ジジジジジジジジジジジ

全員の転送が完了した。

男1「本当に出られたぞッ」

男2「本当に星人なんか出るのかぁッ?」

ボボボボボボボッ

炎に包まれた巨大な達磨が数体現れた。こちらに向かって走っている。

憂「来ましたッ!」キュウウウウウウウン

憂が刀を構えると数メートルの黒い刀身が出現した。それを腰に構える。

梓「(な…長い……あの剣ッてあんなに伸びるのッ!?)」

憂「おおおおおおッ!!」ズバァッ

火「おーーおーーッ!」ドサッ

憂に斬られた達磨は胴体部から血を流して倒れた。

男1「すげぇ…あの子」

火「おーッおーッ!」

坊主「うわあああッ!!」

達磨が坊主に襲いかかる。坊主は恐怖に慄き腕で顔を覆った。

ギョーン バンッ

火「ぐおおおおッ!?」

梓の放った不可視の弾が達磨を木端微塵に吹きとばした。坊主が呆然と梓を見つめる。

梓「大丈夫ですかッ!?」

坊主「あ…ありがとうッ」

憂「」シュバッ

憂は初めてとは思えない素早い動きでスーツを使いこなしていた。

澪「速い…初めての戦闘なのになんでここまで……!」

憂「」ズバズバァッ

火「オオオオオゥゥゥッ」ドサ

伸ばした刀で数体同時に斬った。達磨の炎が消えていく。

憂「」ピッ

憂「終わりましたッ!レーダーにも表示されていません」

紬「すごいわッ!憂ちゃん!」

梓「えッもうッ!?」

ジジジジジジジジジジジ

転送が始まった。

ジジジジジジジジジジジ

憂「ふぅ…」

澪「お疲れ」ポン

澪が憂の肩に手を置いた。

憂「ありがとうございます」

坊主「ありがとう君たちがいなければ死んでいたよ」

坊主が何度もお辞儀して四人に礼を言う。心から感謝しているようだった。

澪「いえいえ、気にしないでください」

チーン それではちいてんをはじめる

坊主「採点?」

澪「星人を倒して100点を取れば自由になッたりここで死んだ人を生き返らせる事ができるんです」

坊主「そうなんだ」

パッ

リーマンA 0点 TOTAL0点

パッ

リーマンB 0点 TOTAL0点

男1「0点かよ」

男2「逃げてばッかだッたしな」

パッ

寺生まれの、、、 0点 TOTAL0点

坊主「0点か…」

梓「住職さんなんですか?」

坊主「そうだよ」

パッ

沢庵 0点 TOTAL50点

紬「今日は見てるだけだッたな…」

あずにゃん 5点 TOTAL54点

紬「梓ちゃんに抜かされちゃッた~」

あきやまさん 5点 TOTAL63点

澪「よしッ……」

梓「あと、少しですね」

紬「すごいわ、澪ちゃん」

憂「…………」ドキドキ

憂がガンツの前に座って自分の採点を待つ。三人もその様子を見守る。憂は興奮を抑えるために胸に手を当てた。

パッ

憂「あッ」

シスコン 25点 TOTAL25点

憂「…………」

澪「す…すごいよッ!憂ちゃん」

紬「そうだよッすごいよッ!」

フッ

梓「すごいよッ!憂!」

澪「さて、みなさん。もうドアに触れるようになりましたからッ着替えて帰れますよ」

男1「ウッシ、帰りますか」

憂「(良かッた…。無事に帰ることができて……)」

憂が心から安堵の表情を浮かべた。これ以上誰にも心配は掛けられない。

梓「帰ろッか、憂」

憂「うんッ」


帰り道

梓「憂は本当にすごかッたね。初めてとは思えない動きでさ」

憂「ありがとう、梓ちゃん」

澪「私も頑張らなくちゃなッ」

憂「じゃあ、みなさん私はここで。お疲れ様でした」

紬「またねー、バイバイ」

憂「………」トコトコ

憂「(澪さんの言ッてた、ホームページを見よう)」タタタタ

憂は早くあの部屋の詳細が知りたくて駆け足で帰路についた。早く唯を生き返らせる。その事しか頭に入らない。

ガチャン

憂「ただいまー」トトトト

カチッ キィーン

憂はパソコンの起動するのを今か今かと待ちわびた。IEを開き例のページを検索する。

憂「“黒い玉の部屋”……」カチ

憂「黒い玉はガンツと呼ばれ……」

憂「“カタストロフィ”………。カタストロフィッて何なんだろう……」

その晩、憂はホームページの釘付けとなった。


三週間後

純「憂なんだか元気になッたね」

純がパンを口に含みながら言った。

憂「えッそうかな」

梓「そうだよッ」

