――ピコン ピコン ピコン ピコン――――


ダイナ(律「はっ!」ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」

ダイナ(律『ちくしょう……』ピコンピコン

ダイナ(律「……だぁっ!」キィイン

律が撃ったのはダイナスラッシュ。必殺の切断光輪だ


ゼットン「……ゼットン」バリーア


ガキィイイイン


ダイナ(律「!」ピコンピコン

ダイナ(律『……万事休すか』ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」

ピンッ


ダイナ(律『あっ!』ピコンピコン

ピンッ

ゼットン「……ゼットン」ドカッ

ダイナ(律「ぐわあっ!」ピコンピコン

ゼットン「ピロロロロ」


その時

バシュ―――――――ン

澪「怪獣出現ポイントはこの辺りだなー ……げ。まだ怪獣が残ってる」

澪「……でもおかしいな。戦ってるのは律だけだ」


ゼットン「……!」

ダイナ(律「はっ!」ピコンピコン

ダイナ(律『澪! 来るんじゃない! 戻れ―――!』ピコンピコン

澪「え? 何だって?」

ゼットン「ピロロロロ」バッ

ダイナ(律「!」ピコンピコン

ダイナ(律『止めろ! 澪を撃つな―――!』ピコンピコン

ゼットン「……ゼット

ダイナ(律『やめろって言ってんだろおおおおお!』ピコンピコン

ダイナ(律「だぁっ!!」バッ

ビィイイイイイイイイイイイイイイ

ビィイイイイイイイイイイイイイイ


ゼットン「……ピロロロロ」ガシッ

ダイナ(律『なっ!?』ピコンピコン

ゼットンは律のソルジェント光線を、その両手で受け止めていた。そして

ゼットン「……ゼットン」

ババババババババババババ

波状光線として律に跳ね返した!


