唯「プリクラでも撮っちゃおーよ」
梓「いいですね、賛成です」
近くにあったゲームセンターに入る。大音量の音楽に出迎えられ、気分が高揚する。
プリクラコーナーは、カップルか女の子同士以外の立ち入り禁止となっていて、
設備も悪くなく、女子高生で賑わっていて活性化していた。
唯「刑務所っぽい背景とかないかな~」
梓「さすがにそんな背景は……」
唯「スタンプと落書きで作ろうか」
正面と上方からの撮影。
手錠を堂々と見せる形でピースマークをくっ付けた。
ラストショットになった時、
唯「あずにゃん、こっち向いて」
梓「……きゃ!」
正面から抱きつく形となる。顔を上げると、唯先輩の唇が目の前にあった。
機械が無慈悲にもカウントダウンを終える。ゼロという音声とカシャっという効果音。
その瞬間、私の唇に暖かさを感じたのは気のせいなんかじゃない。
だって、唇が濡れているから。
唯「えへへ、初キスだね」
梓「こないだ、ディープでキスしてたじゃないですか」
唯「……ん? んんん……おおっ、そういえばそうだったかも」
梓「でも、これがファーストキスってことにしておきます」
唯「うん、そしてこの写真は――」
落書きによってとんでもない仕上がりになったのでした。
YUI☆AZUという文字の下に、くちびるGETとデカデカと赤文字で描かれたのです。
果たしてGETされたのはどっちだったのでしょうか?
満足そうな唯先輩を見ていたらどっちでもいい気がしてきました。
唯「次はどこ行こうか?」
梓「そうですね……私タイヤキが食べたいです」
唯「たいやきでにゃんにゃんする?」
梓「はい、にゃんにゃんしたいです」
唯「よし、じゃたいやき食べようか」
梓「はい」
都内の繁華街には基本的に何でもある。
露店だろうが、占いだろうが、歩けば棒に当たるくらい発見できる。
でもやっぱりクレープ屋が多いかな。スイーツ関係だと一番人気だし。
ちょっと前まで白いたいやきっていうのが流行ってたけど、ブームなんてすぐに去っちゃうし。
シンプルな生クリームチョコクレープが一番美味しいもんね。
今はたいやきの気分だけど。
唯「あ、あそこにたいやき売ってそうだよ」
梓「綺麗なお店ですね」
たいやき屋という割には、店構えがしっかりしている。小屋を改造したのでしょうか。
窓ガラス越しに作っている所がよく窺えた。あんこ、カスタードクリーム、ジャムあん、
さつまいもあん、あんこ、つぶあん、こしあん何でも揃っている。
人も5、6人が並んでいた。私たちも後続して並んでいく。
唯「あずにゃん何食べる?」
梓「私はつぶあんで」
唯「じゃ私はカスタードクリームにしよ~」
梓「え、じゃあ私もカスタードにしようかな」
唯「あずにゃんはあんこでいいんだよ~」
梓「どうしてですか?」
唯「食べあいっこができるから!」
梓「……ふふっ、そうですね」
店主「いらっしゃい」
唯「つぶあんとカスタードを一つずつでお願いしまーす」
店主「元気な子だね~、ん? どうしてそんな物騒なもの付けてるんだい?」
唯「ファッションです!」
店主「……最近の若い子は面白いわね~」
梓「納得しないで下さい、ちょっとした手違いです」
店主「なんか大変そうね、1個オマケしてあげるわ」
結局、こしあん、つぶあん、カスタードと三つのたいやきが手に収まっていた。
どれもきつね色に焼けていて、とっても美味しそう。唯先輩も私も、一口目を食べていった。
唯「あずにゃんあずにゃん、カリッカリのふわっふわだよ~」
梓「……本当です、美味しい」
唯「あずにゃん、あ~ん」
梓「……あ~ん」
唯「どう、カスタードも美味しいでしょ?」
梓「ふぁい、もぐもぐ……んっ、最高です」
唯「私にもあ~ん」
梓「あ、あ~ん」
唯「んくんく、んあーおいひいよお」
梓「あ、唯先輩口元にあんこついてますよ」
唯「えーとってとって~」
梓「……それじゃ失礼して」
頬についた小豆色のあんこに口をつける。
舌で唯先輩の肌の感触とあんこの食感を堪能していく。
くずぐったい表情もまた素敵です。
唯「お返し~」
梓「え? 私には何もついて――」
唯「ん……ちゅ……くちゅく……うん、美味しい」
梓「も、もう! いきなり大胆です!」
唯「いきなりじゃなきゃ、いいのかな?」
梓「だ、ダメです」
唯「え~、じゃあどうすればいいの~?」
梓「こうすればいいんです」
三つ目のたいやきを唯先輩の口に入れ、反対側から私が食べていく。
頭は唯先輩、しっぽは私。意図が理解できたのか、ぱくぱくたいやきを食していく。
ああ、食べ物で遊んでしまい申し訳ございません。
でも、私は今とっても幸せなのです。これくらいは許して下さい。
唯「はぁ………ぁっむ…は…ぁ…………っむ…………」
梓「あぁぁ……っぁ…!」
唯「ん……っ、くっ……、あむっ!」
梓「んん~~っ! んっ! んっ!」
唯「えへへ、あんこ味~」
梓「……たいやきは最高です」
唯「私ももう満腹だよ~」
梓「はい、それじゃ、ちょっと休憩しましょう」
唯「ねーねーあずにゃん」
梓「なんですか?」
唯「後ろの3人、まいてみない?」
