梓「先輩方、遅れてすみません」ガチャ

唯「あ、あずにゃん! よーしあずにゃんも来たことだし、早速やろうよ!」

澪「本気でやるつもりか?」

唯「当然だよ! ほらほら、机それっぽく並べるよっ」ガチャガチャ

紬「手伝うわ唯ちゃん!」ガチャガチャ

梓「え、な、何が始まるんですか!?」

唯「何って、裁判だよ! あずにゃん!」

梓「ええ!?」

梓「さ、裁判ってどういうことですか!?」

律「あー、『逆転裁判』ってゲームしってるか?」

梓「名前は聞いたことあります」

律「どうもあれにはまったらしくて、朝から裁判やる裁判やるってうるさいんだ」

梓「ああ、そういうことですか。唯先輩らしいというか何というか」

律「ま、ちょっと付き合ってやろうぜ」

唯「~♪」

唯「ほらほら、あずにゃんも手伝って!」

梓「もう、唯先輩は本当に影響されやすいんですから……」

唯「だって凄い格好いいんだよ! 『異議あり!!』って私もやりた~い」

梓「実際の裁判じゃ滅多に異議ありなんて言わないらしいですけどね」

唯「もーあずにゃんは夢がないなぁ。とにかくやってみたいの!」

梓「それで皆さんを巻き込んで……。大体、裁判って言ったって何するんですか? 軽音部には裁かれなきゃいけないような人なんて……」

唯「ああ、それならもう考えてあるから大丈夫だよ」

梓「へ?」

唯「」ジー

梓「な、何ですか?」ジリジリ

唯「あずにゃんを、その愛くるしい容姿で多くの人を悶えさせた容疑で逮捕します!」ギュー

梓「にゃー!?」

梓「え!? え、ちょっと」ジタバタ

唯「さぁさぁ誰かあずにゃんの弁護をする人は!?」ギュー

紬「梓ちゃんが可愛いのは事実だから弁護できないわっ!」

梓「ええ!?」

澪「確かに梓は可愛いな」

梓「澪先輩までっ!?」

律「そうだなー梓は可愛いから弁護できないなー」ケラケラ

梓「面白がってませんか!?」

唯「ふふふ、どうやら誰も弁護してくれないみたいだねー。それではムギちゃん裁判官、判決をお願いしまーす」

紬「ゆうざーい! 梓ちゃんを、10分間唯ちゃんに抱きつかれる刑に処しまーす!」

梓「なっ///」

唯「ふふふ、それでは早速、あっずにゃ~ん!」ギュー

梓「こ、こんなの、認めな~い!」


~10分後~

唯「刑の執行、完了しました!」

梓「///」プシュー

澪「梓……」

律「よーし、これで唯も満足しただろ? そろそろお茶にしようぜ!」

唯「まだだよ! だってまだ私、『異議あり!!』って言ってないもん」

律「えーまだ続けんのかよ。もう裁くことなんて……」

唯「」ジー

律「なんだよ?」

唯「りっちゃんを、全然練習しない罪で逮捕します!」ビシッ

律「な、何ぃ!?」

律「おまっ、どの口がそんなこと……」

梓「はい、検察側は一週間ティータイム禁止の刑を要求します!」ガバッ

律「梓、お前復活して早々生意気な口を~!」

唯「え~それは困るよあずにゃ~ん」ギュー

梓「え、そ、そうですか?」

律「そうだ! 大体私が裁かれるって言うんなら、同じようにだらけてばっかりの唯だって同罪の筈だ!」

唯「ええ!?」

律「ええ!? じゃねぇよ」

唯「どうしようあずにゃん、弁護して~」

梓「え、でも私はむしろ追及する側で……」

唯「おねが~い」ギュー

梓「もう、しょ、しょうがないですね」

律「よーしそれじゃあ私の弁護は澪が」

澪「やだ」

律「……澪が!」

澪「やだ!」

律「……」

紬「りっちゃんの弁護は私がするわ!」

律「ムギ!」ジワッ

紬「りっちゃん!」

澪「それじゃあ私は裁判官かな」

律「……ん?」

梓「あれ?」

澪「あ」

紬「あら」

唯「」ハッ

唯「どうしよう、検事がいないよ!」

律「はっはっは!! 検事がいないなら裁判するまでもなく無罪確定だな!」

唯「え~、そんなのやだよー! 裁判したい!」

律「お前自分の立場理解してんのか?」

澪「ぐだぐだ……」

梓「これじゃあしょうがないですね……」

唯「え~!! そんな~」

律「残念だったな! それじゃあお茶にしよ」


              ,    ../', .  
       .、、    ..,'.',   ./ .|     ,,
       .ヽ\  ..、'ー、_ ../<~ヽ,..、__//
        ヽ ミ、_ノ)  .`:_,,ノ ..'`  ヽ'
        ..1  ./''  ´`、__,,,,, ..rー'ニ=く、
         | / ,,。  .ヽ‐・" .`~´、____,)
       _,,ノ,.'  ノ  ..,、__,.,,。‐‐    ..ヽ
      `ヽ.´ー‐''フ´  r'ー'~´..__,,,a ..iェェェ´'ー,
       ..| /´ ,,  ||\  __|j~j ..|f、 r´
       ノ,'_,,ョ,〆j  .|'~~ ____ ~  `.)i/
     .<´.~   ..|  ..|.i゙゙゙ー‐、_ヽ、_//|
       `、__   `゙゙エ・´ '、`ー‐'~ . ̄..`'ヽ、
       )~ ヽ、  ,,,,,,,,,、 .\_,・‐ェ~'  ノ.j,'
      ./   .〉、_ `i  ix´~ヾ゙/_,,,。´ェ'´
     .c'   ,/.,| `ー' ..__,,,,‐',・'ー'・ー、、(
     ..,i  /.'´ゝェュ ../、‐゙゙゚´,,,.  ,,,Jjヽ、
     ..| /./´   / ..ノノヽニ〆,*´~‐´_,・‐
     ..| |/‐、  /  ///.´、____ノ゙' ̄ヽ`。
    ..i´  `j,i ..r´ ..//..|、.      ..,,ノ..ノ
    ..ゝ__/,゙/~、__ノ/,。‐、エェニニニニニミv'、'
       ''´   .| /´  ヽ ../   `\ヽ
            |./    ヽ/      `'`
            `'     ..'