ダイナ(律『うわああああああ!』ピコンピコン

澪「律!」



ダイナ(律『……あ…、ぐぅ……』

ドサッ

ダイナ(律『ぁ……』

ダイナ(律「」

フッ

律「」

ゼットン「ピロロロロ ……ゼットン」

澪「う、うそだろ…… り、律が負けた……?」

澪「……まさか他のみんながいないのも、こ、こいつに負けたから?」

ゼットン「ピロロロロ」

澪「ひ、ひぃっ!」

澪「あ…… か、勝てるわけがないよ……」

澪「……逃げなきゃ! 逃げなきゃ!!」

ゼットン「……ゼットン」

澪「……うあ、あ、あ、あ」

澪「うわああああああああああああああああああ!」グイッ


バシュ――――――――――――――ン

澪を乗せたクロムチェスターδは最高スピード マッハ7でA地区から離脱した



ゼットン「ピロロロロ ……ゼットン」


これが、放課後ティータイム全滅の全貌である



さわ子「HTTが全滅!?」

和「はい」

和「モンスアーガーを囮にして現れた、宇宙恐竜ゼットンによって ……全滅しました」

さわ子「だ、誰か死んだりしてないでしょうね?」

和「幸い死者はいませんでした」

和「ただ……」

和「ムギと中野さんはストライクチェスターを攻撃され重傷。意識がありません」

和「唯は体力の消耗が激しいですが比較的軽傷です。こっちもまだ意識が戻っていません」

和「そして最後まで戦った律は、全身に大怪我を負っていて助かるかもどうか怪しい、と……」

さわ子「そ、そんな……」

さわ子「……ん?」

さわ子「澪ちゃんは? 澪ちゃんはどうしたの?」

和「澪は……」

和「今日は遅れて出動したらしく、律が負けたのを見て帰投したそうです」

和「そのため無傷ですが……」

さわ子「どうしたのよ?」

和「……怯えています。心が壊れてしまいそうなくらいに」

さわ子「……」



部室。柄にもなく静かな部室


澪「………………………………」

澪「……………………………」

澪「…………………………」

澪「………………………」

澪「……………………」

澪「…………………」

澪「………………」

澪「……………」

澪「…………」

澪「………」

澪「…」

澪「」


澪「……ナイ」


澪「……アリエナイ」

澪「……アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ アリエナイ!!」

澪「みんなが負けるなんて……」

澪「……」

澪「……次は私の番だ」

澪「私が戦いに行ってあいつに殺されるんだ」

澪「……ヤダ」

澪「いやだああああああああああああああああああ!!」

澪「うわああああああああああああああああああ!!!」



――――ゼットン『ピロロロロ ……ゼットン』――――――



澪「ひいっ!!」

澪「……ぅあ……ぁ……」

澪「……やだぁ」

澪「……」

澪「……グスッ」

澪「……怖…ぃ…」ポロポロ

澪「怖いよぉ……」ポロポロ


……

さわ子「……それで? 被害の状況は?」

和「はい」

和「ゼットンの出現ポイントであるA地区は既に全壊」

和「現在、隣接するC地区第7ブロックが侵攻を受けています」

さわ子「じゃあ、今こっちが使える武装は?」

和「ストライクチェスターが撃墜されたので、現在使用できるのはチェスターδと予備のチェスターαのみです」

和「ですがハイパーストライクチェスターはおろかストライクチェスターへの移行も不能ですし」

和「ゼットンに有効打を期待することはできないと思います」

さわ子「しかもウルトラマンはいない、か……」

さわ子「……あはは、絶望的じゃないの」

和「……これからどうします?」

さわ子「どうしますもこうしますも、私たちしか戦えないなら私たちが戦うしかないじゃない」

和「ですよね……」

さわ子「……」

さわ子「……真鍋さん」

和「は、はい」

さわ子「あなたは、ここに残って澪ちゃんを励ましてあげて」

和「えっ」

さわ子「立ち直ってくれれば貴重な戦力になるし、何より心に傷を負ったままじゃ澪ちゃんは本当に壊れてしまうわ」

和「せ、先生はどうするんですか?」

さわ子「……私はチェスターδで出動する」

さわ子「たまには大人らしいこともしなくっちゃね」

さわ子「……あれ?」

和「はい?」

さわ子「チェスターってどこから乗るんだっけ」

和「軽音部の部室ですね」

さわ子「澪ちゃんってどこにいるんだっけ」

和「……部室ですね」

さわ子「あー……」

和「一緒に行きます?」

さわ子「うーん……」

さわ子「いいわ。まず私がちょっと澪ちゃんと話してから出動する」

さわ子「だから、真鍋さんが部室に行くのは30分待ってちょうだい」

和「は、はい」


ガチャッ

さわ子「……」

澪「………コワイ コワイ コワイ」ブルブルブル

さわ子「……これは重傷ね」

澪「……コワイ コワイ コワイ コワイ」ブルブル

さわ子「みーおちゃん」

澪「……?」

さわ子「大丈夫?」

澪「……先生」

さわ子「なーにがそんなに不安なの? 先生に話してご覧なさいな」

澪「…………」

澪「……怖いんです」

さわ子「怖い?」

澪「……戦いが怖くなったんです」

澪「私は見た。律があの怪獣に倒されるところを」

澪「そしてまだ暴れてる」

澪「私なんか行ったってあっという間に殺されちゃうんだ……」

澪「律みたいに、みんなみたいに……」

澪「……そんなのいやだ。死にたくない」ポロポロ

澪「いやだよ……怖いよぉ……」ポロポロ

さわ子「そっかぁ……」

澪「……グスッ」

さわ子「でも」

さわ子「あなたがここでメソメソしてたら、怪獣は野放しのままよ?」

さわ子「それだけで人が死ぬ。誰かが悲しい思いをするって事」

さわ子「そんな悲しみが生まれないように」

さわ子「誰かの大切な人を守るために、あなたたちは戦っているんじゃないの?」

澪「……そんなの、知ってます」グスッ

さわ子「……だったら」

さわ子「なぜそこで泣いてるの?」

さわ子「その涙は何?」

さわ子「あなたのその涙でこの地球が救えるの?」

澪「……」

さわ子「……今、あの怪獣はC地区にいるそうよ」

澪「……!」ビクッ

さわ子「私が今からチェスターδで先行するわ。だから……」

さわ子「必ず来て。待ってるから」

澪「そ、そんな!」

澪「あいつのとこに行ったら先生だって死んじゃうよ!!」

澪「死ぬのが怖くないの!?」

さわ子「……平和のためだもの。へっちゃらよ」

澪「……」

さわ子「……じゃあ行くから」



さわ子「……出動―――!!」


……

クロムチェスターδ操縦席


さわ子「……はぁ」

さわ子「あーあ。元気を分けてあげるはずが、どうして私がこんなに落ち込んでんのかしら」

さわ子「……あー、分けたから私の元気は減ったのか。あはは」

さわ子「……」

さわ子「はぁ……」


――――澪『死ぬのが怖くないの!?』―――――――


さわ子「……」

さわ子「馬鹿ね……」

さわ子「……死ぬのが」

さわ子「死ぬのが、怖くないわけ、ないじゃない!!」グイッ


バシュ――――――――――――――ン


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