がっこう!

憂「梓ちゃんおはよう」

梓「おはよう憂、昨日はありがとね」

憂「ううん、私も一緒に作れて楽しかったよ!」

梓「そっか・・・なら良かった。んじゃ放課後に渡しに行くから一緒に行こっか」

憂「うん!」

純「おはよーっす!二人ともちゃんと作れたの?」

憂「純ちゃんおはよう。今年の梓ちゃんのシフォンケーキすっごく美味しいよ~♪」

梓「ちょっと、変にハードル上げないでよ・・・///」

純「ふーん。実は私もあの後手作りしたんだけどね!」

梓「え、それじゃ一緒に作ればよかったのに」

純「ふっふっふ。今回は一人で作ることに意義があったのだよ!いつまでも憂の手を借りて作るわけにはいかないもんね!」

憂「それはいいけど・・・昨日紬さんが家と材料貸してくれたから」

純「え!?つまりタダ!?なけなしのお小遣いで材料買ったのに・・・」

梓「今度ご飯奢るからさ!・・・機嫌直してよ」

純「あータダ飯楽しみだなー」

梓「なんなのよもう!あんまりからかわないでよ純!」

憂(梓ちゃん、元気そうでよかった♪)


放課後!

梓「憂、音楽室行こ!」

憂「うん!」

梓「うぅ、やっぱりちょっと緊張するよ・・・」

憂「大丈夫、去年と同じように渡せばいんだよ。先輩たちきっと喜ぶよ!」

梓「うん・・・そうだといいな」

憂「着いたね」

梓「うん・・・それじゃ」ガチャ

梓「こんにちはー」

憂「失礼します」

律「おっす梓ー!あれ、憂ちゃんも?」

唯「どうしたの憂?」

憂「えっと・・・ほら、梓ちゃん、先に」

梓「えっ・・・分かった」

梓「あの・・・今日バレンタインだし・・・今までの感謝をこめて作ったので、受け取って下さい!」

澪「本当?嬉しいよ梓!」

紬「あらあら素敵~(よく言えたわね、梓ちゃん!)」

唯「あずにゃんのお菓子ー!楽しみだなー♪」

律「今までの感謝かー、梓もすっかりあたしたちの空気に馴染んでたもんなー」

梓「馴染んでないです!・・・って言いたいけど・・・私、この5人でやれて良かったです・・・だからこれはせめてもの気持ちで・・・」

律「あーごめんごめん、そんなからかう気はなかったんだ。本当にありがとう梓。ありがたく受け取るよ!」

澪「ありがとう梓。私たちも梓には感謝してるよ」

紬「嬉しいわ梓ちゃん。今日ちょうどお菓子持って来てないし今食べちゃいましょう♪」

唯「わーいあずにゃんのおお菓子ーー!ありがとう、あずにゃん」

梓「はい・・・!」

梓ちゃん、ちゃんと気持ち伝わってよかったね!

憂「あの、私も実はみなさんに作ってきたので、よかったらどうぞ!」

律「え、私たちにも?ごめんね、いつも何かとしてもらってばっかりで」

憂「いえ!私軽音部でもないのにいろいろお世話になったので・・・」

澪「そんな、お世話になったのはこっちの方だよ・・・いつもいつもなにかと軽音部支えてくれてたし」

唯「軽音部にあずにゃんも連れて来てくれたしね!!」

梓「いいとこなんだから抱きつかないで下さい!!」

紬「それにしても今年はいろんな人から貰えるわね。さっきも純ちゃんって子から貰ったし」

梓「え!?そうなんですか?」

澪「うん。昼休みにうちの教室に来てね。梓より先に渡しちゃったー!とか言って喜んでたよ」

梓「もう、純ったら・・・」

律「それでさー、純ちゃんのチョコ、澪のだけ特大なんだぜ?相変わらず澪しゃんはモテモテすねー」

澪「うるさい馬鹿律!」ゴン

律「いてて・・・とりあえず憂ちゃん、ありがとう!絶対ホワイトデーには返すから!」

紬「本当にありがとう。軽音部じゃなくても憂ちゃんは大切なお友達よ♪」

澪「ああ。唯の歌じゃないけど、憂ちゃんにはもらってばっかりだよ。今度家事とか手伝わせてね!」

憂「はい!喜んでもらえてよかったです!」

律「ところで憂ちゃん、大本命の唯の分はどうしたの?」

唯「私のは晩御飯の後用に家に置いてあるんだよ!特大だよ~♪」

紬(本命は最後に取っておくってとこかしらね)

