族子「いいけどさ~包めよ?」

不良女「はいっ! 前網にかかったやつが運よく金持ってるやつの知り合いで……」

族子「オメーらもうまいことやってんな~。で、どいつよ?
私らの可愛い後輩に追い込みかけてくれちゃってんのは」

1.2……6.7……9人か。しかも武器持ち……逃げなきゃ死んじゃうなこれは。

不良女「こいつッスよ!」

族子F「あ~ただのトッポイガキじゃん」

族子E「どあたまはいっちょまえに金髪だけどなwww」

族子B「さっさとやっちゃいましょうよカップ麺伸びちゃう」

姫子「(あれ? あれって確か私の学校の……)」

姫子「(何かよくわかんないけど同じ学校の子をやるのは気がひけるな~……上手く逃げてくれたらいいんだけど)」

不良女「へへ、ビビって声もでねーか?」

ちっ……数が増えた途端意気がりやがって。
これだから数に頼るやつは嫌いだ。
ま、ここまで来たらとことんやるしかないよね……。

唯「来なよ。ただし3人は確実に殺すから」

族子「だってよwww」

不良女「(なんなんだよこいつ……なんでビビってねぇんだよこの状況で!)」

姫子「(殴るフリでもしとこうかしら…)」


「すっかり遅くなっちゃったな。結局見つけられなかった……さすがに今日はもう……ん?」

ラァァァァ!!! ドガッ!!! バギャンッ!!! フザケンナ!!! カカッテコイヤコナラー!!!

「喧嘩かな?」


唯「オラッ!」

族子B「ぐえっ」

族子C「テメー!」
唯「目潰し!」
族子C「ぐぎゃあ!」
族子F「やりやがったな!」
唯「目潰し!」
族子F「ぐぎゃあ!」

「オォ……汚ねぇ」

「でもまああの数じゃ無理かな。明日にはあそこでまた全裸で放置されてるかも(前にされてたし)」

「……まあ面白そうだし不本意ながらさっき助けてもらったし、加勢してあげよっかな」

梓「この中野ちゃんが」

おおぅ……目の前が血だらけじゃん。
くらくらしやがる……後5人か……ヤバいかな。

族子「オラッ!」ガスッ!

唯「あがっ」

族子「手間かけさせやがって。次から次へと変なアイテム出しやがってお前はドライモンかっての」

唯「はあ……はあ……殺す……次会ったら絶対……」

族子「次なんかねぇよ! ここで立ち直れないぐらいボコボコにした後全裸で放置しといてやるからおとなしく寝てろやっ!」ガスッ!

唯「がはっ!!」

姫子「(顔面蹴りとか容赦ないな~……さすがにそろそろ助け船出さないとヤバいかな)」

なんで……なんでだよ……。
なんで悪者が勝つんだよこの世界は……!
違うだろ……ほんとに最後に勝つのは……正しい方だろ……!

唯「ぐぐぐ……」

姫子「あの~この子……ってまだ立つのアンタ……」

唯「改めて証明してやる……金髪のツッパリは負けないってことを……私が!!!」

族子「何言っちゃってんのこいつ。もういいや、さっさとボコっちゃお」

族子D「うら~寝てろや!」ブンッ!Σ梓「」バシィィ

族子D「なっ……鉄パイプを片手で」

梓「ハーイ」シュッ

族子D「ごぶぁっ」

何が起きたの……?

族子「んだテメー!」

梓「混ぜろよ」ニヤリッ

族子「あ?」

梓「私は人数少ない方でいいからさ。ほら、かかってきなよ?」

族子「チビが……ラッキーパンチで意気がりやがって。おい」

族子HIJ「死ねやあああああああ」ブンッ!

 ササッ
梓≡梓「なにそれ、お遊戯でもしてるの?」バギャンッ!!!

族子H「ぶらばっ」

族子I「ひゅぱっ」

族子J「おんっ」

姫子「(一瞬で三人を……あの子何者?)」

梓「残るはそっちの二人だけですね」コイコイ

族子「やってやらぁぁぁぁぁ!!!」

梓「ふふ……」

唯「うおおおおっ」

族子「なにっ!?」

唯「オラァッ!」ガスッ!!!

