こんにちは、中野梓です

2077年 世界は核の炎につつまれました

海は枯れ地は裂け・・・・・ あらゆる生命体が絶滅したかにみえました

        • でも・・・ 人類は死滅していませんでした

それから200年が経ち

地上では放射能の影響で巨大化した虫や動物

人殺しと強奪で生きる無法者が蔓延る中

私は安全な核シェルターVaultで生まれ育ちました

閉鎖された生活に嫌気がさして

飛び出すようにVaultを後にした私は

そこで唯先輩と律先輩に出会いました

頼れる律先輩に守られながら旅をする私と唯先輩でしたが

頼りの律先輩が戦闘倒れてしまい

律先輩をお医者さんに診せるため

私と唯先輩は近くの町グッドスプリングスへ向かうのでした……


グッドスプリングス病院前

ドンドン

唯「空けてくださいっ」

唯「助けてくださいっ、りっちゃんがっ」

唯「りっちゃんがぁっ!」

ドンドンドン

ガチャ

医者「どうした、急患かね?」

梓「こんな夜更けにすいませんっ」

梓「私達の仲間が怪物に殴られて」

梓「目を覚まさないんです」

医者「そうか、さっ、患者を診察台へ」

梓「はいっ」

唯「ううっ……ありがとうございます」グスッ


数時間後

ガチャ

梓「先生、律先輩は?」

医者「出来る限りの治療はしたよ」

医者「だいじょうぶ、命に別状は無い」

医者「後は彼女が目を覚ますだけだ」

唯「よかったぁ」ヘタリ

医者「君達も疲れただろう、ベッドは空いている」

医者「休んでいきなさい」

梓「先生、本当にありがとうございます!」

唯「……」

唯「zzz」スピー

梓「あれ?唯先輩、寝ちゃった」

医者「一晩休まず患者を背負って歩いたんだ、無理も無いよ」

唯「うーん……」ムクリ

唯「あれ?ここはどこ?」

梓「唯先輩、目を覚ましたんですね!?」

唯「あっ、あずにゃんおはよー」

梓「心配しましたよ」

梓「唯先輩、二日間も起きないんですから」

唯「へっ?わたしそんなに寝てたの……!?」

唯「あっ、そうか……りっちゃんを連れて病院へ」

唯「りっちゃんは大丈夫なの!?」

梓「律先輩は唯先輩より先に目を覚ましましたよ」

梓「でも、しばらくはここで安静にしてないといけないみたいです」

唯「あっ、あずにゃん!」

梓「なんです?」

唯「おしっこ行きたいっ、それとお水飲みたい、お腹すいたぁー」

梓「ああ、はいはい」

パクパク モグモグ

唯「おいしーっ!」

梓「慌てて食べたら喉につかえますよ?」

唯「ばびぼぼうー」ハムハム

梓「飲み込んでからしゃべってくださいよー」

梓「何言ってるのかわかりません!」

医者「よほどお腹がすいてたんだろう」

医者「たくさん食べて行きなさい」

梓「こんなに良くして貰って、すいません」

医者「いいんだよ、今この町はよそから来た者にやさしくなっているんだ」

梓「え?なんでですか?」

医者「君達が来る前に頭を撃たれた患者が運ばれて来てね」

梓「頭を?それで無事だったんですか!?」

医者「無事などころか、その患者は」

医者「この町をパウダーギャングから救ってくれたんだ」

梓「パウダーギャング?」

医者「ダイナマイトを使うNCRCF(刑務所)からの脱獄囚の集まりだ」

医者「脱獄って言っても、刑務所自体を乗っ取って拠点にしているんだがね」

梓(ダイナマイト?)

梓(ここへ来る途中、私達を襲った人たちだ)

医者「頭を撃たれたよそ者は先頭に立ち、町のみんなに協力を呼びかけた」

医者「そのおかげで私達は一団となり、パウダーギャングを退ける事ができたんだ」

医者「だから、今町のみんなはよそ者に悪い顔をしないはずだよ」

医者「律君の回復にはまだ少しかかる」

医者「それまでこの町に滞在していってくれ」

唯「うん、ありがとう先生!」

梓「そんなっ、甘えすぎちゃいけませんよ」

梓「この町でお世話になる間は、何か役に立つことをしないと」

梓(ここの町は何も無いけど、平和で住みやすそう)

梓(私達も、ここでのんびり暮らせたらいいな……)


数日後

梓(水汲み、畑仕事のお手伝い、バラモン(牛)のお世話)

梓(ガードのお姉さんに、銃の使い方も教えてもらいながらの狩)

梓(大変なことも多いけど、地下のVaultで暮らすより、充実してるかも)