梓「……面白そうですね、デートを見られながら会話のタネにされてると思うとやるせないです」
唯「じゃあ、あそこのベンチで5分休憩したら、百貨店に入ろう」
梓「はい」
古びた木製のベンチ、赤ペンキで色を塗られている。座っている人はいない。
街の中にあるには景観から浮いてるかもしれないけど、ポツンと佇む感じがなんとなく私に似ていた。
でも、私には唯先輩がいるから浮いてるわけじゃない。
二人で浮いてるんだ。そう思うことにした。
私が唯先輩の肩に頭をちょこんと乗せると、唯先輩が私の頭を撫でていく。
このまま眠ってしまうのも、いいかもしれない。
何で喧嘩してたんだろうって思うくらい、今の安堵感は確かだった。
唯「はい、休憩終了! それじゃ作戦を実行します!」
梓「作戦名は?」
唯「逃避行、その果てはらくえんロケット! だよ!」
梓「状況開始……ですね。」
唯「りっちゃん達が私たちを見失えば終了だよ」
梓「ですが、どうやって撒くんですか?」
唯「走っていく?」
梓「明らかに無理です」
唯「手錠で繋がってるもんね……」
梓「撒くのは意外と簡単ですよ。エレベーター、出口が複数ある、地下駐車場があれば」
唯「うーむ、なるほどぉ……」
梓「それじゃあ、今度こそ」
唯「うん! いっちゃおー」
――――――
――――
――
梓「――どうですか?」
唯「うん、まだついてきてるよ」
大型百貨店に入った私たちは、後方から追跡してくる3人を確認しつつエレベーターに乗る。
律先輩が慌てて追いかけてくるけど無慈悲にも扉は閉められた。
階数は13階まである。素晴らしく広い。たった3人では追跡することは不可能。
勝利を確信し、とりあえず最上階まで昇り、別口のエレベーターを使い2階まで降りる。
あ、なんか股間が疼いてきた。
唯「……あずにゃん?」
梓「すみません。トイレに行かせて貰えないでしょうか?」
唯「……うん、いいよ」
2階の女子トイレに入っていく。
だけど、とんでもないことに気がついてしまう。
梓「……あれ? もしかして、一緒だったりします?」
唯「まぁ、取れないし。この手錠」
梓「私、我慢します」
唯「ダメだよあずにゃん! ぼーこーえんになったらどうするの?」
梓「なりませんっ!」
唯「じゃあおしっこもらすまで我慢する? あずにゃん、一瞬の羞恥心を捨て去るだけでいいんだよ?」
梓「なんでこんな時だけ真面目なんですか!」
唯「……困ってるあずにゃんの顔が可愛いから♪」
梓「……むぅ~、唯先輩にはトイレしてるとこなんて見られたくないです」
唯「どうしてかな?」
梓「……言わせないで下さい」
唯「えー、言ってくれないとわからないよ~」
梓「……きだからです」
唯「聞こえなかったよ、あずにゃん」
梓「す、好きだからです! おしっこしてる汚いとこなんて見られたくないです!」
ああ、もう! こんな恥ずかしい場面で告白なんてありえないです!
顔見れないじゃないですか!
唯「好きだから、綺麗な部分だけを見つめて欲しいってことかな?」
梓「……っ、そうです」
唯「……あずにゃんに汚い部分なんてないよ~」
梓「じゃあ、唯先輩は私の前でおしっこできるのですか……」
唯「できるよ」
梓「簡単に頷かないで下さい~っ!」
唯「もう、早く行かないとダメなんでしょ?」
た、確かに……。
さっきからふとももを擦り合わせて我慢してたけど、なんだかもう限界が近いです。
仕方がないので、ピンク色のタイルに個室が12室完備された綺麗な所に入る。
狭い空間で二人きり、それだけでも心臓バクバクなのに、トイレとなると叫び出したくなります。
唯「ワンピースだと、脱がしにくいね」
梓「もうちょっとで横のファスナーに指が届くのですが……」
唯「そうだ、私がスカート部分を持ち上げてるよ!」
梓「え、ちょ、ちょっと待っ――」
膝上まであった裾部分が持ち上げられ、
白いフリル付きのショーツが全開になってしまい、言葉を失う。
唯「あずにゃん、可愛いショーツだね。ちっちゃくてヒラヒラ~」
梓「ど、どどどう! なんてことしてくれるんですか!」
唯「私しかいないんだから気にしない~」
梓「……ずぅーと、このままの状態なんですか?」
唯「ショーツも私が下ろしてあげようか?」
梓「じ、自分で出来ます!」
繋がってない左手を使って、ショーツを下ろすものの、かなり恥ずかしい。
だ、誰にも見られたことのない部分が今まさにに見られてしまう。
梓「あの、できたら目を瞑っていていただけませんか?」
唯「おっけー」
梓「……」
唯「……」
梓「早く瞑って下さい!」
唯「ちぇ、しょうがないなぁ」
唯先輩が目を閉じたのを確認してから、ショーツを膝の辺りにまで下ろす。
おしっこをするためにはしゃがまないといけないことに気づき、唯先輩に耳打ちした。
梓「しゃがんで下さい、座れません」
唯「うん、わかった」
梓「あの……どうして私の正面に?」
唯「見えやすいから♪」
裾を持ちあげられ、しゃがみこまれると余計に恥ずかしくなってくる。
でも、暗くてわかりにくいはず。さらに目は瞑っているんだし、だ、だ大丈夫だよ私!
