ビィイイイン!


モンスー太「ピギイイ!」フッ


ビイイイイン!

ドカ――――ン!


唯「ま、また街が……」

梓「バカヤロ――!」


ダイナ(律『バカヤローはそっちだバカヤロ――!』

ダイナ(律『あいつ残像残して移動なんてしてないじゃないか!』

梓「あ、あれ?」

唯「そうなの?」

ダイナ(『6つの目で見たんだ間違いない!』

ダイナ(律『ってそんなことより』

ダイナ(律『ミラクルタイプはいつもよりたくさんエネルギーを消耗するんだぞ!』

ダイナ(律『残り1分で私にどうしろってんだよ!』

梓「とりあえず踏ん張ってください。これからのことはこっちで考えますんで」

ダイナ(律『んな無茶な!』

澪「そういえばさ」

唯「?」

澪「あの怪獣が梓と戦ったとき、唯が火を吹く能力のことを話したらあいつも火を吹いたよな」

梓「そんなことがあったんですか」

澪「うん」

澪「だからさ、唯があの怪獣に弱い設定を付ければあいつも弱くなるんじゃないかな」

唯「おぉー! そうかも!」

梓「唯先輩、さっそく!」

唯「うん!」


唯(弱く弱く……)

唯(モンスー太に弱い設定を……)

唯(……でもせっかく最強怪獣にふさわしいすごい能力いっぱい考えたのになぁ)

唯(火を吹くだけじゃなくて、冷凍ガスとか硫酸とか吐いて)

唯(目からビーム出て、腕がグイ――ンって伸びて、物凄い馬力で)

唯(雷とか地割れとか津波とか引き起こす力を持ってて)

唯(超音波攻撃とかトゲミサイルとかいっぱい装備してて……)

唯(そんなモンスー太に弱い設定を、弱い設定を……)





モンスー太「ピギイイイ!」

ダイナ(律『ぎゃふん!』バタンキュー

澪「律――!」


唯「え、なに? どうなったの?」

梓「あの怪獣がいきなり凄い力を発揮して律先輩をのしちゃったんですよ!」

唯「ええっ!?」

ダイナ(律『も、もー無理……』ピコンピコン

フッ

律「……ギブギブ」

澪「大丈夫か!」

律「な、なんとか……」

モンスー太「ピギイイイイ!」グバッ


ボオオオオオオオオオオオオオ!


律「ああっ! 街が、街が燃える……!!」

澪「誰かが戦ってあいつの攻撃を引きつけないとあっという間に街は壊滅だ!」

梓「でもあれを倒す方法はまだ……」

唯「それでも、私たちはやらなくちゃ!」

唯「……」バッバッ

唯「レオ――――――!!!」バッ


キュイイ キュイイ キュイイ


レオ(唯「いやぁーっ!」

レオ(唯「えいっ!」ブンッ

モンスー太「ピギイ!」フッ


梓「もはやお約束ですね」

澪「あはは……」

律「そういえばムギ、まだ何もわからないか?」

紬「ちょ、ちょっと待って。あと少しでわかりそうなの」



紬(……)

紬(……そもそもどうして、どうやって落書きが怪獣になったの?)

紬(最初にあれが現れた時、ノートは机に出しっぱなし)

紬(怪獣が消えたあと探しに行った時は、ノートはがれきの下)

紬(そしてこの河川敷でノートを開いたらまた怪獣が現れた……)

紬(怪獣が出てる時と出てない時は何が違う?)

紬(……ノートが開いてるかどうか?)

紬(……違う。朝から唯ちゃんがノートを開いた瞬間は怪獣なんて現れなかった)

紬(じゃあ何が?)

紬(……怪獣が消えた時ノートはがれきの下)

紬(がれきの下には何がある? 何がない?)

紬(……お日様?)

紬(……)

紬(……あ)

紬「あ――――――!!」

澪「ど、どうしたムギ?」

紬「思い出した、思い出したわ!」

律「なんだって!」

梓「あいつは何なんですか?」

紬「姿こそ違うけど、あの怪獣って落書き怪獣ゴンゴロスそっくりなの!」

澪「落書き怪獣ゴンゴロス?」

紬「そう。詳しくはこの本に載ってるから自分で調べて!」

梓「ウルトラ怪獣図鑑……」

紬「私は唯ちゃんに加勢してくる!」

律「ちょ、ムギ!」

紬「タロウ――――――!!」バッ

ギュイーン

タロウ(紬「でやーっ!」

タロウ(紬『唯ちゃん、秘策を授けに来たよ』

レオ(唯『ムギちゃん!』

モンスー太「ピギイイイ!!」バッ


バシュッ! バシュッ!


