ジジジジジジジジジジジ

転送された場所は人通りの多い街中だった。高層ビルが連なっている。

澪「街中か……人がたくさんいるな……」

キシシシシシ

どこからともなく不気味な笑い声が聞こえた。全員が辺りを不安げに見渡す。

紬「な……なに?今の笑い声……」

キシシシシシ

女「」グリン

さきほどまで普通に歩いていた女の首が通常ではありえない角度へ曲がった。

梓「あの人首がッ…!!」

女「キシシシシシシシシ」バッ

女は不気味に笑いながら梓に飛び付いた。

梓「キャッ!」

梓は突然のことに体が動かなかった。女が梓に抱きつき、口を大きく開けた。梓は視界に白く輝く歯を視界にとらえた。

ギョーン バンッ

唯「あずにゃん、大丈夫ッ?」

唯が女を狙撃し梓から引きはがした。

梓「は…はい……」

キシシシシシシ  キシシシシシシ

しかし、まだ笑い声は聞こえる。そして、だんだんと大きくなっていく。

男「」ゴキッゴキッ

男が首を傾けると、背中から黒い翼が生えた。

女「きゃああああッ!なにあの人、背中から翼がッ!!」

男「キシシシシシ」バッ

女「きゃああああああ」バキゴキ

悪魔へと姿を変えた男が一般人の女性にしがみつき、顔を食べ始めた。

「やばいッ!」 「おいッあいつ人を食べてるぞッ」

通りは大混乱となり人々は逃げ惑った。しかし、その中には悪魔も紛れ込んでいた。

悪魔「キシシシシシ」

梓「大変です……星人が一般人を襲ッていますッ!」

ク「悪魔か……」

悪魔「キシシシシシ」プシュウウウ

悪魔が男1、2に液体を吹きかけた。スーツは液体に触れると、煙を上げて溶けはじめた。

男2「あああああああああッ!!」ドロッ

男「マコトーーッ!!うあああああああッ」ドロッ

紬「みんなッ!口から吐くものには触れないでッ!」

唯「フゥ……フゥ……」ギョーン

唯は息を切らしながらショットガンで一匹ずつ悪魔を仕留めていった。顔にはいつもの笑顔は無く真剣そのものだ。

梓「(唯先輩がいつになく真剣な顔だ……。もう何匹も悪魔を倒している)」

梓「(憂みたいになんでもできる訳じゃないけど、一つの事に絞れば憂以上なんじゃ……)」

律「コイツらッ!何体いるんだよッ!!」ギョーン ギョーン

澪「文句言ッてないで撃つんだッ」ギョーン

悪魔「ヴアアアッヴ」

澪が撃った弾によって捕えられた悪魔は澪に威嚇する。しかし、ワイヤーは解けない。澪が引き金を悪魔に向けて引いた。

ジジジジジジジジジジジ

澪「ふぅ…」

悪魔の姿が消えていく。それを見ながら澪は静かに溜息をついた。

~~~~~~~~~~

dqnB、Cが広場を走っていると、中央に怪しげな集団が目についた。一人は杖を持っている。

dqnC「おいッなんだアイツ?」

dqnA「あれッてボスじゃね?」

dqnC「俺らが倒せば…早く終われるんじゃね?」

dqnA「じゃあ、行くか」

dqnA「おいッ、テメェらッ!お前らは俺たちがブッ殺してやるッ」

???「なんだ、お前ら……あぁ、黒い玉のヤツらか?」

dqnA「なんだ……お前ら……」

???「東京のアイツらも今度やるみたいだ。俺らもやるか」

???「俺が行く……」スッ

???「じゃあ、俺らは向こう行くからボスとここに残ッてくれ」

大男「ああ。さぁ、来いチビ共」

dqnA「うおおおおおおおおおおッ」

二人は大男へ飛び掛かった。大男は不敵な笑みを浮かべてファイティングポーズをとった。

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唯「おおおおおおーッ!」ズバァ

悪魔「ギイイイイイイイイッ」ドサッ

唯は刀を伸ばし悪魔を数匹を同時に斬った。斬られた悪魔は羽ばたきを止め、息絶えた。

律「すげぇ……もしかしたら本当に……」

紬「私たちも頑張ろうッ!」

律「おぅッ」

ドンッ

五人の前に何かが落ちてきた。煙が晴れると、二人の星人がこちらを見ている。

剣士「お前らなかなかやるようだな」

格闘「俺らと闘ろうぜ」

梓「(この人たち……星人!?)」

澪「喋ッた……」

格闘「当たり前だろ。馬鹿が」

剣士「行くぞッ」シュッ

剣士が銀色に輝く剣を鞘から取り出した。どうやら戦闘は避けられないようだ。

格闘「」シュンッ

梓「(速いッ!)」

格闘「オラァッ!」ドンッ

格闘家腕を大きくスイングして、梓を吹きとばした。

紬「止まりなさいッ!」ギョーン

格闘「おッと…危ねぇ」

格闘家は紙一重で紬の狙撃をかわした。顔には余裕の笑みがこぼれる。

紬「…ク……!」

律「大丈夫かァッ!?澪ッ!!」サッ

澪「避けるだけでッ…!精一杯だッ!!」サッ

剣士「つぁりゃああああああッ!!!」ブンッ

剣士が高速で剣を振り回した。二人は避けるのが精一杯で攻撃ができず、防戦一方だった。

キュウウウウウウン

唯「おおおおおッ」ギンッ

唯が刀を振ると剣士の剣と接触し、火花が飛び散った。

剣士「ムッ…!」ギギギ

律「剣士と互角に……」

