澪「よう。唯、律」

唯「み、澪ちゃん!?」

律「…と、ニャース!」

ニャース「ニャー」

澪「って、なんでシルバー君がいるんだ?」

シルバー「あんたは…」

ニャース「オミャーら、知り合いだったのかニャ」

律「まあ、シルバーとは色々あってな」

唯「澪ちゃん、また会う時はポケモンリーグって言ってなかったっけ?」

澪「それは…緊急事態だから……」

律「緊急事態って?」

澪「…放送は聴いたか?」

律「ほうそう?」

唯「カツラさんが聴いてたのじゃない?」

律「ああ…。で、それがなんだよ?」

シルバー「ロケット団がコガネのラジオ塔を占拠した」

唯律「!!」

シルバー「…だろ?」

澪「ああ、ロケット団にラジオが乗っ取られてることからね…」

澪「り…」

律「分かってるよ」

澪「!」

律「ロケット団が動き出した…また、悪いことをしてるんだろ?」

律「ロケット団を止めにいこう! 私達四人で!!」

唯「うん!」

澪「ああ!」

シルバー「…ふっ」

ニャース「ニャーもいるのニャー!!」

律「ああ…すまん。五人だな!」

ニャース「ニャー」

律「よし!!」

律「私のやることは再度はっきりしたぜ!」

律「ロケット団を止める!! あいつらを好きにしてたまるか!」

ヒート「ヒヒーン!!」ぴょんっ

律「へへっ……」

律「んじゃあ、行くか!」

―18章完―



19章


とある山頂

すたっ

「……」

「…カントーを離れ、シンオウへ向かって……次はジョウト地方か………」

「ロケット団め…」

たっ


――――――――――――――――
コガネシティ ラジオとう
「キュオオオ!!」

リラ「く……!」

ライコウ「ギャオオ……」

スイクン「クルー…」

ミナキ「ロケット団を食い止めに来たのはいいものの……」

エンテイ「グオオ……」

カツラ「厄介な相手に出くわしたものだ…」

ばさっばさっ!

リラ「ホウオウ…!!」

ホウオウ「キュオオオ!!!!」

ざっ

「フンフフフ、凛々しい咆哮だこと…」

「さっすが、ジョウトに伝わる伝説のにじいろポケモンだけのことはあるじゃん?」

「ゲヘゲヘ、あっちのポケモン達もジョウトの伝説のポケモンみたいなんだな」

サキ「さて…」

チャクラ「」にやにや

オウカ「……」

カツラ「出てきたな…ロケット団!!」

チャクラ「……」じろっ

チャクラ「…なぁーんだ」

チャクラ「僕達が指示するまでもないんじゃん? あいつら、既にボロボロじゃん!」

サキ「…油断はするなよ、チャクラ。相手は仮にもエンテイ達に選ばれたトレーナーなのだか

らな」

チャクラ「分かってるよ、サキ。あいつらが強いのは充分ね」

チャクラ「でも…」

すっ…

チャクラ「ホウオウの前ではキャタピー同然ですからッッ!!! ホウオウ!! せいなるほの

お!!!!」

ホウオウ「キュオオオ!!!!!」こああ…

ぼんっ!!

ミナキ「!!」

ごああああああっ!!!

ミナキ「ぐあっ…!?」

スイクン「クルー……!?」

リラ「ミナキ!!? スイクン!?」

チャクラ「人の心配をしてる場合じゃん!?」

リラ「!!」

ホウオウ「キュオオオ!!!」こあっ…

ぼんっ!!

リラ「…!」

カツラ「エンテイ! かえんほうしゃ!!」

エンテイ「グオオオオ!!!」ぼわあああっ!!

ばっ

カツラ「大丈夫か!?」

リラ「カツラさん…!!」

ぼうっ!

