~朝~
澪「ふあ……」
律「zzz」
澪「りちゅー、あさだよー」
律「ん、うーん……」
澪「りちゅー、おきてよー」
律「おお……澪は早起きだな」
律「ふああ~……よし、まずはパジャマ着替えないとな」
澪「はーい」
律「私は自分の準備があるから、一人でするんだぞ」
澪「わかった!」
澪「んしょ……んしょ……」
律「さーて、私も着替えてご飯だな」
律「澪、私は学校行くけどどうする?」
澪「りちゅがいくならいく!」
律「そっか。でも学校じゃずっと一緒にはいられないと思うんだ」
律(さすがに授業中にいるのは、まずいだろうしなぁ)
澪「やー!りちゅといっしょにいるー!」
律「うーん……私もいたいのはやまやまだけど、こればっかりはどうしようもないんだ」
澪「そんなぁ……」
律「軽音部のみんなで交代で一緒にいてあげるから、それで我慢してくれないか?」
澪「やー!りちゅとずっといたいー!」
律「あんまり我侭言うと、一人で留守番させるぞ!」
澪「ひっ……ごめんなさい……みお、がまんするから……おこらないで……」
律「ああ、怒ってないよ。澪が解ってくれたらそれでいいんだ。大きな声を出してごめんね」
澪「ほんとに……?おこってない……?」
律「ああ、だから一緒に学校行こうな」
澪「うん!」
~学校、音楽室~
律「というわけで、授業中は交代で澪とここで一緒にいてあげてくれないか?」
律「授業さぼることになっちゃうけど……」
唯「こんな可愛い澪ちゃんと一緒にいれるなら、それくらい全然いいよ~」
梓「まあ……しかたないですね」
律「助かるよありがと~」
紬「澪ちゃん、私のこと『お姉ちゃん』って言ってみて」
澪「むぎおねーちゃん」
紬「ああ……可愛い妹ができたみたい……」
唯「あー!ムギちゃんずるいよ~。澪ちゃん、私も~」
梓「わ、私も!」
澪「ゆいおねーちゃん」
澪「あじゅさおねーちゃん」
唯梓「か、可愛い~!」
律「まあこれなら大丈夫かな……」
律「じゃあ、最初に誰から一緒にいてあげようか?」
唯「はいはい!私が~」
梓「あ、唯先輩ずるいです!」
紬「私も一緒にいてあげたいです」
律「さすがに3人みんなサボるのはまずいだろ。じゃんけんだな」
唯紬梓「じゃーんけーん……」
澪「りちゅといっしょがいい……」
律「私は家でも一緒にいてあげたし、まずあいつらと一緒にいてあげような」
律「もちろん私も後で一緒にいてあげるからさ」
澪「うん!」
唯「やったー!」
梓「負けました……」
紬「残念だわ……」
律「それじゃ、最初は唯か。そろそろ授業始まるし頼んだぞ」
唯「あいあいさー!」
唯「それじゃ澪ちゃん、なにして遊ぼうかー?」
澪「なんかいっぱいあるー」
唯「ここは音楽室だからね。楽器がいっぱいあるんだよ~」
澪「がっき?」
唯「音を出すものなんだよ」
澪「これなーに?」
唯「カスタネットだよ」
澪「やってみたい!」
唯「じゃあ、一緒にやってみようか」
澪「うん!」
唯「それじゃあ、お姉ちゃんの真似してね」
唯「うんたん♪うんたん♪」
澪「うんたん♪うんたん♪」
唯「上手上手~」
澪「えへへ~」
一旦CM!
