―――――――――――――――――
いかりのみずうみ

ヒート「ヒヒーン……」

律「ごめんな…ヒート……」

律「私…なにもできなかった……!」

唯「りっちゃん…」

律「苦しい思いをさせて……ごめん…!ごめんな、ヒート……!!」ぎゅうっ

カツラ「……律くん」

カツラ「気持ちは分かる。非常に残念なことだった…。しかし……」

カツラ「今はロケット団に集中するべきだと私は思う」

律「……」

唯「カツラさん…」

カツラ「さっきの放送、聴こえただろう?ロケット団が本格的に活動を開始するんだ」

カツラ「そうなっては…また、先程のギャラドスや君のギャロップのような被害が出てしまい

かねない」

カツラ「そちらを迅速に対処すべきだ」

律「……」

カツラ「私は今からロケット団の元へ向かう!」

カツラ「君達は来ては駄目だぞ。君達はまだ子供……ましてや、心に傷を負った者を戦場へ連

れていくわけにはいかない」

律「……」

カツラ「では、今までどおり旅を続けなさい!さらばだ!!」だっ

唯「あ……」

律「……」

唯「……とりあえず、ポケモンセンターに行こう?ポケモン達も疲れたと思うし…」

律「……ああ」


―――――――――――――――――
ポケモンセンター

てんてんてこてん♪

受付「はい、みんな元気になりましたよ」

唯「ありがとうございます!」

律「……」

律「…唯」

唯「なに? りっちゃん」

律「とりあえずフスベシティに行こうぜ」

律「カツラさんに言われた通り、旅を続けよう」

律「今度は唯がジムに挑戦する番だろ?」

唯「う…うん」

受付「フスベシティなら、この先にある、こおりのぬけみちを抜ければ、ありますよ」

律「ありがとうございます」

律「じゃあ行くか」

唯「……うん」


―――――――――――――――――
こおりのぬけみち

トレーナー「ウリムー、ずつき!」

ウリムー「ムー!」だだっ

律「ランス、とっしんだ」

ランス「ニドー!!」だっ

どがっ!

ウリムー「ムー!」ばた

トレーナー「う、ウリムー!」

律「…戻れ、ランス」しゅうう

律「……」

唯「……」

唯(りっちゃん…元気ない……)

唯(でも、私にはなにも声をかけてあげられないよ……なにもできないよ………)


―――――――――――――――――
チョウジタウン外れ

ウインディ「」たったった

カツラ「ウインディ、もっと速く走ってくれ!」

ウインディ「ワオーン!!」ぎゅんっ!

カツラ(早くコガネへ行かないと……)

???「」たっ

ウインディ「!」ききいっ!

