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梓「あの、助けて頂いてありがとうございました」ペコリ

ロッグ「いいっていいって、これぐらい」

戦闘はロッグの一方的な攻撃で終わり、辺りには盗賊達の亡骸が横たわっている

律「でも、良かったのか?あんたこいつらの仲間なんだろ?」

ロッグ「う~ん、まあ、こっちにも色々あるんだよ」

律「そういうもんなのか…」

ロッグ「ま、それはもう置いといて君達はさっさとここを脱出した方が良いと思うぜ?」

梓「そうですね、澪先輩の事も心配ですし…」

紬「澪ちゃんはどうしたの?」

律「外で隠れて貰ってるよ、籠と一緒に」

唯「私達一度脱出してからきたんだ~」

紬「そうだったの…」

梓「それじゃ、また私が案内しますから…ムギ先輩立てますか?」

紬「ええ…」グッ

ヨロ…

ロッグ「おっと!大丈夫かい?」ガシッ

立ち上がり、よろけた紬を正面にいたロッグが思わず抱きとめた

紬「すいません、上手く体が動かなくて…」

ちょうど上を見上げた紬と見下ろしているロッグの目が合う形となった

ロッグ「…!」

ロッグ(か、可愛い!儚く可憐で美しくしかも上品で…)ボー

紬「どうかしたんですか?」

固まったままのロッグに対して紬が小首を傾げて尋ねる

ロッグ(っ!…完璧だ!完璧な女神だ!)

ロッグ「いやっ、なんでもないよ…さっ、お嬢様方、私も出口までエスコートいたしましょう」

ロッグは大仰な仕草でお辞儀してみせる

紬「まあ!それではお願いいたしますね」ニコッ

ロッグ(ぐっはぁぁぁぁぁ!かわうぃぃ!)

