唯「え? 抱きついてるだけだよ?」

梓「……はなして! はなしてください!!」

唯「え?  え?」

梓「もうっ!! もし赤ちゃんできちゃったらどうするんですかっ!!」

唯「は?」

梓「いやああん、唯先輩!! そんなに長く抱いたら妊娠確実ですっ!!」

唯「ちょ、わかった! わかった離すからっ!」バッ

梓「うぅ……私まだ女子高生なのに……」

唯「えっと、あずにゃん……どうして赤ちゃんできるとおもったの?」

梓「え? だって……。好きな人に抱かれたらできるって聞いたから……」

唯「すっ! すきっ!?  いや、てか保健体育で習わなかったの?」

梓「保健の授業は……ずっと顔真っ赤にしてうつむいてた……らしいです。当時の友達談です」

唯「ちゃんと聞かなきゃだめじゃん!」

梓「す、すいません……でもあんなの恥ずかしくて……」

唯「あ、あずにゃん……じゃあもしかして……」

梓「……えっと、えっと」

唯「しらないの? なんにも?」

梓「しらないですしりたくもないですそんな不潔なこと!」

唯「……あ、さっきさぁ」

梓「?」

唯「好きな人がどうたらこうたらって言ったよね?」

梓「あっ……!」

唯「ねー、私あずにゃん的赤ちゃんのつくりかたがしりたいなぁ~」

梓「そ、それは……」

唯「聞かせてくれないの?」

梓「だって間違ってるって……きっと間違ってるもん」

唯「うーん? でもあってるかもよ! 私のほうが間違ってるかも!」

梓「……」

唯「ねーねー、おもしろそうだから話してみてよ」

梓「わ、わかりました……」

梓「さっきも言いましたけど。あ、あくまで聞いた話によりますけど」

唯「前置きはいいよー」

梓「好きな人に何度も抱かれると赤ちゃんを授かっちゃうらしいです」

唯「へー……へえええー」

梓「……あってますか?」

唯「じゃああずにゃんは私が好きだから私に抱かれると赤ちゃんできちゃうって事?」

梓「えっ? あ、そうなり……ます、あああっ!!」

唯「?」

梓「ち、違うんです! べ、別に赤ちゃんできませんし!! 唯先輩に抱かれたところで赤ちゃんなんてできっこありません」

唯「……クフ……あずにゃんギュ~~♪」

梓「にゃああぁっだめえええ赤ちゃんできちゃいますはなしてはなして!!」

唯「ねぇどっちなの!!」

梓「はなして離して!」

唯「答えるまで離しません」

梓「赤ちゃんできます! 唯先輩のこと好きだから赤ちゃんできちゃうんですだから離して離して~~!!」

唯「え~? 私のこと好きなら赤ちゃんほしくない?」ニヤニヤ

梓「いやです! 私まだママにはなりたくないです!!」

唯「おやおや、ママには、ね?」

梓「ち、ちがいます! そういう意味じゃないです」

唯「ほれほれー赤ちゃんつくろうぞー」ギュウウ

梓「にゃあああっ!! やめてえええっ!!」


ガチャ

律「おいなんだいまの悲鳴」

澪「梓っ! なんかあったのか!」

唯「あっ、みんなーきいてーあずにゃんがねーえへへ」

梓「助けて下さい!! 唯先輩に無理やり孕まされそうなんです!!」

唯「えぇ!? まぁあずにゃん的にはそうかもしれないけど」

律「おい唯いいいいい!!」

澪「唯いいいいい!!」


唯「ちょ、ちょっと! なんで私が怒られる立場なの!」

律「見損なったぞ!!」

澪「そうだそうだ!」

紬「ご、ご、ごうかんまあ!!」

唯「えぇ~~!? ひどいよみんなして」

梓「うぅ……グス、グス。唯先輩のほうがひどいですこんなむりやり赤ちゃん……」

律「はぁ……っていうのは冗談でー」

澪「いったいどういう事情なんだ?」

紬「なにか他に梓ちゃんにひどいことしたの? 泣いてるけど……」

唯「えっと、うーん、抱きついただけだよ。でもねあずにゃんが」

梓「ちょ、ちょっとまって。それは言わないでくださいよぉ……」

唯「でも言わないと私の誤解が誤解をうんで、そのうち逮捕されちゃってこの学校にいられなくなるよ」

梓「……うぅ」

唯「あずにゃんはそれでもいいの?」

梓「……だめ、です……ここにいてほしいです」

唯「でしょ? じゃあちゃんと誤解をとかなきゃ……」

梓「誤解って……現にこうして私に無理やり赤ちゃん……」

律「なーんのことかさっぱりわからん」

澪「なんか私たち関係ない感じ?」

紬「ごめんね~相談にのれなくて」

唯「えぇえ……絶対めんどくさくなったでしょ」

