お風呂


唯「ざぶん!」

梓「にゃっ」

唯「ひろいでしょー」

梓「な、なんて贅沢な……」

唯「ほら上をみてごらん」

梓「うわ、すご……魚たちがいっぱい泳いでる……」

唯「これつくるのに和ちゃん説得するの大変だったよー」

梓「きれーです」

唯「えへへ」

梓「も、もちろん唯姫のほうが綺麗ですけど!」

唯「お世辞はいいよぉ……えへへ」

梓「おせじなんかじゃないです」

梓「いまの唯姫、髪の毛しっとりしてて……」

梓「お肌もつやつやでとっても……きれいです……」

唯「え、ちょ、なんでそんな真面目な顔……」

梓「唯姫……」

唯「あずにゃん……」

梓「だ、だきしめていいですか……?」

唯「……うん」

梓「し、しつれいします……」

ぎゅ

唯「うぁ……あずにゃん……」

梓「すべすべ……」

唯「あずにゃんもとってもすべすべできもちいね」

梓「唯姫……やっぱり胸おおきいですね」

唯「そうかなー?」

梓「うらやましいです……とっても美人だし、ふわふわだし……」

唯「あずにゃんはとってもかわいいよー」

梓「そんなことないです……身分の低いただの釣り師です……」

唯「ううん、あずにゃんはとってもいい子。それに身分なんてそんなの海の底じゃ関係ないもん」

梓「唯姫……」

唯「かわいいかわいい」

ちゅ

梓「んむぅ……」

唯「ちゅ、ちゅ……」

梓「にゃ、だめですよぉ……」

唯「これは私流のもてなしだよ?」

ちゅ

ちゅ

梓「んっ……ふ……」

唯「お礼はお姫様のキッスだよー」

梓「うぅ……こんなのどうやっても釣り合いませんって」

唯「じゃああずにゃんもちゅーして?」

梓「え?」

唯「ちゅーしてあげたぶんちゅー返してよー」

梓「う……それは……」

唯「えー? じゃあ食べた分かえしてもらおうかなー」

梓「ず、ずるいです! そんなの無理ですよぉ」

唯「えへへ、ちゅーしてほしいな」

梓「ど、どうしてそんなにちゅーして欲しいんですか?」

唯「んー、だってそのほうが独占的な気分になれるから」

唯「私ってなんでも手に入れないと気が済まないんだ―」

梓「わがまま姫……」

唯「だからー、ちゅーして?」

梓「うぅ……」

唯「ほらはやくぅ、んー」

梓「い、一回だけですよ!」

唯「んぅー」

梓「……んっ」チュ

唯「えへー、もっかい!」

梓「だ、だめです!」

唯「おねが~い」ウルウル

梓「そ……そんな目で……ずるいです」

唯「じゃあこれでどう? うっふ~ん、お願い」クネクネ

梓「それは無いです」

唯「えー!」

梓「失礼ですけど唯姫ってなんか変な人ですよね」

唯「ひどーい!」

梓「ふふ、でも……おもったより退屈しないですみそうです」

唯「お客人に退屈なんてさせないよ! 竜宮城の名が廃る!」

梓「いままで何人もきてるんですか?」

唯「ううん、全然!」

梓「……はぁ」

唯「あずにゃんが記念すべき初地上人だよ~」

梓「……こんな人が伝説の竜宮城の主だなんて」

梓「地上のみんなにきかせてやりたいですよ」

唯「土産話?」

梓「ま、まぁ噂にたがわぬ美しさですけど……」

唯「ありがとあずにゃん」

梓「その変なあだなどうにかしてください」

唯「かわいいじゃん!」ギュウウ

梓「むにゃあー! 裸でだきつかないでくださいってー」

唯「あったかあったかだよー」

梓「うう……」


「おねえちゃーん、いつまで入ってるのー」


唯「あっ、そうだね。そろそろ上がって寝ようねあずにゃん」

梓「はい。さっぱりしましたありがとございます」

唯「むふ……一緒に寝るからね」

梓「……変なことしないでくださいよ」

唯「夜のおもてなし……なんちゃって」

梓「変態です」

唯「姫にたいしていう言葉かなー」

梓「身分の違いなんてないって言ったじゃないですか」

唯「むぐ……」

唯「後でいっぱいにゃんにゃんなかせてやるー」


~~



梓「ん……光が……」

梓「へぇ、こんなとこまで差し込んでくるんですね」

唯「……zzz」

梓「……あれ? どうして素っ裸……」

唯「すぴー、あずにゃーん……zzz」

梓「……あ!」

唯「……んー?」

梓「あああああああ!!!」

唯「ん、どしたの朝っぱらから……」

梓「にゃあああああんてことを!」

唯「おはよーあずにゃん」

梓「うにゃあああ!」

梓「よ、よりにもよって、ひ、姫様と寝ちゃうなんて……あわわわ」

梓「どどどどどうしようきっとこんなの天誅じゃすまないよ!」

唯「なに焦ってるの?」

梓「海の藻屑にされちゃう……いや、サメの餌!?」

唯「あずにゃんかわいかったねー」

梓「な、なにをのんきな」

唯「ほえ?」

梓「わ、私……逃げます!」

唯「え?」

梓「にゃあああさようなら!!!」バタバタ

唯「だめー♪」

ギュウウ

梓「にゃあああ魚の餌はいやですうう! ごめんなさいですうう!!」

唯「えへー、にがさないぞー」

梓「たすけてーたすけてー!」

唯「何も悪いことしてないのにぃ」


憂「おねえちゃーん、梓ちゃーん。朝御飯の用意できたよー」

梓「にゃあああ」

唯「あずにゃーん、すりすりー」

憂「な、なにしてるの……? そんな格好で……」

梓「ち、ちがっ! これにはわけがっ!!」

唯「ういー、昨日の夜ねー、あずにゃんが盛りのついた猫さんみたいになったんだよー」

憂「……」

梓「ひいいいっ!」

唯「猫はこわいよー、私たべられちゃったー」

憂「……梓ちゃん」

梓「ご、ごめんなさい! 決してそんなつもりじゃ」

憂「責任とってもらうからね」

梓「にゃあああ!! 食卓にならぶのはヤです!!」


憂「お姉ちゃん。おめでとう」

唯「わーい。やっといい伴侶がみつかったよ」

梓「え?」

憂「梓ちゃん。お姉ちゃんをよろしくね」

唯「よろしくねあずにゃん!」

梓「な、なんで……にゃ?」

唯「だってお姫様の純潔を奪ったんだから……もうっあずにゃんったら!」

梓「え? え?」

憂「お姉ちゃんに相応しくない人なら時送りの魔法をかけて手土産持たせて帰らそうかと思ったけど」

憂「相性ばっちりみたいでよかった!」

唯「えへへー」

梓「……ってことは」

唯「あずにゃんは責任とってここで暮らすんだよ」

梓「……で、でも」

唯「たまに故郷にかえりたくなったら和ちゃんに言うといいよ」

梓「……でもでも!」

唯「いや?」

梓「いや……じゃないです。なんか、夢みたいな……」

唯「夢の竜宮城へようこそ! あずにゃん!」 ギュウ

梓「にゃ……うぅ。わかりました」

梓「責任……とってやるです」

唯「わーい!! あずにゃ~ん!」




こうして梓は末永く幸せに竜宮城で暮らすこととなったとさ。

めでたしめでたし。



最終更新:2011年03月15日 22:29