唯「えへへ、ちゅーしちゃった!」

梓「な、な、な、なにするんですか!」カーッ

唯「あはは、あずにゃん真っ赤だね!」

梓「もう!や、やめて下さいよ!まったく!元気になったんだったら部屋に戻りますよ!」///

唯「いーじゃん、ほっぺたにちゅーくらい」プンプン

梓「ほら、戻りましょう!」

梓は唯の手を握り引っ張って行く

唯「うん!……ねぇ、あずにゃん?」

梓「……なんですか?」

唯「ふふ、……大好きだよ」

梓「な!また!」///

唯「ふふ、はやく行こー?」

そう言うと、唯は梓より先にいってしまった

梓「あ、待って下さいよ!」

梓は唯を追いかけながらそっとつぶやく


梓「……私も唯先輩が大好きです」


こうしてこの世界の夜はふけていくのだった


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夜が明けた

窓からは朝陽が射し込んできている

タンタンタンタン

ドア「ガチャ」

澪「梓!朝だぞ!起きろ!」

梓「うぅん……そんなとこ……やっ……」モゾモゾ

澪「起きない……」

梓「うぅ……ん、ふへへ」ニヤニヤ

澪「うっ、梓はどんな夢をみているんだ……」

ドア「ガチャ」

テコテコ

唯「澪ちゃん、あずにゃん起きた?」

澪「いや、起こしてるんだけど、全然」

唯「そう……私に任せて☆」フンス!

唯は梓のベットに近づき耳元に口を寄せる

唯「あずにゃん、起きて?朝だよ」フッ

パチッ

梓「う~ん……あ、唯先輩おはようございますぅ」ポヤポヤ

澪「起きた……」

唯「さすが私!」フンス!

梓「??どうしたんですか~?」ボケボケ

澪「どうしたもこうしたも梓が全然起きないから起こしにきたんだ」

梓「えっ?他の皆さんは?」キョロキョロ

唯「もうみんな起きて、食堂いってるよ」

梓「ええっ!?唯先輩や律先輩より寝坊するなんて……」ガーン

唯「むぅ!失礼な!」

澪「まあ、梓も身じたくしたら下に降りてきなよ、みんな待ってるから」

梓「あ、はい!わかりました!」

バッ

パタパタパタ

ドア「ガチャ」

澪「さあ、私たちも行こう」

唯「うん!」


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タンタンタンタン

律「お!梓遅いぞ~!」

梓「すいません、お待たせしちゃって」パタパタ

紬「いいのよ、梓ちゃん、私達もそんなにはやく起きたわけじゃないもの」

律「よし!早速めしだー!」

唯「めしだー!」

ダダダ!

澪「朝から元気だなー」

律「澪もはやくこいよ~!」

澪「はいはい」


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朝食を食べ終わった一行はくつろいでいる

律「ふぅ、今日も美味かったな、やっぱり日本人は白米だよな!」

梓「ここ日本じゃないですけどね」

唯「まあまあ、硬いこと言わないで~」エヘヘ

澪「硬いとか、そういう問題じゃないだろ」

梓「そういえば、さわこ先生はどうしたんですか?」キョロキョロ

律「梓が起きる前にでかけちゃったぜ、なんか、新聞社に呼ばれてるらしい」

梓「へぇ、忙しいんですね」

紬「りっちゃん、今日はどうするの?」

紬はお茶入ったマグカップを傾けながら律に尋ねる

律「ああ、今日もギルドにいってみようと思うんだ」

梓「クエストっていうのうけるんですか?」

律「うん、それもあるけど、受付の人が"次回詳しい説明します"って言ってただろ?それを聞いとかないとな」

梓「あ、なるほど」

梓(律先輩ってやっぱりこういう時に頼りになるなぁ、普段からは想像できないけど)

