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カツカツカツ

無精髭「あ?誰だぁ?…ったくここには誰も入れるなって言われてんだ……」

足音を聞きつけてうなだれていた男が顔をあげる

澪「ア、アノー、私、道ニ迷ッチャッタミタイデ……」カクカク


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律「なんだあの棒読みは……」

紬「み、澪ちゃん頑張って…!」

梓「一応、いつでも助けに入れるようにしといてください」

唯「うん、何時でも大丈夫だよ」


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澪「わ、その、私ちょっと、道に迷っちゃって…良かったらここで休ませてもらえたらなぁなんて…」アセアセ

無精髭「あ~、残念だがここには誰もいれらんねぇんだ、とっととどっか行きな」

澪「そ、そんなこと言わないでくださいよ…」ウルウル

無精髭(…ん?おお!こいつよく見るとなかなか可愛いじゃねぇか…)ニヤリ

無精髭「へっへっへ、お嬢ちゃんそれより俺と一杯どうだ?」

澪「あの、すいません、お酒はちょっと……」

無精髭「へっへっへ、つれないこと言うなよ」

男は馴れ馴れしく澪の肩に手をまわしてきた

澪(ひぃぃぃぃぃ!!!)ゾワゾワ

澪「そ、それよりちょっとここ熱くないですか?」

プチプチ

そう言うと澪はローブのボタンを上から幾つかの外し、少し前屈みになった

無精髭「おう…こりゃあ…へっへ」ジロジロ

澪(ジロジロ見るなあああ!!)

無精髭「しょうがねぇな、へっへ…中で休ませてやるよ」ニヤニヤ

ガチャガチャ

男は扉の鍵を開用と澪から離れ背中を見せた

澪(今だ!)

澪は隠し持っていた杖を振り上げ男に向ける

澪はライトニングを唱えた!▼

バチバチッ!

杖から電気が迸り男に直撃した

無精髭「ぎゃっ!」ビクン!

ドサッ

男は短く悲鳴をあげるとその場に倒れて動かなくなった

澪「ふぅ…」

タタタッ

梓「澪先輩!やりましたね!」

律「澪!大丈夫だったか!」

澪「うぅ、りつ~怖かったよ~気持ち悪かったよ~」

律「おーよしよし、頑張った頑張った」ナデナデ

唯(うわぁ、この男の人大丈夫かな…煙出てるよ…)

梓「早速入りましょう!」

紬「今鍵を開けるわ」

ガチャガチャ

紬は男の落とした鍵束を拾い扉を開けようとしている

澪「なあ梓、この作戦、本当にやる必要あったのか?」

梓「なに言ってるんですか、大成功だったんですよ!澪先輩のおかげです!」

澪「……」

澪(喜んでいいのか…?)

カチッ

紬「開いたわ!」

ドア「ギィ…」

一行はドアが開くとすばやく部屋の中へと身を滑りこませた

唯「なんか物置みたいだね~」

雑多な荷物が部屋中に溢れている

律「けほっ、埃っぽいな…」

部屋は元々客室だったようで、ベッドやタンスなどが置かれているが現在は使われていないようだ

梓「律先輩、早く入り口を閉めてください」

律「おお、わかったっ」

ドア「ガチャン」

律がドアを閉めると部屋は闇に包まれた

唯「うわ、真っ暗だ!」

律「梓なんか溢れている灯り持ってるか?」

梓「いえ、すっかり忘れてました…」

唯「これじゃあ探せないよ~」

紬「どこかに灯りがないかしら?」

澪「あ、なら私が…」

澪「…!」ボゥッ

澪が念じると小さな火の玉が杖の上に現れた

唯「おお!凄い!」

律「こんな事もできるのか、すげー」

火の玉により一行の顔が明るく照らされる

梓「この位明るければ大丈夫ですね!早速探しましょう」

律「澪は部屋の真ん中で立って満遍なく照らしてくれ」

澪「ああ、わかった」

澪が部屋の中心へと移動すると、壁際に置かれたテーブルが照らし出される

唯「あ!みんな見て!あのテーブルの上!」

唯が初めに気づいて声をあげた

律「笛だ!」

テーブルの上には楽器屋で見た笛が格子のついた籠に入れて置かれている

紬「良かったわ!意外と早く見つかって」

律「この籠のまま持ってけばいいよな?」

律が籠を持ち上げて見せる

澪「そうだな、まだバリアが生きてるみたいだし、直接触らないほうがいいだろ」

梓「それじゃ、さっさと脱出しちゃいましょう」

律「そうだな、長居は無用だ!」

一行は脱出のため入り口に向かいドアを開けた

ドア「ガチャン」

律「うわっと……」

唯「ありゃあ…」

盗賊魔術師「おいおい、お嬢さん達がこんなところでなにやってんだ~」ニヤニヤ

梓「これはまずいですね…」

ドアの外には武装した男達が十数人待ち受けていた

紬「あらあら困ったわ~」

無精髭「おいこらてめぇ!さっきはよくも騙してくれたな!ぶっ殺してやる!」

澪「ひぃぃぃ!」ガタガタ

唯「あ、あの男の人生きてたんだ~」

律「そんなこと気にしてる場合か!?」

盗賊魔術師「そう怖がるなよ、何も問答無用で戦おうなんてこっちも思ってない」

無精髭「でもお頭…!」

盗賊魔術師「まあ落ち着けよ……俺はお前らの持ってる籠さえ返してくれたら何も危害を加えるつもりはねぇんだ」

律「ふざけんな!渡すわけないだろ!」

盗賊A「おいおい、こっちはこんなにいるんだぜ?悪い事は言わねぇからさっさとそいつを渡しな!」

梓「お前らなんて楽勝ですよ、それよりさっさと道を開けてください」

盗賊B「てめぇ…!舐めやがって!」

梓(澪先輩…合図したら…)チラッ

澪(わかった…)コク

盗賊魔術師「はぁ…まったく馬鹿な奴らだぜ、おいお前ら、さっさt…」

梓「今です!」

澪「はぁぁあああ!」

澪が杖を振り上げると電撃が盗賊達を襲う

バリバリバリバリッ!