ロッグ「そ、それじゃいこうか」


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一行は盗賊ギルドの出口まで戻り地上へと出た

ロッグ「さあ、ここでお別れだ」

律「なんだか世話になっちゃったな」

ロッグ「だから気にすんなって」

唯「ロッグさんって良い人だね!」

ロッグ「だろ~?俺は紳士だからな」

紬「まあ!そうなんですか!」クスクス

ロッグ「いや、まあね、はは…」///


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律「さて、行きますか!」

紬「そうね」

梓「今回は本当にありがとうございました」ペコリ

ロッグ「いえいえこちらこそ、お嬢様方、またいつかお会いしましょう」ペコリ

律「じゃあなー!」

唯「ばいばーい!」

一行は盗賊ギルドの建物より歩き出した

テクテクテク

梓「ふぅ、これで一件落着ですか…」

律「そうだな~、でも今回は大変だった」

梓「そうですね…」

澪「おーい!みんなー」タッタッタ

唯「あ!澪ちゃん!」

前方から走ってきた澪はそのまま一行と合流した

澪「はぁはぁ…ムギ!大丈夫だったか!?」

紬「ふふ、心配しなくても大丈夫よ」ニコッ

澪「よかった……ごめんな、何もできなくて」

紬「ううん、そんな事ない!澪ちゃん、とっても頑張ってた!」

梓「そうですよ、澪先輩の魔法がなかったら危なかったです」

澪「うん、でもごめんな?私、これからもっと頑張るから」

紬「ええ、澪ちゃんありがとう」ニコ

律「ところで澪、お前もう歩けるか?」

澪「ああ、おかげ様ですっかり大丈夫だ」

律「そっか、んじゃ、帰りはムギをおぶってくから…」

紬「えっ?そんなの悪いわ」

律「悪いわけないよ、まだ歩くの大変なんだろ?」

紬「うん…少し…」

律「そんじゃ決まりな!」

律が紬を背負う為に紬の前にしゃがみ込んだ

律「じゃ、そのまま乗っかっていいぞ」

梓「ちょっと待って下さい!」

唯「どうしたの、あずにゃん?」

梓「帰りは私がムギ先輩をおぶってきます!」

紬「ええ!?」

律「いや、まあいいけどさ…」

紬「梓ちゃん、無理しなくていいのよ?」

紬が少し困った風に梓に聞き返す

梓「いえ!ムギ先輩の一人や二人楽勝です!」

紬「そ、そう?それじゃあお願いするわ」

梓が紬の前にしゃがみ込む

梓「さあ、どんときて下さい!」

紬「う、うんわかった」

梓「よい、しょ…」グッ

紬を背負った梓が立ち上がる

紬「大丈夫?重く無いかしら?」

梓「だ、大丈夫です!軽いもんですよ」

律「本当か~?」

梓「本当です!」

一行は再び進みだした

テクテクテク

宿までもう少しというところで梓は背中の重みが増したことに気が付く

梓「…あれ?」ズシ…

澪「どうした、梓?」

どうやら紬が梓の背中で寝てしまった様だ

梓「ふふ、ムギ先輩寝ちゃってる」

紬「すぅ…すぅ…」

律「もう少しだし、起こさない様に帰ろうぜ」

唯「そうだね、あずにゃんそうっとだよ、そうっと」

梓「もちろんですよ」

紬「すぅ…すぅ…」

眠っている紬の顔が梓の首横顔に触れる

梓「ふふ、ムギ先輩…」

この後疲れ切っていた五人は宿につくとそのまま沈む様に深い眠りについたのだった


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ロッグ「……」フゥー

ロッグは一人、ギルド前で煙草をふかしている

カツカツカツカツ

ドア「ギィ」

リーダー「なんだ、こんなところにいたの」

ロッグ「だってリーダー煙草嫌いじゃないですか」フゥー

ドア「ギィ」

ネイク「俺も煙草は嫌いだ」

ロッグ「なんだお前も来たのか、リーダーと俺の二人っきりを邪魔するなよ」

ネイク「ふん」

夜も半ばを過ぎていたが辺りは月明かりで明るく照らされている

リーダー「今日はいい天気ねぇ」

ロッグ「月夜に煙草ふかすのも中々オツなもんでしょう」

ネイク「…お前の方は上手くいったのか?」

ロッグ「そりゃあもうばっちり、それに今回は勝利の女神様がついてたしな」

ネイク「なんだそりゃあ」

ロッグ「こっちの話さ、可愛い女神様がいたんだ」

ネイク「そうか」

しばし三人は無言で月を見上げていた

ロッグ「……」フゥー

リーダー「……いつになっても慣れないわねぇ、短い間とはいえ仲間だった者を殺すのは」

ロッグ「そりゃあ、人間ですからね、そう言うもんでしょう」

リーダー「こんなんじゃリーダー失格かしら?」

ネイク「俺達はあんたについてくだけだ」

ロッグ「はっは、違いない」ニヤリ

リーダー「ふふ、嫌な部下ねぇ」

ドア「ギィ」

見張り1「あ、リーダーご苦労様です」ペコリ

リーダー「あら、もう見張り交代の時間?」

ロッグ「そうみたいっすね」グシグシ

ロッグは地面に煙草を押し付け火を消した

見張り1「あの、リーダー、本当に良かったんですか?今日の見張り今からって…」

リーダー「良いのよぉ、休みも必要でしょ」

見張り1「はぁ、まあ…」

リーダー「さあ、戻るわよぉ」

ネイク「ロッグ、後始末だ」

ロッグ「はぁ嫌だ……ところで、リーダーの方は上手くいったんですよね?」

リーダー「……」

ネイク「…逃げられた」

ロッグ「…え?」

ネイク「逃げられた」

ロッグ「あはははははは!」ゲラゲラ

リーダー「……」

ロッグ「リーダーかっこつけといて今回誰も殺してないじゃないですか」プークスクス

リーダー「ロッグ、あんた後始末、私の分
もやっといて頂戴」

ロッグ「えぇー!なんだよそれ!」

ネイク「ちなみに、通路の壁ごと全部ぶっ壊してあるからな」

ロッグ「はぁー!?ふざけんなよ!寝れねぇじゃん、今夜!」

リーダー「そんなの知らないわぁ」

ロッグ「うわぁ……」ガックリ

ポン

ネイク「まあ、手伝ってやるよ」

ロッグ「サンキュー……」

三人は扉をくぐりまた地下へと戻っていった



第四章 完



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