???「……」

ウインディ「ガウウ…!」

カツラ「……お前は…」

???「グオオオ!!」


―――――――――――――――――
アサギシティ外れ

リラ「……」

澪「あ、いた! リラ師匠探しましt…むぐっ!?」がばっ

ニャース「待つニャ、澪!」

澪「な…なんだよ?」

ニャース「リラのやつ…何かと戦っているのニャ」

???「ギャオオオ!!」

リラ「カビゴン、のしかかりだ!」

カビゴン「カンビ!」ばっ

???「」しゅっ

カビゴン「カンビ!?」すかっ

たっ

???「ギャオオオ!!」

リラ「ちっ……素早いな」

澪「な…なんだ、あのポケモン……?」

ニャース「ニャ……あの出で立ちから見るに、恐らく…」

ニャース「ジョウトに伝わる伝説のポケモンの一匹…いかずちポケモン、ライコウニャ」

澪「伝説のポケモン…?」

ニャース「そうニャ。各地方には必ず、その地方の伝説があり、それに関わる伝説のポケモン

がいるのニャ」

ニャース「澪がホウエンで会った伝説のポケモンはカイオーガとグラードンにゃが…」

澪「まあ、実際には会ってないけどな」

ニャース「じゃあ伝説のポケモンを見るのはこれで初めてニャ? ……ニャーもライコウを見る

のは初めてにゃが」

澪「うん…なんか、普通のポケモンとは違う感じがするな…」

ニャース「それにしても、にゃぜリラがライコウと戦っているのニャ?」

リラ「それは、ライコウに導かれたからさ」

澪ニャース「!?」

リラ「…気づいていないとでも思ったかい?」

ニャース「ニャニャ…」

澪「す、すみません! 私はやめようって言ったんですけど、ニャースが…」

ニャース「ニャー!!?」

ニャース「なんでニャーのせいなのニャー!!」

澪「だ、だって師匠に怒られるの嫌だったんだもん!」

ニャース「ニャーが怒るのニャー!」

ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー


リラ「おいおい…落ち着け二人とも」

リラ「私は怒っていないさ」

澪「ほ…本当ですか?」

リラ「ああ、それに私が勝手にいなくなったわけだからな」

ニャース「…ライコウに導かれたっていうのはなんなのニャ?」

リラ「その通りの意味さ。ライコウにここへ案内され、バトルに至った」

リラ「主人としてふさわしいかどうかを試すバトルにね」

澪「主人って…?」

リラ「ライコウの主人さ」

リラ「もともと、ライコウの主人はホウオウというポケモンなんだが…ある日ホウオウが突然

消えてしまったみたいで…」

リラ「どうやらホウオウはロケット団に捕獲されてしまったようでね」

リラ「それでライコウ達はロケット団からホウオウを取り戻すため、それまでに必要な代わり

の主人を探しているのさ」

ニャース「それに、オミャーが選ばれたってわけかニャ」

リラ「そうだ」

ライコウ「ギャオオオ!!」

リラ澪ニャース「!!」

リラ「おっと…あまり待たせてもいけないな」

リラ「カビゴン、戻れ!」しゅうう

リラ「ニャルマー、頼むぞ!」ぽん!

ニャルマー「ニャ~」

ライコウ「」ぎろっ

リラ「ニャルマー、ねこだまし!」

ニャルマー「ニャ~!」ばしっ

ライコウ「…!」

澪「ライコウが怯んだ!」

リラ「アイアンテールだ!」

ニャルマー「ニャ~!!」ばっ

ライコウ「ギャオオオ!!」びりりっ

ニャルマー「!?」ばりりっ

ニャース「でんじはニャ!」

リラ「…ニャルマー、きりさく!!」

ニャルマー「ニャ~!!」しゅっ

ライコウ「!!」

ニャース「は、速い!?」

ニャルマー「ニャ~!!!」

ざきいっ!!

ライコウ「!?」ずざざっ

澪「す、すごい威力…!」

ニャース「に、にゃんで麻痺をしているのにあんな俊敏に動けるのニャ!?」

ニャース「それに、なんなのニャ! その威力は! にゃぜそんなパワーが出せるのニャ!?」

澪「いや、ニャース…相当な修行を積んだんだよ、きっと」

リラ「ふっ…本当の強さに理由など無い、強者はそもそも強いから強者なのだ」

リラ「人はそれを“才能”と呼ぶ…!」

リラ「麻痺の件も、ニャルマーの才能の一つ…“じゅうなん”! 麻痺をしないという特性だ」

ニャース「! そもそも麻痺をしてなかったのかニャ…」

ライコウ「……」ぎろっ

リラ「……」

ライコウ「ギャオオオ…」しゅたっ

澪「ら、ライコウが…」

リラ「ふ…私を主人として認めたらしいな」

ライコウ「ギャオオオ!」くいっ

リラ「ああ!」たっ

澪「し、師匠! さっきの放送聴きましたか!? ロケット団が…!」

リラ「聴いたさ。だから、今から奴らの所へ行ってくるんだ! 場所は恐らく、コガネのラジオ

塔!」

リラ「澪達も後から来てくれ! 私はライコウと先に行っている!」

澪「わかりました!」

リラ「また会おう!」たっ


―――――――――――――――――
ライコウ「」たったった

リラ「……」

リラ(しかし…ライコウの主人は私になったのだが、他の伝説のポケモン…エンテイとスイクン

の主人はどうなっているんだ…?)

ライコウ「ギャオオオ!!」ぴたっ

リラ「……!」

リラ(この先はエンジュシティ………)

リラ「ライコウ、ここで待っていてくれ」

ライコウ「ギャオ」

すたっ

リラ「……」ざっ

リラ(…確かめる必要はあるな)