~~~~~~~~~~

大男「グラアアアッ!!」

dqnC「」グシャッ

dqnCは呆気なく巨大な岩の拳に踏みつぶされた。

dqnA「おいッ!!」

dqnA「(こいつ……岩になりやがったッ……!)」

岩男「どうしたァッ!?」ドカバキッ

dqnA「グッ…」

キュウウウウウウン ドロッ

岩男の連続の殴打にスーツが耐えきれなくなり、スーツは機能を失った。

dqnA「しまッt」グシャ

dqnC同様に簡単に踏みつぶされてしまった。岩男はあまりの弱さに大声でお笑い始めた。

岩男「ハハハハハッ……」ズンッ

岩男「なッ……」

岩男の胸部から血が噴出した。岩男が驚愕の表情で辺りを見回すも誰一人として人間はいない。

バチバチ

空中に電流が流れ、そこからクリスが現れた。手には刀が握り締められている。

ク「心臓を刺した……」シュッ

クリスが左手に持つ銃の画面には岩男のレントゲン図が映し出されていた。

岩男「ガ……」ガラガラ

岩男は呻き声と共に崩れ落ちた。

ク「残るはコイツか……」

魔「……俺と闘るつもりなのか」

ク「あぁ、お前を殺す」キュウウウウウウン

クリスが刀をさらに伸ばした。まほうつかい星人を鋭く見つめる。

魔「いいだろう……こいッ!」バッ

星人が杖を構え、クリスと向かい合った。

~~~~~~~~~~

唯「あッ」ドゴン

唯は刀の柄で腹を突かれて吹き飛んだ。

澪「唯ィッ!!」

唯「ッ……!」

剣士「次はお前だッ」

澪は唯に注意が向いていたので、剣士の標的になったことに気付かなかった。

律「危ないッ!澪!」ギョーン

バンッ

剣士の左腕が膨れ上がり、破裂した。剣士は無くなった左腕を見て絶叫した。

剣士「ぐ……あぁッ!許さんッ!よくも左腕を!許さんぞッ!」ブンッ

律「が……」

剣士は素早い動きで律を斬った。スーツのおかげで無傷で済んだが、地面に倒れてしまった。

キュウウウウウウン ドロッ

律のスーツからゲル状の液体が流れ出た。律の顔が真っ青になった。

剣士「続けてくらえッ!」バチバチ

格闘「やべぇッ!!」ダンッ

剣士が手に電撃を纏っている。それを見た格闘家が高くジャンプした。

唯「……!みんなッ!跳んでッ!!」ダンッ

危険を察知した唯もジャンプする。地面には律だけが取り残された。

紬「りっちゃんッ!!」

律「あ……」

律が空へ手を伸ばした。その直後、青白い光が律の体を貫いた。

バチバチバチバチ

律「ああああああああああああッ!!!」ドサッ

落雷が律の体を貫いた。大量の血が崩れたアスファルトに流れ出る。

澪「律ッ!!!」

唯「」キュウウウウウウウウウン

剣士「しまッた……!」

スバァ

律を仕留めたことで油断した剣士は唯の刃に首を刎ねられた。

格闘「おいッ!お前なにやられてる……」

紬「」ギョーン

ワイヤーで繋がれた三つの弾が格闘家を縛りつけた。

クルクル ボッ ガガ

紬「捕まえたッ!」ギョーン

格闘「くそッお前らああああッ!!!」

ジジジジジジジジジジジ

格闘家が光線と共に『上』へと送られた。

澪「律ッ!?しッかりしろ!おいッ!!」

唯「りっちゃんッ!!死んだらやだよッ!死なないで!」ギュッ

唯が律の手を握った。しかし、律の手には力が入らなかった。

律「ハハ……もうだめだよ……さッきので……カハッ……」

澪「まだッ……まだ何とか……!!」

律「ハ…ハハ……こんなとこで死ぬとはなぁ……みんな……今までありがとな……」

律「(澪……私を再生なんかしなくていいからな……)」

律「じゃあ……な…………」ガクッ

弱々しく微笑んだ後に律は力尽きた。その死に顔は微笑みを浮かべたままだ。

澪「律……」

澪「ああああああああッ」

紬「りっちゃあんッ……」

二人が事切れた律に抱きつき、泣き叫んだ。誰もその涙を止めることはできない。

唯「まだ……まだだよ……」

唯「……100点を取ればッ……100点を取ればりっちゃんを再生できる」

