……
和「ごめんなさい……私が少々羽目を外しちゃったせいで……」
憂「大丈夫ですよ。紬さんも2階から飛び降りても何ともなかったようですし。割れた窓ガラスも紬さんの家の人が一瞬で直してくれました」
和「どうして敬語なの？」
憂「あはは、ちょっと和ちゃんに引いてるからですよ」
和「そ、そう……」
澪「の、和……？」
和「み、澪！？」
澪「ごめんな。元はと言えば私のせいでこんな……」
和「そ、そんなことないわ！ 8割がた私の方が悪いのに！」
憂（2割は澪さんになすりつけるんだ……）
澪「ううん、私の方が……」
和「いや、私の方が……」
憂「もうどっちでもいいじゃないですか！ ハイこの話終わり！」
和「そうね……じゃあそろそろ戻りましょうか」
澪「ああ」
憂（まったく世話が焼けるんだから……）
憂（でも、あんな和ちゃん初めて見たな……）
憂「……何だか悔しい」
……
――ゆいのへや
唯「ムギちゃんほんとに大丈夫？」
紬「うふふ、大丈夫に決まってるじゃない♪ あれぐらいでケガしちゃおかしいわぁ」
律「いや、2階から飛び降りて無事な方がおかしいぞ」
紬（まさか、和ちゃんと澪ちゃんがうふふな仲になりそうだったなんて……何で気付かなかったのかしら。もう、紬のばか！）
和「……はあ」
和（何やってるのかしら私は……これじゃ澪と仲良くなるどころか仲が悪くなる一方じゃない）
和「……」ﾁﾗｯ
澪「……！」ﾋﾟｸｯ
澪「……」ｻｻｯ
和「……はあ」ｼｮﾎﾞｰﾝ
律「みおー！ こっちの答え教えて！」
澪「そこは自力で解きなさい」
律「えーやだやだー！」
澪「まったく……ほら、解き方教えてやるからこっちこい」
律「まいどありー！」
和「……」ｲﾗｲﾗ
和（あーもう、なんで澪と律は仲がいいのかしら……すっごくイライラするわ……）
和（律なんてアソコは子供っぽいだろうし、アッチも控えめだし、それにアレもまだそうなのに……）
和（……はあ、律のことを敵意むき出しで見るなんて……もう堕ちるとこまで堕ちたみたいね……）
紬（律澪か、和澪か……それが問題ね）
唯「はーいここでていあんです！」
澪「なんだよいきなり」
和「勉強中よ唯、座りなさい」
唯「ぶー、もう十分なぐらい勉強したよー！」
律「よし！ 言ってみたまえ唯隊員！」
唯「はっ！」ﾋﾞｼｨ
唯「本日のお風呂は、これで決めようじゃないか！」ﾊﾞﾊﾞｰﾝ
紬「くじ引き？」
唯「おうよ！ 二人一組で入ろうじゃないか！」
澪「っていうか、お風呂は一人で入るもんだろ？」
唯「分かってないなあ澪ちゃん。普段では言えないようなこともお風呂だとそりゃあもうペラペラと喋っちゃうんだよ！」
澪「そんなもんか？」
紬「そんなもんよ！」
和「お、おふろ……」
和（もし、私と澪で入るとしたら……）
モウソウハジメ
和『あら、澪ったらまた太ったんじゃない？』
澪『んなっ！？ そ、そんなことはないぞ！』
和『うふふっ、じゃあこのたわわに実ったメロンちゃんはなんなのかしら？』ﾓﾐﾓﾐ
澪『ひゃうっ！？ や、やめろぉ……そこはまだ成熟しきって、ない……！』
和『そんなことないわ……ほら、果汁もたっぷりよ』
澪『んああっ！？ このままじゃマスクメロンになっちゃうよぉ……』
モウソウオワリ
和「みたいな！？ みたいなぁ！？」
律「うわっ！？ いきなり大声出すなよ和」
和「ご、ごめん、つい……」
紬（でもそこはメロンじゃなくてスイカがいいと思う）
唯「そいじゃあ、引いちゃおう！ あっ！ あずにゃんと憂の分はもう引いといたから！」
澪「強制参加かよ……」
和（お願い……！ できれば澪と……澪と……！）
律「おりゃ！ ……私はBだ！」
紬「えい！ ……私もBね」
唯「おめでとうご両人！ りっちゃんとムギちゃんは2番目ね～」
澪「それじゃあ次は私だな……Aか」
唯「はい、次は和ちゃんの番だよ！」
和「わかった」
和（お願いだからＡが来て！ おねがいおねがいおねがいおねがい！ Ａ！ Ａ！ エー……！）
和「……C」
……
和「あーあっと……」ﾁｬﾎﾟﾝ
憂「ん？ どうしたの和ちゃん」ｺﾞｼｺﾞｼ
和「もう少しで澪と一緒にお風呂入れたのになぁと思うと、つい、ね」
憂「ふーん、そう！ 私と入ることになって残念だったね！」ﾌﾝ
和「そんな怒らないでちょうだいよ……」
憂「別に怒ってなんかないもん」
和「怒ってるじゃない」
憂「怒ってないです」
和「また敬語」
憂「ふーんだ」
和「もう……私が悪かったわよ……」
憂「……」
和「ほんと、あんたたち姉妹は手がかかるわ」
憂「……ねえ和ちゃん」
和「なに？」
