律「みおー!」

澪「ん? 何だ律?」

律「この映画見ようぜ!」

澪「ああ、ホラーか、いいよ」

律「え?」


唯「あぅ、手ぇ切っちゃった……」

澪「ちょっと見せてみて」

唯「あ……」

澪「消毒しとこう、ちょっと染みるよ」

唯「ごめんね、ところで澪ちゃんは大丈夫なの?」

澪「私が? 何で?」

唯「?」


律「でな、この学校にもその霊がいるって……」

梓「その怪談はできそこないです、恐がれません」

律「なんだとー、じゃあ梓の言う至高の怪談を聞かせてみろ!」

梓「いいでしょう、じゃあ私のお気に入りのヤツで……」

梓「ある男にはちょっと変な趣味がありました、
その趣味と言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること……」

(略)

梓「あいつはいったい何者だったんだ、もう二度と夜中に双眼鏡なんか覗かない、とこんな話です」

唯「こ、恐い……」ガクガク

紬「これはクるわね……」ブルブル

梓「ふふん、どうです!」

澪「それってコピペのヤツだよな、私も好きだよ」

律「!?」



梓「なんか最近澪先輩変じゃないですか?」

唯「うん、なんか飄々としてるっていうか……」

律「何言っても恐がる気配すらないな」

紬「むしろ恐いものに対して造詣が深い気すらするわ……」

梓「いったい澪先輩に何が……」

唯「よし! 私聞いてくる!」

律「おお! 頼んだぞ、唯隊員!」

唯「アイアイサー!」

唯「澪ちゃーん」

澪「何だ?」

唯「どうして最近恐がらないの?」

澪「?」

唯「いっつもだったらもっとこう……ミエナイキコエナイ、とか恐いのやだー、とか……」

澪「唯は何を言ってるんだ?」


唯「失敗しました……」

律「仕方ない、今のは仕方ない」

梓「完全に狂言扱いでしたね」

紬「澪ちゃん、なんだか恐いわ……」

唯「まさか……ドッペルゲンガー!?」

梓「見たら死ぬ奴ですか?」


唯「よし! 私聞いてくる!」

律「おお! 頼んだぞ、唯隊員!」

唯「アイアイサー!」

唯「澪ちゃーん」

澪「何だ?」

唯「澪ちゃんはドッペルゲンガー?」

澪「?」

唯「いつの間にか澪ちゃんのフリしてこう……成り変わってというか、入れ替わってというか……」

澪「今日の唯、なんか変だぞ?」


唯「変って言われた……」

律「頑張った、お前は頑張った」

梓「完全に変人扱いでしたね」

紬「澪ちゃん、なんだか違う人みたいだわ……」

唯「まさか……第二人格!?」

梓「火を見ると出てくる奴ですか?」


唯「よし! 私聞いてくる!」

律「おお! 頼んだぞ、唯隊員!」

唯「アイアイサー!」

唯「澪ちゃーん」

澪「何だ?」

唯「澪ちゃんは第二の人格?」

澪「?」

唯「何かのストレスでこう……右手が疼いたりとか、手でご飯食べ始めたりとか……」

澪「意味が分からないんだけど?」


唯「うえええええええええん! 澪ちゃんがもう理解できないよおおおおおお!」シクシク

律「泣くな、ほらハンカチ」

唯「ん……」チーン

梓「でも本当に何なんでしょうね」

紬「自己催眠が完全に掛かってるとか?」

律「じゃあ私解いてくる!」

唯「頼んだよ、律隊員……」グズグズ

律「アイアイサー!」

梓「この二人はどっちが上司なんですかね」


律「みーお!」

澪「ん?」

律「はい!」パチン

澪「?」

律「これであなたに掛かっていた催眠は解けました!」

澪「いや、掛かってないんだけど?」

律「……」

澪「あ……あれー!?私どうしてここに居るんだろー!?寝てたはずなのにー!?」


律「澪に気を使われた死にたい」

唯「……」ポン

梓「しかし澪先輩が律先輩に気を使うって言うのも不思議ですね」

紬「そうかしら?」

梓「普段だったらどちらかと言うと澪先輩のほうが気を使われるタイプじゃないですか」

律「まぁそうだな」

唯「そうかなぁ?」

梓「きっと澪先輩は自分を変えようとしているんです! だから過去は忘れて、新しい自分だけを見つめているんです!」

唯「わーお、拡大解釈~」

梓「ちょっと澪先輩を応援してきます!」

唯律「頼んだぞ、梓隊員」

梓「アイアイサー!」

紬(私も言いたいな……)


梓「澪先輩!」

澪「ん、何だ?」

梓「頑張ってくださいね、応援してます!」

澪「?」

梓「新しい澪先輩もカッコよくて素敵ですよ///」

澪「梓まで変になったか……」

梓「!?」


唯「……」ポン

律「……」ポン

梓「……うっ……うっ……」グスン

紬「澪ちゃん、ヤレヤレってポーズしてた……」

律「くっそー、梓まで毒牙に掛けやがって!」

唯「澪ちゃん許すまじ!」

梓「やってやるです!」

紬(あ、私が出るタイミングが……)


律「澪ー!やっぱり今日のお前は変だぞー!」

唯「そうだそうだ!」

梓「これだけ大勢の人間が変だと思ってるんですから素直に白状してください!」

唯「そうだそうだ!」

紬(唯ちゃんの台詞が煽りだけしかない……)

澪「……分かったよ、本当のことを言おう」

唯律紬梓「……」ゴクリ

澪「実は私髪切ったんだ、2cm!」

唯律梓「……」

紬(言われてみれば確かに……)

澪「あれ?」

律「そういうことを言ってるんじゃなーい!」

唯「そうだそうだ!」

澪「なんか今日は本当にみんな変だな……なんか、恐いぞ?」

梓「!」

律「澪、今なんつった!?」

澪「みんな変で、恐いって……」

唯「うわーい!」

律「よっしゃー!」

梓「やったです!」

澪「?」

唯「いつもの澪ちゃんが戻ってきて良かったね!」

律「ああ、あいつはやっぱり恐がりの澪だ!」

梓「良かった! 本当に良かった!」

澪「ムギ、これはどういうことなんだ?」

紬「何の解決にもなってないような……」



                     ○
                      く|7
                   ┌'弋
                       ,亅  |
                 // \|
                //    \    へ
               //.        \ ///
              くx  ◎       // \
                \      // /  .\
                 \   // /  /  \
                  ヽ// /  /  /  \
                  //        /  / \
                 く/\          /  / \
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                      \            /  / \
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                           \            /    \.. d⌒) ./| _ノ  __ノ



おまけっぽいもの


「本当に恐がりが治った!」

「だから言ったよね」

「ああ、奇跡も魔法もあるんだな!」

「うん、じゃあ……」


おわり