エンテイ「グオ…!?」ずざざっ

リラ「!!」

カツラ「やはり、力不足か…!!」

カツラ「いいか? よく聞きなさい!!」

カツラ「相手はあのホウオウ! 並大抵のポケモンじゃ勝てはしまい!! だが、我々にはエン

テイ・スイクン・ライコウがついている!! 一匹の力では無理でも、三匹が力を合わせれば勝

てる!!!」

リラ「」こくっ

カツラ「ミナキ君も聞こえたか!?」

ミナキ「はい…大丈夫です。わかりました」

サキ「フンフフフ、敵の目の前で作戦会議か?」

オウカ「ゲヘッゲヘ、ぜ~んぶ筒抜けなんだな~」

カツラ「わかっているさ…。だが、これしか方法はないのだ。隠す必要もないだろう」

チャクラ「まあ…そうなるじゃん?」

チャクラ「でも、そんなもの意味なーし!! で・す・か・らァ!!!!」

カツラ「なに……?」

チャクラ「オウカ~、そろそろ教えてやるじゃん」

オウカ「……なにをなんだな?」

チャクラ「僕の任されていた任務じゃん?」

オウカ「ああ…」

サキ「フンフフフ…」

チャクラ「実はこのホウオウは捕まえるのに苦労したんじゃん? 結局はボールにも納めれなか

ったしぃ~。まあエスパーポケモンの技で操ってますけど」

リラ「当たり前だ…! ホウオウはお前達みたいな連中に捕まえられるほどヤワじゃない!!」

チャクラ「なら、どうしてだと思うじゃん?」

リラ「……」

チャクラ「それはねぇ~…」かちゃ

チャクラ「これが答えですから!!」ぽん!

「ダー!!」

「ファー!!」

「フリー!!」

ミナキ「!?」

リラ「そのポケモン達は…!!」

チャクラ「そうじゃん。カントーの伝説ポケモン、サンダーと…」

サキ「ファイヤー…」

オウカ「フリーザーなんだな。ゲシゲシ、オデは初めて知ったんだな」

カツラ「なんと…! 伝説の鳥ポケモンが揃いも揃ってロケット団に!!」

チャクラ「こいつらの捕獲はあまり手間はかからなかったんじゃん。大事なのは……まあ、言

わなくてもわかるじゃん? お前達が言っていた三匹の力とかなんとかじゃん」

リラ「その三匹でホウオウを倒したということか……」

チャクラ「ご名答じゃ~ん♪」

オウカ「…そういえば、ホウオウはエンテイ達の主人と聞いたんだな」

オウカ「ホウオウは、カネの塔の落雷による火災で死んだ名も無き3体のポケモンを蘇生させた

。その3体がライコウ、エンテイ、スイクンであり、ホウオウはそれぞれに塔に落ちた雷、塔を

焼いた炎、塔の炎を消した雨の力を与えたという……。それ以来三匹はホウオウを主人とし、

従うようになったんだな」

サキ「フンフフフ、そのホウオウに…自分達の主人に倒されるとは……随分と哀れだな」

ホウオウ「キュオオオ!!!」ぎろっ

ライコウ「ギャオオ……」

エンテイ「グオオ…」

スイクン「クルー……」

チャクラ「まあ、直接ホウオウが手を下すまでもないんじゃん? サンダー!!」

サンダー「ダー!!」

オウカ「フリーザー!」

フリーザー「フリー!!」

サキ「ファイヤー!!」

ファイヤー「ファー!!!」

カツラ・ミナキ・リラ「!!」

サキ「ほのおのうず!!」

チャクラ「かみなり!!」

オウカ「ふぶき!!」

どおおおおおお!!!

カツラ「これまでか…!!」

「ヒート、オーバーヒート!!」「カゲぴょん、かえんほうしゃ!!」

ぼわあああっ!!

カツラ「!」

「ブイ太、れいとうビーム!」「ギャラドス、ハイドロポンプ!」

びゅわああああっ!!

きいいいん!!

サキ「…!」

唯「そこまでだよ!」

律澪シルバーニャース「ロケット団!!!」ばんっ!

リラ「澪! ニャース!」

ミナキ「シルバー君!?」

カツラ「唯君! 律君!」

澪「大丈夫ですか!? リラ師匠!」

リラ「ああ…平気だ」

ニャース「間に合って良かったのニャ」

リラ「すまないな…。だが、澪達が来てくれて助かったよ」

澪「いえ…」

ミナキ「しかし状況は良いものではないな」すくっ

シルバー「……」

カツラ「そうとも。相手は四体もの伝説のポケモンを有している!」

サキ「フンフフフ、その通り。お前達ごとき、何人集まろうが同じことだ」

律「へっ、そう言っていられるのも今のうちだぜ?」

サキ「……」

カツラ「…律君、」

律「すみません、カツラさん!」

唯「私達…カツラさんに来るなって言われたけど、やっぱりロケット団は放っておけません!