唯「親とかこまけえことはいいんだよ!」
律「まあそれだけ私にべったりだと思ったら可愛いだろ」
律「唯どうだ~?」
唯「うんたん♪うんたん♪」
澪「うんたん♪うんたん♪」
律「なにやってんだお前ら……」
唯「あ、りっちゃん」
紬「唯ちゃん、授業終わったから交代しに来たわ」
唯「あ、もうそんな時間なんだ~」
律「次は……」
梓「私です!」
律「そっか。じゃあ任せたよ」
梓「はい、任せてください」
唯「じゃあ、澪ちゃんまたね~」
澪「ばいば~い、唯おねーちゃん」
梓「それじゃ、澪せんぱ……じゃなくて、澪ちゃん一緒に遊ぼっか」
澪「ねえねえ、あじゅさおねーちゃん。これなーに?」
梓「あ、それはネコミミだよ」
澪「ねこみみ?」
梓「こうやって着けると……ほら」
澪「わ~すごーい!ねこさんになった!」
梓「にゃ~、澪ちゃん一緒に遊ぼうにゃ~」
澪「うん!みお、あじゅにゃんとあそぶ~!」
梓(子供の頃とはいえ、澪先輩にまであずにゃんって呼ばれるとは思ってなかった)
梓「それじゃあ、一緒に遊ぼうにゃ~」
澪「わーい!みおもいっしょにねこさんになるにゃ~!」
梓「にゃ~にゃ~にゃ~」
澪「にゃ~にゃ~にゃ~」
唯「あずにゃ~ん、交代だよ~」
梓「にゃ~にゃ~にゃ~」
澪「にゃ~にゃ~にゃ~」
唯律紬「……」
梓「はっ!?こ、これは違うんです……その、仕方なく……」
さわ子「梓ちゃん、なんだかんだ言ってそのネコミミ気に入ってくれてたのね~」
律「うわっ!?さわちゃんいつの間に」
梓「うぅ……恥ずかしい……」
澪「あじゅにゃん、みおとってもたのしかったよ~」
梓「それは良かったにゃ~。また遊ぼうにゃ~」
唯律紬「……」
梓「ああ、なんかだんだんクセになってきてる……」
律「まあそれはおいといて……次はムギか」
紬「はい」
律「じゃ、頼んだぜ」
紬「それじゃあ澪ちゃん、お姉ちゃんと一緒に遊びましょう」
澪「……」
紬「あら、澪ちゃんどうしたの?」
澪「みお、おなかすいた……」
紬「そういえば、もうお昼ね」
紬「じゃあ、澪ちゃんお菓子食べる?」
澪「たべたい!」
紬「じゃあ、用意するからいい子にしててね」
澪「うん!」
澪「わくわく!わくわく!」
紬「はい、澪ちゃんどうぞ」
澪「わーすごーい!これ食べていいの!?」
紬「ええもちろん。澪ちゃんのために用意したもの」
澪「いただきまーす!」
紬「どうぞ召し上がれ」
梓「ムギ先輩、授業終わりましたよー」
紬「しーっ!」
梓「えっ?」
澪「くぅ……くぅ……」
紬「お腹いっぱいになったら、眠くなったみたい」
唯「わ~、可愛い寝顔だね~」
澪「んん……りちゅぅ……」
梓「ふふふ、寝言で律先輩のこと言ってますよ」
唯「やっぱり、澪ちゃんはりっちゃんと一緒にいるのが一番いいのかな?」
律「みんなありがとうな。後は私がやるよ」
紬「それじゃあ、後はよろしくねりっちゃん」
律「ああ、任せとけ」
澪「くぅ……くぅ……」
律「気持ちよさそうに寝ちゃって」
澪「ん……あれぇ……りちゅ……?」
律「あ、起こしちゃったか?ごめんな」
澪「べつにいーよ!きょうはすっごくたのしかったもん!」
律「それはよかったな~」
澪「うん!あのねあのね、ゆいおねーちゃんはいっしょにかすたねっとしてくれたの!」
律「上手にできてたな」
澪「あとね、あじゅさおねーちゃんといっしょにねこさんになったの!」
律「あの時の澪は可愛かったぞ~」
澪「むぎおねーちゃんはおかしをくれたの!とってもおいしかったよ!」
律「ムギの持ってくるお菓子はいつも美味しいもんな」
澪「でも、やっぱりりちゅといっしょがいちばんいい~」
澪「ほんと澪は可愛いな~」
律「今日も学校終わったなー」
澪「りちゅ、はやくかえろー!」
律「そうだな」
唯「それじゃありっちゃんまたねー」
梓「澪ちゃんまたにゃ~」
澪「みんなばいばーい!」
律「澪は今日も私の家に来るか?」
澪「いくー!」
律「そっか。それじゃあみんなまたなー」
~夜~
律「澪は今日も楽しかった?」
澪「すっごいたのしかったよー!」
律「そっか」
律「なんで突然澪はちっちゃくなっちゃったんだろうな……」
澪「?」
律「元に戻るのかな……」
澪「どうしたのりちゅ……?」
律「ああ、ごめんごめん。なんでもないよ……」
律「それじゃあもう遅いし寝ようか」
澪「はーい」
律「お休み澪」
澪「おやすみなさーい」
…
律「澪、朝だぞ起きろー」
澪「ふみゅ……りちゅ……?」
律「お、起きたか。今日はお休みだからずっと一緒にいられるぞ」
澪「ほんと!?」
律「ああ、本当だよ」
澪「じゃあ、りちゅといっしょにおでかけしたい!」
律「よーし、じゃあお出かけしよっか!」
澪「わ~い!りちゅとおでかけ~!」
律「その前にお着替えして、ご飯食べようねー」
澪「は-い!」
律「ところで、澪はどこか行きたい所はある?」
澪「んーと、んーと……」
澪「りちゅといっしょなら、どこでもいい!」
律「そっか。じゃあ適当にブラブラするか」
澪「ぶらぶら~」
澪「わ~い、おでかけおでかけ~」
律「はしゃぎ過ぎて転ばないようにな」
澪「りちゅ、おててつなご!」
律「ん、いいぞ」
ぎゅ!