律「」

紬「」

唯「」

澪「」

梓「」

律「だ、誰だ!?」

和「私よ」ガラッ

唯「の、和ちゃん!」

和「律に書類を持ってきたんだけど、面白いことしてるみたいね。検事役は私がやるわ」

律「な、これは軽音部の問題だぞ!」

和「大丈夫よ。あんた達がいかに練習してないかはよく分かってるし」

律「ぐっ!」

澪「で、でも和一人じゃ」

律「そうだよ。私と唯、どっちを担当する気だ?」

和「そうね。それはやっぱり」チラッ

唯「和ちゃ~ん、私達、幼馴染だよね?」

和「そうなんだ。それじゃあ私唯のこと起訴するね」

唯「和ちゃんしどい!」

澪「和が唯の検事役か……」

紬「ということはりっちゃんは」

律「はっはっは、どの道私は無罪放免みたいだな!」

唯「えーりっちゃんばっかりずるいよー」

律「いくら言ったところで、検事役がいないんじゃあどうしようも」

コンコン ガチャ

律「え?」

純「あずさー、教室に忘れものー」

梓「あ、純」

唯「純ちゃん、きみだー!」

純「ええ!? 何ですか!?」

唯「……と、言うわけなんだよ」

純「はぁ。大体事情は分かりましたけど……私が律先輩の担当検事役なんて無理ですよ」

唯「ええー何で!?」

純「まぁ確かに梓から二人がいかに練習してないかは良く聞かされてますけど」

梓「ちょっと純!」

律「ほほぉ……」

純「でも、それを追求するとなると……」

唯「えー、おーねーがーい」ユサユサ

純「あ、あの……」

紬「無理言っちゃ駄目よ唯ちゃん」

律「はっはっは! 残念だったな、私の無罪はゆるがないぜ!」



              ,    ../', .  
       .、、    ..,'.',   ./ .|     ,,
       .ヽ\  ..、'ー、_ ../<~ヽ,..、__//
        ヽ ミ、_ノ)  .`:_,,ノ ..'`  ヽ'
        ..1  ./''  ´`、__,,,,, ..rー'ニ=く、
         | / ,,。  .ヽ‐・" .`~´、____,)
       _,,ノ,.'  ノ  ..,、__,.,,。‐‐    ..ヽ
      `ヽ.´ー‐''フ´  r'ー'~´..__,,,a ..iェェェ´'ー,
       ..| /´ ,,  ||\  __|j~j ..|f、 r´
       ノ,'_,,ョ,〆j  .|'~~ ____ ~  `.)i/
     .<´.~   ..|  ..|.i゙゙゙ー‐、_ヽ、_//|
       `、__   `゙゙エ・´ '、`ー‐'~ . ̄..`'ヽ、
       )~ ヽ、  ,,,,,,,,,、 .\_,・‐ェ~'  ノ.j,'
      ./   .〉、_ `i  ix´~ヾ゙/_,,,。´ェ'´
     .c'   ,/.,| `ー' ..__,,,,‐',・'ー'・ー、、(
     ..,i  /.'´ゝェュ ../、‐゙゙゚´,,,.  ,,,Jjヽ、
     ..| /./´   / ..ノノヽニ〆,*´~‐´_,・‐
     ..| |/‐、  /  ///.´、____ノ゙' ̄ヽ`。
    ..i´  `j,i ..r´ ..//..|、.      ..,,ノ..ノ
    ..ゝ__/,゙/~、__ノ/,。‐、エェニニニニニミv'、'
       ''´   .| /´  ヽ ../   `\ヽ
            |./    ヽ/      `'`