盗賊s「ぐわぁああ!」

律「すげー…強力になってる…」

盗賊魔術師「ちっ、魔術師か!ふざけやがって!」

澪「まだぁ!」

ガキン!

澪が杖を地面につきたてるとそこから二列の氷の柱が盗賊達へと向かう

キィィィン!ビシビシビシ!

盗賊s「うわぁぁ!」

澪の放った氷の柱によって盗賊達の包囲網は分断されてしまった

唯「やったあ!」

澪「はぁはぁ…」

梓「今のうちです!ついて来てください!」

唯「うん!」

梓の一声で律達は一斉に走り出す

ダダダッ!

澪「はぁ…はぁ…」フラッ

律「澪!」

澪「はぁはぁ…ちょっと魔法使い過ぎたみたいだ…」ガクッ

梓「澪先輩!律先輩!」

律「梓、パスだ!」

ヒョイッ

律は持っていた籠を梓に放り投げた

梓「えっ、おっと!」パシッ

律は澪の前にしゃがみこんだ

澪「律?」

律「澪!おぶされ!」

澪「で、でも…」

律「いいから早くしろ!」

澪「う、うん!」

澪が律の背中にしがみつく様におぶさった

律「よーし!行くぜー!」

ダダダッ!

バキンバキン!

盗賊魔術師「くそっ!おい!お前らさっさと追え!」

ダダダッ!

氷の下からはいだしてきた盗賊達が次々と一行を追いかけはじめる

律「げっ、追ってきやがった!」

梓「みなさんこっちです!」

ダダダッ!

一行は狭い通路や小部屋を人を押しのけ物を壊しながら逃走していく

ガシャーン!バリーン!

ダダダッ

紬「ちょっと、失礼しまーす!」

ダダダッ

キャーキャー!

男「ふざけんなこのやろー!」

唯「うわわ!ごめんなさーい!」

キャー!ワー!バリーン!ドカーン!

梓「次はこっちです!」

盗賊B「待ちやがれ!」ブン!

盗賊の投げたナイフが唯の髪をかすめる

唯「っ危なかった…!」ハァハァ

律「くそ!追っ手が増えてきたな」ハァハァ

シュッ

律「なんだ!?」

突然前方からナイフが飛んできた

盗賊F「へへ!ここまでだぜ、観念しな!」

律「ちくしょう!回り込まれたのか!」

梓「任せてください!」

梓が前に飛び出し盗賊に斬りかかる

梓「はぁ!」

シュッ!

盗賊は梓の一撃を後ろに下がってかわす

盗賊F「ちっ、この!」

シュシュッ

盗賊が続けざまに二本のナイフを投げる

梓「当たりません!」

梓はナイフを投げた隙を狙って素早く踏み込み盗賊の懐に飛び込んだ

盗賊F「しまった!」

梓「や!」ザシッ

盗賊「くっそ…」バタッ

梓「はぁはぁ…さあ行きましょう!」

バタバタバタバタ!

オイ!コッチニイルゾ!

律「やばい!近づいてきた…」

梓「早く行きましょう!」

クルリ

唯「ムギちゃん?」

紬「みんな先に行って!ここ私が足止めして行くから!」

梓「でも、ムギ先輩!」

唯「ダメだよ!ムギちゃん!」

律「……唯、梓、行こう」

唯「え?りっちゃん!?」

梓「な、なに言ってるんですか…!」

律「このままじゃすぐに追いつかれる、地の利は向こうにあるんだ…」

律「それに澪もこんな状態だ…逃げ続けられない」

梓「だからって…!」

唯「ふざけないでよ!!」

梓「唯先輩…」

唯「ムギちゃん一人置いてけるわけないでしょ!!」

律「……」

唯「ねえ!なんとか…」

紬「いいの!唯ちゃん!」

唯「ムギちゃん…」

紬「私なら大丈夫だから!早く行って!」

梓「そんな…」

紬「大丈夫!大丈夫だから……!」

梓「~っ!……行きましょう唯先輩」

唯「……うん」

紬「さあ、早く!」

梓「絶対に!……死なないでください!」

紬「うん!ありがとう梓ちゃん」ニコ

紬は微笑んで一人小部屋に残った

ダダダッ!

盗賊s「こっちか!?」

追っ手が小部屋の前までやってきた

紬「はぁ!」ブンッ

ボゴッ!

盗賊B「ぐはぁ!」ダァン!…ドサ

盗賊C「くそっ!こいつ!」

盗賊D「気にするな!こいつは囮だ!籠を持ってねぇ!」

盗賊E「構わず追いかけ……」

ボグッ!

盗賊E「ぐはっ!」ドサ

紬「させないわ!」

ブンッ…

紬「あなた達の相手は私よ!」ダン!


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