澪「りちゅのおてて、あったか~い」
律「澪の手は冷たいな」
澪「そーかなー?」
律「そういえば、『澪』は手が冷たいことを気にしてたっけ」
澪「?」
律「ああ、ごめん。澪のことじゃないよ」
澪「みおいがいにも、みおってこがいるの?」
律「ん……まあそうだな……」
澪「あってみた~い」
律「ごめんな。それは無理なんだよ」
澪「どうして?」
律「『澪』は、今ここにはいないんだよ」
澪「どこかにいっちゃったの?」
律「うん……」
澪「じゃあ、そのみおってこのかわりに、みおがいっしょにいてあげるよ!」
律「あはは、ありがとうな」
澪「だから元気だして!」
律「私はいつでも、元気いっぱいだぞ~」
澪「じゃあ、おでかけのつづき、いこ!」
律「はいはい」
澪「わ~、こうえんだ~」
律「ここで一緒に遊ぶか~」
澪「うん!」
…
……
………
澪「すやすや……」
律「遊び疲れて寝ちゃったか……」
澪「んん……りちゅ……」
律「ほんと、可愛い寝顔だな」
律「こうやって、小さい澪と一緒にいると子供の頃を思い出すなぁ」
律「澪は小さい頃から恥ずかしがり屋だったな」
律「…………」
律「なあ澪……いつになったら元に戻るんだ?」
律「最初は、小さい頃の澪と一緒に居れたみたいで楽しかった」
律「だけど、今は寂しいよ……」
律「やっぱりいつもの澪じゃないと駄目だよ……」
律「いつもみたいに、二人でふざけあったりしたいよ……」
ぽたぽた……
律「あれ……ぐす……おかしいな……涙が止まらないや……」
律「澪……みお……」
律「お願い早く戻ってきて……」
…
……
………
「律……律……」
律「あれ……?私……」
律「そっか……泣き疲れて寝ちゃったのか……」
「やっと起きたか律」
律「え……その声……」
澪「気がついたら律が隣で寝てるんだもん。びっくりしたよ」
律「澪……元に戻ったんだ……」
澪「そうみたいだな」
律「よかった……もう元に戻らないんじゃないかって心配で……」
律「寂しかった……寂しかったよぉ……」
律「うわぁぁぁぁん!!」
澪「もう……しょうがない奴だな」
律「澪……よかった……ぐす……澪……」
澪「もう心配しなくてもずっと一緒にいるさ」
律「うん……うん……」
澪「もう泣き止んだか?」
律「うん……ごめんね……」
澪「いいさ。私も律に頼りっぱなしみたいだったしな」
律「澪、小さくなった時のこと覚えてるの?」
澪「いや、正直あんまり……でも……」
澪「律と一緒にいて……一緒に話して……一緒に遊んでた……」
澪「それだけは確かな気がするんだ」
澪「私も律がいないとだめみたいだな」
律「私も澪が側にいないとだめみたい」
澪「ふふふ、それはさっきので十分解ったさ」
律「み、みんなには内緒だからな!」
澪「はいはい」
律「なあ澪……」
澪「ん?」
律「結局今回のことってなんだったんだろうな」
澪「さあ……解らないけど……もしかしたら」
律「もしかしたら?」
澪「私達が自分の気持ちを知るために、神様が用意してくれたのかもな」
律「あはは、澪らしい考え方」
澪「なんだよ。悪いか」
律「ううん……素敵だよ。まさに『二人だけのDream Time』だね……」
澪「ああ、そうだな……」
fin.
最終更新:2010年01月07日 03:27