ザアアアアア

唯「うひゃー、どしゃ降りだー……ん?」

猫梓「クシュン!…雨、強くなってきちゃったなぁ……」ブルブル

唯「あ、捨て猫だ……かわいそう……」

猫梓「うう、寒いよぉ…お腹空いたよぉ……誰か助けてよぉ……」グスン

唯「…ねえねえ猫さん」

猫梓「はい……?」

唯「よかったらさ、私のうちにこないかな?」



こんにちは、平沢唯です

あの雨の日から3ヶ月、うちにやってきた猫あずにゃんはすっかり元気になりました

猫を飼うのは初めてだったので最初はちゃんと飼えるか心配でしたが、慣れれば結構なんとかなるものです

3ヶ月も一緒に生活をしていると、今まで知らなかった猫のいろんな生態に気付くことができます

今日はその一部を紹介したいと思います


猫梓「くぅくぅ」スヤスヤ

唯「あずにゃん寝てる……今のうちに晩ご飯作っちゃおうっと」

唯「今日はサラダにしようかな。レタスをちぎって、トマトを並べて……」

唯「そうだ!今日はシーチキンも入れちゃえ!」パキャ

唯「……よし完成!憂直伝の平沢サラダ!」パンパカパーン

猫梓「唯先輩にしては上手にできたと思います。それでは早速味見を……」モグモグ

唯「うわぁ!?あずにゃんいつの間に!?」

シーチキンの缶詰を空けるといつの間にか後ろにいます


唯「あずにゃんいくよー、それー!」ポーイ

猫梓「にゃー!」タタタッ パシッ

唯「ナイスキャッチあずにゃん!」

猫梓「唯先輩!もう一回しましょう!もう一回!」キラキラ

唯「いいよー……今度はあっち!」ポーイ

猫梓「にゃにゃーん!」タタタッ

唯「ふふ、あずにゃんはふわふわボールが好きだねー」

猫梓「唯先輩!唯先輩!」キラキラ

唯「もう一回?しょうがないなあ……えーい!」ポーイ

猫梓「…」

唯「あれ?取りに行かないの?」

猫梓「はい、なんか疲れたんで今日はもういいです」

唯「えー…」

意外に飽きるのが早いです


唯「あずにゃんあずにゃん、実はあずにゃんの為に専用のベッドを買ってきたんだ」ゴソゴソ

猫梓「本当ですか!ぜひ見せてください!」ワクワク

唯「いいよー、……じゃーん!」パンパカパーン

猫梓「わぁ……」キラキラ

唯「ほら、ちょっと寝てみてよ」

猫梓「はい!では失礼して……」

猫梓「……うん、なかなかの寝心地です!それにとっても落ち着きます!すごいです!気に入りました!」

唯「そっちは箱の方だよあずにゃん……」

猫用ベッドよりも段ボールの方が好きみたいです


唯「ふわぁああ……、今日は暇だなあ……」フワァ…

猫梓「んべんべ」ペロペロ

唯「……あずにゃんも毛づくろいしてるし、私も何かしよっかな?」

唯「そうだ!昨日澪ちゃんに借りた雑誌があるし、それでも読んでよっと」ゴソゴソ

猫梓「…」

唯「あ、この服かわいいなあ~」ペラッ

猫梓「…」スクッ トコトコ ペタリ

唯「…」

猫梓「……んべんべ」ペロペロ

唯「……ねえあずにゃん」

猫梓「どうしました?」

唯「そこに座られたら本が読めないんだけど……」

猫梓「気にしないでください」ンベンベ

唯「気にしないでって言われても……」

雑誌を読んでいると、なぜか上に乗ってきます


猫梓「うとうと……」

唯「あずにゃんはストーブが好きだねえ。いつも真ん前にいるし」

猫梓「はい……だってあったかいですから……くぅくぅ」スヤスヤ

唯「あらら、寝ちゃった……ん?」

唯「あれ?なんか変なにおい……?」スンスン

