唯「ムギちゃんどったの?」

紬「ゆ、ゆ唯ちゃん!それ本当・・・なの?」

唯「う~ん。夜に爪切った事ないから分かんない!」

紬「わ、私・・・昨日の晩に爪切っちゃった」

唯「えぇ!?」

紬「私、馬になっちゃうの?」

唯「だ、大丈夫だよ!ただのジンクスだもん!多分・・・大丈夫」

梓「どこから突っ込めばいいんですか?」

紬「梓ちゃん私・・・馬になっちゃうの?」

梓「大丈夫ですよー!」

紬「本当の本当に?」

梓「はい、馬にはなりません。それと唯先輩、そのジンクス間違ってますよ!」

唯「ほえ?どこが~?」

梓「こほん。えーと正しくは、夜に爪を切ると親の死に目に会えない。です!」

紬「えっ!!」

唯「あれ~?そうだっけ?とみおばあちゃんから聞いたんだけどなぁ~」

紬「・・・」ブルブル

唯「ムギちゃん?」

紬「親の死に目に会えないだなんて・・・そんなの嫌。馬になるより嫌だわ・・・」

梓「こ、これもただのジンクスだから大丈夫ですよ!」

紬「本当に?」

梓「はい、大丈夫です」

紬「良かった・・・」

唯「ムギちゃん良かったね~」

紬「えぇ・・・これがもし本当だったらって考えると・・・」ブルブル

梓「夜に爪切るだけで親の死に目に会えないなんて酷いですよね」

唯「それよりっちゃん達遅いね」

梓(それよりっちゃん?)

紬「本当ね~」

梓(ムギ先輩、それよりっちゃんに気付いてない!)

唯「あ、ムギちゃん今日のお菓子なにー?」

紬「今日はマドレーヌよー」

唯「やったぁ~!」

梓(はぁ・・・今日も練習やらなさそうだなぁ)

唯「あ、こんなジンクス知ってる?マドレーヌをつまみ食いすると死ぬ!」

梓「ぶ、物騒ですね」

紬「・・・」ガシャーン

唯「ム、ムギちゃん!?」

紬「・・・」ガクガク

梓(まさか唯先輩の言った事また信じたんじゃ・・・)

紬「わ、私・・・生きたい」

唯「はっ!ム、ムギちゃんもしかして・・・」

紬「つまみ食いしちゃった・・・」

唯「・・・」

紬「・・・」ガクガク

唯「・・・」ガクガク

紬「ゆ、唯ちゃん何か言って・・・お願い」

唯「ム、ムギちゃん・・・」

紬「唯ちゃん・・・梓ちゃん・・・」

梓「だ、大丈夫ですよ!そんなのただの嘘ですよ!」

紬「で、でも・・・さっきのより現実味あるわ・・・」

梓「う、嘘です嘘です!嘘っぱちです!」

梓(って言うか唯先輩、あんなジンクス誰から聞いたんだろう?)

紬「本当に嘘なの?」

梓「はい!絶対死にませんよ」

唯「あずにゃんが言うんなら嘘だよ!ふぅー良かったぁ~」

紬「ふぅー良かったぁ~」

梓(ムギ先輩、意外とジンクスとか信じちゃう人なんだ。相変わらず可愛い人だなぁ)

