こんにちは、平沢憂です

今日は、おねえちゃんに買い物へ行ってもらっています

だけど、ほんとはちょっと心配です……

おねえちゃんは張り切って、自転車に乗って行っちゃったけど

ちゃんとお使いできるかなー?


チャリンチャリーン

唯「ニンジン、玉ねぎ、たまごー、お塩ー」

唯「ニンジン、玉ねぎ、たまごー、お塩ー」

唯「えへへ、今日は間違わずにちゃんとお使いして」

唯「憂にほめてもらうんだー」

チャリンチャリーン

唯「あっ、おばあちゃん!」

とみ「あら、唯ちゃんお出かけかい?」

唯「うん!わたしお使いに行ってるんだー」

とみ「そうなの、えらいねー」

唯「えへへ、そうかなー」デレデレ

とみ「でも、気をつけていくんだよ」

とみ「最近ここらで、シーザー・リージョンが目撃されてるって話しだよ」

唯「しーざーりーじょん?」

唯「しーざーりーじょんってなあに?」

とみ「あら、唯ちゃんシーザー・リージョンも知らないのかい?」

とみ「乱暴な野蛮人の集団で、町を滅ぼしたり」

とみ「人を捕まえて奴隷にしたり、磔にしたりする恐い連中なんだよ」

唯「えーっ、恐いよぉー」

とみ「だから唯ちゃんも、お使いが済んだら早く帰るんだよ」

唯「うん、そうするよー」

とみ「最近レイダーも出没するし、ここら辺も物騒になってきたよ」

とみ「いずれはNCRを受け入れなくちゃならなくなるかもねぇー」

唯(れいだー?えぬしーあーる?)

とみ「それじゃあ唯ちゃん、気をつけるんだよ」

唯「ありがとう、じゃあねおばあちゃん」フリフリ


唯(そんな危ない人達がいるなんて知らなかったよー)

唯(帰ったら憂に聞いてみよう)

唯「あれ?」

唯「お使い……何買うんだったっけ?」


唯のいえ!

唯「ういー、ただいまー」

憂「あっ、お帰りおねえちゃん」

憂「どう?今日は食べ物あった?」

唯「えっとね、今日はあんまりなかったよ」

唯「ごめんね、憂」

憂「いいんだよ、欲しいものが手に入ることの方が珍しいんだから」

唯「でもね、ほら!」

憂「あっ、新鮮なにんじん!?」

憂「すごいよおねえちゃん!」

唯「ほんとは、アリの卵もあったんだけど」

唯「キャップが足りなくて……」シュン

憂「おねえちゃん……」

憂「今度は私、たくさんキャップ集めてくるからね」

唯「うん!」

憂(今日はニンジンがあるからいいけど)

憂(最近は美味しくない旧時代の缶詰ばかり……)

憂(私がなんとかしなくっちゃ!)


唯「あっ、そうだ!憂に聞くことがあったんだー」

憂「なぁに、おねえちゃん?」

唯「おばあちゃんが言ってたんだけどね」

唯「乱暴で悪い人たちがいるんだって」

憂「それって、レイダーの事?」

憂「レイダーは、人殺しや略奪をして生活する無法者のことだよ」

憂「だいじょうぶ、この辺りにはレイダーが少ないし」

憂「もし現われても、私がお姉ちゃんを守ってあげるからね」ニコッ

唯「うん!ありがとう憂」

唯「でもね、それだけじゃなくてね」

唯「なんだっけ、しーざーなんとかって言うねー」

唯「うーん、なんだっけー?」

憂「……!?」

憂(シーザー・リージョン)

憂(絶対に、許せない奴ら……っ!)

