最終章前篇


シンオウ地方


「………」ぼー

「……どうしたの? 梓ちゃん」

梓「へ? あ…いえ! なんでもないです!!」

紬「そう…?」

梓「はい! ただボーッとしていただけなので!!」

紬「…そっか」

梓「はい! さっ、急ぎましょう!! ロリk…ナナカマド博士が待っています!!」


―――――――――――――
ナナカマド研究所

がちゃっ

梓「ただいま帰りましたー」

紬「お邪魔しま~す」

ナナカマド「梓か!?」どたどたっ

ナナカマド「おお! やっと帰ってきたか!!」

梓「はい…すみません。何ヶ月も……」

ナナカマド「いやいや、いいんだ。それで、琴吹社長は大丈夫なのかね?」

紬「はい、おかげさまで♪ 今はだいぶ体調もよくなりました!」

ナナカマド「ほっ、よかった…」

梓「ナナカマド博士、帰ってそうそうで悪いんですけど…」

ナナカマド「なんだ?」

梓「あの…私がナナシマで採ってきた……」

ナナカマド「ルビーとサファイアか?」

梓「あ、はい! それです!! 今ありますか!?」

ナナカマド「ああ。ちょっと待っててくれ」

がさごそ……

ナナカマド「あったあった!」

すっ

紬「なあに?」

梓「ナナシマという所から私が採ってきた石です!」

紬「へえ~」

梓「ナナカマド博士。もう研究は終わりましたか?」

ナナカマド「ああ。あとは好きにしてくれて構わんぞ」

梓「ありがとうございます!」

ナナカマド「…何に使うんだ?」

梓「……ちょっと気になることが」

ナナカマド「?」

梓「ミミちゃん!」ぽん!

ミミちゃん(ミミロップ)「ミミロー!」

梓「これを持って行って!」すっ

ミミちゃん「ミミロー!」がしっ

たたたっ

紬ナナカマド「??」

梓「あ…気にしないでください! 特に意味はないですから」

ナナカマド「…そうか?」

梓「はい!」

ナナカマド「ならいいがな」

紬「それよりナナカマド博士、今回私達を呼んだのって?」

ナナカマド「ああ。君達…特に梓に朗報だ」

梓紬「朗報?」

ナナカマド「君達に研究所を任せたいと思ってな」

梓「研究所ですか!?」

ナナカマド「そうだ。そこで梓には所長を務めてもらいたいのだ」

梓「や…やっと自分の研究所が持てるんだ……!」

紬「よかったね、梓ちゃん♪」

梓「はい!」

ナナカマド「フフ。…それで、その場所なんだが……」


―――――――――――――――――
ウバメのもり

ミュウツー「………」

サカキ「どうした、ミュウツー?」

ミュウツー「…いや」

サカキ「クク、私を邪魔をするのは勝手だが、止められるかどうかはまた別の話……」

ミュウツー「ふふ、私に敵うとでも?」

サカキ「思ってないさ。…だがな、お前がいくら最強のポケモンだとしても……この先の世界

には立ち入れまい」

たっ

ミュウツー「…! どこへ行く気だ?」

サカキ「祠の中さ。この中にセレビィがいる…!」

ミュウツー「………」

ミュウツー(祠はあんなに小さい……。なのに、入ろうと……中はこの世界とは別次元だという

のか……?)

サカキ「じゃあな、ミュウツー」すっ

しゅうっ…

ミュウツー「消えた!? …待て!!」

がちゃっ

ミュウツー「!!?」びゅおっ!

ミュウツー「む…お……!!」ぐぐっ…

ぶおおっ!!

『ミュウツー、私はお前を作った。世界最強のポケモン、お前を作った…』

ミュウツー「ぐう……!!」

『私の名はカツラだ。よろしくな、ミュウツー』

『私はサカキ。ミュウツー、お前の力で私の夢を叶えさせてくれ』

ミュウツー「…ぬう………!」


『今のオミャーは心が死んでいるニャ!!』

ミュウツー「ぬぬ……!!」

『ミュウツー…って呼んでいいですか……? あ、私は梓って呼んでください!!』

ミュウツー「ぐ…ああ……」

『お前を作ったのは決して、世界を征服する力を得るためじゃない。世界を救う力を得るため

さ。お前の力を借りて、この世界から争いをなくす…それが私の夢だ!!』



う゛おおおおん!!!

