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律達がコボルトとの斬り合いを繰り広げている間

ザシュ!ガキン!ザザッ!

ガルルルルル!

澪(こ、怖い)ガタガタ

澪は足がすくんで動けない

ザシュ!

梓「きゃあ!」

梓が傷を負い、しゃがみ込む

澪(あ、梓!)

澪(わ、私も戦わなきゃ……!)

澪は群れるコボルトに杖を構えるが、それ以上動くことができない

澪(うぅぅ!やっぱり怖いぃぃ)ガタガタ

唯「わっ!」

澪が震えている間に唯も傷を負う

澪(だ、だめだ!殺されちゃうよ……)ガタガタ

律達の応戦も虚しく徐々に押され始める

澪(で、できないよ!怖い怖い怖い!)ガタガタ

律「くそ!これじゃ、埒があかない!」

ダダ!

律が群れの中へと突っ込んでいき、斧を振り回す

律「うぉぉぉ!」

ブゥン!ダン!ブゥン!ダン!

コボルト「ギャイン!」

コボルト「ギャンッ!」

律は数匹を斬り伏せたが、周りから一斉に襲いかかられる

グァァァァァ!

ブシッ!ブシッ!

律「あぁぁぁぁぁ!がっ!」

律は何匹ものコボルトの攻撃をうけ、傷だらけになった

紬「りっちゃん!」

律「く……そ……」

バタン

律はその場に崩れ落ち、血を流して動かなくなった

澪「律……?」ガタガタ

ガルルルルル!

唯「りっちゃん!起きてぇぇぇ!」

梓「だ、駄目です」

倒れた律に追い討ちをかけるようにコボルト達が襲いかかる

澪「うわあああああ!やめろおおおお!」

カッ!

澪の叫び声に呼応するように杖の柄頭の宝石が輝く

澪「うわあああああ!」

澪はライトニングを唱えた!▼

バチバチバチ……

倒れた律に襲いかかろうとする魔物達の上に三つの光の球体があらわれる

梓「み、澪先輩?」

澪「律に!触るなあああああ!」

澪が杖を振り上げると、光の球体からいく筋もの電流が魔物へ向けて迸る

バシーン!バリバリバリバリ!

ギャンッ!ギャインギャイン!

ドサッ ドサッ

電撃の直撃を受けたコボルトは次々に倒れていく

唯「す、凄い……」

澪「ムギ!今だ!」ハァハァ

紬「わかってるわ!」

ダダッ!

梓「ムギ先輩!援護します!」

タッ!

紬と梓が律の方へと走り出す

紬「はあ!」

ブン!

バキバキバキ!

ギャンッ!

紬はハンマーを振り回しまだ残っていたコボルトをまとめて横凪にする

梓「やっ!」

ザシュザシュザシュ!

梓「ムギ先輩早く、律先輩を!」

紬「ええ!」

梓が敵の気をひきつけている間に紬が律を後方へ運ぶ

それに気づいたコボルトたちが紬に襲いかかろうとする

ガゥゥゥゥ!

ガキィィィン!

唯「そうはさせないよ!」

唯が飛び出し盾で攻撃をガッチリと受け止める

唯「やあ!」

ザシュ!

紬「唯ちゃん!」

唯「敵は私に任せて!早く治療を!」

紬「うん!」

タタタッ

紬が律を床に寝かすと澪がかけよってくる

澪「り、律!大丈夫か!目を開けろ!」

涙目の澪がぐったりと横たわる律に必死に声をかける

紬(酷い怪我……身体中傷だらけ……)

紬は律の体に手をかざすと精神を集中させる

紬はキュアを唱えた!▼
紬はキュアを唱えた!▼
紬はキュアを唱えた!▼

パァァァァ!

律の体が光に包まれると傷口がふさがっていく

紬「澪ちゃん、りっちゃんは大丈夫よ!」

澪「ほ、本当に?」ウルウル

紬「ええ、それよりも唯ちゃん達の加勢にいきましょう!」

澪「うん!」

タタッ!