憂「おねえちゃん、シーザー・リージョンって言うのはね」

憂「とんでもなく悪い奴ら」

憂「この世にいてはいけないレイダー以下の存在っ!!!」

唯「わっ、ういー、大きな声出さないでよー」

憂「ごっ、ごめん」

唯「その人たちって、とにかく恐い人達なんだね」

憂「うん……」

唯「わかったよー、ありがとう憂」

憂「いいんだよ、おねえちゃん」

憂(おねえちゃんは知らないけど)

憂(私達のお父さんとお母さんは)

憂(シーザー・リージョンに……)


次の日の朝

唯「むにゃむにゃ…おはよー憂」

憂「おはよー、おねえちゃん」

憂「私はゲッコー狩りに行ってくるね」

唯「あっ、今日はわたしも行くよ」

憂「ダメッ!」

憂「おねえちゃん、咬まれたりしたらどうするの?」

唯「わたしも何か手伝いたいよー」

憂「だめだめ、おねえちゃんは銃なんて扱えないでしょ?」

唯「えーっ、憂のいじわるー」

憂「でも私が帰ったら、ゲッコーステーキだよ」

唯「えっ!?」

憂「皮を売ったお金で、ヌカ・コーラも買って来てあげるね」

唯「わーい!やったぁー」


数日後

唯「うえーん」シクシク

唯「ういー、いつ帰ってくるのー?」

唯「早く憂に会いたいよー」

唯「一人は寂しいよぉー」

唯「……」

唯「缶詰もみんな無くなっちゃったよ」

唯「憂が早く帰ってきて、ゲッコーステーキ食べさせてくれないと」

唯「わたし、おなかと背中がくっ付いちゃうよ……」

唯「う…い……」シクシク

唯(ううっ、本当はわかってる)

唯(憂はきっと、死んじゃったんだ)

唯(ゲッコーさんに食べられちゃったんだ……)

唯(わたしもココで、一人で死ぬのかな?)

唯(わたしは憂がいないと何も出来ないし)

唯(憂がいなくて一人ぼっちじゃ寂しいよ……)

唯(わたし、早く死なないかな?)

唯(そしたらまた憂と会えるよね?)グスグス


ガチャッ

唯「えっ、憂!?」

レイダーA「おっ、空き家だと思ったら人がいるじゃねえか?」

レイダーB「新鮮な肉だぜ!」

唯「わぁっ、お兄さん達だれ!?」

レイダーA「ちょっと待て、若い女だ!見た目もいい」

レイダーA「アジとに連れ帰ってまわそうぜ」

レイダーB「へへっ、じゃあまずはココで味見して行くか」

唯「えっ、なに?わたしに何するのっ?」

唯(憂っ、助けて……っ)

バーンッ!!!

レイダーA「ぐわっ!?」

バタリ


レイダーB「なっ、なんだぁ!?」

律「薄汚いレイダーめ!これでもくらえっ!!!」

バーンッ バーンッ バーンッ

レイダーB「希望が絶たれたーっ!」

バタリ


律「おい、だいじょうぶか?」

唯「ううっ、ありがとう……」ブルブル

律「かわいそうに、こんなに震えて……」

律「でも、もう大丈夫だからな」

唯「けどっ…人が……っ」ブルブル

律「まさか、人が死ぬのをはじめて見たのか?」

唯「」コクリ

律「おいおい、そんなんで、よく今まで生きてこれたなー」

ゴソゴソ


律「ほら、こいつらの持ってた銃だ」

律「今度からはちゃんと自衛するんだぞ」

唯「わたし、銃なんて……」

律「じゃあ、わたしは行くぞ」

唯「まって!」

唯「一人にしないでよぉー」

律「そんな事言ったってなぁー」

唯「……」

唯「憂が、妹がいなくなっちゃったんです」

唯「もう何日も帰ってなくて」

律「そうか……」

唯「あなたは強いから、わたしと一緒に憂を探してくれませんか?」

律「へえっ!?」

唯「わたしは銃が使えなくて、ゲッコーもやっつけられなくて……」

唯「だから、あなたと一緒ならっ」

律「おいおい、ちょっと待てよ」

律「そんなことして、私に何の得がある?」

唯「えっ?」

律「危険を冒してまでお前の妹を探して」

律「お前はわたしに、何か報酬をくれるのか?」

唯「報酬なんて……キャップも無いし」

律「じゃあダメだ!」

唯「ええっ!?」

唯「さっきは助けてくれたのに?」

律「あれは、たまたまだ」

律「お前を助けたところで何もならないって分かってたら、助けなかったよ」

唯「そんなぁ……」

律「このモハビウェストランドじゃ、誰もが必死に生きてる」

律「見返りのない手助けなんて、する余裕なんてないんだ」

唯「……」

律「だから、お前はっ」

律「妹さんの分も、強く生きるんだっ!」

唯「ううっ……」コクリ

律「じゃあな」

律(かわいそうだけど、妹はもう死んでるだろうな)