!」

律「勝手だけど、来させてもらいました!!」

カツラ「……。いや…」

カツラ「いいさ。もう迷いはないようだ」

律「……はい!」

ヒート「ヒヒーン!!」

サキ「…本来ならば、ここでお前達全員を潰しておくべきだろうが、そうはいかなくてな」

律「……?」

サキ「サカキ様の元へ行かなくてはならないのさ」

シルバー「……」

サキ「サカキ様は今、ウバメの森にいらっしゃる。来たければお前達も来ることだな」

オウカ「じゃあ、オデはお先に失礼するんだな」たっ

チャクラ「俺もじゃん!」たっ

サキ「フンフフフ……」ざっ…

リラ「ニャルマー!」ぽん!

ニャルマー「ニャー!!」しゃきっ

サキ「!」

サキ「フフ……なんの真似だ?」

リラ「全員は行かせないさ」

ミナキ「律と唯! 澪、ニャース、シルバー君はウバメの森へ行け!!」

「はい!」「ああ!」「ニャ!」

カツラ「いや…待ちなさい!」

唯「…?」

エンテイ「……」ざんっ

澪「あ…」

ライコウ「……」じっ

シルバー「……」

スイクン「クルー」

エンテイ「グオオ!」くいっ

唯「え…? 乗っていけって……?」

カツラ「三匹は新しく、それぞれの主人を決めたようだ」

リラ「…ライコウは我が弟子、澪を」

ライコウ「ギャオオ」

ミナキ「す…スイクンはぁ……グスッ………シル、バーくう゛……んを………ぐうっ……」し

くしく

シルバー(泣くなよ…)

スイクン「クルー」

カツラ「エンテイは唯君…」

エンテイ「……」じろっ

律「ん…?」

エンテイ「グオオ…!」こくっ

カツラ「……と、律君だな」

唯「おお! 二人乗り!!」

律「変な所に食いつくな」

澪(とってつけたみたいだな)

リラ「では、行ってくるんだ」

唯律「…」こくっ

たっ

エンテイ「グオオ!!」だっ

澪「」たっ

ライコウ「ギャオオ!!」だっ

シルバー「……」

スイクン「クルー……」

たっ

スイクン「クルー!!」だっ


ニャース「行ったようだニャ…」

リラ「! ニャースは行かなくていいのか?」

ニャース「ニャー。こっちもこっちで人手不足のはずニャ」

リラ「ふ、有り難いな」

カツラ「さあ、どうする? ロケット団!!」

サキ「……フンフフフ」

サキ「お前達で私が止められるとでも? 自意識過剰も甚だしいな、フフ」

サキ「ファイヤー! にらみつける!!」

ファイヤー「ファー!!」ぎろりっ!!!

カツラ「!!?」

リラ「な…に……?」

ミナキ「体が……」

ニャース「…動かないのニャ……!!」

サキ「フンフフフ、ホウオウよ。この老害どもの始末をしておけ」

ホウオウ「キュオオオ!!」

サキ「少し手間取ったか…。いや、全然だな」

サキ「行くぞ、ファイヤー」

ファイヤー「ファー!!」


――――――――――――――――
ウバメのもり

ざっざっ

「くく…調査により、今日この時間にお前がいることは分かっている」

「この“時をとらえるモンスターボール”があれば、お前を捕まえることが可能だ」

「諦めて出てきたらどうだ? セレビィ」

すっ

「!」

「サカキよ。貴様はまだ悪事をし足らないようだな」

サカキ「ふ…違う奴が出てきたみたいだな」

「私を作り、デオキシスを作り、世界征服を目論んだものの敢なく失敗した」

「そしてまた次なるポケモンに手を出そうとしている……。貴様はいつになったら、それを止

めるのだ?」

サカキ「…これで最後さ。これで、私の夢は叶うのだ」

「夢…。世界征服のことか?」

サカキ「さあ…どうだろうな?」

「ふん。どうせ、下らないことなのであろう」

「いずれにせよ、私がその夢を潰えてみせよう」

サカキ「ふふ…久しぶりだな。ミュウツーよ」

ミュウツー「……」

―19章完―



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最終更新:2011年03月07日 23:46