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梓「ふっ!」

ザシュ!

ギャイン! ドサッ

梓「唯先輩!敵の数はだいぶ減ってきました、もう一息です!」

唯「うん!頑張ろう!」

ガキッ!ザシュ!

唯と梓は澪の呪文により弱ったコボルト達を斬り伏せていく

澪「唯!梓!」タタッ

唯&梓「澪ちゃん!(先輩!)」

澪「はぁ!」

澪はフリーズを唱えた!▼

キィィィィン!ガキン!ガキン!

ギャイン!

ドサッ ドサッ

地面からはえた何本もの氷の槍がコボルト達の体を貫く

梓「すごいです!」

唯「で、でもまだ生きてるよ!」

氷に貫かれたコボルトたちは抜け出そうともがいている

紬「私に任せて!」

ブゥン!

ガァァァァン!バキバキバキ!

紬がハンマーで氷ごとコボルトを殴りつける

紬「もう一声ー!」

ブゥン!

バガァァァァン!

吹っ飛ばされたコボルト達は動かなくなった

梓「ム、ムギ先輩……」

紬「やったわ♪」ニコッ

澪(魔物よりムギの方が怖い……)


広間には一行の他に動くものはいなくなった

唯「はあはあ……」

梓「勝った……」

澪「り、律!」ダダッ

澪はすぐさま倒れている律に駆け寄る

澪「おい!律!目を開けろ!」

パシパシ

律「……」

澪が律の頬を叩くが、律はぐったりとして目を覚まさない

ポタ……ポタ……


一滴、二滴と律の顔に水滴が落ちる


澪「りつぅぅぅ……うぅ……目をさましてよぉぉぉ……」ポロポロ


梓「澪先輩……」

唯「澪ちゃん……」

ポンッ

澪は肩に手を置かれてふりかえる

澪「うっ……ぐすっ……ム、ムギ?」

紬「澪ちゃん、大丈夫よ、りっちゃんはすぐに目を覚ますわ」

澪「ほ、本当?」グスグス

紬「ええ、本当よ」ニコッ

梓「みなさん、ともかくここを離れましょう」

唯「そうだね、ここはあんまり気分の良くなる光景じゃないし……」チラッ

辺りには切り裂かれ、あるいは呪文で焼け焦げた魔物の死体と臓物が散乱している

梓「それじゃあ、脱出しますのでついてきてください!」

紬「りっちゃんは私がおぶってくわ」

唯「じゃあ、私が最後になるよ」

梓が先行し、唯が殿をつとめ、一行は遺跡を脱出した


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サラサラサラサラ……

静かに流れる小川の水面が太陽を反射し、キラキラと輝いている

チャプ

紬は小川に手を浸しタオルを洗う

紬「……」ゴシゴシ

一行は遺跡を脱出したあと近くの林の中で小川を発見し、そこで休憩をとることにしただった

律は未だ目を覚まさない

唯「……」

梓「……」

澪「……」

テクテクテク

紬が小川から唯達のもとへと戻ってきた

ソッ

紬が洗い終わったタオルを律の額に乗せた

澪「……」

澪「なあ、ムギ……律は本当に目をさますのか?」

澪は唇をひき結び答えを待っている

紬「澪ちゃん、そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫よ」

対して紬は軽い口調で答えた

澪「で、でも……!」

紬「いきなり沢山の傷を呪文で治したから体力を使っただけよ」

唯「りっちゃん、寝てるみたいだもんね」

紬「それよりもみんな、川で服と体を洗ってきた方がいいわ、りっちゃんは私がみてるから」

そう言われて三人が自分の思わず体をみまわすと、確かに唯達は魔物の血や埃でどろどろになっていた

梓「そうですね、行きましょう、澪先輩、唯先輩」

唯「うん!行こう、澪ちゃん!」

唯が澪の手をひっぱる

澪「う、うん」


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サラサラサラサラ

唯達は川べりで防具と上着を脱ぎ、肌着のみになった

唯「よし、まずは体を洗おう!さあ、あずにゃんも澪ちゃんも入った、入った!」

澪「わ、わかったから押すなって!」ワタワタ

チャプ……

梓「ひゃ!冷たい!」

梓が片脚を水につけると、

ジャブジャブ!