律(だからと言って、私がその代わりになることは出来ないんだ……)

律(一人ひとりが強くならなくちゃいけない)

律(そんな世界なんだよ……)

唯「……」グスグス

律(あーっ、だけど)

律(コイツを見たら、澪の事思い出すなぁー)

律(まさか澪以外にこんなへたれがいたなんてな)

律(澪……)

唯「……」グスグス

律「くそっ、いつまで泣いてんだよ!?」

唯「えっ?」グスッ

律「憂ちゃんだっけ?探しに行くんだろ?」

唯「えっ、一緒に行ってくれるの?」

律「お前みたいな姉の面倒見てたんだ」

律「憂ちゃんはしっかりしてたんだろ?」

律「報酬は憂ちゃんからもらう、それでいいな?」

唯「ううっ、ありがとう」ポロポロ

律「だけど、お前も武器を手にして戦うんだ!」

唯「それはムリだよぉー」

律「ほら9㎜ピストルだ、これくらいは使えるだろ?」

唯「だめだよ、試しに撃った事あるけど」

唯「大きな音がするし、すごい衝撃だし、恐いよぉ」

律「はぁ?じゃあ、ネールボード振り回して戦ってくれるのか?」

唯「そんなの出来ないよー」

律(やれやれ、コイツを守りながらの旅か)

律(わたしも大したお人よしだよな)

唯「でも、これならっ」

ガサゴソ

律「ん?」

唯「これなら、撃てるかも」

律「おい、これプラズマディフェンダーじゃないか!?」

律「なんでこんなもん持ってんだ!?」

唯「これならかわいい音とキレイな光が出るだけだし」

唯「当たった人も痛くないだろうし」

律(それまともにくらった生物は溶けちゃうんだけどな……)

唯「これ、お父さんのなんだって」

律「親はどうしたんだ?生きてるのか?」

唯「遠くに働きに出てて、いつか迎えに着てくれるって憂が言ってた」

律「……」

律「まあ、お前が危ないと思ったら、それで戦うんだ」

律「間違ってわたしに当てるなよ!」(マジで当てるなよ!)

唯「うん、頑張るよっ!」

唯「えーっと……」

律「ん?どうした?」

唯「えっと、お名前聞いてなかったよー」

律「ああ、そうだった私は田井中律、元NCRレンジャーだ」

唯「ええっ、えぬしーあーるれんじゃーっ!?」

律「まあ、ビックリするのもムリは無いな」

唯「それで、えぬしーあーるれんじゃーってなぁに?」

律「へっ!?」

律「お前、NCRレンジャーを知らないのか!?」

唯「うん、なにそれ?」

律「NCRレンジャーってのは、NCRの中でも選りすぐりの精鋭部隊」

律「無敵の諜報、戦闘集団なんだ!」

唯「へぇー、すごい」

唯(そもそもNCRがわからないけど、まあいいか)

律「まあ、わかればいいんだ」エッヘン

唯「じゃあ、りっちゃん隊員だね」

律「おいおい、なんだそりゃ?」

唯「わたしは平沢唯、よろしくね」

律「ああっ、よろしくな唯!」


律「唯、憂ちゃんの行った場所はわかるのか?」

唯「うん、ゲッコーの狩り場、ここをずっと先だよ」

律「まずはそこに行ってみよう、何か手がかりがあるかも」

律(唯にはつらい旅になるかもな……)

律(でも、こいつはほっとけないよ)

律(そうだろ澪……?)

唯「待っててね憂」

唯「わたし、強くなって憂を迎えに行くからね!」

ひょんなことから出会った二人

この二人の冒険がモハビウェストランドの運命を左右することを

今はまだ誰も知らない……


唯「フォールアウト!」律「ニューベガス!」第一話  完



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