律「なー梓?」

梓「はい?」

律「梓ってどんなパンツ履いてるの?」

梓「・・・はい?」

律「だから、どんなパンツ履いてるの?」

梓「・・・セクハラですね、わかります」

律「え!?ガールズトークの一種だろっ!?」

梓「先輩はどことなく男っぽいからガールズトークには混じれません」

律「ひでぇ・・・」

梓「そして、ここは女子高です。先輩はどちらかと言うと男役です」

律「そ、それがどうしたんだよ」

梓「教師(オッサン)が私に『どんなパンツを履いてるの?』なんて聞いたら、どう思いますか?」

律「・・・セクハラだな、確実に」

梓「そうです。それと一緒です」

律「一緒じゃねーし!」
梓「いいえ、一緒です」

律「確かに私は男っぽいかもしれないけど、女だぞ!」

梓「・・・証拠は?」

律「え・・・えぇぇ~・・・?」

梓「証拠がないならやっぱりセクハラです」

律「ここの生徒ってことが証拠だ!さっき梓も言っただろ?ここは女子高だって!」

梓「確かに、言いましたね」

律「じゃあそれが証拠だ!」

梓「う゛・・・でも問題は他にもあります」

律「なんだよ」
梓「ここは音楽室です、わかりますね?」

律「わかるっつーの」

梓「澪先輩は委員会、ムギ先輩と唯先輩は掃除当番です」

律「ああ、そうだな。でもそれがどうしたんだよ」

梓「二人きりの時にこんな話をする、まさにセクハラです」

律「なっ・・・!私はただ、梓がどんなパンツ履いてるか気になっただけなのに・・・」

梓「気になるのは構いません。女の子のスカートの中は男の子の夢空間ですから」

律「夢空間って何」

梓「言葉の通りです」

律「いや、っていうか私女だって。さっき説明して分ったような話しただろ・・・」
梓「それとこれとは別の話です」

律「いや、どう考えても一緒だろ」

梓「は?」

律「え、あ、いや・・・すんません」

梓「っていうか律先輩は掃除当番じゃないんですね」

律「え?ああ、なんていったってサボりだからな」

梓「今すぐ掃除してこい」

律「えーでももうすぐ終わるって」

梓「あ?」

律「・・・行ってきます・・・」




律「全く、なんだよー梓のやつ」テクテク

律「ちょっとくらいいいじゃん」

律「挙句の果てには男扱いするし・・・!」

律「私だって女の子だっつーのっ!」

ガラッ

律「うぃーっす」

唯「あ!りっちゃん!」

紬「あら、りっちゃんじゃない、どうしたの?」

律「梓に掃除してこいって怒られた」

唯「あずにゃんに怒られるとか、りっちゃんもまだまだだね!」

律「うううるへー!」

紬「でも、掃除はほぼ終わっちゃってるわよ?」

律「そ、そうか!じゃあ音楽室行こうぜ!」

担任「待て田井中」

律「」
担任「お前、このまま何もしないで音楽室に戻れると思うなよ?」

律「・・・えーと?」

担任「ほら、今日はこれで勘弁してやる」

律「ゴミ箱・・・?」

担任「何か文句があるのか?」

律「・・・ないでーす」

唯「りっちゃん!サボった罰だね!」

律「うるっさーい!」

紬「待ってようか?」

律「いや、先に行っててくれ」

担任「早く行け。ゴミ置き場の鍵が閉まるぞ」

律「へいへーい」

担任「返事は一回!」

律「・・・へーい」



律「くっそー、なんでよりにもよってこんなめんどくさい仕事・・・」テクテク

律「確かにサボってた私が悪いけど・・・」テクテク

律「結構重いな、これ」ガチャ

律「すみませーん」

おばちゃん「はぁい?」

律「ちょっと遅くなっちゃったけど、これ」

おばちゃん「はい、ご苦労さん。ちょっと待っててね」

律「へーい」


おばちゃん「はい、どうぞ」

律「どもー」

バタンッ

律「さらにゴミ箱を教室に持って行かなきゃならないとか・・・」

律「はぁ・・・めんどくせー」



律「おいーっす」ガチャ

唯「お!りっちゃん!戻ってきたね!」

