~さらにそのご!~

唯「つまらないお笑い番組を真面目な顔で観てるあずにゃんも素敵だねぇ……」ウットリ

梓「色んな意味で笑えないんですけど」

唯「あれ、この番組そんなに面白いかな?」ニコニコ

梓「笑えないって言ったですよ!? なのにどうしてそんないい笑顔なんですか!」

唯「いやー……私ってば、あずにゃんのこと大好きだから。基本的に何をしてても絵になるように見えちゃうんだよねー」ニコッ

梓「じょ、冗談でもそんなこと言わないでくださいっ!」ドキッ

唯「本気だよ。好きだよ、あずにゃん」

梓「本気……なんですか?」ドキドキ

唯「うんっ! あずにゃんに恋する気持ちに嘘はつけないから!」キリッ

梓「んにゃっ……!?」ドキドキドキ

唯「好きじゃなかったら、ストーカーしようなんて思わないし?」

梓「んっ……そ、その余計なひと言さえなければ、別の言葉だったなら!」クワッ

唯「ひゃあ!? あずにゃん、カバン構えないで! 本気で痛いから!」

梓「ピーカブースタイルで、ばっちりガード固めてるじゃないですか?」

唯「い、痛いのは嫌だよぉ? それとも、あずにゃんはそおゆうご趣味……?」ハラハラ

梓「違います! 私だって、好きでカバン担いでるわけじゃありませんよ!」

唯「ふふふ……『あずにゃんがカバンを担いだら用心せい』と憂に言われててね?」ガードッ

梓「まだバスも電車もあります! 何なら今すぐ帰ってください!」

唯「うぅん……ごめんね。そのカバンを下ろしてくれたら、緊張しないで思いっきりだらけるよ」

梓「……はあ。だらけてない唯先輩の方がレアですけど、まぁ、今日は適当に時間潰して寝るだけですし……」ハァ

唯「アンプ繋がないでも、ギター弾くにはご近所に微妙な時間帯だもんね!」

梓「お風呂の前に練習すればよかったなぁ……」ハァァ

唯「でも、ほら。私、ちゃんと練習してるんだよ? タコが出来て皮が剥けて、新しいタコが」ヒョイ

梓「あ……ほんとだ。指の皮が結構固くなってますね」プニプニ

唯「そんな私の指を見つめるあずにゃんも可愛い……」ウットリ

梓「何なんですか、その隙あらば私の顔を見て恍惚とするのは!」

唯「あずにゃんが、私の心の弦をかき鳴らすからだよ?」

梓「ギター繋がりで上手いこと言ったつもりですか!?」

唯「はあ……抱っこしたい……でもストーカー的に駄目……だけどあずにゃん分を補給しないと……明日、きっと遅刻する……」ガクリ

梓「…………」ジー

唯「……遅刻……すりゅ」チラッ

梓「すればいいじゃないですか。遅刻。別に私には関係ないですし」

唯「ううぅん。そしたら私、『あずにゃんが寝かせてくれなかったから』って先生に言っちゃう」モジモジ


~しゅうしん!~

梓「…………」チラッ

唯「…………」ジーッ

梓「あの……気になって眠れないので、せめて私が寝付くまで控えてもらえないですか」

唯「え? でも、そしたら貴重なあずにゃんの眠る寸前の無防備であどけないお顔を見られないでしょ?」キョトン

梓「何でもう見たかのような表現するんですか。ちょっと怖いですよ」

唯「いや、合宿の時にちょっとね……ふふふ……みんなもいるから変なことしたくなる気持ちは我慢したけど!」フンス

梓「カバン、カバンっと……」ヨイショ

唯「……あり? そういやさっき、そのカバンに辞書入れてたよね?」アセッ

梓「明日、授業で使うので……まあ? もしおかしな行為に及ぼうとする変態さんがいたら、本来の用途以外で使うことになりますけどね?」ニコー

唯「ば、バイオレンスなあずにゃんも、ちょっと素敵……でも、辞書入りのヨコカバンだけは本当に止めて……?」フルフルガクブル

梓「じゃ、さっさと寝ましょう。唯先輩の寝坊に付き合って遅刻したら、あらぬ噂を立てられちゃいそうですから」モフッ

唯「う……うん……おやすみね、あずにゃん」モフ

梓「はい、おやすみなさい」


~まよなか!~

唯「んにゅ~……すゆゆ……ふにゅ?」

梓「んんう……ん、ふうっ……ふみゅふみゅ」スリスリ

唯(な……何とっ!?)ドキドキ

梓「にゃあにゃあ言わせないでくださいよぉ、もお……んにゅぅ……」ネゴトッ

唯(ま、待つんだよ私! まずは現状把握だよ! 私はあの後すぐ眠っちゃったから、お布団から出てない!)

唯(ベッドのお布団が落ちてる……あずにゃん、おトイレにでも行った帰りに寝ぼけて潜り込んじゃったのかな?)

梓「はふー……唯せんぱぁい……♪」フニフニ

唯「は、はーい?」オソルオソル

唯(ゆっ、油断しちゃ駄目だよ……いつまたヨコカバンで叩かれるか! しかも今度は辞書入りだし!)

