憂「えっ、しないけど」


唯「しないの?」

憂「いきなりどうしたの?」

唯「だって憂、洗い物してくれたでしょ?」

憂「うん」

唯「手が冷たくなっちゃったでしょ?」

憂「うん」

唯「だから大丈夫かなーって」

憂「そっか」

唯「じゃあキスしよ?」

憂「どうして?」

唯「しないの?」

憂「うん」

唯「ぶーぶー」

憂「……」


~~~

憂「…と昨日はこんな感じだったよ」

純「なにそれ、ヤバイ」

憂「キスをせがんでくるのなんて毎日だよ」

憂「ことある毎にキスキスって、唐突に言ってくるの」

憂「それはもちろんお姉ちゃんはかわいいけど」

憂「姉妹でキスするのはダメでしょ?」

純「うん」

憂「そうだよね。だから……」

純「?」

憂「あれ?姉妹でキスしたらいけないんだっけ……?」

純「ダメダメ。ダメだから」

純「いま憂も危なかったよ」

憂「ごめんね」

憂「それで、そんなわけで断ってるんだ」

純「へー」

憂「……うーん」

純「なに?」

憂「お姉ちゃんはどうしてキスしたがるのかな」

純「わかんない」

憂「でもやめようって言うとお姉ちゃんはちゃんとやめてくれるんだよ」

純「ふーん」

憂「やっぱりお姉ちゃん優しい!」

憂「キスしちゃおうかな……」

純「いやダメだって」

憂「そっか……」

純「どうしてしょんぼりするのよ」

憂「……」

憂「ねえ純ちゃん」

純「なあに?」

憂「もしお姉ちゃんがキスしないと死んじゃう病気だったらどうしよう」

純「そんな病気あるの?」

憂「わからない……」

憂「もしそうだったら……私人殺しになっちゃう!」

純「憂、落ち着いて」

憂「それもお姉ちゃんを手にかけるなんて……」

純「憂!しっかり!まだ決まったわけじゃないよ!」

憂「やだよぉ~……わあぁぁん」

純「憂!」

梓「そんな病気ないよ」

憂「梓ちゃん、ほんとに……?」

梓「うん」

純「よかったね憂」

憂「うん、よかった……」

憂「……」

純「?」

憂「ねえ純ちゃん」

純「なに?」

憂「また別の懸念が浮かんできたんだけど」

純「うん」

憂「お姉ちゃん、私とキスできないせいですっごく悲しい思いをしてたらどうしよう」

純「あー」

憂「夜な夜な枕を濡らしてたら……」

憂「うっ…うわあぁぁん」

純「憂!気をしっかり!」

梓「唯先輩、昨日は私と電話してたけど元気だったよ」

憂「ほんと……?」

梓「うん」

憂「よかったー……」

純「ね」


唯「おーい!三人娘~!」

憂「あっ、お姉ちゃん」

梓「先輩も今帰るところですか?」

唯「うん。一緒に帰ろ~」

純「……」

純(ねえ憂)

憂(なあに?)

純(今聞いちゃいなよ)

憂(えっ、今?)

純(うん)

憂(……わかった!)


梓「あ、先輩と憂はもうお別れですね」

憂(と思ったらもう家の前だった)

唯「ばいばーい」

純「さよならー。憂、じゃあね」

憂「う、うん」


唯「……憂?」

憂「は、はい」

唯「はやく入りなよー」

憂「あっ、うん」


唯「ただいまー」

憂「ただいま」

唯「じゃあ、キスしよっか?」

憂「えっ、だ、ダメだよ」

唯「そっかー」

憂「……」

憂「お、お姉ちゃん」

唯「なあに?」

憂「どうしてキスしたがるの?」

唯「ダメ?」

憂「ダメだよ」





唯「えっちはいいのに?」

憂「うん」

唯「好きどうしでも?」

憂「うん」

憂「とにかく姉妹でキスはいけないってみんな言ってたもん」


     おわり。



最終更新:2011年02月27日 01:34