走り込んで来たところを思いきり蹴り込む。
あっちの加速と相まって相手はゴムボールみたいに地面に転がっていった。

唯「はあ……はあ……後一人」

梓「ズルいですよいきなり出てきて横取りなんて。せっかくアドレナリン分泌してきたっていうのに」

姫子「(強い……まさかここまでとは)」

梓「まあいいです。後一人はもらいますよ?
さっきからビビってずっと棒立ちなところ悪いですけど逃がしませんよ?」

姫子「」シュッ 梓「なっ……」

姫子「あんま調子に乗ってるとはねちまうぞコラ」

梓「くっ(この私が反応出来なかった……?)」

姫子「唯、後始末はやっとくから」

唯「私を知って……」

姫子「ふふ、隣のクラスだからそっちは覚えてないかな?」

唯「ごめ……ん」バタリ

姫子「唯っ!? ちょっと大丈夫?! 唯っ!」

声が……遠く……。


唯「うっ……」

姫子「やっと目覚めた?」

唯「ここは?」

姫子「私の部屋。手当はしといたから。
私もよく生傷負うから手当は慣れてるつもりだけど包帯とかキツかったら言ってね」

唯「……ありがとう。あの子は?」

姫子「勝負しやがれですってうるさかったけど帰って唯の手当するからって言ったらおとなしく帰ってくれたわ。
次会ったら喧嘩しましょうって」ニシシ

唯「そっか……あの子にもお礼言いたかったな」

姫子「でさ、アンタ当たり屋の連中シメて回ってたらしいじゃん。なんで?」

唯「……私達のせいで友達が学校転校することになって……だからその原因さえなくなれば戻って来られるんじゃないかって……」

姫子「ああ、ヤクザ屋さんの琴吹のことか。
今地獄組と揉めてるらしいから材料に使われちゃったかな?」

唯「……詳しいね」

姫子「ツッパってるとそういう情報だけは入って来るからねー。
ちなみに元締めが誰なのかもマスターがどこにあるのかも知ってる」

唯「ほんとにっ!?」

姫子「でも……やめといた方がいいよ。取り返すのは不可能に近いし」

唯「それでも……取り返さなきゃ」

姫子「そ、……元締めは相良京子っていうやつよ。
マスターはそいつの溜まり場……開久高校の音楽室」

唯「開久……」

姫子「ここいらじゃかなりの悪女子校として有名よね。
授業中にあんパンやってるやついるって聞くぐらいだし相当ヤバいそうなのは間違いない。
それでも行くの?」

唯「……うん。行かなきゃ」

重い体をひこずりながら立ち上がる。

姫子「今すぐ?! 無茶よ! せめて体が治ってから……」

唯「それじゃ遅いんだよ……ムギちゃんがほんとに転校しちゃう前に終わらせないと……」


姫子「そ……なら止めないわ。理由がない喧嘩なんてつまらないもんね」

唯「えっと……」

姫子「姫子よ。立花姫子」

唯「姫子ちゃんはなんでツッパリやってるの?」

姫子「なんでって……楽しいからに決まってるじゃん」ニコッ

唯「楽しい……?」

姫子「そりゃ痛いこともいっぱいあるけどさ……こうやってバカやってるの、自分が嫌いじゃないから。
だからこれでいいの。この思いがある内は……ね。
勿論あんパンとか筋の通ってない喧嘩はやらない主義だけどね」

