なんだか恥ずかしくなった
顔が紅潮していくのがわかる
紬「澪ちゃん」
澪「ななななに!!?」
紬「何か悩みとかあったらいつでも相談してね?」
澪「え…ぁ…うん」

むぎの顔は満面の笑みを浮かべていった


あっという間に合宿最終日

澪「ほら、律おきろ。皆もう先に起きて朝ごはんの用意してるぞ」
律「…ん…あと…五分…」
澪「それ、今ので5回目…」
律「………z」
澪「はぁ…りつー?…駄目だ、寝てる…」
本当にコイツは子供みたいだな…

なにかイタズラをしたくて、頬を指でつついてみた

律(なんか頬つつかれてる…)

澪「ほら、早くご飯食べて帰り支度しないと、置いてくぞ?」
律「ん、もぅ…澪なら置いてかないだろぉ?」
澪「あのなぁ…ほら、お前の荷物は粗方まとめといたから、早く行くぞ」
なかなか律が布団からでてこないので全体重をかけて律に覆いかぶさる
澪「りーつー?」
はたからみれば澪が律を襲っているように見えかねない体制であった
ばか、近いよ澪

律「…あーもぅ…彼女ができた彼氏気分だぜ…」
澪「そうだなぁ………て、え?」

いま、律、なんて…?

律『お前が彼氏ならいいのになぁ』

もしも
律「昔っから面倒見いいし、キレイだし…」
もしも律が、私と同じ気持ちなら
律「澪はアタシの理想なんだけどなぁ…」

同じ気持ち…なら?

なんだっていうんだろう

律「それに超メイド服似合うしな!!」
澪「!うるさい!!」ボコッ
律「いってぇ!何すんだよ澪!?」
澪「全く…」

澪(人の気もしらないで…)



……

夏休みも後半に入り、セミも大量に鳴き
うだるような暑さに拍車をかけた


あの時、合宿から帰った後から夏期講習の連続で
まだ律には一度も会っていなかった
いや、会いにいく時間はあった、けどきっかけが掴めなかった

私は律のことが好きなんだと
わかってしまってから

今の関係が崩れてしまいそうな気がして
宛てのないメールを書いては消していた
一時の気の迷いだと自分に言い聞かせて。

澪はベッドに寝転んで携帯をみていた

私は画面に映し出されている文字の羅列を読んでため息をついた
これで何度目だろうか
あの時は一時の気の迷いだと思っていたけど
会えない時間が多くなるだけ律への想いは強まっていた
澪「送って…みようかな…」
かといって送れるわけもなくただ画面を見ていた
澪「…律、会いたいよ…」


To 田井中律
Sub 
---

愛しています


澪「………」
澪「…何やってんだ、私」

ただ会いにいくきっかけが欲しい
だけど…

画面を開いたまま澪はベッドに携帯をおいた
その拍子であろうか、澪はそのメールが送信されていたことに
気がつかなかった

~写真屋前~
律「おっしゃ!写真現像できた!」
ヴヴヴヴ…

律「お?誰だ?」
宛名は澪からだった。
なんだアイツいま暇なのかな?


From 秋山澪
Sub 
---

愛しています


律「……はぁ?」
律「………てちょっ!!!?」

携帯が鳴る
澪「だれだ…?」


From 田井中律
Sub Re:
---

どうしたー?
暑さにやられたかー?笑
私も愛してるぞーw


澪「!!?」
澪「えっ、え!?何で!?何!?」
急いで送信メールを確認する
澪「送っちゃってた…どうしよう…ぐす」


律「あれ?返事こないぞ?」
律「ま、いっか」


To 秋山澪
Sub 私だよん☆
---

そういやさっき写真できあがったぞ~
今から澪ん家いっていい?
あ、麦茶用意しといてくれ~w

律「送信、と」
律(まさかアタシの気持ちを見破るとはな…)

澪「うちにくるの!?ていうかくるの前提!?」
澪「ちょっと待ってよ!服も部屋着のまんまじゃないか!」

あああもう何が起こったんだろう
頭が混乱してわけがわからなくなってきた

そうこうしているうちに窓から聞き慣れた、それでいて懐かしい声が聞こえてきた
律「みぃーーーーぉおーーーー?」
はやすぎだ!馬鹿律!!
手早くスカートを吐いて玄関へ急いだ

律「よぉ!澪!麦茶用意しといたかー?
澪「メールしてから5分で到着とか…お前…確信犯か…?」
律「もっちろん!その様子じゃあ用意してないみたいだな」
澪「当たり前だ馬鹿!…今用意してくるから部屋にいてくれ」
律「おぅ!」

よかった…いつもどおりに律と話せた

びっくりした…いきなり律が家にくるなんて…
まぁ昔もよくやられた手法だが未だに慣れない
取りあえず冷蔵庫から麦茶を出してコップに注ぐ

が、手が震えてうまく注げない

澪「落ち着け…」
澪(落ち着いて素数を数えるんだ)

律「あー涼しいー…」
エアコンを十分に効かせた部屋で
アタシは澪のベッドに寝転んでいた

澪のベッドは軟らかい
アタシは澪の香りに抱かれた律「…甘い匂い」

澪はまだ来ていない
律「…」
律「…もうちょっとだけ…」
もうちょっとだけ…
このままでいたい

律「澪も同じ気持ちなら、いいのになぁ」
そういってアタシはベッド脇にあるウサギのぬいぐるみを抱いた

素数を数えて落ち着いた私は
麦茶と少しのお菓子を持った
律の奴、きっとだらけたパンダみたいになってるだろうな
それにしても今日は蒸し暑い
廊下に立っているだけなのにもう汗がでてきた
澪「早く部屋に戻ろう」

澪「何してんだ?」
律「ん?お気に入りのウサちゃん抱いて今夜もおやすみ中」
澪「さり気なくふわふわ時間歌うな」
律「えへっ」
澪「可愛い子ぶるな、…で写真どこ?」
律「あ、これだよ」

こんな感じで他愛もない会話が続いた

話は夜遅くまで続いた
だけど私の胸は律と話すだけで痛んだ
やっぱり私は律が好きなんだ



午後10時頃

律「じゃ、帰るわ!」
澪「あぁ、じゃあな。気をつけて帰れよ」
律「わかってるってば!」

結局大事な事は何も伝えられず
胸の鼓動をいたずらに高鳴らせただけだった

そう、律は友達なんだ
親友なんだ
こんな感情もっちゃいけない
なのに…
明日律とライブに行くだけだというのに

妙に期待してる自分が憎い

澪「何考えてるんだ私…」

律「何考えてるんだアタシ…」
明日澪と一緒にライブに行く
それだけなのに妙に鼓動は早かった
律(明日…玉砕して…みよっかな)
律「澪…好きだ、…なんてな」
夜道を歩きながらアタシは独り言を呟く
それに答えるように近くにいた黒猫が「にゃぁ」と鳴いた


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