放課後・部室
ガチャ
梓「遅れてすいません!ちょっとHRが長引いちゃって!」

律「お~おつかれ」

澪「待ってたぞ」

紬「そうよ~特に唯ちゃんなんか首を長くして待ってたのよ~」

梓「えっと…それで唯先輩は何をしているんですか?寝てるみたいですけど」

紬「さっきから『ハァハァ』言っててつらそうなの」

紬「『保健室行く?』って言ってもいいって」

梓「はぁ…大丈夫なんですかね?心配です」

唯「はぁはぁ」…ちゅ、くちゅ

唯「ぁ…だ、ダメ…あ、あず…」ぼそぼそ

梓「唯先輩?大丈夫ですか?」

唯「ひぇ!?」ビクッ

梓「にゃっ」ビクッ

唯「あ、あずにゃんか!遅かったね!」ハァハァ

梓「はい、すみません。それで体調は大丈夫ですか?顔が紅いですけど」

唯「えっ!?大丈夫だよ!元気元気!ほらっあずにゃんギュ~!」ぎゅ

梓「もう!抱きつかないで下さい///」

梓(ん?なんだろこの甘い匂い。いつもと違うような)くんくん

梓「唯先輩なんか香水みたいなものつけてます?」

唯「え?つけてないけど」

梓『じゃあなんだろこの匂い。いい匂いだけど///』

律「なんだ~梓。唯の匂いでも覚えてんのかぁ?」

梓「そ、そんなことないです!私の勘違いでした!」

律「ムキになっちゃて~」

紬「まぁまぁ。今日のお茶は香りが強いから匂いがついたのかもしれないわ」

澪「律もそのへんにしておけよ」

唯「ほ、ほらっあずにゃんもお茶にしよ!?ムギちゃんお願い!」

紬「は~い」

唯「あずにゃんも!ねっ?」

梓「…はい」

澪「…律」

律「うっ…わかったよ。ごめんな梓」

梓「いえ、私の方こそすみませんでした。」

律「よっしゃー!それじゃあ…お茶だー!!」

梓「もう!練習もするんですからね!」

梓『でも、なんだったんだろ。あの匂い』

唯「わぁ~美味しそう!!」

紬「ふふっ」

澪「それにしても唯も体調が戻ったみたいだな。安心したよ」

唯「ごめんね!心配させて!」

紬「でも最近少し変じゃない?部室来ても塞ぎ込んでいるの多いし」

梓「そうなんですか?私は今日初めて見ましたけど」

律「そういえば梓が遅れて来る日だけかもな、体調悪くなるの。」

唯「そ、そんなことな、ないんじゃないかな?」ギクッ

梓『あやしい』ジー

唯「ははっ…、出番だよっギー太!」ギュイ~ン

梓「あ、ちょっと話はまだ!」


帰り道
梓「結局、唯先輩にはぐらかされちゃった」

梓「けど真相がわからないと唯先輩の体調不良の原因がわからないよ…」

梓「このままじゃ駄目だよね。原因を探らないと!」

梓「…そういえば先輩方は私がいないときに体調が悪くなるって言ってたな。」

梓「よ~し」メルメル

『明日の放課後は唯先輩を部室に一人にしてくれませんか?体調不良の原因を探ります』

梓「先輩方に送信っと。」

梓「絶対見つけるんだから!やってやるです!」


次の日・放課後
ガチャ
唯「あっずにゃーん!おまたせー!!……あれ?」

唯「いない…。おかしいなぁ、憂はもう家に着いたってメールきたのにあずにゃんがいないなんて」

唯「今日はみんな用事あるって言って帰っちゃったし…。私まで勝手に帰ったらあずにゃん一人になっちゃうし。」

唯「メールして待ってるか」メルメル

唯「『早く来てね!』っと送信。」

唯「はぁ、早くあずにゃんに抱きつきたいよぉ」


部室・物陰
梓『すみません、唯先輩。こんな先輩を騙すようなことをして。』

梓『でも原因を探るにはこれしか方法が思いつきませんでした。』

梓『正直、先輩が心配なんです!以前熱を出したときみたいになったら私は!』

梓『何かあったらすぐ助けに行きますから、少しだけ私の我儘に付き合って下さい!』

梓『ってあれ!?もう体調悪そう!』

唯「んっ、くぅ」ピクッ

唯「あ、くぅん」ピクッ

梓「嘘?どうしよう、すごく辛そう」ボソボソ

梓「た、助けに行かないと!」

梓『ん?なんだろうこの音…』

唯「あ、んん…ん」クチュ

梓『?』

梓『唯先輩震えてる…寒いのかな?助けに…どうしよう』アセッ

唯「はぁ…ぁあ、あん」クチュクチュ

梓『声も段々大きくなってる。水の音も』

唯「あん、あ、くぅん、気持ちいいよぉ」クチュクチュ

梓『気持ちいい?苦しいんじゃなくて?』

梓『???』

唯「あっもう、だ、だめぇ」グチュグチュ

梓『あれ?これって……』

唯「もうイクッ…イクッ…イクゥ~!!」グチュグチュ

唯「~~~~~!!!」ビクンッビクンッ

唯「はぁはぁはぁはぁ」プシュプシュ

唯「ん、はぁあ…はあはあ」ピクピク

梓『これってひとりエッチだ……』ごくっ

梓『えっ?ちょっと待って、それじゃあ体調悪そうにしていたのは全部…』

梓「全部ひとりエッチだったんだ……。」

梓『そんなっ、だってここは部室で…えっ?えっ?』

唯「ふぅ。」

唯「今日も良かったよ…」

唯「……あずにゃん。」

梓『!?』

梓『今私の名前を…!?』

唯「やっぱ部室での甘えん坊あずにゃんは可愛いな!」

唯「ツンツンもいいけど部室だと普段のギャップが味わえるからね」フンス

梓『そんな…』

梓『なんだろう…この気持ち。』

梓『唯先輩のひとりエッチに私が出てきたからショック?』

梓『普段の私を見てくれてないみたいで寂しい?』

梓『それとも嬉――』

唯「はぁ、それにしてもあずにゃん遅いなぁ」

梓『……』

梓『……』メルメル
♪~
唯「あ、メール……あずにゃんからだ!なになに……?」

『返事遅くなってすみません。実は放課後になって調子が悪くなったので保健室にいました。』
『もう大分いいのですが、大事をとって帰らせていただきます。失礼します。梓』