純「うん、眼が生き生きとしてるよ」

憂「そうかな……」エヘヘ

純「まぁ、和先輩も律先輩も、もちろん唯先輩もッ!すぐに見つかるよッ!」

憂「……ありがとう」ウルッ

純「……よしよし」ナデナデ


その日の晩

憂「(お父さんとお母さんはまた仕事に行ッたから。いつでも行ける)」

ゾクッ

憂「きたッ!」

憂「行ッてくるよ、お姉ちゃんッ!」

ジジジジジジジジジジジ

坊主「やぁ」スッ

紬「憂ちゃんッ!」

梓「憂ッ今日も頑張ろうね」

三人が憂を笑って出迎えてくれた。すでにスーツに着替えて、準備を済ませていた。サラリーマンの二人も着替えている。

憂「こんにちは。今日も頑張りましょう」

ジジジジジジジジジジジ

澪「憂ちゃんッ先に来てたんだ」

澪がガンツの放つ光線から出現した。これで全員が揃った。

あーたーらしーい あーさがきた

梓「(………もう何回目になるんだろう。あと何回この音を聞くことになるんだろう………)」

パッ

桃太郎星人

特徴
かしこい つよい

口癖
きびだんゴー

紬「桃太郎ッてあの?」

梓「それ以外考えられませんけど……」

憂「みなさんッ油断せずに引き締めて行きましょうッ!!」

梓「桃太郎ッて剣を持ッてそうだから私も持ッていこう……」

憂「………」

憂「梓ちゃん、私にも一個取ッてくれない?」

梓「えッ、二個持ッていくの?」

憂「いや、落としたら大変だからさ。ホルダーもあるし良いかなッて」

梓「わかッた、はい」

澪「………(あと少し……)」

澪がガンツを見つめながら深呼吸する。あと少しで律を再生できる。

ジジジジジジジジジジジ

転送が始まった。

ジジジジジジジジジジジ

梓「ここは……」

紬「どこだろう……」

坊主「ここ岡山だよッ!ほらあれ岡山城だよッ」

坊主が岡山城を指差して説明した。どうやら本当に岡山県に転送されたようだ。

澪「関東じゃないのか……」

男1「マジかよ…」

憂「星人の数が多い……行きましょうッ!」ダッ

コントローラーに表示された憂は星人の場所を突きとめ駆けだした。

タッタッタッタッ

???「あ?」

梓「え?」

???「なんだお前ら!?」

見知らぬ男と遭遇した。憂たちも来ているスーツとまったく同じスーツを男は着ていた。

澪「(スーツを着ている……)」

???「お前らどこの人間だ?」

澪「か、関東の……」

???「へぇー俺は黒沢ッていうんだ」

澪「はぁ……」

黒沢「まぁ、他所の人は見とくだけでいい」

澪「えッ」

黒沢「ここは俺らの場所だから見とくだけでいい」

先程まで気さくに笑っていた顔が一転して、厳しい表情になる。

紬「私たちにも闘わせてくださいッ!」

黒沢「……お前ら100点何回取った?」

澪「…一度も」

黒沢「」

黒沢は口を開けて固まってしまった。驚きのあまり声も出せなかったらしい。

黒沢「えッ?マジで?」

澪「…はい」

黒沢「あぁ……そう………一回もか………」

黒沢「まぁ……頑張れよ。死ぬかもしれないけどさッ」ポンッ

黒沢は馬鹿にしたように笑って、澪の肩に手を置いた。その手には憐みと嘲笑が含まれていた。

黒沢「じゃそゆことで」

澪「………」

走り去る黒沢を澪は見つめることしかできなかった。あの男は100点を取ったという事なのだろうか。

梓「あッ……あれ……!!」

ドドドドドドドド

何か大量の集団が轟音を鳴り響かせながら、こちらに迫ってきている。

澪「あれは……鬼の集団ッ!!」

鬼「がああああッ!」ブン

坊主「うわぁッ!!」

坊主が間一髪で鬼の金棒を避けた。鬼はどうやら数十体いるようである。

憂「」キュウウウウウウウウウン

ズバァ

しかし、憂はお構いなしに刀を振り回して、鬼たちを斬っていった。

憂「………お姉ちゃんッ!」

100点への執着心が憂の動きを活性化させる。

紬「私もッ!!」キュウウウウウウウウウン ズバァ

紬も負けじと鬼を斬る。鬼の死体が次々に出来上がっていく。

澪「はぁ……はぁ……キリが無いッ……!」

ズゥン

突然今までの鬼とは規模が違う大きさの鬼が現れた。まさに鬼の形相で憂を睨む。

坊主「お…大きい……」

大鬼「ヌウウウンッ!」ブンッ

男1「ぐぼおb」グシャ

スーツが効果を成さずに男1は金棒の餌食となった。