            `'     ..'


唯「」

紬「」

梓「」

和「」

純「」

律「な、なんだよ、澪!」

澪「ふふふ、まだ律が無罪と決まったわけじゃないぞ?」

律「どういうことだよ」

澪「発想を逆転するんだ」

唯「あ、『逆転裁判』の台詞だ!」

律「何が言いたい!?」

澪「簡単なことだよ。確かに鈴木さんが律の担当検事役をするのは難しいだろう。律のだらけっぷりを普段から見てるわけじゃないからな」

澪「だったら鈴木さんに検事役を担当して貰わなければいい」

律「だからさっきからそう言ってるだろ」

澪「まぁ待て。鈴木さんは普段の私達軽音部をあまり見ていないという点で、この中でもっとも中立だ。そんな人にぴったりの役割があるじゃないか」

律「な……っ!! まさか、澪っ!」

澪「ふふふ、気付いたようだな。そうだ!」バンッ

澪「鈴木さんに裁判官役をやって貰い、私がお前の担当検事役をやれば、すべて解決するんだよ!」ビシィ

律「ぐ、ち、ちくしょおおおおおおおおおおおおおおお!!」

律「ぐ、ま、まだだ! 鈴木さんの返事を聞いてない! 鈴木さんにだって用事が……」

澪「任されてくれる?」

純「はい! 澪先輩の頼みなら///」

律「ぐ、ぐぉおおおお!!」

澪「さぁ観念しろ、律!」

紬「大丈夫よりっちゃん、私頑張る!」

和「これで役者は揃ったわね」

律「ぐ、ぐ、ぐぐぐぐ」



             ヘ     /ヽ      、
      ',ヽ    / l    /  !   __/./
       ',<""\ ,'  'r―‐'--―`''''''´  ヽi
        ヽ!  ,!ニ:' ̄ヾ!  r―;  !ニニ! l´
.    ヾ''ー '''゙  _,,..-、‐--.'!.  二、.  r―;  !
     `-.,,,.r;.  '‐7 `'ー.、.|  'ー' ,,,  ̄,......!
      ,. ‐'´,、 ‐' ,.ヽ  ヾ=‐'  '‐'_ " ̄ヽ _,. -ッ
     i´ / )  ./ , '´ .、!..,,.-  '"  _ ̄ ̄`ヽ/
     `ヽ`'" _,..、!r'´__,.-、´"    、-、゙ "'ー=--'
.     ._,.`‐,  \ヽ.  ヽ `ー7   ノ ゝ   `!
     \.,'  r‐、 !  { く -、‐',--,'‐;- r.く
.      l  l// |  |__,,.l  '‐''ヾ l''! __',ニゝ\,
.        ',   ( ノ  ,'、 ,,.. --、r'-‐' ,,,,_ ヽ_,.‐'
          ノ`>'"   l iニ. -‐ー'=ー''' __ -、、 ',
     =,´-.'´ _,r―=、'´ ,.= -‐''''ー;:- ,.!_,! =-  '、
    、'´ ,.-r'" ,'   .). `!  r‐i    ニ.- ‐ =,-‐'
      ̄ ノ  l   /   |  .L.! イ r/  r' !ヽ、
.     r'_,,. -、! i´    .! ,.‐、__r   , ‐ヽ `´ ヾヽ
    ´   ,.! `i    `"   ヽ/    lヽ __ ノ´
        /,.`ー.'ヽ   ,.--、    ,. ―- ,. ヽ
      `'ー,-__l  ./   ヽ  /    \ヽ
           ヽ/     ヽ. ,'      ヽl
                  .!/


