7章


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唯「ここがイワヤマトンネルかぁ~」

律「ああ、入るぞ」

唯「ちょい待ち!りっちゃん」

律「なに?」

唯「フラッシュって誰が覚えるんだろ!?」

律「あ」

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マサキ「なんや?フラッシュ?」

律「ああ、お前くらいしか近くにいる人で聞けそうな人いなくてな」

唯「お願いします!」

マサキ「まぁこないなことやったら、いくらでも聞いてき
でも、できるだけな
ポケモンセンターのパソコンから電話かけたらすぐやから、それで頼むわ」

律「そんなことできるのか?」

マサキ「なんや知らんかったんかいな
トレーナー……いや世界の常識やで」

律「悪かったな非常識で」

マサキ「冗談や
あないなハイテクな技術、ポケモンセンターのパソコンぐらいしかないからな
知らんのが当たり前やで」

律「…」

マサキ「は、話戻すで?
とりあえず、今持ってるポケモン言ってみ」

律「ニドリーノとニョロモ、ポニータ」

唯「イーブイとピッピだよ」

マサキ「ん、そん中ならピッピが使えるなあ
よし、あとひでんマシンの使い方も教えたるわ」

唯「ありがとー!」

マサキ「なあに、お安いこっちゃ」


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唯「再びイワヤマトンネルだね!りっちゃん」

律「ああ」

唯「う~、それにしても本当に真っ暗だねえ
でもりっちゃんのフラッシュさえあれば安心だね、ピッ太!」ごん

律「逆だ逆」

唯「う~…軽いジョークなのに~」

律「さっさとフラッシュやれよ」

唯「う~、ピッ太フラッシュ!」

ピッ太「ピッ」ぴか~

唯「うわ~ピカピカだね!りっちゃん!」ごん

唯「~っ…!今のは誤解だよ~…」ひりひり

律「あ、スマン
なんか反射的に」

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唯「何はともあれ、イワヤマトンネルは抜けれたね!この先はシオンタウンだよ!」

律「!
タウンなんてマサラ以来だな」

唯「きっとマサラタウンみたいにのどかで小さい町だよ!」

???「そうじゃな
まぁのどかではないがの」

唯「うわわわわわ!?」ぶくぶくぶく…

律「ゆ、唯!大丈夫か!?」

???「あ…すまんのう
驚かしてしまったかの
ちょっとわしの家に来なさい
彼女を介抱しないとな」

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唯「うう…ムギちゃんがゲル状に…!?
って…ん?りっちゃん」

律「大丈夫か?唯」

唯「りっちゃんがいきなり、ムギちゃんの沢庵二個も食べちゃうからだよ!」

律「なんの話だよ」

唯「ってあれ…?ここどこ?」

???「わしの家じゃよ」

律「唯、この人はフジ老人だ」

フジ「すまんのう、驚かしてしまったようじゃ
悪気はなかったんじゃが」

唯「あ、いえ!いいんです!私こそこんな介抱してもらっちゃって!」

フジ「いやいや元はと言えばわしが悪いんじゃ、いいんじゃよ」

唯「いえ、いきなり倒れちゃった私が…」

律(どっちも自分が悪いこと肯定するのに必死だな)

律「まぁどっちもどっちということで」

フジ「そうじゃな」

唯「さすがりっちゃん!良いこと言うね!」

律(やっぱり唯か…)

唯「それにしても家の中から見るとこの町の雰囲気が分かるね!暗いムード!」

律(本当にやっぱり唯だな…)

フジ「ふむ、やはり分かるか
数日前からこんな感じなんじゃ」

律「なにかあったんですか?」

フジ「ああ、実はな
あそこに見えるポケモンタワーという建物で幽霊が出たんじゃ」

律「え?幽r」

唯「幽霊ですか!?うわあ…恐いい」

律「いや、唯…」

フジ「ふふ、君みたいにこの話を信じてくれた人は初めてじゃ」

律「……
で、幽霊と暗いムードに何の関係が?」

フジ「ああ、幽霊が出たことが噂になったことで町の住人達が互いを疑い始めたんじゃ
…コイツは幽霊じゃないのか?…とね
それで住人達は疑心暗鬼に陥ってしまい
互いを信じなくなり、今はこの状態なんじゃ
……一刻も早く、前のシオンに戻ってくれるとよいのじゃが……叶わぬ夢なのかもしれんな…」