律「羨ましいなあおい!せめてちゃんとお返ししろよ!」

唯「うちでは毎年憂がバレンタインで私がホワイトデー担当なの!」

澪「ちゃんとしたもの返せてるんだろうな・・・」

憂「じゃあ私はこれで失礼します!お姉ちゃん、あんまり遅くならないでね」

唯「あいあいさー!」

梓「憂、また明日ね!」

憂「うん!それじゃみなさん、さようなら!」

澪「憂ちゃんも一緒に食べていけばよかったのに・・・」

梓(憂・・・気を使ってくれたのかな?私は憂が一緒でもよかったのに)

唯「箱オープン!おお、今年はシフォンケーキですか!」

澪「いい匂いだな。見た目もすごく美味しそう!」

律「どれどれ・・・おーこれは美味い!梓腕上げたな!!」

唯「りっちゃんずるいー!私が一口目食べたかったのに!はむっ・・・うまーーーい!!」

紬「本当に美味しいわ!すごいわ梓ちゃん!」
紬(このシフォンケーキ、作るの難しいのによく頑張ったわね。必要な材料も多いし、用意してあげた甲斐があったわ♪)

澪「・・・すごく美味しいよ!ありがとう梓!」


どうやら私の気持ちは伝わったみたい。みんな喜んでくれて良かった・・・!
私たちはそのまま私のシフォンケーキと憂のチョコケーキを食べながらティータイムを満喫した。
当たり前のようにずっと続くように思えて、そうじゃない、すごく幸せな時間。
多分憂も、同じことを思っているんだろう。
憂、私を元気づけてくれてありがとう。でも人の心配ばかりしてないで、ちゃんと唯先輩との時間を楽しんでね!


平沢家!
唯「ふう、あずにゃんがあんまり楽しそうに話するから盛り上がっちゃって帰るの遅くなっちゃった。ただいまー」

憂「おかえりお姉ちゃん!」

唯「ごめんね遅くなっちゃって。今着替えてくるよ」

憂「いいよ。晩御飯出来てるから、着替えたら来てね」

晩御飯!

唯憂「いただきます!」

唯「おいしー!けど今日はちょっと量が控えめですなー」

憂「だって今日はお姉ちゃん梓ちゃんや純ちゃんのお菓子食べただろうし、
私のも食べて欲しいから・・・」

唯「憂の料理はどれだけあっても食べられるし憂のお菓子は別腹だよ~」

憂「ありがとお姉ちゃん!」

唯「ごちそうさま。美味しかったよー!」

憂「お粗末様でした♪んじゃ持ってくるね」

唯「うん!」

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憂「よっこいしょ・・・お姉ちゃんおまたせ」

唯「うわーおっきい!中身は・・・おーチョコケーキ!なんかいつもにも増して豪華な感じだね!」

憂「だって今日は、お姉ちゃんと一緒の家で過ごせる最後のバレンタインだから」

唯「えっ・・・」

憂「お姉ちゃんに今までの感謝と、これからもよろしくって気持ちを込めて作ったんだよ」

唯「・・・」

憂「お姉ちゃん、私が風邪ひいた時に歌作ってくれたよね?」

唯「うん。今まで当たり前のように憂のこと頼ってたけど、それは当たり前なんかじゃなくって、
  憂がずっと私のこと考えてくれてるからだって気付いて・・・だから憂に感謝の気持ちを伝えたくてあと歌を書いたんだよ」

憂「私もあの歌のおかげで気付いたことがあるの。お姉ちゃんが私を頼りにしてくれる日常は当たり前なんかじゃない。
  すごく幸せな時間だったんだって。でも今は寂しくない・・・わけじゃないけど、残りの時間は大切に使えると思う。
  お姉ちゃんの歌が気付かせてくれたから。だから今は悲しくないよ」