男2「なんだッ!?あの金棒ッ!?」

キュウウウウウウン ブンッ

紬「あッ、避けられたッ!」

大鬼「」ニヤリ

紬の不意打ちを避けた大鬼は余裕の笑みを浮かべた。

憂「」ピッ スウウゥゥ

憂がコントローラーを押して、姿を消した。

大鬼「ヌラアアアアッ!!」スッ

バンッ

大鬼「ぐああああああッ」

大鬼の右腕が破裂して、大鬼は苦痛に顔を歪め咆哮を上げた。

憂「やッた!」バチバチ

憂は姿を現してガッツポーズを決める。

紬「憂ちゃんッ!すごいッ!!」

憂「………」

しかし、憂は油断せずに次の攻撃の準備をした。

~~~~~~~~~~

黒沢「おいおい、樋口よぉ。関東から来てるやつがいたぞ」

黒沢が駆け足で樋口と呼ばれる男に話しかけた。

樋口「関東から?」

黒沢「あぁ」

???「俺たち以外のメンバーッてことか?」

黒沢「そうですわ。山道さん」

ズウンッ

三人の前に大鬼が現れた。しかし、三人は表情一つ変えない。

山道「そうか。まぁ、いてもいなくてもッ、ボスは俺が頂くけどなッ」ギョーン

山道が巨大な銃を大鬼に向けて撃った。大鬼は金棒を山道に振り下ろした。

大鬼「ヌウゥンッ!」ブンッ

ドンッ

次の瞬間、不可視の巨大なエネルギーが大鬼を押しつぶし地面には血の海のサークルができた。

黒沢「その銃とそのスーツがあッたらそりゃ勝てますよ」

山道「はッ、そうかもな」

山道が歩き始めた。樋口と黒沢がその後ろを歩く。

梓「あそこにさッきの人がッ!」スッ

澪「なに……あの武器………」

樋口「はッ!」ギョーン

ドドンッ

樋口が引き金を引くと、数秒遅れて不可視のエネルギーが鬼たちを押しつぶす。

梓「上から何かで押しつぶしてるみたいですね」

紬「あれが100点の武器……」

坊主「あッ、あの人はなんか服装がッ」スッ

坊主が山道を指差した。そのスーツは澪たちのとは違い顔をマスクで覆い、腕が太く、肘には黒い刀が装着されている。

梓「腕が異常に太いですね…。マスクも付けていて。100点の武器は色々とあるようですね」

澪「あの人たちは100点を取ッても自由にならずに、ここで遊んでる訳か……」

澪「でもこッちはこッちで頑張ろう」

憂「そうだよ、梓ちゃん。頑張らなくちゃ」

「なにあれコスプレ?」

「やべぇー だせぇー」


人々が好奇心の目で澪たちを見つめる。指をさして笑う者までいる。

梓「澪先輩……」

澪「うん……見えてるみたいだな(恥ずかしい……)」カアアァァッ

憂「また来ましたッ!」

ドドドドドドドドド

「なんだッ!あれ」 「なッ…怪物?」

鬼の集団が一般人へと向かい襲撃を始める。

鬼「ぐらあああッ」バクン

「おいッ!!あいつ人をくったぞッ!?逃げろ!!」

人々は混乱し逃げ惑った。道路は逃げ惑う人々とそれを追う鬼で大混雑となった。

憂「まずいですね……」

紬「助けなきゃッ」キュウウウウウウウン

ズバァッ

人を捕まえようとする鬼を紬が刀で斬った。

梓「逃げてくださいッ!」ギョーン ギョーン

梓が人々へ向けて叫ぶ。

坊主「助けなくちゃッ!」ギョーン

ババン

坊主が何度も鬼へ連射する。鬼は体を爆発させて倒れていった。

澪「よしッ」

バサッ

巨大な何かが空を羽ばたいている。上空から雉が舞い降りてきた。

雉「なんぞ……お主ら」

梓「これはッ……」

憂「桃太郎の雉………」

雉「我ら桃太郎殿の奴隷を殺めおッて……。成敗してくれるッ」バッ

ゴオオオオオオオオッ

雉が深呼吸してから口を開くと、そこから燃えさかる火炎の息が噴きだした。

坊主「なんて炎なんだッ」

雉「ハァッ!」

憂「これだけ大きければッ!捕獲用で……!」ギョーン

キューンッ ボッ ガガ

雉「ぐぬ……」ジタバタ

レーザーワイヤーが巨大な雉を捕らえた。雉は羽根を動かせずいらだちの表情を見せた。

雉「口が空いとるわッ!」ゴオオオッ

激しい炎に憂が呑まれる。憂はあまりの勢いに腕で顔を覆った。

憂「ク……」

坊主「任せてッ!」ギョーン

バンッ

雉の羽根が破裂した。真っ赤な血が道路に流れ出る。

雉「ぎええええええッ!!」

坊主「やッた!」

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