律「フジさん…」

唯「フジさん!その夢、私達が叶えてあげるよ!
シオンを元のシオンに戻してあげる!」

フジ「唯くん…」

律「そうだよな!唯
フジさん、叶わない夢じゃないさ!その元凶の幽霊を成仏させればいい話だ!私達に任せろ!」

フジ「……!」

唯「りっちゃん、それが難しいんだよ!ちゃんと考えて言葉を選ぼうよ!」

律「うるへー!つかお前が言い出したんだろうが!」

唯「でも、幽霊を成仏までは言ってないよ」

律「た、確かに言ってねえけど…」

唯「うふふ、分かってるよ。私達が力を合わせれば幽霊を成仏させるなんてわけない!ってことでしょ?」

律「ああ、それが言いたかったんだ!言葉のアヤだ!」

唯「よし、そういうワケでフジさん、私達ポケモンタワーへ幽霊を成仏させに行ってきます!」

フジ「ああ…頼む」

唯「行くよ!りっちゃん」

律「おうよ!」

唯律「我等無敵の~唯!律!ポケモントレーナ~♪」


フジ「………」

フジ「……」

フジ「……これでいいかね?………サキ」

こつこつ

サキ「フンフフフ、ああいいとも
上手くやったな。約束通り研究予算の方はなんとかしておこう」

フジ「ああ、有り難い」

サキ「フンフフフ、あんまり研究しても頭が堅くなるだけだぞ
もう年なんだ、若いのに研究を任せたらどうだ?」

フジ「そうもいかん
わしも久方ぶりの大発見で興奮しておるんじゃ
なんせ、宇宙から来たポケモンなんてな」

サキ「フンフフフ、まず研究とかもとより、その軽い口を塞いでおくことが利口だろうな
あまり口外するなよ、その件は」

フジ「ああ、分かっておるよ
研究をしていたいからな」

サキ「フンフフフ、いい心がけだよ
………フンフフフフフ、やっと奴らに仕返しができるな」

フジ「なにかしでかされたのか?」

サキ「フンフフフ、ちょっとな。お月見山での調査で邪魔をされてね」

フジ「そうか
わしも研究しているところを邪魔されると腹が立つからよく分かるよ」

サキ「フンフフフ、そうか……………っと、長居しすぎるのもよくないな…
さっさと作戦に入ろう
お前も準備をしろよ」

フジ「ああ」

フジ「っと、準備の前にカツラ君に電話を…」ぷるるるるる

カツラ『もしもし?』

フジ「カツラ君かね?フジだが」

カツラ『あ、フジ博士
どうなされたんですか?』

フジ「ああ、話があってな…」

カツラ『?』

フジ「ちと、ある研究を手伝ってほしいのじゃが…」

カツラ『いいですけど、またどのような?』

フジ「まぁとにかくクチバに来てくれ
ある島に行くんじゃ
研究内容はその時にまた話そう」

カツラ『分かりました』

フジ「まぁ確実に興味を持ってくれると思うよ」

カツラ『楽しみにしておきます』

フジ「明日でいいかね?」

カツラ『はい、大丈夫です』

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唯「りっちゃん…!」

律「ん?」

唯「恐いいいい…」

律「言い出しっぺがなぁにを言ってんだ」

唯「でも恐いものは恐いよお
りっちゃんは恐くないの?」

律「馬鹿野郎!いや馬鹿女郎!
この私だぜ?幽霊なんか恐いわけねえだろ?」がちがち

唯「ねえ、さっきから気になってたんだけど
なんで手を繋いでるの?」

律「え!?これか?これはだな、唯が恐いかな~?と思ってだな」がちがち

唯「しかも手汗凄いし手震えてるし」

律「え、あ…いやこれは」

唯「やっぱりりっちゃんも恐いんだね!」

律「」

律「う、うるへー!なにが悪い!私だって女の子だからいいだろ!」

唯「えっ」

律「なんだよ、そのえっは…いい加減怒るぞ?」

唯「プクク…女のk…」

律「おい!」

唯「ンクク…」

律「お前ー!笑ってんじゃねー!!」

唯「あはははは!!」

律「このー!」

ぎゃあぎゃあ

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こつこつ

律「ん?」

???「フンフフフ、また会ったな」

律「あ!お前は…!」

唯「お月見山で戦った、星くんを使ってたロケット団の人だあ!」

サキ「フンフフフ、そうだよ
まだ名乗ってなかったな
私の名はサキ、ロケット団三幹部のリーダーさ」

律「幹部…!」

唯「昆布…!」

律「ちげーよ」

唯「えっ、違うの?」

律「」

サキ「フンフフフ、おふざけはそこまでだ!
よくもあの時は邪魔をしてくれたな」

唯「おふざけじゃないよ!本気だよ!本気で昆布と間違ったんだよ!」えへん

律「威張るな!恥ずかしい!ってちげーよ!つっこむ所はそこじゃねえ!
…サキさんよ、邪魔ってなんのことだ?」

サキ「あの時、私達ロケット団はお月見山でポケモンの生態実験をしていたんだ
その時にお前達が現れて見事に邪魔されたってわけさ」

律「生態実験?」

サキ「ああ、ピッピ達のな」

唯「!生態実験って何をするの?」

サキ「?ああ、薬物を投与したり刺激を与えたりして観察したり
解剖したりもするかな」

唯律「!!」

唯「なんでそんなことするの!?」

サキ「フンフフフ、少し興味があってね」

律「……実験に使ったピッピはどうしたんだ…?」

サキ「捨てたさ
実験済みの奴は必要ないんでね」

唯「…!!」

律「ひでえ…」

サキ「フンフフフ、我等ロケット団には最高の褒め言葉だな」

唯「許せない!」

サキ「フンフフフ、ではどうすると言うんだ?」

唯「りっちゃん!」

律「おうよ!ヒート、かえんぐるま!」ぽん!