レオ(唯『トゲミサイルだ!』

タロウ(紬『タロウバリヤ―――!』バッ


ガキィイイン!


タロウ(紬『……唯ちゃん、話してる時間はあんまりないけどよく聞いて』

タロウ(紬『あの怪獣の種明かしをするから』

レオ(唯『種明かし?』


……

澪「……」パラパラ

律「見つかった?」

澪「……うん。ああ、これだな」

澪「落書き怪獣ゴンゴロス」

澪「落書きに宇宙生物が取り憑いて、その名の通り落書きが怪獣になったみたいだ」

梓「唯先輩の落書きにも宇宙生物が憑いていたんですね」

律「だな」

澪「何でも太陽光線をエネルギーに実体化するらしいよ」

律「つまり……?」

澪「唯のノートは机の上に出しっぱなしだったからお日様の光を十分に浴びて実体化したんだ」

澪「でも実体化時にノートはがれきに埋もれちゃった」

梓「だから1回目に現れた時はすぐに消えたんです」

梓「がれきの下じゃ太陽光線は浴びれませんからね」

律「なるほど」

澪「それでこの河川敷でノートを開いたからまた日の光を受けて怪獣が実体化したんだよ」

律「それで?」

律「あいつに対する具体的対策は?」

澪「うん」

澪「水をぶっかけろ、って書いてある」

梓「み、水ですか?」

澪「元が落書きだからな」

律「あ、そういうこと」

澪「あとは唯とムギがどうにかしてくれるさ」






梓「そういえば」

梓「どうしてムギ先輩は怪獣図鑑なんて持ち歩てるんですか?」

梓「文庫版だから重くはないですけど……」

律「まあムギは怪獣大好きだからな」

澪「怪獣の学問があったら一発で博士号だよね」

梓(……あんまり理由になってないです)


ムギはHTTにおけるテッペイやオキのポジションなのだ


レオ(唯『なるほど、モンスー太は水が弱点だったんだ』

タロウ(紬『ええ。水をかけたあと本体の宇宙生物を倒せばフィニッシュよ』

レオ(唯『ムギちゃん、水お願いできる?』

タロウ(紬『もちろん。そのために私は来たんだから』


タロウ(紬『いくよー……えいっ!』

キラーン
 |ヽ/∥ ノ|
 丶( ゚∀゚)ノつ□ ジャーン

レオ(唯『……バケツも出せるなんてキングブレスレッドは万能だね』

タロウ(紬『まあね♪』

タロウ(紬『よーし』

タロウ(紬『それっ!』


バシャ――――――ン!


モンスー太「……ピギイイイイ!!」

タロウ(紬『あとは拭いて消したらおしまいね』

タロウ(紬『~♪』スイスイー

モンスー太「……ピギイイイ」

レオ(唯『落書きが消えるみたいにモンスー太も拭き取られてく……』

タロウ(紬『~♪』スイスイー

モンスー太「」

タロウ(紬『えいっ』キュキュッ!

「」



レオ(唯『いなくなっちゃった!』

レオ(唯『……んん?』


ヒュ―――――――――ン


レオ(唯『青い石が飛んでく……?』

タロウ(紬『唯ちゃん、あれが本体よ!』

レオ(唯『そういうこと!』

レオ(唯『よーし……』

レオ(唯『レッド手裏剣ビ――ム!!』

バシュウウウウウウウン!



…………ドカアアアアアアアン!!



レオ(唯『やったぁ!』

タロウ(紬『ナイスショット!』


こうして地球は壊滅の危機から守られた
その貢献者たるHTTは学校に帰り、いつも通りにティータイムを楽しもうとしたのだが……


唯「……」

梓「……」

紬「……」

澪「……」

律「……学校半壊したの忘れてた」


それでも3日後には学校は復活したそうな









今日もみーんな救われた
ありがとう、放課後ティータイム!



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最終更新:2011年03月13日 00:26