―――――――――――――――
エンジュシティ

踊り場

リラ「お邪魔します」がらっ

まいこはん「あんれ、リラはん。どないしたんどすか?」

リラ「……」きょろきょろ

まいこはん「?」

リラ「ミナキはどこへ?」

まいこはん「ミナキはんどしたら、先程やけたとうへ行かれたどすー」

リラ「! …そうですか、ありがとうございます!」だっ

まいこはん「あれま…」

まいこはん「あないに急いで、どないしたんやろ?」


―――――――――――――――
やけたとう

ミナキ「ドガース、どくガス!」

ドガース「ドッドッドガース、ドドッガド」しゅわ~

???「……!」ゆらっ

ミナキ「どうだ、スイクン!」

スイクン「クルー…」ぎんっ

ミナキ「ふ…まだやる気か……いいだろう!」

ミナキ「それでこそ、私の追い求めてきたポケモンだ!」

スイクン「クルー…!」

ミナキ「できれば君を傷つけたくないのだが…」

スイクン「クルー!!」だっ

ミナキ「君から望んできたからには仕方がない! 手加減はしない!!」

ミナキ「…夢は自らの手でつかみ取るものだからな!!」

スイクン「クルー!!」ぶしゃああああ!

ミナキ「ハイドロポンプか……。威力の高い技だが…果たして、ドガースに効果があるかな?


スイクン「……?」

ばしゃああん!

ドガース「!」

スイクン「……」にやっ

ミナキ「ふ……」

ぱちんっ!

ドガース「」むくっ

ドガース「ドガー!」

スイクン「!!」

ミナキ「驚いたかい?」

スイクン「クルー…!」

ミナキ「ふ…なぜドガースにハイドロポンプが喰らわなかったのか、教えてあげよう」

スイクン「……」

ミナキ「簡単なことだ…君の体を見たまえ!」びしっ

スイクン「?」

スイクン「……」じっ

スイクン「…!?」

ミナキ「気づいたようだな」

スイクン「く、クルー…」

ミナキ「そう。君の体はドガースのどくガスによって毒されていたんだ」

ミナキ「毒状態なのは当然…」

ミナキ「体内の水分に毒が流れ、放出される水技にも影響が出てしまったんだ」

ミナキ「もちろん、毒に侵された水技なんてドガースには効くわけもない」

スイクン「クルー…」

ミナキ「濁った水をきれいな水に変えるという君だが…」

ミナキ「その汚れに対する敏感さがかえって仇になったな」

スイクン「……」

ミナキ「まあ、その敏感な肌がまた美しいのだが!!」

スイクン「……」

スイクン「クルー…!」しゅたっ

ミナキ「! ふ…」

ミナキ「よろしくな、スイクン」

スイクン「クルー!」

ミナキ「…っと、まずは毒を治して、回復させないと……」

リラ「ミナキー!」だだっ

ミナキ「! リラ!?」

リラ「はあはあ…」

ミナキ「どうしたんだ? そんなに慌てて…!」

リラ「……」ちら

スイクン「……」

リラ「ミナキも、スイクンの主人になったようだな…」

ミナキ「ああ、そうなんだ!」

ミナキ「まさか私が選ばれるとは!! いやはや、今まで諦めずに追いかけてきて良かったよ!

!」

ミナキ「……って、“も”?」

リラ「私もライコウに選ばれたのさ。今は外にいるがな」

ミナキ「そ、そうなのか! まさか身内が選ばれているとはな!!」

リラ「私もまさかとは思ったがな」

ミナキ「! ということは、エンテイが選んだのはワタルかも!」

???「私だ」たっ!

ミナキ・リラ「!!」

エンテイ「グオオオ!!」

ミナキ「え、エンテイ…!」

???「……」

リラ「…あなたは、確か、グレン島の……」

カツラ「グレンタウンジムジムリーダーのカツラだ。あなたはフロンティアブレーンのリラさ

んだな」すっ

リラ「そうとも。リラでいいですよ」すっ

カツラ「よろしく頼む!」リラ「よろしくお願いします!」がしっ

カツラ「そして…」くるっ

ミナキ「!」

カツラ「あなたはミナキさんだね?」

ミナキ「! 存じていてもらえて光栄です」

カツラ「割と有名だからな。スイクンハンターとして」

ミナキ「はは…お恥ずかしい」

カツラ「何かを追求することは悪いことじゃないさ。現に、私は炎タイプのエキスパートだ」

すっ

ミナキ「ふ…」すっ

カツラ「よろしく」ミナキ「よろしくお願いします!」がしっ

リラ「それでミナキ、ロケット団の放送を聴いたのか?」

ミナキ「もちろん!」

カツラ「では、私達の使命は分かっているな?」

ミナキ「はい!」

リラ「行こう! コガネシティへ!!」

――――――――――――――――
フスベシティ

唯「ふうっ!」たっ

律「……」

唯「ここがフスベシティだね!」

律「…そうだな」

唯「ジムに行こっか!」

律「…ああ」

―17章完―



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