唯「・・・憂、今の日常が幸せなんだから、残りの時間をめいいっぱい楽しみたいっていう気持ちは分かったよ。
  憂が幸せを感じられるなら私も幸せだからね。」

憂「うん・・・」

唯「でも憂、大切に過ごさなきゃいけないのは私が一人暮らし始めるまでだけじゃない。
  それから先もずっとだよ」

憂「・・・」

お姉ちゃんに言われて気付きました。私は梓ちゃんにも自分にも「今を大切にしよう」と言い聞かせるばかりで、その後のことは考えないようにしていたのです。
私が表情を曇らせていると、お姉ちゃんが私の手を握って話始めました。
お姉ちゃんの手、あったかいなあ・・・

唯「一緒に暮らせなくても、憂は私のこと忘れないよね?私も憂のこと忘れることなんてあるわけない。
  メールや電話はいつだって出来るし、憂が会いたいならすぐ戻ってくるよ。憂にはこれから先もずっと笑っていて欲しいの。
  だから私が大学生になってからも毎日楽しまないと駄目!」

憂「お姉ちゃん・・・」

唯「私も憂と別れて暮らすのは寂しいけどね。一緒に暮らせる今を楽しみたいっていう気持ちはもちろん私も同じだけど、
  離れて暮らしても憂と連絡取り合って、久しぶりに再開して、また演奏聴いてもらって・・・そんな日常が楽しくないわけないよ!」

憂「そうかもしれないけど・・・私自信ないよ・・・毎日お姉ちゃん起こして、一緒に御飯食べて、一緒に登校して、
  お姉ちゃんの帰り待ちながら家事こなして、たまに一緒に寝て・・・そんなことが出来ない生活を楽しめる自信がないよ・・・」

気がつくと少し自分が涙目になっていました。梓ちゃんにあんなこと言ったのに、情けないなぁ私・・・
そんなことを考えると余計に悲しくなってきましたが、急に体が温かくなりました。
私の一番好きなぬくもり・・・・

唯「憂・・・」ギュウ

唯「憂、寂しいならすぐに私に連絡してくれればいい。会いたいならそう言ってくれればいい。だからちゃんと未来のことも前向きに考えようよ。
  きっと憂なら絶対幸せに過ごせるよ」

唯「それと憂、相談相手は私だけじゃないでしょ?憂のこと考えてるのは私だけじゃないよ」

憂「それって・・・梓ちゃんと純ちゃんのこと?」

唯「そうだよ。あずにゃん、言ってたよ。昨日は憂のおかげで元気が出て来た。私も憂の
  力になりたいって。憂のことだから、「あずにゃんも寂しいだろうから、自分の寂しいなんて気持ちを相談するのは悪い」とか思ってるでしょ。」

憂「うん・・・梓ちゃん、もしかしたら私よりも寂しい思いするだろうから・・・」

唯「なら尚更だよ。お互いの悩み打ち明けて、共有出来れば気持ちも軽くなるんじゃないかな。私も寂しいなんて思ったら澪ちゃん達にすぐ相談と思う。それと純ちゃんはきっと憂とあずにゃんを元気づけてくれるよ。純ちゃんはとっても元気っ子だからね」

憂「そうだね・・・」

唯「でも良かったよ。憂がU&Iからそんなにいろいろ考えてくれて、それで少なくとも今は前向きになってくれたんなら」

憂「だってお姉ちゃんが私のこと歌にしてくれるなんて考えてもみなかったんだもん」

唯「でも私まだあの歌通りにお返しできてないよ。合格発表のあとは憂のために料理頑張るよ!」

憂「(ちょっと心配だけど・・・)ありがとう、お姉ちゃん!一緒に料理しようね!」

唯「うん!それじゃあケーキ頂いて、お風呂入って寝よう!今日は一緒に寝ようね、憂!」

憂「うん!ありがとうねお姉ちゃん!」

唯「さっきからありがとうしか言ってないよういー」

憂「だってお姉ちゃんが優しいんだもん!」

唯「だってお姉ちゃんですから!」フンス

その晩私たちは一緒に寝ました。お姉ちゃんはすぐに眠りについたようです。
もうちょっとお話したかったけど、これからもずっとお話出来るんだからいいよね。
お姉ちゃんと過ごす最後のバレンタイン。
私はそう思っていましたが、全然そんなことはなさそうです。
離れて暮らしてても、私たちはずっと一緒なんだって思えるようになったから。
来年はどんなお菓子を作ろうかなあ・・・

おわり