紬「くじ引き?」

澪「またか」

唯「Aを引いた3人は、おめでとう! 私の部屋でぐっすり眠れます!」

唯「Bを引いた2人もおめでとう! 憂の部屋ですやすや眠れます!」

唯「Cを引いた2人はざんねん! 廊下の上でまるで売られていく奴隷のように眠っていただきます!」

律「おいCはおかしいぞ! リビングでもいいだろ!」

唯「リビングは甘えです! ここは罰ゲームらしく行こうじゃないですか! りっちゃん隊長!」

律「く~! ぜったいCはいやだ!」

和「はあ…………はああ…………」

澪「のどか……」

澪(相当、ストレスが溜まってるんだな……)

唯「そいじゃ、りっちゃんからどうぞ!」

律「たのむたのむ……ぐああっ! C……」

唯「ざんねん! 次はムギちゃん!」

紬「はーい! ……あら、Cだ」

唯「ざんねん! 早くも決まっちゃったね!」

律「ムギー! いつまでもいっしょにいような!」ダキッ

紬「ほあああっ!? は、はいいいっ!」(わが世の春が来たああっ!!)ムギューン

唯「さあさ、次は澪ちゃんだよ!」

澪「はいはい……あ、Bだ」

唯「おめでとう! 次は和ちゃん!」

和「はいはいなんだってやりますよ。やればいいんでしょ、やれば」

和「はいBよ」

唯「おめでとう! 今夜は澪ちゃんと二人きりの夜をお過ごしください!」

澪「な、何言ってんだ!」

和「……えっ」

……

――ういのへや

和「……」

澪「はあ、もうこんな時間か……さ、そろそろ寝ようか」

和「……」

澪「おーい、のどかー」

和(アカンアカンアカンアカン……! こんな……こんな密室に二人だけとか…
…)

澪「……」

和(なにか過ちが起きてからでは遅いわ……! いや、でも心のどこかで起きてほしいという気持ちもある……!)

澪「……のどか」チョンチョン

和「ぬわっ!? な、なんでございますの?」

澪「そのリアクションは和じゃないぞ……」

和「あ、う、ごめん……」

和(うぅ、何で下心丸出しなのよ私は……)

澪「大丈夫か? 早く横になったほうが……」

和「い、いいの。気にしないで」

澪「そうか。でも、気分が悪くなったらすぐにでも寝たほうがいいぞ」

和「うん、ありがとう澪」

和(澪は本当に優しいわ。もし困った人がいたら、気にかけてくれる優しい女の子)

和(私は澪のこういうところにひかれちゃったのかしら)

和(……私は澪のことが好き、か……)

和(憂はああ言ってはいたけど、そんな風に意識したことなかった)

和(でも……でももし本当だったら……私は……)

澪「和」

和「な、なに?」

澪「よかったら……一緒にお話しないか?」

和「ま、まあいいわよ」

澪「それじゃあ、ベッドの上で話そうか」

和「わかった」

澪「憂ちゃんの部屋、すっごくきれいだよな」

和「そうね。あの子は昔からちゃんとした子だったわ」

澪「ははっ、そういう幼馴染のこと知っているっていうのいいな」

和「澪だって律がいるじゃない」

澪「あんなやつのこと、知ってても意味ないよ」

和「あははっ、ひどいわね」

澪「……なあ和」

和「なに?」

澪「和、無理してないか?」

和「ぬえっ!? な、なななにを」

澪「いや、最近挙動不審だし、まるで和じゃないような感じだったし」

和「そ、そこまでひどかった?」

澪「それはもう、ちょっとドン引きするぐらい」

和「ドン……引き……」ショボーン

澪「うわあっ! ちがうちがう! 今のはちょっとしたジョークだ!」

和「そ、そう」

澪「……なんだかさ。私の持ってた和のイメージと全然違うなっておもってさ」

和「違う?」

澪「私、和ってママみたいだなずっと思ってたんだ」

和「ママ?」

澪「お、お母さん! ……でも、最近の和はまるで唯みたいなリアクションするし、申し訳ないけど見ていて面白いなって感じたんだ」

和「面白い?」

澪「うん。でも……それってやっぱりなにかあったからなのかなって思ってきちゃって……」

和「!!」ドッキーン

澪「相談を受けたときは誤魔化されたけど、やっぱり何かあるんじゃないかって考えていたんだ」

和「……」

澪「和!」ガシッ

和「ひゃっ!」ビクン

澪「言いにくくてもいいよ。でも……でも、もし和が苦しんでたりしたら、私も苦しい」

和「み、みお……!」ニタ

和(いかんいかん。思わずにやけてしまった)

澪「だから……私に話してくれないか……?」

和「あ……ああ」

澪「……」じー

和(ちょちょっと、こんなにまっすぐ見られたら……)