唯「あずにゃーん、水汲み疲れたよぉー」

梓「頑張ってください、もうちょっとですからー」

唯「ねえあずにゃん」

梓「なんですか?」

唯「そろそろりっちゃんに会いに行けないの?」

梓「お医者の先生に、しばらく安静にって言われてるんですよ」

唯「でも、お話するくらいならいいじゃん」

唯「早くりっちゃんに会いたいよぉー」

梓「んー、それもそうですね」

梓「夕方にでも、診療所へ行ってみましょうか?」


診療所

医者「まだちょっとふらつくかも知れないが」

医者「ゆっくり歩いてごらん」

律「んっ……」ヨタッヨタッ

医者「よし、ゆっくりでいい、ココに腰をかけて」

律「ははっ、すっかり体がなまっちゃったよ」

医者「君は、元NCRレンジャーだったんだってね」

医者「若いのにスゴイじゃないか?」

律「へへっ、まあね」

医者「軍隊での暮らしはどうだった?」

律「……」

律「まあ、最高だったとは言えなかったかな?」

医者「というと?」

医者「私は医者だ、他言はしないよ、安心して話してくれ」

律「ん?なんだよあんた、カウンセリングのつもりか?」

医者「ああ、でも緊張せずにリラックスして、楽に話してくれ」

律「おいおいっ、止めてくれよ」

律「体を治してくれりゃカウンセリングなん必要ないよ」

医者「律君」

医者「君は薬物を常習的に使用してたね」

律「!?」

律「あーん、やっぱりわかっちゃうのかぁー」

律「でもだからってなんだよ?文句でもあるのかっ!?」

医者「君はもうNCRじゃない、薬物の使用を咎める立場の人間はいないよ」

医者「私だってそうだ」

医者「だがね、苦しんでいる者を救うのが医者だ」

医者「なぜ君に薬物が必要だったか教えてくれないか?」

医者「力になれるかも知れない」

律「余計なお世話だよっ……」

医者「出身は?家族はいるのかい?」

律「私はモハビウェストランドの出身じゃないんだ」

律「他所でNCR兵に志願してモハビに配属されたんだ」

医者「それからずっと一人?」

律「NCRに入ったら、NCRが家族みたいなもんさ」

律「でも、家族同然の幼馴染がいた」

律「澪って言うんだけど」

律「澪は幼い頃に両親を亡くして」

律「小さな農場をやってた私の親が澪を引き取ったんだ」

律「しばらくは良かったけど、凶作が二年続くと」

律「私の親も、澪をかわいがりにくくなった」

律「他にも、弟達もいたし……」

律「口減らしとわずかな金の為に私はNCRに入隊したんだ」

律「澪の為だったんだけど、澪も私と一緒に志願した」

律「そしてシーザー・リージョンに対抗するために人手が必要なモハビに配属されたんだ」

医者「一緒の部隊かい?」

律「それは初めの訓練中だけ」

律「澪はなんていうか」

律「戦闘には向いてないんだ」

律「でも頭はよかったから基地にこもって事務なんかをして」

律「逆の私は戦闘の多い地域に出された」

律「離れ離れになっても、連絡は取り続けたよ」

律「二人とも故郷に帰れない身だからね」

律「お互いに励ましあって頑張った」

医者「いい友達がいるんだね」

律「ああ、澪は最高だよ」

律「美人で優しくて……私とは大違い」

医者「それで君達はどうなったの?」

律「それから私は……」

律「キャンプ・フォーロン・ホープに配属された」

医者「フォーロン・ホープ?」

医者「シーザー・リージョンとの抗争の最前線だね」

医者「NCRの兵士は苦しい戦いを続けていると聞くけど」

律「苦しいどころじゃない……地獄だった」

律「仲間が目の前で次々と死んでいった」

律「負傷者が溢れ、治療が行き届かず」

律「運よく命を取りとめた兵士は」

律「前線に戻り、また撃たれ、死ぬ」

律「でも、それはまだ運が良いのかも知れない」

律「肢体を切断され生き延びちゃ」

律「こんな世の中だ、どっちにしろ生きていけない」

律「自分で自分の頭を撃ちぬいた仲間もいた」

律「私の上官だったけど……」

医者「……」

医者「辛い体験をしたね」

律「怖いもの知らずの私でも」

律「一度撃たれてからは怖くてたまらなくなった」

律「だから、処方された痛み止めで気分を紛らわせたんだ」

医者「そこから依存を?」

律「まあ、キャンプでは薬もあまり手に入らなかったからね」

律「その時はそこまででもなかった」

律「でも、ただ恐かった」

律「その恐怖を振り払うように必死で銃を撃ったよ」

律「考える時間が出来ると、怖くてたまらなくなる」

律「だから、進んで敵と戦った」

律「今考えたら、頭を打ち抜いて欲しかったのかも」

律「そしたらもう怖くなくなるだろ?」

医者「正常な精神だったとは言えないね」

律「あたりまえだよ……」

律「まともな頭で殺し合いなんて、出来るわけがない」

律「澪はそんな私を心配して」

律「一緒に除隊しようって言ってきたんだ」

律「澪は、もともと軍隊なんて似合わないんだ」

律「歌とか、音楽とか、キレイなもの」

律「お花とかさ、かわいい洋服とか」

律「そんなのが好きな子だったんだ」

律「澪は一緒にNCRを抜けて」

律「どこかで二人で平和に暮らそうって」

律「そう手紙をくれたんだ」

医者「君はどう思った?」

律「もちろん、賛成したよ」

律「でも、ここの仲間を簡単に見捨てれないし」

律「少し待ってくれって返事を書いた」

律「でも、その後意外な事が起こった」


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