなんですけど…このままだと楽器の音に消されちゃいますよね」

楽器屋「それなら良い物があるよ」

ゴソゴソゴソゴソ

楽器屋「はいこれ!首にかけてみて」

唯「うん!」

澪「ネックレス?チョーカー?」

楽器屋「そのまましゃべってごらん」

唯「あーあー」

唯の声が拡声されて店内に響き渡った

梓「すごい!」

紬「これで大丈夫ね♪」

律「よーし!唯、たのむぞ!」





唯「うん!それでは…放課後ティータイムで"私の恋はホッチキス"!」



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ジャジャーン!

パチパチ

楽器屋「いやー、素晴らしい演奏だったよ!」

唯「えへへ、そうですかぁ?」///

澪「久しぶりにしては皆上出来だったな」

律「ふぃー、やっぱドラム叩いてる時が最高に楽しいな!」

梓「律先輩!この調子でもう一曲やりませんか?」

律「んー、そうだな……よし!もう一曲いってみるか!」

唯「よーし、じゃあ次は……」

楽器屋「ちょっと待った!」

梓「?、どうしたんですか?」

楽器屋「いや、一つ言い忘れてた事があってね」

紬「言い忘れた事、ですか?」

楽器屋「ああ、えっと、君達その楽器が音を出す仕組みを憶えてるかい?」

梓「確か…この光の羽みたいので音を大きくしてるんですよね?」

楽器屋「そうそう、じゃあその光の羽はどうやって出てると思う?」

梓「えっと、それは…」

楽器屋「その光の羽はね、君達の魔力によって具現化されているんだ」

澪「……それってつまり魔力を吸い取られてるって事ですか?」

楽器屋「あー…まあそうだね」

梓「じゃあもうやめたほうが良いんですか?」

楽器屋「いやいや一曲や二曲ぐらいはどうって事ないんだ、ただ練習する時なんかは気をつけたほうがいいよ」

梓「なるほど…」

澪「まあ、メリットだけじゃないって事か」

楽器屋「さて、腰を折っちゃったけどもう一曲やってくれるんだろ?」

梓「はい!勿論です!」



唯「よーし!次は"ふわふわ時間"!」



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ドア「ガチャ」

楽器屋「なんだか、長居させて悪かったね」

律「そんな事ないって、こっちも演奏できて楽しかったし」

楽器屋「はは、それなら楽器も君達に貰われて本望だと思うよ」

澪「じゃあ、そろそろ行こうか」

紬「そうね、ギルドにも行きたいし…」

梓「今日はありがとございました」

楽器屋「こちらこそ、またメンテナンスでもしによってくれよ」

律「ああ、そうするよ」

唯「ばいばーい!」フリフリ

唯が手を振ると、店主も手を振り返して一行を見送った


一行は楽器屋を後にした

テクテクテクテク

唯「今度はどこに行くの?」

律「取り敢えず……ギルドかな~」

澪「また、新しいクエスト探すのか?」

律「んー、まあそうだな」

梓「でもお金も十分にあるし、無理にクエスト受けなくても良いんじゃないですか?」

紬「お金が欲しいんじゃ無いのよ、梓ちゃん」

梓「へ?それじゃなんでわざわざ…」

律「まあ簡単に言えば、慣れるためかな~」

梓「慣れるため…?」

律「そ、あたし達今まで冒険なんてした事無いだろ?」

梓「そりゃあそうですけど…」

律「だから色んなクエストを受けて戦いとか旅に慣れておかないとダメだろ?」

澪「そうそう、いきなり長旅に出ても上手く行く訳ないしな」

梓「は~、そういう事だったんですか」

紬「それに元の世界に帰る方法も、和ちゃんと憂ちゃんの行方についても何もわかってないじゃない」

梓「あ、そうでした…」

律「そう言うこと、まだこの街で情報収集も続けなきゃならないしな」

梓「律先輩ってちゃんとこれからの事考えてたんですね、少し見直しました」

律「まあな~…ってそれ馬鹿にしてるだろ!」

梓「いえ、律先輩にしては、と感心してるんですが」

律「なんだと~!」

紬「うふふ、実は梓ちゃんが盗賊ギルドに潜入してる間に皆で話し合ったの」

梓「ああ、そうだったんですか」

唯「そうだよ~、私も頑張ったんだからね!」フンス!

澪「そうそう、まあ皆真剣に考えてるって事だな」

一行は大通りの十字路に差し掛かった

律「おっと、ここは…」

澪「ギルドは左だろ?」

律「ああ、そうだったな」

紬「あ、りっちゃん、実は私、ちょっと寄りたい所があって…」

律「ん、ああ、じゃあ先にそっちに行って…」

紬「あ、いいの!大した事じゃないから皆は先にギルドに行って、すぐに追いつくから」

律「そうか?…でも一人は危ないからな~」

梓「じ、じゃあ私がムギ先輩と行きます!」

律「お、そうか?」

梓「はい!任せて下さい!」

紬「いいの、梓ちゃん?」

梓「もちろんです!」

律「よし!じゃあ、ギルドの食堂で待ち合わせな」

澪「時間的にちょうどお昼だしな」

紬「わかったわ、受けるクエストは先に決めちゃって置いて構わないから」

律「ああ、わかった」

澪「それじゃ行くか」

唯「ムギちゃん、あずにゃんまたあとでね!」フリフリ

紬「うふふ、唯ちゃんもね」フリフリ

律、澪、唯の三人は二人を残して先にギルドへと向かった

紬「それじゃ私たちも行きましょう?」

梓「はい!」


……

テクテクテクテク

梓「それでムギ先輩、これからどこに行くんですか?」

紬「うふふ、内緒~♪」

梓「えー…なんなんですか、もう」

紬「うふふ~♪……あ、これ可愛い!」

紬は通りに並ぶある露店の前で立ち止まった

梓「アクセサリー屋さんですか?」

紬「ほらほら!どう?」チャラ

紬はネックレスを首にあてポーズをとって見せる

梓(か、可愛い…!)

紬「あ!これなんか梓ちゃんにぴったりじゃない!」

紬は置いてあったアクセサリーを一つ手に取り梓に当てた

紬「ほら!とっても可愛い!」

梓(ムギ先輩が近い!)///

梓「そ、そんな事やってないで早く目的地へ行きましょうよ!」///

梓がそう言うと紬は急に押し黙り下を向いてしまった

紬「……」

梓「ムギ先輩?」

紬「そうよね……私と一緒に居ても楽しく無いものね」

梓「ちょ、そう言うわけじゃ…!」

紬「いいのよ、梓ちゃん…ごめんね、一人ではしゃいじゃって……」

梓「もう、違いますよ!……ったです!」

紬「え、なに?」

梓「ムギ先輩、凄く似合ってました!とっても可愛かったです!」///

紬「本当?」パァ

梓「もう!なに言わせるんですか!恥ずかしい!」///

紬「うふふ、恥ずかしいがってる梓ちゃんも可愛いわ~♪」

梓「ほ、本当に行きますよ!」///

紬「あ、待って梓ちゃん!あそこのお店も可愛いもの沢山!」キラキラ

梓「」


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