唯「ねえねえ、街はもう見ていかないの?」

律「いや、観光もしよう、街のことには詳しい方がいいだろ」

澪「そうだな、この街広すぎて一日じゃまわれないし」

紬「それじゃあ、いったんお部屋に戻ってそれからでかけましょうか?」

唯「そうしよー」

ガタガタ

全員が席を立ち部屋へ向かおうとすると律が突然声をあげた

律「ああ、そうだ!言い忘れてたけど、各自の武器はこれからは携帯するようにしようぜ」

梓「なんでですか?」

律「なんだかんだ言ってこの街治安悪いし、昨日みたいなこともあるかも知れないしな」

澪「そうだな、部屋に置いとくのも怖いし」

梓「」マジマジ

律「なんだよ、梓?人のことジロジロみて」

梓「いや、本当に良く頭が回るなーと思って」

律「……なんか癪にくる言い方だなそれ」

梓「褒めてるんですよ」


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ガヤガヤガヤガヤ

一行は街に繰り出し、昨日とは違う大通りを歩いている

律「いやー、それにしても本当に賑やかな街だな」

左右には石造りの堅牢な建物が整然と並んでおり、通りは呼び込みの声や音楽で騒がしい

紬「ここは商店街かしら?」

梓「きっとそうですよ、ほら、ショーウィンドウとか、看板だしてるお店ばかりです!」

澪(梓もはしゃいでるな)

彼女達も女子高生のごたぶんに漏れず、買い物は大好きなのであった

唯「みてみて!あれ、もしかして楽器屋さんじゃない?」キラキラ

唯が指差す店には、確かにショーウィンドウ内にギターらしきものや太鼓らしきものが飾られている

律「おお!本当だ!みてみようぜー!」

ダダダ

澪「お前らは異世界まできても楽器屋か!」ガー!

紬「まあまあ、澪ちゃん落ち着いて?」マアマア

律「おーい!澪ー!この店レフティーフェアやってるみたいだぞ!」


澪「ほ、本当か!?」ガバッ!

ザザザッ!

澪はショーウィンドウを鼻をつけんばかりに覗き込んでいる

澪「おおー!」キラキラ

紬「あらあら澪ちゃんたら」ウフフ

梓「ムギ先輩も行きましょうよ?この世界の楽器、みてみたいです!」ワクワク

ドア「ガチャ」

カランカラン

律「こんにちわ~」

店主「いらっしゃい……おや、可愛いお客さんだね」

紬「すいません、ちょっとみさせて貰ってもいいですか?」

店主「ああ、かまわないよ、好きなだけ見てってくれ、ついでに買ってってくれてもいいんだが、わはは!」

気のよさそうな店主の言葉にさっそく商品を物色しはじめる律と唯

唯「いくよ!りっちゃん隊員!」

律「アイアイサー!」

律達を皮切りにして他の三人も思い思いに店内をみてまわる

唯「みてみて!これギターそっくりだよ!」

律「ほんとだ!でも、少し違うな」

唯が手にしているのはギー太よりも少し厚めでアコースティックギターの様な楽器である

シュタ!

梓「本当にギターっぽいですね!」キラキラ

律「うおっ!いつの間に!」

梓「ふふ、ギターときたら黙ってられません!……ちょっと唯先輩、それみせてくれませんか?」

唯「うん!いいよ、はい」

梓は唯から楽器を受け取り、じっくりと品定めし始めた

梓「う~ん、これはアコギっぽいですね……でもサウンドホールがみあたらないし、どうやって音を増幅させるんでしょうか……?」ブツブツ

コンコン!

梓は楽器のボディを軽く叩いた

梓「これは音からして中は空洞じゃない!?……うーん?」ブツブツ

律「梓ー、もどってこーい」

梓は楽器に夢中で気がつかない!

梓「弦はちゃんと六本あるし……」

ビィィィィン……

梓「音もギターと変わらない……」ブツブツ

唯「あ、あずにゃん?」

梓「はっ!唯先輩?」

唯「よかった、戻ってきたんだね!」

梓「あ、すみません!つい夢中になってしまって……」

唯「いいよ~、夢中になるあずにゃんも可愛かったよ!」

梓「ちょっ、唯先輩!」///

律「それで、その楽器はどうやって演奏するんだ?やっぱそれギターなのか?」

梓「たぶんギターと同じものです、けどこれじゃエレキギターみたいにアンプか何かで音を大きくしないと楽器として成立しませんよ」

梓達が話していると近くで作業していた店主が声をかけた

店主「あはは、君たちそれの弾き方がわからないのかい?」

梓「あ、はい、私達の所にあったものと少し違うので……」

店主「よし、それじゃあ僕が教えてあげよう!」

唯「わーい!」

店主は椅子から立ち上がりこちらにやってきた

店主「ちょっとかしてごらん?」

梓「あ、はい、どうぞ!」

店主は楽器を梓から受け取ると、椅子に座り直す

店主「この楽器は正式には"ギターラ"って言うんだ、みんな略してギターって呼ぶけどね」

梓「やっぱりギターだったんだ……」

律「どこの世界でも一緒だな」

店主「それで、弾き方だけど、このままじゃ音が出ないから……底に付いてるこのツマミを回す」クイッ


パァァァァ!