梓「そうッ……グスッ…ですよ。100点をとれば再生できます…」

澪「100……点……グスッ」

唯「みんなッ!ボスの所に行こうッ!」

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ク「ガァッ!!」

バチバチ

クリスが星人の攻撃を受けて、姿を現した。焦燥感がクリスにプレッシャーを与え続ける。

ク「(透明になッているハズなのに…なぜ奴には俺の姿が見えるんだッ!?)」

魔「フフフ…弱い。杖を使うまでもない。この剣で十分だ」スッ

まほうつかい星人は杖を懐に収め、長い剣を取り出した。

ク「(どうする……!)」

魔「ぬ……そこにいるお前ら。俺には意味が無いぞ」スッ

まほうつかい星人が何もないはずの場所を指差した。

ク「……!?」バッ

バチバチバチ

そこから、唯、澪、紬、梓の四人が姿を現した。唯はじっとまほうつかい星人を見つめる。

ク「うおおおおおおおおおおおおッ」キュウウウウウウウウン

四人に注意が向いている、星人にクリスが奇襲した。

魔「なかなか速いな……だが」バチバチ

ク「ガアアアアッ!!」バチバチ

星人は指先から電流を発生させ、クリスの動きを封じた。そして、もう一方の手で剣を振り降ろした。

魔「フッ!」ズバァ

ドサッ

梓「クリスさん!」

胸部を大きく斬られたクリスは倒れたまま動かなくなった。

澪「スーツは壊れていない……スーツは無意味なのか……!?」ブルブル

キュウウウウウウン ブンッ

唯が星人の背後から勢いよく刀を振った。

魔「」サッ

唯「今だッ!」ギョーン

唯は星人が屈んだ隙に銃で狙撃した。星人の顔が強張り、剣を持った腕で顔を覆う。

魔「ク……」

ガキィンッ

刀が粉々に砕け散った。星人は刀を捨て、再び杖を取りだした。

魔「まさか杖を使うことになるとは……」

魔「ハァッ!!」バキンバキン

星人が杖を大きく振ると、アスファルトが凍りついた。氷がかなりのスピードで四人に迫る。

紬「氷が……」

唯「みんなッ跳んで!」ダンッ

キュイン

唯の背後に六芒星が浮かびあがり、そこから星人が現れた。唯の顔が驚愕したものになった。

魔「お返しだ」ボッ ゴオオオオ

唯「」ゴゴゴゴゴゴゴ ボンッ

唯は星人の放った巨大な火球に吹きとばされた。火球はビルに激突し、そこから大きな爆発が起きた。

紬「唯ちゃんッ!!」

梓「(氷、炎、瞬間移動……まさに魔法使い……!)」

紬「」ギョーン

魔「フッ」ヴォン

紬が狙撃すると星人の目の前にバリアーが出現し、弾のエネルギーをかき消した。

紬「バ…バリアー……」

魔「フフフ」スッ

ビュオオオオオオオオオオオッ

ビルの窓から唯が飛び出した。手には刀が握り締められている。そして星人に突き刺した。

唯「」ズンッ

魔「ガアアアアアアッ!きッ貴様あああッ!!」

ズバァッ

星人が激痛に絶叫する。唯は構わずに突き刺さっている刀を星人の体から引き抜いた。

唯「フンッ」ズッ

そして、唯は二本の指を立て星人の眼球に突き刺した。

魔「目…目がアアアアアッ!!!」

魔「クッ…」バチバチ

星人の手に電撃が流れる。そして、唯へ放った。

梓「唯先輩ッ!!!」

バチバチバチ

唯「あああああああッ!」

青白い光を放つ雷が唯を貫いた。唯は血を流して地面へ倒れた。

魔「ぐッ…見えない」フラッ

星人が目を押さえおぼつかない足取りで歩き始めた。顔は憤怒の表情で満ち溢れていた。

紬「唯ちゃんッ!」ダダダ

紬が唯の元へ駆けよる。紬の頭には律の様子が浮かんでいた。頬には涙が流れていた。

紬「大丈夫ッ!しッかりしてッ!!」ポロポロ

唯「エヘヘ……ちょッとだけ…無茶しすぎた……ね」

澪「唯……もう喋るなッ!」

唯「ゴメンね、みんな……。憂が一人だけになッちゃうからさ……」


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