唯「うわー、あずにゃん、気持ちいいよ!」

唯が手で水をはね飛ばしながら向かってきた

梓「ちょ、唯先輩!」

唯「きゃー!」バシャバシャ!

梓「ちょっと!こっちに水かけないで下さい!」

梓は口ではきつく言いながらも顔は笑っている

梓「もー!お返しです!」バシャバシャ!

唯「うわっ、やったなー!あずにゃん!」バシャバシャ

川の中で逃げ回る唯を梓が追いかける

キャッキャ!バシャバシャ!

澪「……」

澪「ふふっ」

唯&梓「」ピタッ

澪が小さく笑うと唯と梓が動きを止めた

唯「あー!澪ちゃんが笑った!」

梓「む~!なんで笑うんですか」

澪「だって、二人があんまり楽しそうだから……」クスクス

唯「えーい!」

バシャバシャ!

澪「うわ!冷たっ!」

梓「やってやるです!やってやるです!」

バシャバシャ!

澪は二人に水をかけられる

澪「二人ともやめろー!」アハハ

バシャバシャ!

唯「うわー!澪ちゃんが怒ったー!」キャッキャ

梓「逃げるです!」キャッキャ


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紬は木陰で律の頭を膝にのせ、ぼんやりと視線を彷徨わせていた

キャッキャ!バシャバシャ!アハハハハハ

川では三人が歓声をあげて遊んでいる
水滴がキラキラ光り三人の笑顔まで輝いて見える

サァァァァァ……

風が吹き紬の長い髪が律の顔にかかる

紬「……」

紬は無言で髪をかきあげたーー


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気がつくと鼻がむずがゆいような気がして意識が急速に覚醒へと近づいていく

それが煩わしくなって律は目を開けた

パチッ

視線の先には髪をかきあげる紬の姿があり、
そしてどうやら自分は寝かされているらしかった

律「……ムギ?」

律が声をかけると紬は弾かれたように律を見た

紬「りっちゃん!目がさめたのね、よかった……」

紬は心底ほっとした様に言った

律「ああ、それでここはどこなんだ?私が倒れてからいったいどうなったんだ?」

律の質問に紬は、皆で魔物を倒したこと、その後遺跡近くの小川に移動したという事を説明した

律「そうだったのか……ムギ助けてくれてありがとう」

紬「……」

紬は真剣な表情で黙っている

律「どうしたんだ?」

紬「りっちゃん……お願いだから、二度とあんな事はしないで」

律「……うん、わかってる、私のせいで皆を危険な目にあわせちゃったんだしな」

紬「違うわ!」

律は紬の強い言葉に目を丸くする

紬「そうじゃないの……私、りっちゃんが倒れた時、凄く怖かった、回復の呪文も間に合わないでりっちゃんが死んじゃうんじゃないかって」

律「……」

紬「もうあんな思いはしたくないの、仲間が傷つくのなんてみたくないの……だから、もっと自分を大切にして?」

律「うん……ごめん」

紬「さ、この話はもうおしまいにして、私達も水浴びしにいきましょ♪りっちゃんどろどろだし」

そう言われ、律も自分の体が酷く汚れているのに気がつき思わず苦笑する

律「ああ、そうしよう」

律が身を起こす

紬「もう体は痛くない?」

律「ああ、もう痛くない、大丈夫だ……でも凄く体がだるい」ダルーン

紬「ふふ、治癒するのに体力を使ったからよ」


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