どうしてこうなった。


が、今の私の頭に浮かんでる言葉。


しかし、ある程度のことは予想してたつもりだったけど、

澪がこんなに酒に弱いなんて…思ってなかっ


いや、思ってたか。


最初からこうなることを、期待してたんだ、私は。

きっと。





澪の部屋、

テーブルに解かれた包み紙と、洋菓子。


その室内に漂う洋酒の香り。



仰向けに寝転がり、こちらを見詰めている澪。




私は、その上に跨り見下ろしていた。








ホワイトデーに澪と二人きりと言う状況。

二人きりなんて、いつものこと。


ただ、いつもと違う、のは、


澪のこの眼の色。



いつもより色っぽ過ぎるんだよ…っ

自分でこんな展開を誘発しておいてナンだけど、
動揺しまくっていた。


「…律」


「は、はいっ?」

つい声が裏返りそうになった私に、澪がとんでもないこと言いだした。




「律になら…、何されても、私……っ」



そう言って恥じらいながら目を逸らした澪に、

心臓が胸から飛び出たんじゃないかと思うくらい、

ドキリとさせられ、
眩暈さえ覚えた頭は、白くなった。



……

そして巡りだす澪の言葉…



何って、ナンだ、なにって!

いつもだって結構……


あれ、いや、だって…?、えぇ…っ?



っっ混乱した私は。



A.何してもって…目隠しして手でも縛ってみようか?
B.いやいや痕が残ったりしたら大変だ
C.ここは雰囲気を大事にねちっこく攻めよう
D.その時はアレを試してみよう




D.その時はアレを試してみよう


酔ってるとは言え、あの澪がこんなに大胆になってるんだ、
私もいつもより大胆になるべきだ!!

私はいくつか思い浮かべた選択肢から、
前々からやってみたかったことを選んだ。




澪に覆いかぶさる様に倒れ込み、荒々しく口付けた。

左手を綺麗な黒髪に絡ませて、
なるべく優しく扱う。

その緩慢な手の動きとは逆に、口付けは貪るような深いものに変えていった。

「んッ…ふぅっ…っ」

少し苦しげにするものの、いつもより積極的で。

舌も素直に絡ませて来てくれる。




いつも追い掛けるばかりの舌が、
こうして絡み合うだけで…

こんなに気持ちいいとは思わなかった…

澪の鼻にかかった甘い息と、声にならない声が更に私を煽る。


「ふっ…っう、んっ……」


「はぁっ……っ」


いつにも増して密着度の高いキスとか、
態勢的に自然と私の唾液が澪に伝って、


それを懸命に嚥下してる… とかぁぁ!


可愛過ぎるから参るよ、澪しゃん!


いつもよりあからさまにドキドキしてる鼓動に、
全然余裕がなくなってるのを実感する…。

だって、こんな澪初めてだし。


長い口付けから、唇を離すと潤んだ瞳で澪に見詰められた。

もっと欲しいとでも言いたげな眼に、名残惜しさを感じつつも
次の事に行動を移した。



もう、澪をめちゃくちゃにしたくて堪らなかった、から。



「律…っ?」





「今日は何しても、いいんだよな?」

急く気持ちを抑えて、澪に問う。


途端、赤かった顔を更に赤らめて、澪は小さく頷いた。





了承を得た私は、澪の下着を取り払い、

おもむろにウィスキーボンボンに手を伸ばした。

「途中でやめて、やらないからっ」


それを口に咥えて、ゆっくりと近づく。


澪のそこは、まだキスだけなのに蜜が溢れるほど濡れていた。


「んっ…。り、律…っ」

私の気配と吐息を間近で感じ、身じろぐ澪の太股を抱え込み
熱の籠るその場所にそれを埋める。


「あっ…っ、はぁッ…」



「なんかスゴイな…澪…」

正直な感想。

いつもなら殴ってでも止めるであろう、こんな行為に従順なのもそうだけど
普段そこにあり得ないものがあるだけで、こんなに興奮するものなのか…。


「いただきますっ」


衝動に突き動かされるように、澪の体温で溶けはじめているチョコの部分に舌を這わせていく。


私の舌の熱と、澪の熱で溶けるチョコと、
そのチョコを伝い溢れてくる蜜とを夢中で舐めとっていく。

普段とは違うこの行為に澪も感じているのか、
いつもよりも溢れてくる量が多い…

その事実にまたも劣情が煽られてどうにかなりそうになる。



部屋は荒い息遣いと、声を我慢する澪のくぐもった声、

そしていやらしく響く水音だけで満たされていった。


チラリと澪の方を見やると案の定、手の甲に口を押しつけて
必死に声を抑えてた。

そのまなじりに涙さえ浮かべて…


(私を萌え殺す気か…)


時折、ぷっくりと腫れてるそれも、親指の腹で撫でながら
快楽を与えてやる。

けど、決定的な快感は与えないように、出来るだけ焦らしながら攻めていた。

こんな行為と、まだイカせて貰えないという現状に、
腰を押し付けるように揺らす澪。

「ふっ…うんっ…、律……ぅっ」


まるでおねだりするような動きに、こっちが翻弄されそうになる。

「はぁっ、澪…」

そう言い、舌を中に強く押し込みチョコを押しつぶす。

途端、溢れだすその中身をわざとらしく音を立てて飲んでいく。


突然の異物感、と言うかアルコールの熱のせいで澪がビクリと体を揺らす。

その少しの変化にもこんなに過敏に反応するなんて…可愛いなオイ!

と、心の中でツッコミを入れつつ
更に舌を中に進めて、めちゃくちゃに舐め回した。

「あぁっ、りつっ!…はぁっ…んんっ!」



逃がさないように両手でしっかり腰を固定し、何度も何度も舌を抜き差しして
澪を快楽の果てに追い込んでいく。


「はっ…あぁんっ……あっ!」

最後に澪の一番感じるところを吸い上げると
ビクビクと腰が跳ねるように揺れて、達した。




「はぁはぁ…、澪っ…」

私は口を腕で拭い、まだくったりとしてる澪を抱きかかえ、

未だ余韻の強く残るそこに指を埋め込んだ。



まだ息の整っていない澪が、何かを言おうとしてたけど
その言葉ごと自分の口で塞いで。


敏感になっているその中は、すぐに私の指を締め付けて
離さないとでも言われてるような気がして、余計に夢中にさせられた。

導かれるようにして最奥に指を進めて、

澪の感じるところで何度も往復させた。


塞がれてる口からのお互いの吐息と、澪の切羽詰まった声が
直接脳に響いてる気がする…


私の首に縋り付く澪の体をきつく抱き締めて、

「よ、夜はこれからだぜ、澪っ!」

バチッとウィンクして見せた。

「っ…ん…、バカ、律…っ」

そう耳元で呟いた澪にMMQしつつ、


ホワイトデーの長い夜が更けていった。




最終更新:2011年02月15日 02:12