唯「調子悪かったんだ……大丈夫かな。心配だよ。」

唯「そうだお見舞いに行こう!きっとあずにゃん寂しがってるよぉ!」

梓『……』メルメル
♪~
唯「ん?またメール」

『いい忘れていましたがお見舞いとかは必要ありません。もう少し大人しくしていれば大丈夫です。』
『また明日会いましょう。梓』

唯「ええ!?あずにゃんに会いたかったのに……。」

唯「でもあずにゃんに迷惑かけるわけにはいかないよ!」

唯「『わかったよ!無理しないでね!また明日!!唯』っと送信」メルメル

唯「それじゃあ帰ろうかな。あっ!」

唯「後片付けしないと!たはは……」ハァ
10分後
唯「よし帰るか!確かりっちゃんの話だと部室は開けたままいいんだよね!」
ガチャバタン

梓「……」スッ

梓「帰ったみたい…」

梓「はぁあ……もう一体何なの!?」

梓「唯先輩の体調不良の原因探ろうと隠れたのに!」

梓「なのに実際は妄想の私で……ひ、ひとりエッチしてて…」

梓「しかもその『あずにゃん』は唯先輩の妄想であって私じゃ……ない」

梓「もう頭がゴチャゴチャでわからないよぉ!!」

梓「え、でもということは…」

梓「昨日は先輩方の目の前で……しかもあの甘い匂いは唯先輩の……///」カァー

梓「ま、まったく非常識過ぎます///」

梓「でもこれじゃあ先輩方に報告できないなぁ……はぁ」

梓『でも一体いつからなんだろう……こんなことするようになったのは』

梓『ムギ先輩は最近だと言っていたけど、唯先輩の様子からだともっと前から?』

梓「はぁ、こういうことはデリケートだから他人には言えないよ……。」

梓「ん?」

梓「唯先輩の椅子……」

梓「まだ湿ってる……」ごくり

梓「……」きょろきょろ

梓「……」くんくん

梓「……甘い」

梓『あの日から2週間がたった』

梓『未だに私が部活に遅れたり、休んだりすると唯先輩は体調を崩している』

梓『私も先輩方には報告できずにいた。』

梓『ただ、一つ変わったことがある。それは……』

梓『部室に隠れて唯先輩のひとりエッチを覗くようになったこと』

梓『唯先輩は私がいないというだけで先輩方が居ても居なくても行為に走る』

梓『だから私が見たいときに部室に隠れればいつでも唯先輩の行為を覗けてしまう』

梓『唯先輩が私でするところを……』

梓『……そして今日もそのつもりだった』

放課後
梓『今日は先輩方はお休みだから唯先輩だけを見ていられる。楽しみ///』
ガチャ
梓『来た!!』

唯「あれ?また一人か……」

梓『いいえ!私がいますよ唯先輩!!』

唯「はぁ」

梓『ふふっ』

唯「ねぇ、あずにゃん出てきてくれないかな?」

梓「………………………………………へ?」

唯「あずにゃん、お願い出てきて!」

梓『えっ!?えっ!?』

唯「お願い!」

梓「……」スッ

唯「……」

梓「気づいて…いたんですね?」

唯「うん。」

唯「実は今日は大事なお話があるんだ。」

梓「話ですか?」

唯「最近あずにゃん部活に参加してなかったでしょ?」

梓「……」

唯「みんな心配してたんだよ!あずにゃんが部活辞めるんじゃないかとか病気なんじゃないかって!」

唯「ムギちゃんは泣いてた。困っているなら相談してほしかったって。」

梓「すみません…でした」

唯「けどここまで放っておいた私にも責任はあると思う。」

梓「それじゃあもっと前から知っていたんですね!?」

唯「うん。私は最低な先輩だよ」

唯「気づいていたのに知らないふりをした。」

唯「けどもう止めなくちゃ。みんなやあずにゃん自身のためにも」

梓「は…い」

梓「でも一つだけいいですか!?」

唯「なぁに?」

梓「あ、あの!どうして唯先輩は私で一人エッチをしてるんですか!?」

唯「……やっぱり嫌だった?」

梓「そんなことないです!!確かに初めは驚きました……」

梓「なんで私なんだろうとかなんで性格の違う私なんだろうとか!」

梓「けど!やっぱり嬉しかったんです!!唯先輩が好きだから!!」

梓「唯先輩が好きだから!私を必要としてくれているって知って幸せでした!」

梓「だから唯先輩の行為をずっと見ていたくて……」

唯「それで部活に参加しなくなったんだ……?」

梓「はい」

唯「そっか……こんなにも想ってくれてありがとう」ニコッ

唯「あずにゃんは私にとってとても大切な人だよ」

唯「なんせ」

唯「あずにゃんはおかず!」

唯「だからね!!」


梓「え?」



おわり



最終更新:2011年02月19日 20:39