ヒート「ヒヒーン」ぼわぁ

唯「ピッ太、みずのはどう!」ぽん!

ピッ太「ピッ」びゅわ

サキ「!?」どがん!

律「よし、クリーンヒットだぜ!ピッ太はカスミにもらった技マシンが役に立ったな!」

サキ「フンフフフ、ずいぶん勝ち誇っているのだな」

唯律「!!」

律「あれほど攻撃を喰らっておいて無傷だと!?」

サキ「フンフフフ、逆に聞こう
あの程度の攻撃で傷を受ける方が難しくはないか?」

律「く…」

サキ「どうした?かかってこないのか?
ならば私から行くぞ!
ペルシアン、きりさく!」

ヒート「キャウ!」ざしゅっ

きゅうしょにあたった

ヒートは倒れた

律「ヒート!」

唯「大丈夫?りっちゃん!
ピッ太、みずのはどう!」

サキ「ペルシアン、しっぽをふるで防げ!」ばしゃばしゃ

唯「ああっ…」

サキ「…ん?そのピッピ、お月見山のピッピか?」

唯「!
そうだよ」

サキ「ほう…おかしいな
ピッピは全て捕まえたはずだが…取り逃がしたか?」

唯「………」

サキ「(…………?)フンフフフ、しかしポケモンは哀れだな
人間に勝てるはずなのに生態実験やらを簡単にさせてしまうのさ
愚かだな」

唯「………」

サキ「(?
おかしい…挑発に乗ってこない
さっきまではあんなに怒っていたのにな
いや…これはもしや………フンフフフ)
フンフフフ、やめだ
私はここで撤退させてもらおう」

唯「!」

律「なっ…
ふざけんなっ!逃げる気かよ!?」

サキ「フンフフフ、撤退と言っているだろう。作戦のうちの一つさ」

律「変わんねえよ!」

唯「りっちゃん、もういいよ。私達じゃあの人を止められないよ…」

律「くそ…っ!」

サキ「フンフフフ、話が分かるじゃないか
ではお言葉に甘えさせてもらおう
スターミー!」ぽん!

サキ「フンフフフ、さらばだ」

唯「…………」


ぷるるるる

フジ『なんじゃ?』

サキ「作戦は中止だ
お前はタマムシの基地に行け
次の作戦だ」

フジ『わかった、すぐに行く』ぴっ


サキ「フンフフフ、あの二人はもうダメだな
いずれ仲たがいをするだろうな…早いと今日のうちにな……」


――――――――――――――――――――――
律「唯、とりあえず、フジさんの言ってた幽霊をさがそうぜ…?」

唯「うん…」


――――――――――――――――――――――
律「いなかったな、幽霊。フジさんに言わなくちゃな」

唯「うん…」

「大変だあー!フジ老人があー!」

律「あの!フジさんがどうかしたんですか!」

「ああ、大変なんだ!フジ老人がさっきロケット団にさらわれちゃって!」

律「ええ!大変だ!」

「確か…フジ老人をタマムシの基地に連れていくとか言っていた!」

律「じゃあ助けに行かなくちゃな!私達が助けに行きます!」

「本当かい!頼んだよ!」

律「はい!」


律「よし、行こうぜ唯!」

唯「……」


律「唯…?」

唯「……」

律「どうしたんだよ唯!?早く行かないと!!」

唯「りっちゃん…」

律「なんだ?」

唯「私、行かない…」

律「!?なに言ってんだよ唯!?フジさんさらわれてんだぞ!?助けに行かないのかよ!」

唯「だって…ロケット団にさらわれたんでしょ?私達じゃどうにもならないよ…敵いっこないよ…」

律「ロケット団には今まで勝ってきただろ!?今回だって…」

唯「でもこんな大きな事件だから、きっとあの人もいるよ…」

律「あの人って…サキのことか?」

唯「うん…あの人強いもん!勝てっこないよ!」

律「そんなことねえよ!二人で手を合わせれば…!」

唯「無理だよ!さっきも無理だったし…
それに、りっちゃんだって逃がしたってことは負けを認めたってことだよね…」


律「それは……」

唯「だから…行っても無駄なんだよ…」

律「……私は行く!私一人でもフジさんを助けに行ってやる!
何が一回負けただけで勝てっこないだよ
やってみなきゃわかんねえよ………唯がそんな弱虫だとは思わなかったぜ………じゃあな」

唯「…………」ぐす

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サキ「フンフフフ、やはり仲たがいしたか
あの娘は私との実力差を感じ取ったのだろう
もう戻ってはきまい
フンフフフフフフフフ」

―シオン編完―



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