猫梓「くぅくぅ」チリチリ

唯「わわわわ!!?あずにゃん焦げてるよー!?」

冬場はよく焦げてます。こげにゃんです


唯「あずにゃん、今日はいいもの買ってきたんだー♪」ゴソゴソ

猫梓「? いいものっていったい何を……」

唯「ふっふっふ、じゃじゃーん!猫じゃらしだよー!」パンパカパーン

猫梓「…」

唯「…ってあれ?」

猫梓「なんですかそれ?あんまり面白そうじゃないです」

唯「ええー!?」ガビーン

猫梓「もう子どもじゃないんですから、そんなものには騙されないです」

ピクッ ピクッ

唯「(あ、しっぽを立ててピクピクさせてる……。本当は興味津々なんだ……)」

しっぽは正直です


猫梓「はぐはぐ」

唯「(あずにゃんはいつもおいしそうにご飯を食べるなぁ……)」

猫梓「もぐもぐ」

唯「……!」ピコーン

猫梓「ぺろぺろ」

唯「…」ソローリソローリ

猫梓「…けぷっ、ごちそうさまでした」

唯「……えいっ!」ピトッ

猫梓「ふにゃあああああ!!?」ピョイーン

こっそりお尻を触るとびっくりして飛び上がります


唯「……ねえあずにゃん」

猫梓「なんですか唯先輩?」

唯「そろそろレポート書きたいんだけど、膝の上に乗られたまんまじゃ準備できないから……少しどけてもらっていいかな?」

猫梓「嫌です。めんどくさいですし、眠いですし」

唯「ううう……もう!文句言わないの!」ヒョイ ポイッ

猫梓「にゃーん!」

唯「えーっと、筆箱とノートとパソコンと……」

唯「よし、じゃあレポートの続きを……」

猫梓「…」ノソノソ

唯「……」

猫梓「~♪」

人の膝の上に乗るのが大好きです


唯「あずにゃーん、ほらほらー♪」パタパタ

猫梓「にゃーん♪」タタタッ

ピンポーン

唯「あ、お客さんだ。ちょっと待ってねあずにゃん。はいはーい、今開けまーす」ガチャ

律「うぃーっす。ゆいー、こないだ言ってた漫画持って来たぞー」

唯「あ、りっちゃんありがとー」

律「ん?それ何持ってるの?猫じゃらし?」

唯「そうだよー。実は私最近猫飼い始めたんだー。可愛いんだよー」エヘヘ

律「へ~……で、その猫はどこにいるんだ?」キョロキョロ

唯「あれ?さっきまで一緒にいたんだけど……。おーい、あずにゃーん?」キョロキョロ

お客さんが来ると突然消えます


唯「ただいまー……ってなにこれ!?家中のティッシュがビリビリに!?」

唯「ああー!?花瓶もひっくり返ってる!?どうしてー!?一体誰がこんなことを……」

猫梓「…」

唯「……ねえあずにゃん、もしかして…」

猫梓「知りません」プイッ

唯「え? でも……」

猫梓「私は知らないです。きっと悪い人がやってきてイタズラしていったんです」プイッ

唯「…」

悪さをしても知らんぷりです


唯「コホンコホン!」ケホケホ

猫梓「どうしたんですか?さっきから咳ばっかりしてるみたいですけど……」

唯「う、ううん!何でもないよ!私は今日も元気元気……ケホンケホン!」

猫梓「全然大丈夫そうには見えないんですけど……もしかして風邪ですか?」

唯「大丈夫だから!ほら、あずにゃんは隣の部屋で寝てなよ」グイグイ

猫梓「あっ、ちょっと……」ガチャ バタン

唯「ふぅ……38度かぁ……、今日はもう薬を飲んで寝た方がいいよね」ケホケホ

唯「……おやすみあずにゃん」


翌朝

唯「うん……ちょっとは楽になったかも……。熱、下がったのかな?」ムクッ

唯「……ん?」