憂「の、和ちゃんは……もし私と澪さん、どっちか選べって言われたら、その、どっちを選ぶ？」
和「選ぶって、何を選ぶの？」
憂「何でも！」
和「何でもって……それって全部ってこと？」
憂「まあ、そういう考え方でもいいかな」
和「ちょっと意味が分からないわ」
憂「もう！ ……じゃあ、で、で、デートをするならどっちと行きたい？」
和「あははっ、何言ってるのよ憂。デートは男女でするものよ」
憂「はあ……もうダメ。私じゃ和ちゃんとまともにお話しできないや」
和「一体何なのよ……」
憂「和ちゃんじゃ、一生ずーっと澪さんと仲良くできないって言いたいの！」
和「……へ？」
憂「……和ちゃん、私ズバリ言うけどね」
憂「和ちゃんは澪さんのことが好きなんだよ」
和「……はあ？」
憂「だから、和ちゃんは澪さんのことが好きなんだって言ってるの！」
和「な、な、なにを馬鹿なことを……」
憂「まだ気付かないの？ 和ちゃんが澪さんと接するときに感じるあのドキドキは、まさしく恋なんだよ」
和「こ、恋……」
憂「もう、和ちゃんがこんなに鈍感さんだとは思わなかった」
和「私が……澪を……好き……？？」
憂「……」
和「……！///」ｶｱｱ
憂「ようやく気付いたんだね……」
和「……そうなんだ、じゃあ私澪に告白してくるね」ｻﾞﾊﾞｱ
憂「の、和ちゃんストップ！ 早まっちゃダメだよ！」ｶﾞｼｯ
和「は、はなしてぇぇぇぇぇっ……」ｸﾞｸﾞｸﾞ
憂「いやだよぉぉぉぉぉっ……」ｸﾞｸﾞｸﾞ
和「私は告白するしかないのぉ！ みおぉ！ 澪オオオオオッ！」
憂「ちょっ、正気に戻って和ちゃん！」
澪「……ん？」
唯「どしたの澪ちゃん」
澪「あ、いや、なんか呼ばれた気がして」
紬「誰も呼んでないけど……」
律「それってもしかして……ここの近くの事故で亡くなった少女からの悲痛な叫びだったりしてえ！」
澪「あああああああああああああああああああ！！！」ﾊﾞｷｯ ﾄﾞｶｯ
律「あうふ！ ちょ、マジいたい、おうん！」
唯「りっちゃんうれしそうだね」
紬「きっと濡れ濡れじゃないかしら」
……
和「はあ……はあ……」
憂「落ち着いた？ 和ちゃん」
和「……」
憂「これで気付いたでしょ？ 和ちゃんが澪さんのことを好きだって」
和「そ！ そそそそんなわけあるはずないじゃない！ だって！ だって澪は……澪は！」
和「私の友達なのよ～～！！！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ
憂「の、のどかちゃ……」
ガラピシャ！
憂「うぅ……まだ早すぎたかな……」
憂「でも……アレが恋だって気付かない和ちゃんがいけないんだよ……そうだよ……」
憂「……あーあ、私って損な性格なのかな」ﾌﾞｸﾌﾞｸ
憂「……和ちゃんのばーか」
……
律「ムギのおっぱいすごかった」
紬「やん！ もうりっちゃんたら！」ﾊﾞｼﾊﾞｼ
唯「えー私もみたかったなぁ」
澪「ナチュラルにセクハラ発言するのはやめろよ唯」
唯「えっ？ 私はただ見たかっただけだよ？」
澪「あっ……そういうことか……///」
律「ぬふふーっ、エロ澪しゃんだねぇ」
澪「う、うるさい！ っていうか見るだけでも十分セクハラだ！」
和「……」
唯「和ちゃんも見たかったよね？」
和「……」
唯「和ちゃん……？」
和「……」
澪「おーい？ のどかー？」
和「！！！ な、なななんあななによ！！」ｼｭﾊﾞｯ
澪「いや、ずっとボーっとしてるから寝てるのかと」
和「そ、そそそそんなわけないじゃない！ 何言っちゃってるのよ！」
澪「いや、そんな慌てなくても……」
和「あ、あああ……sorry」
澪「なぜ英語！？」
紬（うふふ！ 紬は険悪なムード大好物です！）
唯「……」ｶｷｶｷ
律「ん？ 何書いてるんだ唯」
唯「遺書だよりっちゃん……」
律「おまえ……死ぬのか」
和「……」
憂『和ちゃんは澪さんのことが好きなんだよ』
和（そうだったのね……この胸のドキドキやモヤモヤはそういうことだったのね）
和（まさか……澪のことが好きだったなんて……）
和（はっ！ やっぱりそんなはずないじゃない！）
和（だって澪は私のともだちで……クラスメートで……女の子で……）
和（もし。もし本当だとしたら……私は澪とどうやって接していけばいいのよ……！）
唯「はーい！ ここで唯ちゃんからていあんだよー！」
澪「またか」
律「今度は何だね唯隊員！」
唯「はっ！ もうしあげます！」ﾋﾞｼｲｨ
唯「本日の寝る場所は、これで決めようじゃないか！」ﾊﾞﾊﾞｰﾝ
最終更新：2011年03月04日 02:22