律「女同士ではらむとか赤ちゃんだとかわけわからないけど、二人の問題ならなんとかできるだろ?」

唯「ほんとにひどいことはしてないよ。ちょっとあずにゃんのぴゅあぴゅあハートが風邪ひいちゃっただけ」

澪「それは心配だな」

梓「……だってぇ、唯先輩。恥ずかしいもん」

唯「わかった、じゃああずにゃん今晩うちとまりにきて?」

梓「え?」

唯「教えてあげるよ、ほんとのこと」

梓「そうですか……」


そして夜、平沢家

唯「というわけで、もうすぐあずにゃんが泊まりに来るんだー」

憂「うーん・・・よくわかんないけど、お姉ちゃんが梓ちゃんに教えてあげるんだね」

唯「うん!先輩らしいとこを見せるよ!」フンス

憂「がんばってね、お姉ちゃん!」

唯「ありがとう憂・・・私がんばるよ」

唯「そろそろ来るはずなんだけど・・・」

ピンポーン

唯「あ、きた」

唯「はーい」ドタドタ

憂「ふふ、お姉ちゃんも頼もしくなったなぁ・・・」

唯「はいはいはーい」ガチャッ

梓「あ、こんばんはです」

唯「あずにゃーん」ダキッ

梓「にゃぁっ!?」

梓「だめです!できちゃいますってば!!!」

唯「えええ」

唯「それを証明するために呼んだのに・・・」パッ

梓「うぅ・・・やっぱりいきなりだと反射的に・・・すいません」

唯「とりあえずあがって?」

梓「はい、お邪魔します・・・」

憂「いらっしゃい、梓ちゃん」

梓「お邪魔します」

唯「ささっ、こっち座ってー」

憂「お勉強の邪魔になるから、私は部屋に行くね」

唯「うん、私がんばるよ!」

梓(お勉強・・・?)

唯「さて、あずにゃん」

梓「はい」

唯「今から保健体育の実技演習をするよ!」

梓「はい・・・え?」

梓「じ、じじじじ実技!?」

唯「そう、実技!」フンス

梓「な、な・・・赤ちゃん出来たらどうするんですか!?」

唯「大丈夫だよー、できないもん」

梓「そんな保証はどこにもありませんよ!」

唯「じゃぁ実技の前に講習するよー」

梓「前って・・・結局実技するんじゃないですか・・・」

唯「大丈夫、講習を終えたら実技に問題ないことがわかるから!」フンス

梓「・・・し、信じていいんですか?」

唯「もちろんだよ、あずにゃん」

梓「わかりました・・・今夜は唯先輩に全部任せます」

唯「あずにゃん・・・よく言ってくれたね・・・えらいね」ナデナデ

梓「にゃあぅ!!!」

梓「だめです!なでなで出来るのは結婚してからですよ!?」

梓「唯先輩と私は女です、結婚できません!だからダメです!」

唯「・・・教えることがいっぱいありそうだなぁ・・・」

唯「それじゃぁ、まず最初に」

梓「・・・」ゴクリ

唯「抱きついただけでは妊娠しません!」ドーン

梓「・・・本気で言ってるんですか・・・?」

唯「・・・同じセリフをあずにゃんに返すよ」

唯「むしろ、抱きついたら赤ちゃんが出来るっていうのは誰に教えてもらったの?」

梓「お、お父さんです・・・だから彼氏なんて作ったらすぐに赤ちゃんできちゃうぞって」

唯「それだったら、女の子同士で抱き合うと赤ちゃん出来るってことはないんじゃない?」

梓「それはわからないじゃないですか!もし出来たら・・・」プルプル

唯「あのねぇ、まず男の人に抱きつかれても赤ちゃんは出来ません」

梓「ええええええ!?!?!?」

梓「なっ、えっ、そ、そんなわけ・・・えっ!?」オロオロ

唯「重症だね・・・」

唯「はい、この保健の教科書見て?」ズイッ

梓「や、やぁです!!」

唯「何で・・・」

梓「そんな不潔なもの見たくないです!!!」

唯「不潔って・・・綺麗に使ってるんだけどなぁ」

梓「そ、そういう意味じゃなくてですね・・・は、恥ずかしいというか・・・なんというか・・・」モニョモニョ

唯「でもコレ見ないと信じないでしょ?」

梓「うぅ・・・それはそうですけど・・・」

唯「はい、じゃぁ見なさい!」グイッ

梓「!!!??!?!?」

梓「ダメです!やっぱり恥ずかしくて見れないです!男の人の・・・その・・・やっぱり無理です!!!!」カーッ

唯「はぁ・・・もう実力行使しかないね」

梓「え?」

唯「ういー!ちょっと降りてきてー!」


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最終更新:2011年02月13日 20:26