店主がツマミを回転させるとギターのヘッド部分とボディの下部に虹色の薄い羽の様な光輪が広がる

律「うわっ!」

唯「すごい!天使みたい!」キャッキャ

梓(天使……エンジェルギター……タカ◯ザワ?)

店主「この光輪が音を大きく増幅させるんだ、光輪が大きくなれば音も大きく、小さくなれば音も小さくなる」

梓「ああ、なるほど、魔法ですね」

店主「そういうこと、これは最新式の魔導楽器さ」

店主「それで、さらにこいつは持ち主の意思を音色に反映できる、例えば……」

ポロンポロン……

梓「なんだか、寂しげな音ですね」

店主「いま僕は寂しげな景色を思い出しながら弾いたんだ」

律「スゴイ高性能だな」

店主「うん、でもこのギターの真価を発揮するのは誰でもできるわけじゃない」

唯「?どうして?」

店主「意思で音色を変化させることができると言うことは、それ相応の人生経験が要求されるんだ、知らない事は思えないからね」

梓「……」

梓「ちょっと貸してください」

店主「いいけど、君、ギター弾けるのかい?」

梓「ええ、少しは」

梓は店主からギターを受け取る

ピンポロピンポロ……

梓(このままじゃクラシックギターの音しか出ない)

梓(ムスタングの音を思い出せ……)

梓の脳内に文化祭のライブが鮮やかに浮かび上がる

梓(ムスタングの音ムスタングの音)ムーン

ギターの周りの光輪が赤く変化していく

律「なんだこれ!?」

店主(音色を変化させているのか?しかしこの色は……)

梓(よし!)

梓はおもむろに弾きはじめる

ギュイーン!ジャカジャカジャカジャカ

店主「な、なんだこの音は!今まで聴いたことないぞ!」

律「あ、これふわふわタイムか」

唯「君をみてると、いつもハートドキドキ~♪」


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ジャーン!

梓(おもわず一曲弾いちゃいました……)

唯「おもわず一曲歌っちゃいました~」エヘヘ

店主「す、凄いよ!今までギターでこんな音きいたことないよ!いったい君はどうやってこんな音を……」

梓「どうやってと言われましても……」

律「私達にはこれが普通だからな~」

店主「これは凄い才能だよ!」

唯「えへへ~褒められちゃった~」テレテレ

律「なんでお前が照れてるんだ」

梓「唯先輩!これ慣れればアンプでゲイン調節するより楽ですよ」

店主「君達はみんな楽器が弾けるのかい?」

唯「はいはーい!私もギター弾けるよ!」

律「私はドラム叩けるぜ」

店主「ドラム?ってなんだい?」

律「ああ、えーと、太鼓!太鼓のこと」

店主「太鼓か~……えーとじゃあこれかな」ゴソゴソ

店主が取り出してきたのは薄い金属の円盤である

店主「ここを押して……」

ブィィィィン

店主が中央の突起を押すと、円盤は空中に浮かび薄い光の円盤が何枚も現れる

唯「おおー綺麗だねー」

店主は金属の円盤から二本の棒を抜き取る

店主「これで円盤を叩くんだ、やってごらん」

律は店主からスティックを受け取る

律「あ、はいっ、えっと椅子かりてもいいですか?」

店主「ああ、どうぞどうぞ」

律が椅子にすわると円盤もその高さまで降りてきた

店主(椅子に座って叩くのか、みたことないな……)

律(さてと……)

ダンダン!デンデン!

律(音が好みじゃないな、てかこれじゃティンパニじゃん)

律(私のドラムの音~!)ムーン

律が念じると三枚だった光の円盤が7枚に増え、黄色に変わる

そのうち一枚は大きく広がり律の足下に降りてくる

店主(何をする気だ?)

ダダダン!ズッダンズズダンドコドコドコ!

律「おお!これ確かにいい感じだな!」

店主(あ、足で演奏!一度に三枚の円盤を叩くのか……一流の楽隊でもこんな事は思いつかないぞ)

店主「……」

店主「やっぱり君たちは面白いな、他の仲間の演奏も聴かせて貰えないか?」

唯「うん、いいよ!」


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