☆☆☆



梓「これがお風呂……」

唯「どう? 思い出さない?」

梓「なんてことです……」

唯「そこに座って? 体ながすよー」

シャアア

梓「にゃあああああ、なんてことですうううう!!!」

唯「あ、ごめんまだ冷たかった?」

梓「なぜこんなことをするです。この星にはスキンクリーナーすらないですか」

唯「? クリーニング屋さんならあるけど」

梓「こんなメンテナンスのしかたはじめてです! おかしいです!」

唯「でもきもちいよ~、ほら~」シャアア

梓「ふぁ……あったか……新感覚です」

唯「えへへ、きもちいでしょ? 次は湯船だよ」

梓「へ? この水たまりのはいるんですか?」

唯「うん! もっときもちいよ」

梓「もっときもちい……そんな、これ以上きもちいことがあるはず……」

唯「どうぞどうぞ」

梓「ゴクリ……ま、まだ安心はできないです……トラップの可能性も」オソルオソル

ツンツン チャプ

唯「こーやって一気に!」グッ

ザプン

梓「ふにゃあああああっ!」

唯「しっかり肩までつかるんだよっ!」

梓「ふにゃああ、きも、きもちいいですううううううう!!」

唯「よかったよかった」

梓「ユイも入るです、それがいいです」

唯「えっ! 一緒に? でもせまいよー」

梓「入るです! ユイも味わうです!」

唯「そんな急かさなくても毎日たっぷりはいれるし……」

梓「えっ!!!? 毎日ですか!!? どこの支配者階級ですか!」

唯「日本じゃごく普通のことだよ?」

梓「ありえないです! 惑星間航行できない野蛮人がこんな快楽装置を発明しているなんて!!」

唯「ほかにもきもちいものならたくさんあるよ!」

梓「ありえないですありえないですうううう!!!」

唯「お、落ち着いて……声響くから……」

梓「このお風呂という装置、もっとはいっていたい気持ちはあるですけど、他にどんなのがあるのかも早く知りたいです」

梓「ヤッテヤルデス!」

唯「いや、ちょっとまってよ、その前に体と髪の毛洗わなきゃ」

梓「は?」

唯「洗うからあがってきてー」

梓「……なにするです?」

唯「洗う……あのー、せっけんでーゴシゴシするんだよ」

梓「ゴシゴシ……?」

唯「まぁいいからいいから。またここ座ってあずにゃん」

梓「は、はい」

唯「こうやってー、泡立ててねー」

梓「……」

唯「はい、これを体に塗るんだよ! どうぞ!」

梓「……わからないです。危険はないですか?」

唯「大丈夫だけど……うーん、洗ってあげようか?」

梓「それがいいです。早く調査に協力するです」

唯「おっけー、じゃあしつれいしま~す」

ヌルッ

梓「はっ!!!!!」

唯「ごしごし」

梓「はにゃ!!?」

唯「お肌すべっすべだねーいいなーいいなー」

梓「……ふにゃ……きもちいです」

唯「うふふー、体の汚れはしっかりおとそうねー」

梓「……はいです。本国にもこれがあればスキンクリーナーなんて一瞬で廃れるです」

唯「あとは自分であらってね」

梓「え? もう終わりですか?」

唯「え……でもこれ以上は……その……うぅ」

梓「どうして赤くなるです。もっとしていいですよ。私はユイの手でしてもらいたいです」

唯「そ、そう? じゃあさらに失礼して~……」

ヌルッ ヌルッ ヌルヌル

梓「あ~、なんともいえない心地です。ユイもセットで量産してやるですありがたく思うです」

唯「あんまり恥ずかしいとかそういう感覚はないんだ……」ボソッ

梓「?」

唯「い、いやこっちの話だよ。さて、次は頭だね!」

梓「頭? え? 頭!!?」

唯「髪の毛ながいから、また私が洗ってあげるね」

梓「髪の毛……あっ! それはだめです!」

唯「ほえ? どうしてー、洗わないと汚いよ?」

梓「で、でも濡らすといろいろ、その……」

唯「あー、あずにゃんは髪の毛洗うの嫌いなんだーだめだぞー洗わなきゃ」

梓「……あれ、防水だっけ……?」

唯「へ? まぁいいや、はいシャワーだよー」

シャアア

梓「ふにゃ……この際なるようになれです」

唯「せっかく綺麗な髪の毛なんだからちゃんと洗わないとねー」

梓「うぅ……とりあえず耳はふさいどくです」

唯「はいシャンプーつけるよー、ごしごし♪」

梓「ふにゃ、ふにゃ……あ、なんか水が、あああああにゃにゃにゃにゃ」

唯「えっ!? どったの」

梓「にゃにゃにゃにやあああああああにゃにゃにゃ」プスプス

唯「あずにゃん!?」

梓「   」

唯「ど、どうしたの……」

梓「……虐殺プログラム二従イ、タダチニ任務ヲ遂行シマス」

唯「え?」

梓「だ、だめ……だめです、ここは、まだ未調査」

梓「虐殺プログラム二従イ、タダチニ任務ヲ遂行シマス」ギシギシ

梓「にゃ、ああっ、がっ、ユイ……あふ」プスプス

唯「あずにゃん……?」

梓「に、にげル、デス」

唯「えっ? え?」

梓「早くにげるですううううう!!」

梓「標的ハ正面、敵性生命体1」ゴゴゴ

唯「えっ、ちょっ!! あずにゃん!!?」

梓「ターゲット捕捉、排除ヲ開始シマス」

唯「あずにゃん!」ガバッ

ギュウウ

梓「ニャアアア」プスプス

唯「あずにゃん……大丈夫だよ」