唯「」

梓「」

紬「」

純「」

和「」

澪「往生際が悪いぞ、律!」

律「だって、こんなの、こんなのおかしいだろ!」

澪「何っ!?」

律「確かに私と唯は特にお茶お茶言ってだらけてるかもしれない」

律「だけど、ティータイムを楽しみにしてるのは他の皆だって同じじゃないか!」

澪梓「……」

律「時にはお茶飲みながらだらける時もあるけど……それも、私達軽音部にとって大切なかけがえのない時間のはずだろ!」

律「それを、それをこんな風に裁くなんて、おかしいよ!」ポロポロ

唯「りっちゃん……」

梓「律先輩……」

紬「りっちゃん、そんな風に考えててくれたなんて……」

唯「りっちゃんごめん、私間違ってたよ!」ダキッ

律「唯。いいんだ。唯は裁判ごっこがしたかっただけだもんな」

梓「確かに、ティータイムも大切な時間ですよね」

律「梓……」

梓「でも、だからって全然練習しないのは駄目ですよ!」

律「分かってるって」

和「どうやら勝手に解決しちゃったみたいね」

澪「ごめんね。鈴木さん」

純「あ、いえいえ、全然気にしないで下さい!」

律「よーしムギっ! お茶の準備だー!」

紬「うん!」

澪「律」

律「おお澪」

澪「私が間違ってたよ。たまには律も良い事言うじゃないか」

律「部長だからな」

澪「ふーんところで、その手の中に隠してある目薬は何だ?」

律「あ」

律「えっとこれは……その、最近目が痒くなって来たから……」

澪「ほぉ~おお」ゴゴゴ

律「ごめんなさい! 嘘泣きのために使いました!」バッ

澪「まったく……そんなことだろうと思ったよ」

律「でも、発言内容自体は嘘偽りない私の本心で……」

澪「」ジー

律「ひっ」

澪「ふふっ。そうだな」

律「へ?」

唯「りっちゃん澪ちゃん何してるのー? あ、和ちゃんと純ちゃんも飲んでいきなよ」

和「それじゃあお言葉に甘えようかしら」

純「あ、ありがとうございます」

澪「うん! ほら行くぞ、律」

律「お、おう」

唯「はぁ~あ、やっぱりムギちゃんのお茶は美味しいねぇ~」

紬「ありがと、唯ちゃん」ニコニコ

梓「終わったら練習ですからね!」

唯「分かってるよぉ~」

澪「やっぱり軽音部はこうじゃなくちゃな。な、律」

律「あ、ああ、そうだな!」

ガチャ

律「ん?」

さわ子「ふんふんふ~ん。今日のお菓子は何かしら~」

律「あ、さわちゃん」

バンッ

梓「ひっ!?」

紬「きゃ!?」

唯「ふぉ!?」

澪「」プルプル

律「ど、どうした、澪?」

澪「さわ子先生を、恥ずかしい衣装を強引に着せた罪で告訴します!」ビシッ

唯「お、裁判ごっこの続きだね!」

紬「は~い、私証人やりま~す!」

さわ子「え、ちょ、ちょっとどういうことー!?」

   おしまい




唯「あ、結局私『異議あり!!』って言ってない」



最終更新:2011年02月27日 20:05