唯「そっか」ニコッ

姫子「唯、気をつけて」

唯「うん、色々ありがとう、姫子ちゃん」

  コツッ
唯⊃Σ⊂姫子

拳と拳を合わせる。それだけで何故か勇気をもらった気がした。
行ってきます、姫子ちゃん。


随分時間がかかってしまった。
まあこんな体じゃ仕方ないか……。

唯「開久女子高等学校……」

ほんとに開久に乗り込むことになるなんて。
まあ一緒なのは名前だけだけどね。

唯「……」

私の周りには誰もいない。

今井も、谷川も、小山も、伊藤ちゃんも、後から来るかもしれない中野ちゃんも。

唯「でも……三ちゃんはいる」

それなら大丈夫、金髪のツッパリは負けねぇ……負けちゃいけないんだから。

そう、約束したから。

「待てよ唯。一人でいいカッコしてんなよ」
「全く……退学になっても知らないからな」

声がした方に振り返る。

律「よっ」怒羅魔ー

澪「というかこの特攻服なに?」邊ー巣天使

律「姫子に学校バレないように着てけって言われたんだからしっかり着ろよ」

澪「ベース天使って……というか胸にサラシ巻く意味あったの?」

律「その方が雰囲気出るだろ?」

澪「はあ……」

唯「二人ともどうして……」

律「姫子に全部聞いたよ。マスター取り返す為に一人で特攻なんて無茶するよなお前も」

澪「ほんとだよな……全く」

唯「二人には頼んでないよ。私一人でやれるから……」ウッ……

律「そんな体で、ねぇ」

唯「バレたら退学どころじゃすまないよ?
それでもいいの?」

律「確かに退学は困る……けどな」

澪「唯一人に背負わせるのはもっと辛いから、ここに来た」

唯「りっちゃん……澪ちゃん」

律「ムギも唯も自分だけを犠牲にし過ぎなんだよ。一人で出来ないことは仲間を頼れよ」

唯「仲間……?」

澪「私達同じバンドのメンバーだろ?」

唯「……そっか。そうだったね」

いるじゃん……私にも仲間が。
こんな時になっても見捨てないで助けてくれる……仲間が。

律「一応人数も揃えて来たしなんとかなんだろ!」

智(聡)「かっぺ共が……」

信代「開久に乗り込むなんて伝説に参加しないわけには行かないよね!」

唯「……えっと…」

律「ああ、こっちの小さいのはこの間話した弟の聡ね。
学校サボってウロウロしてたから連れてきた」

智(聡)「ちっ……」

律「で、こっちは信代。パワーありそうだし来たそうだったから連れてきた」

信代「腕力なら自信あるよ!」

唯「あ……うん……ありがとう」

この面子でほんとに大丈夫だろうか……。

唯「私は裏から回ってマスター探すから!
その間ちょっと暴れてくれるだけでいい」

律「任せとけよ」

澪「ああ……もう怖いとか言ってられない……!」

智(聡)「軽くひねってやるよタコが……」

信代「ハッハッハ!」

唯「……すぐ行くからそれまで死なないでね」サササッ

律「さ~て行くか」コキッ

澪「うん」コキキッ

智(聡)「コイコナラー!」バキッ

信代「ハッハッハ!」バババキッ


あの伝説の悪校、開久に正面から乗り込むという伝説が今まさに生まれようとしていた……。

開久女A「んだテメーら! ここどこだかわかって(ry」

律「邪魔だ」ガスッ!

開久女B「調子に乗んな(ry」

澪「ふんっ」ガスッ!

律「やるな、澪。腕は鈍ってないみたいで安心したよ」

澪「律こそ。もう卍怒は卒業するからって言って何やるかと思ったら次はバンドだなんて、皮肉だよな」

律「チーム名が被ってたんだからしょうがないだろ~?
お前こそ何が怖いだよ。昔は相手が血見るまでやめなかったくせに」

澪「だから怖いんだよ……自分が」

律「はいはい」


智(聡)「オラー」
開久女C「アケヒサナメンナヤーガキガー」ボコッ
智(聡)「グハァー」ズサーーーーパタリ


開久女D「こ、こいつらもしかして……!」

開久女E「なんだよ……?」

開久女D「中学のころやべぇ二人組がいるって聞いたことがある……。
一人は黄色のカチューシャが赤に変わるまで殴り続ける姿がドラムを叩いてるように見えることから……ドラマーの律」

開久女D「もう一人は相手が低い唸り声を出すまで蹴り続けることから……ついた通り名はベースの澪」

開久女D「間違いない……卍怒のメンバーだやつら!!!」

開久E「卍怒?」

開久女D「知らないのかよ! 中学にしてここら一帯仕切ってた伝説の族だぞ!」

開久女E「マジかよ……!」

律「あーあ、バレてるみたい」

澪「はあ……せっかく高校入って真面目にやってこうと思ったのに」

律「ま、しゃあない。あんなツッパってるやつとダチになった時点で覚悟してたよ」

澪「まあ……ね」


「伝説の巨神信代までいるぞー!
うわあああああ殺されるうううう」

信代「ハッハッハ!」ドドドスコスコスコ

律「つってもこの広さじゃ囲まれたらヤバいな。聡~信代~中に行こう」

信代「あいよ~」

智(聡)「」ピクッピクッ

澪「もうダウンか聡は。全く情けな」

智(聡)「誰が誰を倒したって……?」ムクリ

澪「なんだ、まだ元気そうじゃないか。頑張れよ聡」

智(聡)「お、おぉ(マビーぜ澪姉……!)」


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