律「おう」

紬「丁度お茶が入ったところなの、飲みましょう?」

澪「それにしても、律。遅かったな?」

律「ああ、掃除でちょっくらゴミ置き場まで行ってた」

澪「なるほど」

梓「ちゃんと掃除に参加したようですね、感心感心」

律「おう、私はいい子だからな。それくらいするのさ」

梓「サボってた人の言う台詞じゃありませんね」

律「う゛・・・って、何してるんだ、お前ら!!」

唯「うん?」

紬「どうかした?」

澪「なんだ?真っ青な顔して」

律「いやいやいや!なんでお前ら梓のスカート捲ってるんだよ!」

唯「へ?なんで?」

律「なんでじゃないでしょーが!」

梓「これは、先輩達がどうしても私のパンツを見たいって言うから」

唯「えー、私はどんなパンツ履いてるのか聞いただけだよ?あずにゃん!」

梓「あれ?そうでしたっけ?すみません」

唯「『どんなの履いてるの?』って聞いたらあずにゃんが見ていいって言ってくれたんだよ!りっちゃん!」



律「」


澪「それにしても、梓のパンツ可愛いな!」

梓「え、ええー///そうですか?///」

紬「ええ、とっても可愛いわ!」

唯「これぞあずにゃん!って感じ!あ、でも澪ちゃんのパンツも可愛かったよ!」

律「」

梓「はい、私もそう思います!しましまのは持ってないんですが、先輩の見て買おうか迷っちゃいましたもん!」

澪「ええー?///そうかな?・・・恥ずかしいな///」

紬「ええ、二人ともとっても可愛いわ!」ハァハァ

律「待てー!!!」

一同「!?」

律「おかっしいだろー!?」

澪「へ?」

律「おかしい!これは絶対おかしい!」

梓「・・・はい?」

律「いや、なんで『この人何?いきなり』みたいなリアクションしてるんだよ!おかしいだろ!」

唯「えーと?」

律「いや、唯や澪、ムギは悪くない。悪いのはお前だ梓!」

梓「なんで!?」

律「いやなんで!?」

澪「律、ちゃんと説明しろ、わからないだろ?」

律「あ、ああ、悪い。梓の奴、さっき私がパンツどんなの履いてるの?って聞いたときはセクハラ呼ばわりしたんだぞ!?」

紬「・・・」

唯「りっちゃん、あずにゃんにどんなパンツ履いてるか聞いたの?聞いちゃったの?」

律「へ?あ、ああ!聞いたぞ!」

澪「それは・・・」

唯「セクハラ・・・」

紬「ね・・・」




律「」

梓「唯先輩達と律先輩じゃ扱いが違うのは当たり前田のクラッカーです」

律「なんでだよ!私だって女だってーの!っていうかそのネタ古いよ!」

梓「いいですいいです、性差別をしたのは事実です。すみませんでした」

律「なんだよその『めんどくせーから謝っとけ』的な大人の対応!っていうか性差別って言うなー!!」

梓「律先輩は元気ですね」

律「・・・」

唯「りっちゃん、それはりっちゃんが悪いよ」

澪「ああ、律が悪い」

紬「私だってりっちゃんにパンツどんなの履いてるかなんて聞かれたら、梓ちゃんと同じこと言ってたと思うわ」

律「・・・ざけんなぁぁぁー!!」

律「なんでわかんないんだよっ私はな!女なんだぞ!?なのになんで性差別されなきゃならないんだ!」

澪「ああ、そうだな。律は女の子だ」チラチラ

律「目が泳いでる!」

紬「わかってるわ、りっちゃん。あなたはれっきとした女の子よ」ヒヤヒヤ

律「そして大量の汗ぇ!!」

律「なんだよ・・・なんだよ・・・!」ダッ

唯「あ!りっちゃん!」ダッ

ガシッ

唯「ほわ!?」グラッ

梓「・・・先輩、今は・・・そっとして置きましょう?」

唯「そう、かな?」

澪「ああ、そっとしておいてやろう」

紬「それがりっちゃんのためよ」




律「マジで意味わかんねー!」

律「なんだよ、みんなのあのリアクション」

律「・・・私・・・女、だよな・・・?」ジー

律「・・・」ジー

律「うん、鏡に映る私はやっぱ美少女だ」

律「・・・なんつってー」ボソッ