唯「辛いことがあってもウチにいる限りちゃんと守ってあげるからね」

梓「ハイジョ……ハイジョヲ」

唯「私は怖くないよ。悪い人じゃないよ。大丈夫だよ」

梓「テキセイ、セイメ……イ、ハイジョ」

唯「……」ナデナデ

梓「ア……」

唯「記憶がもどるまでうちにいていいよ……あずにゃんにひどいことする人なんて私がやっつけてやるから」

梓「……」

唯「あずにゃん……あったかあったか」

梓「アッタカ、アッタカ」

唯「よしよし。いい子だよあずにゃん」ナデナデ

梓「―――は!」

唯「あずにゃん?」

梓「あれ、私……あれ?」

唯「落ち着いた?」

梓「すいませんです……なんかバグが発生してたみたいです」

唯「いいよ。疲れてるでしょ、今日はもう寝ようね」

梓「そうするです。本格的な調査は明日からするです」

唯「記憶探しの旅か……大変だね」

梓「ユイも協力するです。サンプルナンバー01ですから」

唯「うん当然! あずにゃんの記憶がもどるまで一緒にいてあげるよ」ニコッ

梓「にゃ!!!? き、きやすく笑うなです!!」

唯「え~!?」

梓(やっぱり私、墜落時のショックで言語回路以外もおかしくなったみたい……)

梓(オーバーヒートしちゃったのかな……)

梓(あぁ、あったかあったか……もう一回してほしいな……でも、言い出せない……おかしいなぁ)


☆☆☆


梓「こんなところで寝るんですか?」

唯「え? ただのベッドだよ? いつもはどこで寝てるの?」

梓「カプセルです」

唯「へー、おもしろいこというね」

梓「むむ、さてはカプセル睡眠を馬鹿にしてるですね」

唯「カプセル睡眠ってなに」

梓「ふふふ、自慢ですがカプセル睡眠は本国がつくりだした最高の睡眠効率を誇る科学の結晶」

梓「こんな、よくわからない四角の物体ごとき」

フカッ

梓「にゃ!!!!?」

唯「ここに横になるんだよ。シーツ取り替えたし、超ふかふかだよー」

梓「ちょ、ちょっと待つです……これは危険な香りがするです」

唯「きもちいよ?」

梓「……ええい、ヤッテヤルデス!」

ボスン

梓「ふにゃああああ!!!」

唯「ね? ふかふかー」

梓「きもちいです、おかしいです、ずるいです!」ゴロゴロ

梓「これは持って帰るです。個人的なおみやげにするです。帰りの航行はこれの上で過ごすです」

唯「ちょ、ちょっと落ち着いてよ……いままでどんな睡眠環境だったの」

梓「これじゃ興奮して眠れないです! やっぱり地球人は馬鹿です! マヌケです!」

唯「まだだよ。これはね、この布団をかぶってー。あっ、頭は枕にのっけてー」

梓「……おおう……ミラクルです」

唯「じゃあ電気消すね。おやすみあずにゃん」

梓「待つです」

唯「?」

梓「ユイはどこで寝るです。ここはユイの部屋だと解釈しているです」

唯「リビングで寝るつもりだったけど……ふふふ、一緒に寝よっか?」

梓「一緒に寝るです! きっとユイと寝るとさらにあったかあったかになるです!」

唯「て、てれるなぁ……えへへ」

梓「ユイはいままで出会った中でもかなり上質なサンプルです! こんなへんぴな星にいるのが惜しいくらいです」

唯「そんなにほめてもなにもでないぞー」

梓「ここに横になるです! ふかふかです!」

唯「はいはい……よっこらせ」

梓「……」ワクワク

唯「それじゃあおやすみー」

梓「……?」

唯「……zzz」

梓「あったかあったかしないですか……」

唯「zzz」スピー

梓(うーん、この星の人間は寝付くのが早いのかな)

梓(あ、わかった。おそらくこのベッドというものは地球人の睡眠に特化した作りになっているんだ!)

梓(そうにちがいない、きっとそうなんだ。 ……だって私は……なかなか寝付けそうにないもん)


☆☆☆


梓「……おきるです」

唯「……zzz」

梓「離すです」

唯「スピー……zzz」

梓「朝になってるです。日が登って一時間もたつです」

唯「……ふぁ~」

梓「今日から調査を本格的に開始するです」

梓「昨日一日でウイ、お風呂、ゴシゴシ、ベッドという収穫があったです」

梓「きっとまだまだたくさんおもしろいものがでてくるです」

梓「だから協力するです。起きるです」

唯「ん~、あずにゃー……」

梓「この星の人間は寝起きが悪い、これはおそらくベッドという装置のもたらす弊害です」

唯「んーきもち~、あずにゃ~ん」ギュウ

梓「……離すです」

唯「えへーおはよー」

梓「早く離さないと私の何かがおかしくなるです」

唯「え~? ふぁ~」

梓「またバグってユイを襲うことになるのはごめんです」

唯「ん~……眠い~」

梓「さぁ、早くするです」

唯「うん、あと五分だけー……」

梓「……」

ガチャリ

憂「あ! おはようあずさちゃん。朝御飯できてるよ」

梓「ついにはウイも起こしに来たです。上にたつものとして示しがつかないです」

唯「えへ~おはよーういー、あずにゃんがきもちよくて起きられないよー」

憂「もうっ! 迷惑かけないの!」

梓「はやく朝御飯をたべるです。きっとまた芸術に違いないです」


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