唯「あーずーにゃん、まだー?」
梓「ま、待って下さい! 唯先輩の顔がすぐ近くにあると、だしにくいんです」
唯「りらっくすだよあずにゃん! 私が手伝ってあげるよ」
梓「絶対嫌な予感しかしないのでや――」
ふぅー、ふぅーと冷たい吐息が送られてきた。
くすぐったくて……あ、でも出てくる!
じょ~って音が普段より大きく聞こえるのは意識がおしっこに向かってるからなのでしょうか?
唯「……ふふ、やっと出てきたね」
梓「って唯先輩! 目! 目閉じて下さい! 音聞かないで下さい!」
唯「あずにゃん、声大きいよ? 誰かに聞かれたらどうするの?」
梓「~~っ」
ぜ、全部おしっこが出終わるまでの時間が長いです!
唯先輩は意地悪にも私のしてるとこ見てるし、止られない。
……も、もう開き直っちゃいます!
唯「あーあ、終わっちゃった……でも、我慢したり焦ったりするあずにゃんが見れたから満足満足」
梓「……唯先輩も見せてください」
唯「ん? んーでも私今おしっこ出ないよ~」
梓「そんなわけないです。出ないなら、出させてあげます!」
唯「あ、あずにゃんに犯される……っ」
梓「犯しません! くすぐり地獄を味あわせてあげるです!」
唯先輩を便座に座らせて、脇下を徹底的に責めていく。
ギターで鍛えたフィンガーテクニックを披露するときが来たのです!
唯「え、ちょ、こらぁ! あ、あずにゃ! 待って! ま、あっは、ぱ、ぱんつ、お、おろしっ」
梓「待ちません! このまま漏らしやがれですぅ!」
唯「あっ! や! んぁ! ほ、ほぉんと! も、漏れちゃ、っからぁ! だ、ダメっ!」
梓「スカートはさすがに汚せません……」
左手でくすぐりながら、右手で互いの指を絡ませ、口でスカートを咥えて持ち上げる。
唯先輩のショーツがよく見えないのが難儀ですが、もう泣かせてやるです!
唯「で、でちゃう! あずにゃん待って、よ! あはっ、は我慢できな――っ」
唯先輩のショーツに透明なシミが出来てくる。
見えづらいけど、視界の端で少しだけ捉えることができた。
つーっていう音がじょぉおおという音に変わっていく。
唯「ふぁああ! あずにゃんのばかばか! パンツびしょびしょだよ~!」
梓「……ふぅ」
唯「ふぅ! じゃないよ! もぅ! 脱がないとダメじゃん!」
梓「脱がして差し上げましょうか?」
唯「お願いしちゃおう……パンツ、好きにしていいよ?」
梓「べ、べべ別に何もしませんです!」
唯「じゃあ捨てちゃおうか」
梓「…………」
唯「……あずにゃん?」
梓「……も、もらいま――いえっ、ゴミ箱に捨てておきましょう!」
唯「……ほんとは欲しかったりしてー」
梓「わ、私はパンツに欲情するような変態じゃないです」
唯「欲情……?」
しまった失言です!
ここは冷静に……目を閉じて深呼吸をする。ほんのりと新鮮なおしっこの匂いがした。
す、すいへいりーべぼくのふね! 3.1415926535……
梓「と、とりあえず! トイレから出ましょう!」
唯「あ、待って。まだパンツ脱ぎ終わってないよ~」
目の前の光景はきっと天国。私は今天国への扉をノックしているみたいです。
閉じた目を見開き、刮目して見入ることにする。
ふとももにまで垂れたおしっこを拭いている唯先輩。
ぐしょぐしょになったショーツを親指と人差し指でつまんでる唯先輩。
ぐっじょぶ、私。
唯「……もう大丈夫かな」
梓「新しい下着を買わないとダメですね」
唯「……あーずーにゃーん」
梓「私が費用を持つので許して下さい」
唯「……今回だけだよ、許すのは!」
梓「はい」
――隙があれば何度でもやってやるです。
最終更新:2011年02月22日 00:30