澪「……」じー

和(ああ、駄目よ……駄目なのよ和……。澪は友達、ともだちなんだから……)ブンブン

澪「……」じー

和(ああ、澪の唇やわらかそうだなぁ……えへへ……)ニヤ

澪「……ぷっ」

和「へっ!?」

澪「あっははははははっ!」

和「み、澪……?」

澪「ゴメンゴメン、和の顔がコロコロ変わるから、つい」

和「そ、そんなに変わってた?」

澪「ああ、最後なんてにやけてた」

和「え? うそ!」カオパチパチ

澪「もう遅いよ」

和「あ……」

澪「あははっ」

和「……ふふふっ」

澪「……やっと笑ってくれた」

和「えっ?」

澪「ずっと笑ってなかっただろ? だから笑ってくれてほんとによかった」ニコ

和「(きゅん)澪……ありがとう」

澪「お役に立てて何よりだよ」

和(ごめんなさい澪……あなたの思っている悩みと私の悩みは全然違うの……)

和(でもね、これでなんとなくわかった気がするの。私がどうするべきかを)

澪「さて、和も元気になったところで、そろそろ眠らないとな」

和「あ、うん……」

和(このまま終わりでいいはずがない……私はもう自分の気持ちに気付いてるはず)

和(だから……勇気を振り絞らなきゃ……! 私は、私は……!)

澪「それじゃあおやすみ和……」

和「ねえ、澪」

澪「うーん?」

和「私ね、気付いたの」

澪「……」

和「何で最近の私はおかしいのか」

和「それはね、あなたがいけないのよ」

和「あなたのことが好きすぎたせいで、私は全部狂っちゃったの」

澪「……」

和「だから……だから……おねがい」

和「私と、その……」ドキドキ

和(し、心臓がヤバいわ! 顔も熱い! でも、私は……!)フンス

和「私と、つ、つ、つ、つ……!」ドキドキ

和「ちゅきあってちょうだい!」

澪「……」

和「……」ドキドキ

澪「……」

和「……あれ? 澪?」

澪「……ぐう」

和「ね、寝てる……」ヘナ

和「わ、私の苦労は一体……」

ガッ

和「ん? ドアから?」

律「あは、あははっ」

紬「うふ、うふふっ」

和「律……ムギ……あんたたち」

律「い、いやあ、聞いちゃいけないような気がしたんだけど、聞こえてきちゃって」

和「……どこから?」

律「お前らが笑ってるところから」

和「あ、あ、あ、あ、ぜ、全部……」

律「でも、ぷっ……和、あの告白は、くくっ……無いぞ。なんだよちゅ、ちゅ、ちゅきあってって……ブワハハハハハッ! あーもうダメだ! 腹いてえ! 大事なとこで噛むなよ!」ギャハハ

和「ああ……あああああ……!」

和「あはは……私は……なんていうピエロ……」

和「まったくお笑いね……あはっあははははっ!」

律「の、のどかぁ! すまん! のぞき見したのは謝るから正気に戻ってくれー!」

澪「……」

……


――翌朝

和「ふわ~あ」

憂「おは、ぶふーっ!…………エホン、よう和ちゃん」

和「ちょっとまった憂。何で今笑ったの?」

憂「い、いやあなんでもな、な、な……ぶははっ!」

和「笑ってるじゃない!」

憂「和ちゃん、いくらなんでもあの告白は無いよ」

和「やっぱり知ってたのね……。誰から聞いたの? 律?」

憂「ううん、隣の部屋だったからつい」

和「えっ……じゃ、じゃあ昨日のは全部丸聞こえ……?」

憂「お姉ちゃんと梓ちゃんはもう寝ちゃってたから聞こえてないと思うけどね」

和「そ、そんな……」ガクリ

憂「……でも、かっこよかったよ和ちゃん」

和「ふえっ?」

憂「なんでもない! さて、朝ごはんの準備しなきゃ」

和「えっ? どういうこと? どういうことなのよ」

憂「なんでもないの! ほら早く顔洗って来て」


和「まったく……憂もちょっと生意気になってきたわね。昔は甘えて来てかわいかったのに」ジャー

和「……」ジャー

和(昨日はあれからどうしたのかしら。眠りに着くまでの記憶がないわ)

和(でも……何かしらないけど、すがすがしいわ。身体についてるおもりが取れたみたい。これも私の心の中で決着がついたからかしら)

和(まだ、澪にはキチンと思いを伝いきれてない……。こうなったら全力で行くしかないようね!)


和「ふう……すっきりさっぱりっと」

澪「あっ……」

和「あら澪、おはよう」

澪「お、おはよう……」

和「……なんでこっち来ないの?」

澪「うえっ!? あ、ああ……和が終わってからそっちに行こうかと思って」

和「いいわよそんな気を使わなくても。もうほぼ終わったし」

澪「い、いや、その……///」

和「ん?」


澪「わ、私も! 和のことが好きだから!」

和「へっ?」

澪「あ、ああいや違う! 友達として! 友達としてだからな! ああ、これも違う!」

和「はっ?」

澪「と、とにかく! 私も、その……」

和「えっ?」

澪「……や」

和「や?」

澪「やっぱだめっ!!!! はずかしいいいいい!!!!」ドタドタ

和「あっ、澪……」

ドタドタ… ドテン! アギャッ! ダ、ダイジョウブデスカミオサン!

和「……」

和「……ふっ、やれやれネ」



おわり



                                                      ___ _
         ,   ...─── - ... 、                           , -‐.. ´::: ::: ::: ::: ::: ::: ::: :::`:'... .、
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