紬「私、本当に死んじゃうかと思っちゃった・・・」

唯「私も・・・」

梓「あ、良いジンクスもあるんですよ!」

紬「良いジンクス?」

梓「佐川急便ってあるじゃないですか?」

紬「佐川急便?」

梓「えぇっ!佐川急便知らないんですか?」

紬「有名な人?」

唯「人じゃないよー運送会社だよー」

紬「そ、そうよね!い、今思い出したわ!」カァァ

梓「えーと。佐川急便のトラックに赤いふんどし付けた人の絵が描かれてるじゃないですか?」

唯「あるあるー」

紬「あ、あるあるー」

唯「って言うか私それ知ってる!」

梓「あ、知ってるんですか」

唯「うん!その赤いふんどし触ると死ぬんだよね!」

梓「ど、どうなったらそんな物騒なジンクスになるんですか!?」

唯「え、違うの?」

梓「違いますよ!」

紬「良かったわ・・・」

梓「赤いふんどしに触るとなんと!」

紬「なんと?」

梓「こほん。なんと願い事が叶うんです!」

紬「な、なんですってー!!」

唯「すごーーい!」

紬「梓ちゃん凄いわねー!ねー?」

唯「うん!凄い!」

梓「あ、ありがとうございます」ムフー

紬「早速!佐川急便探さなきゃ!」

唯「だね!探しに行こうよ!」

梓「ダ、ダメですよ!部活中ですよ」

唯紬「そうだった(わね)・・・」

梓「帰りに探してみたらどうですか?」

紬「梓ちゃんそれ名案ね!」

唯「さっすがあずにゃん!」

紬「なにお願いしようかしら?」

唯「迷うね~」

律「おーすおーすおーす!」

唯「あ、りっちゃん!おーすは一回でしょー」

律「はいはい」

唯「はいも一回!」

澪「みんな待たせてごめんなー」

紬「澪ちゃん!りっちゃん!今日は梓ちゃんがすごーいのよー」

律「何が凄いんだ?」

唯「ジンクスを沢山知ってるの!」

澪「ほ、本当か?」

梓「沢山じゃないですけど・・・ちょこっとだけなら知ってます!」

澪「お、教えてくれ!」

梓「えっと・・・探し物はありますか?」

唯「鞄の中もー」

紬「机の中もー」

律「探したけれど見つからないのにー」

梓「まだまだ探す気ですか!」

澪「あ、梓?」

梓「ま、間違えました・・・。ちゃかさないでください!」

澪「そうだぞ!」

唯「ごめんなさ~い」

紬「梓ちゃん続けて?」

梓「は、はい。探しものはあります?」

澪「うん。長い間使ってたピックが無くなってずっと探してる」

梓「にんにくー!って叫びながら探すと見つかるらしいですよ!」

律「そんな事信じる人いるわけ・・・」

澪「にんにくー!にんにくー!」

律「って信じてるし!」

紬唯「にんにくー!にんにくー!」

律「こっちもかよ!ってかお前ら探し物あるの?」

唯「私はヘアピン!」

紬「実は私、探し物ないの・・・」

律「ムギ探し物ないのか、きちんとしてるからなー」

紬「りっちゃんは探し物ないの?」

律「ない・・・かな?」

梓「探したい物を忘れてるだけじゃ・・・」

律「あーずーさー」

梓「きゃー!」


澪「にんにくー!にんにくー!」

唯「にんにくー!にんにくー!」

澪「あ、あった!」

紬「澪ちゃん凄い!」

律「このやろー」グリグリ

梓「おたすけーっ!」

唯「私は見つかんないやー」

澪「ほら!律!このピック見付かったぞ!」

律「良かったなー」

梓「ふ、ふぅ」

紬「澪ちゃんいいなー」

唯「いいなー」

梓「あ、まだまだありますよー」

紬「聞かせて!」

梓「赤い車を三台見ると・・・死ぬ!」

澪「・・・」

紬「・・・」

唯「・・・」

律「よーし!一気に空気重くになった!」

梓「た、ただのジンクスですよ!」

澪「そ、そうだよな!ジ、ジジジンクスだよな!あはは」

紬「いいジンクスを教えてくれると思ってたわ・・・」

唯「・・・ふかく」

梓「本当にただのジンクスですから気にしないでくださいね!」

律「そう言っても信じてしまうのがこの三人なんだよなー」


梓(はぁ・・・もっと良いジンクス言えば良かったなぁ)

キーンコーンカーンコーン

律「おおっ!もう6時か、そろそろ帰るか!」

紬「そ、そうね!」

唯「目閉じて帰ろうかなぁ」

律「本当に死ぬぞ」

澪「死ぬ死ぬ言うなーっ!」



その晩

紬「良かった・・・今日は赤い車見なかった・・・」

紬「そう言えば・・・昨日夜に爪切っちゃったから・・・」

紬「で、でもただのジンクスよ!」

紬「ジ、ジンクスよ」

紬「・・・」

紬「さいとー!さいとーー!」

斎藤「どうかしましたか?」

紬「お父様とお母様の様子や体調がおかしかったら呼んでちょうだいね!絶対よ!」

斎藤「・・・?かしこまりました」

紬「絶対の絶対よ?」

斎藤「はい、ご用件は以上でよろしいでしょうか?」

紬「え、えぇ」

斎藤「それでは・・・何かまたご用件があればお呼び下さい」

紬「分かったわ」

紬「これで安心して眠れるわね・・・」

紬「・・・」

紬「大丈夫、大丈夫よ紬。大丈夫・・・」

紬「大丈夫・・・大・・・丈夫・・・」

紬「あ・・・梓ちゃん・・・髪が髪が・・・うふふ」

紬「・・・」スゥスゥ



次の日、放課後。

紬「えぇーっ!梓ちゃん風邪ひいたのー!?」

唯「う、うん。憂から聞いた」

紬「だ、大丈夫なの?」

唯「ム、ムギちゃん落ち着いて聞いてね。あのね・・・あのね!」

紬「う、うん・・・」スーハー

唯「あずにゃん昨日赤い車10台連続でみたんだって!」

紬「え、えーっ!!」

紬「ど、どうしよう?梓ちゃんが!梓ちゃんが・・・」

唯「あずにゃん・・・」

紬「そ、そうだわ!今日、部活お休みするってみんなに言っておいて!」タッタッタッタッ

唯「あ!・・・行っちゃった」


どこかの道路

紬「佐川急便さんのトラックに描かれてるふんどしをタッチすれば・・・」

紬「梓ちゃんを救えるわ!きっと!」

ブロロロロン

紬「あ、赤い車見ちゃった・・・」

紬「佐川急便のトラックないわね」

紬「・・・あ」

紬「佐川急便のトラックってどんなのか分からないわ」

紬「・・・」

ブロロロロロン

紬「あ、赤い車二台目・・・」

紬「次はもう・・・」ブルブル

紬「怖くない怖くない。梓ちゃんのため梓ちゃんのため・・・」

紬「・・・あ!」

紬「そうだわ!あの手があったわね」

紬「にんにくー!にんにくー!」

紬「にんにくー!にんにくー!にんにくー!」

ブロロロロン。キィー。

紬「あれだわ!・・・多分」

紬「と、止まってる今がチャンス」

紬「え、えいっ!」タッチ

紬「梓ちゃんの病気が治りますよーに」スリスリ

紬「これで・・・大丈夫よね」

紬「唯ちゃんがこの事に気付かなくて良かっわ。赤い車三台見て、もしかしたらトラックに轢かれてたかも・・・」


帰り道。

唯「あずにゃんの風邪治って良かったねー」

紬「うふふ。そうね~」

紬(佐川急便さんありがとう)

唯「もうすっかり暗くなったねー」

紬「早く帰りましょ?私、赤い車二台も見ちゃったから怖いの」

唯「大丈夫!三台みたら私が一台貰ってあげるよ!あ、流れ星!」

紬「本当ねー」

唯「願い事し忘れちゃった。てへへ」

紬「唯ちゃんそれ迷信よ~」


おわり