猫梓「すぅ…すぅ…」

唯「……ありがと、あずにゃん」

風邪をひいたときは一晩中そばにいてくれます


唯「あーずにゃん♪」ダキッ

猫梓「に゙ゃっ!?もう!そんなにくっつかないでくださいってば!」

唯「あずにゃんかわいいー♪」スリスリ

猫梓「はーなーれーてーくーだーさーい!」グイグイ

唯「ちぇー、あずにゃんのいけず。いいもん、りっちゃんに貸してもらった漫画でも読んでよっと」ゴソゴソ

猫梓「そうしてください。その方が静かでいいです」

唯「ふんふ~ん♪」ペラッ

猫梓「まったく……」

唯「おお!」ペラッ

猫梓「…」

唯「うぷぷ……ザムディンだなんておかしいなあ」ケラケラ

猫梓「………唯先輩!」


唯「うん? なあに?」

猫梓「えっと……漫画ばっかり読んでたら駄目です!もっと違うことをしましょう!」

唯「違うことって?」

猫梓「それは……その…もっと私と遊ぶとか……じゃなくて!」

猫梓「えーっと、えーっと……」

唯「……あーずにゃん」ナデナデ

猫梓「にゃ……」ピクン

唯「いいこいいこ」ナデナデ

猫梓「……~♪」ゴロゴロ

かまうと怒るけど、かまわないとやっぱり怒ります

猫梓「………ってそうじゃなくて!だから子ども扱いしないでください!」ジタバタ

唯「あーずにゃん♪」ナデナデ

猫梓「ふにゃあ」ゴロゴロ

あと頭をなでなですると、とっても気持ちよさそうな顔をします


唯「じゃあそろそろ寝よっかあずにゃん」

猫梓「そうですね」

モゾモゾ

唯「……ねえあずにゃん、今日は一緒の布団で寝ないの?さみしくない?」

猫梓「もう子どもじゃないから平気です。それに私には自分のベッドがありますから」エッヘン

唯「そっか……じゃあおやすみ、あずにゃん」

猫梓「はい、おやすみなさい唯先輩」

唯「…」

猫梓「…」

唯「……くぅくぅ」スヤスヤ

猫梓「…」モゾモゾ

唯「……やっぱりあずにゃんも一緒の布団がいいんだね」クスッ

猫梓「にゃ!?こ、これは…その……今日は思ったより寒かったんで暖まりに来ただけです!」

夜中にこっそり私の布団の中に入ってきます


唯「でも最近本当に寒いよね。布団と毛布だけじゃ風邪ひいちゃうかも……そうだ!」

猫梓「? 一体何を……にゃあ!?」ダキッ

唯「えへへ……あったかあったか♪」ギュー

猫梓「……もう、唯先輩はあまえんぼうなんだから」クスッ

あずにゃんはとってもあったかくて、冬でも暖房いらずです


猫梓「……」ギュー

唯「おお!あずにゃんが抱きつき返してくれた!」

猫梓「私だって寒いんです。だから唯先輩に抱きついてあったかあったかしてやるです」ギュー

普段はそっけないけど、本当はとってもあまえんぼさんです


唯「それにしてもあずにゃんがこんなに甘えてくるとは……」ナデナデ

猫梓「……唯先輩だからですよ、こんなに甘えるのは」

猫梓「私のことを助けてくれて、その上おうちに住まわせてくれて」

猫梓「おいしいご飯もたくさんくれて、いっぱいいっぱい遊んでくれて……」

猫梓「こんなことをするのは、とっても優しい私の大好きな唯先輩にだけです!」

唯「あずにゃん……」

猫梓「これからもいっぱい甘えるんで、もっともっと優しくしてくださいね、唯先輩!」ギュー

あずにゃんは私のことが大好きです

唯「……もちろんだよ!これからもよろしくね、あずにゃん!」ギュー

もちろん私もあずにゃんのことが大好きです!

唯「おしまい!」猫梓「にゃー」