律「一人じゃボケも虚しいなっ!」



梓「律先輩、戻ってきませんね?」

澪「ああ、遅いな・・・」

紬「やっぱりあの冗談はキツ過ぎだったんじゃ?」

唯「そうかなー?りっちゃんだったら笑って流してくれると思ったんだけど・・・」

澪「咄嗟の冗談だったのに、妙にみんなの息が合っちゃったからな・・・それも原因の一つかも」

梓「いえ、律先輩と二人のときに私がセクハラ呼ばわりしたからです・・・」

唯「りっちゃん・・・怒ってるかなぁ?」

澪「うーん、あいつのあの様子だと、怒ってるっていうより、困惑してるって感じかな」

紬「りっちゃんは誰よりも女の子なのに・・・ごめんなさい」

澪「そうだ」

唯「ん?どうしたの?」

澪「梓が律にパンツ見せればいいんじゃないか?」

梓「へ!?」

唯「それいいかも!」

梓「いや良くないでしょう!?」

紬「いや、名案よ!」

梓「いや、迷案だよ!」

澪「よく考えてみろ、梓。律が女の子に女の子じゃないからって除け者にされたんなら・・・」

梓「されたなら?」

澪「輪に入れてやればいいじゃないか」

梓「・・・でも、そんなに上手くいきますかね?」

紬「大丈夫よ、もちろん私たちも後から謝るわ。でも、それにはきっかけが必要なの。わかるわね?」

梓「ま、まぁわからないでもないです・・・」

唯「大丈夫だって!きっとりっちゃんもあずにゃんの方からパンツ見せてくれたら嬉しいよ!」

梓「そ、そうですか?」

澪「ああ!絶対だ!」

紬「じゃあまずは・・・」

唯「りっちゃんを探そう!」ダッ

澪「唯は梓と1F!私は2Fで、ムギは3Fな!」ダッ

梓紬「了解!」ダッ


澪ルート

澪「うーん・・・誰もいないな・・・」

澪「帰宅部はとっくに下校時間だしな・・・」

澪「あれは・・・!」

澪「和!」


和「へ!?あ、あら、澪じゃない」

澪「生徒会の仕事か?」

和「ええ、そうよ」

澪「そっか。お疲れ様。・・・ところで」

和「なによ?」

澪「律を見かけなかったか?」

和「律?律ならさっきトイレの鏡とお話してたわよ?」

澪「律・・・!そんな風になるまで思いつめてたなんて・・・!!」

和「えーと・・・?」

澪「律はどこのトイレにいたんだ!?」


和「えっと、3Fのトイレよ」

澪「3Fか・・・!私よりもムギに頼んだ方が早いな・・・!」


プルルルル・・・・


紬「はぁい?」

澪「ムギ、私だ、澪だ」

紬「あら、どうしたの?」

澪「律が3Fのトイレにいたらしい!急いで行ってみてくれ!」

紬「あら、3Fのトイレならもう探したわよ?」

澪「!?」

澪「それで、どうだった!」

紬「・・・えへへへ~、逃げられちゃった♪」

澪「バカー!!!!」

和「・・・なんていうか、大変ね、あなたたちも」

澪「う・・・」グスッ


プルルルルルル・・・

唯「ほいほーい!」

紬「唯ちゃん?」

唯「うん!」

紬「私だけど、りっちゃんがね・・・」

唯「うん、りっちゃんが?」

紬「恐らく1Fに逃げたわ。3Fのトイレ付近に居たんだけど、足が速くて私じゃ追いつけなかったの」

唯「ほえーさすがりっちゃん!俊足だね!」

紬「それで、2Fにいる澪ちゃんもりっちゃんは見かけてないっていうから、1Fかと・・・」

唯「うんうん!なるほど!わかった!私は足遅いけど、あずにゃんがいるからきっと大丈夫だよ!」

紬「ええ、お願いするわ」

唯「うん!ありがとうね!」

紬「じゃあ、あとは頼んだわ」

唯「がってんです!」

唯「よし!いっくよー!あずにゃん!」

梓「はい!状況は大体わかりました!1Fに律先輩がいるんですね!」

唯「そうみたい!全力ダッシュだぁー!」ダッ

梓「はい!」ダッ


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最終更新:2010年01月07日 14:13