梓「んう、んむむっ……唯先輩、だぁい好きですぅ……」スピュー

唯「は、はっ……はわわー!?」プシュー

唯(今っ、確かに言ったよね! 好きって、私が大好きだって! 寝言だけど、ちょお嬉しい!)

唯「ん、んっ、私も……大好き、だよ。あずにゃん」ダキッ

梓「にゃうん……♪」ゴロゴロ

唯(……はぅ、とってもとっても可愛いよぉ、あずにゃん……でも、変なことしたらヨコカバンだもんね、今夜のところは我慢するよ)

梓「にゅう、んむ……いい香り……」スンスン

唯(ほわぁ!? あずにゃんが匂い嗅いでる! 私の匂いを嗅いでるよ!? あ、あっ、息がかかって、くすぐったい……)ポワー

唯「くんくん……あずにゃんもいい香りだよ。抱き心地も、最高だしね」ギュッ

唯(これは、ふかこーりょくだよね。ううん、こうなったらいいなって思ってたけど、私があずにゃんのベッドに侵入したわけじゃないし!)ポワポワーン

梓「ゆぃしぇんぱぃ……ふぁ……ふにゅぅぅ……」スヤスヤ

唯(あらま、何て可愛らしい寝顔……でも変なことしたら起きちゃうし、あんまり強く抱っこも出来ないし……こりは何ていう拷問ですかな?)ハウハウ

唯「…………」ジーッ

梓「…………」スピョー

唯「……ま、今はこれだけでいっか。充分すぎるくらい幸せだしね」ハフーン


~よくあさ!~

唯「すぴょ~……んむむ、はう……あずにゃぁん……♪」スピョピョ

梓「……あの、唯先輩? 起きてもらえませんか?」ペシペシ

唯「ふあ……あ、あずにゃん。お外が明るい……朝だね! おはようあずにゃん!」ギュゥ

梓「おはようじゃありません! 別々に寝たハズなのに、どうして目が覚めたらこんな状況になってるんですか!」ワナワナ

唯「それはね、あずにゃん君。寝ぼけて起きて、ベッドに戻らずこのお布団にあずにゃんが入ってきたからなんだよ」

梓「……そ、そおいえば……おトイレに起きたような気がしないでもないです……」

唯「つまり! 無意識に私を求めていたんだよ! 寝言でも言ってたもん、『唯先輩、大好きです』って!」フンス!

梓「にゃっ!? そんなこと、言った覚えないですよ!?」

唯「でも、確かにゆったもん。あずにゃんがー、私のお布団に入ってきてー。そんでもって、私を抱き枕みたくぎゅうっと抱っこしてー……」

梓「……こ、この状況から考えるに、唯先輩の言葉を完全に否定出来る要素が見付かりません……ね」カアッ

唯「信じてくれた?」

梓「信じるも何も、無理矢理ベッドから引きずり出されたんなら、私も気が付くだろうし……それに、じっ、自分から、唯先輩の首に腕を回してますし……」カアア

唯「それに、ほっぺすりすりして、幸せそうな顔だったよぉ?」ニンマリ

梓「は……あ、あの、それはきっと、唯先輩の変態っぽさが伝染っちゃって……そおなったんだと、思いたいです……」ドキドキ

唯「じゃあ。もっぺんすりすりしてみよっか、ほっぺ。そしたら違うかどうか、すぐにわかるよね?」

梓「にゃっ……何でそうすぐにおかしな方向に持っていこうとするんです! ん……ほら、もう時間が……学校に行かないと……」ドキドキドキ

唯「うん、急がないと遅刻しちゃうね。私としては、抱っこのその後もしちゃいたいんだけど……?」ジーッ

梓「んもう! そんなことしたら、絶対にタガが外れて遅刻どころか無断欠席しちゃいますよ!」

唯「……どおして?」ニマー

梓「はう!? え、いえっ、そのぉ……とっ、とにかく! 顔洗って着替えて朝ご飯です! いいですね!」バッ

唯「ね、あずにゃん。今夜もお泊まりさせてもらっていいかなぁ?」ギュウ

梓「い、いいです、今日も泊まっていいですから、早く放してくださいっ!」ジタバタ

唯「何だか、ストーキングする必要がなくなっちゃった気分だよ」

梓「気分も何も、最初から必要なかったのに……唯先輩ったら、変なとこでお鈍ちんなんですから、もう……」ハァ

唯「そう? まぁいいや、顔洗ってくるね~」トタトタトタ

梓「…………」ハァァ

唯「あ。そうだ、あずにゃん」

梓「はい?」

唯「私に抱き着いてほっぺすりすりして超甘えてくるあずにゃんはとっても可愛かったけど、おかしな真似をするの我慢した私を誉めてね! 夜でいいから!」

梓「はいはい」

唯「何もしなかったのは、あずにゃんが魅力的じゃないって意味じゃないよ! ちゃんとお互い納得ずくでおかしな真似したかったから!」

梓「むしろ無意識で唯先輩に抱き着いたりした私自身を誉めてあげたいですよ……ふふ……うふふふふ……」

梓(おはようからおやすみまで。今夜はじっくり観察させてもらいますからね、唯先輩……)

唯「えっ? 何か言った、あずにゃん?」

梓「いえ、何でもありませんよ? ささ、早く学校の準備しましょう」ニコッ


~おしまい!~



最終更新:2011年02月27日 22:43