ミュウツー「ぐはっ……」

がくっ

ミュウツー「こ…これは……?」

ミュウツー「祠の中にも…入れないとは……。それに今のは………!?」

ミュウツー「……落ち着け…」

ミュウツー「サカキは…この中にセレビィがいると言った……」

ミュウツー「そうか。セレビィはときわたりポケモン…過去未来を行き来できると言われてい

る」

ミュウツー「ときわたりはこの祠の中でするのだろう…」

ミュウツー「つまり、この中はセレビィが時渡りをするための異空間!! さっきのは時間(と

き)の狭間!!!」

ミュウツー「入れないのは当たり前か…。生身で入ると身体も崩壊しかねん……」

ミュウツー「私だから追い出されるだけで済んだが……しかし…」

ミュウツー「サカキは何故、何もなく入れたのだ……!?」

――――――――――――――――

「~♪」

すぃ~

「ビィー……」ぴたっ

「……」

「!」

サカキ「見つけたぞ……セレビィ!!」

セレビィ「ビィ?」


――――――――――――――――

ウバメのもり入口


たったった

エンテイ「」ききっ

律「着いた!」

唯「また来たね、ウバメの森…」

シルバー「……」

澪(師匠の話だと…ロケット団はセレビィというポケモンを狙ってる……)

律「まあ、行こうぜ」

唯「うん!」

澪「あ、律…」

律「ん? なんだ澪」

澪「これが終わったら、またポケm…」

ぴしゃあああん!!

澪「!?」ぐいっ

シルバー「!」

律「み、澪!!?」

唯「澪ちゃん!!」

律「大変だ! 澪が…」

びゅおおおお!!

シルバー「ぐ…!?」

唯「! シルベル君も!?」

シルバー「シル…バー……だ………!!」ぐいっ

ぼううう!!

律「……ッ…!!」ぐいっ

唯「きゃっ!?」ぐいっ

律「なにかに…引っ張られ……!!?」

ぎゅおおおおぉぉ………

――――――――――――――――

澪「う……」びりり

澪「なにが起きて…」

しゅたっ!

澪「!」

「おっ! ラッキーじゃ~ん!!」

チャクラ「一番弱そうな奴に当たりましたから~!」

サンダー「ダー!!」

澪「……!」

ライコウ「ギャオオ…!!」

――――――――――――――――

唯「いたた……」

律「…唯、火傷してないか?」

唯「う、うん。大丈夫みたい…」

律「そうか、よかった…」

唯「……りっちゃんは?」

律「…へ?」

唯「! ちょっと腕みせて!!」くいっ

律「ちょ、唯!」

唯「……火傷してる」

律「うっ…」

唯「…りっちゃんはずるいよ。ヒートの時も…なんでも一人で背負い込んで……」

律「…ご、ごめん」

唯「私に頼って来てもいいのに……」

律「……」

唯「私って…頼りないかなあ……」

律「そ、そういうわけじゃ…」

エンテイ「グオオ…!!」ぐるる…

律「!」

唯「どうしたの…?」

サキ「フンフフフ…。やはりお前達だったか」

律「サキ…!!」

サキ「フンフフフ。まあ、分かってはいたがな」

ファイヤー「ファー!!」

サキ「始めようじゃないか…フフ」

唯「エンテイ!」

エンテイ「グオオ!!!」

サキ「ファイヤー!」

ファイヤー「ファー!!」こおおっ…

律「な、なんだ…? ファイヤーの体が光って……」

ファイヤー「」しゅんっ

唯「消えた!?」

しゅっ

ファイヤー「ファー!!」ぎゅおっ

唯律「!!」

どがっ!

エンテイ「グオオ!?」ずさあっ!

唯「エンテイ!」

ファイヤー「ファー…!」すたっ

律「今のは…?」

サキ「フンフフフ、ゴッドバードさ」

サキ「最初に力を溜め、そして攻撃を放つ…! そのスピードとパワーはまるで神のごとく……

美しい技さ」

律「…強いな、やっぱり」

サキ「フンフフフ…さあ、全力で来い。私達を止めたいのであればな!!」

――――――――――――――――

オウカ「フリーザー! れいとうビームなんだな!!」

フリーザー「フリー!!」びゅおおおお!

シルバー「スイクン!! オーロラビームだ!」

スイクン「クルー!!」びゅううううん!

ぱあああああん!!

ばっ!

オウカ「ツボツボ!」ぽん!

ツボツボ「ツボー!!」

シルバー「! …ニューラ!!」ぽん!

ニューラ「ニュー!」

ニューラ「ニュー…!!」こあっ

シルバー「れいとうパンチ!!」

どがああん!!!

ツボツボ「!?」

ばたあん!!

ツボツボ「ツボー…」がくっ

ツボツボは倒れた

オウカ「!」

シルバー「いいぞ、ニューラ!」

ニューラ「ニュー!」にこっ

オウカ「…ゲヘッゲヘ、すごいんだな! 前よりも確実に強くなっているんだな!」

シルバー「……」

オウカ「でも悲しいんだな。サカキ様の気持ちをお分かりになれないみたいなんだな」

シルバー「……俺はこの数ヶ月で色々な人と触れ合った」

オウカ「?」

シルバー「ロケット団と一括りに言っても、その中にも色々な人がいる……」

シルバー「サカキ…俺の親父の目的は世界征服。だが、あんたはどうなんだ?」


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最終更新:2011年03月07日 23:48