唯「きょっうのおっかしはなぁっにかな~。うんたん♪うんたん♪」


ガチャ

唯「平沢唯、只今参上致しましたです!」

澪「唯!!」

唯「あ、澪ちゃんムギちゃん~。遅れてゴメンね~」

澪「唯!さっきは、その、本当にゴメンな!」

唯「ふぇ?何の話~?」

澪「その…はっ、初めてだったんだろ!?」

唯「初めて?」

澪「あんな無理矢理奪っちゃって…、そのっ、何て謝ったらいいか…!」

唯「無理矢理~?」

澪「わ、わたっ、私、責任取るから!」

唯「責任~?」

澪「唯っ!こっ、ここ、恋人になってくれえ!」

紬「もうひとこえ~!」

澪「けっ、結婚しよう!って何言わせるんだムギ!!」

紬「まぁまぁまぁまぁ、澪ちゃんったらだいたん~♪」



……

和「律は…澪の事、本当に好きだったのね…」

律「うん…私…さっきので分かった…私は…澪が大好きだったんだ…っ!!」

和「そう…」

和(この子、何だか放っておけないのよね…)

和(いつもはふざけてるけど、軽音部の部長としていつも皆の前では明るく振る舞って)

和(結構気張ってるんだろうなぁ)

和(澪はいつも文句言ってるけど…)

和(こんな弱い一面見せられちゃうと…きちゃうなぁ…)

和「ねぇ…律…」

律「ぐすっ…何、のど・・・ん!?」

和「んっ…はむ……」

律「んむ~っ!!ぷはぁっ、何すんだよっ!?」



……

唯(澪ちゃんさっきから何言ってるんだろ~?)

唯(初めて?奪う?)

唯(早口過ぎて良く分かんないや、えへへ)

澪「唯っ!こっ、ここ、恋人になってくれえ!」

唯(…こ、恋人??)

紬「もうひとこえ~」

唯(い、今、私、恋人になってくれって言われた!?澪ちゃんに!?)

澪「けっ、結婚しよう!って何言わせるんだムギ!!」

唯(けっ…こん…?)

唯「っえ!?けけけけ、結婚!?み、澪ちゃんとっ!?」ボッ

紬「あら唯ちゃん、顔真っ赤」

唯「とととと、突然どうしたの澪ちゃん!?」

澪「とつぜんって、元はと言えば唯が…」

唯「私!?私何かした!?」

澪「…しらばっくれるつもりか?」

唯「しらばっくれる…?そ、それより結婚って本気なの澪ちゃん!?」

澪「けっ…こん…、あう、その、結婚は言い過ぎたけど!恋人!恋人は…」

唯「私が、澪ちゃんと、こいびと…」

唯「こいびとってその、手を繋いだり、デートしたりする、こいびと?」

紬「その恋人よ唯ちゃん♪」

唯「ふぇ、えっと、私でいいの?」

澪「唯がいいの!」

唯「私女だよ?」

澪「唯も私の事好きってさっき言ってくれたじゃないか…?」

唯(あれ、私そんなコト言ったっけ…。で、でも、澪ちゃんと、一緒にデートしたり、手を繋いだり…)

唯「わ、私で宜しければ、お願しますっ!」

澪「唯…!こっ、こちらこそお願いしますっ!」

紬(眼福ですわぁ~)



……

和「ねえ律。私じゃ、ダメかな?」

律「なんで…」

和「好きになっちゃった。律の事が」

律「は…ぁ…!?意味、分かんないっ…!」

和「そのまんまの意味。ねぇ、もう一回キスしよっか?」

律「え…」



……

ガチャ

梓「こんにちは~…ってぅ、何ですかこのあまったる~い雰囲気」

唯「あずにゃん!遅かったね?」

梓「ちょっと用事があってですね…」

紬「澪ちゃんと唯ちゃんが付き合う事になったのよ~」

梓「はぁ、そうですか。…はぁ!?」

唯「あずにゃん反応ワンテンポ遅~い!」

澪「は、恥ずかしい…」

梓「い、意味分かんないです…」

紬「そのまんまの意味よ?」

梓(もういいや…。突っ込んでたら練習時間無くなる…。細かい事は気にしない!うん。)

唯「お~い、あ~ずにゃ~ん?」

梓「いえ、もう私は深くは追求しません。ところで…律先輩、まだ来てないんですか?」

澪「あれ…そういえばまだ来てないな…」



……

律「ヤダ、ちょっ、和、やめっ!」

和「ふふ、冗談。」

律「っ!何なんだよ一体!」

和「でも律を好きになっちゃったのはホント」

律「…」

和「黙らないでよ、困っちゃうじゃない」

律「私はもっと困ってるよ…」

和「そっか、いきなりゴメンね。」

律「私、そろそろ戻るよ。話聞いてくれてありがと」

和「どういたしまして。…ねぇ、困った時とか、辛い時とか」

和「生徒会の仕事が終わった後…だと遅くなっちゃうけど。昼休みとか」

和「いつでも会いに来ていいから」

律「…ありがと」



……

律「いやぁ~、遅れてごっめ~ん!」

梓「あ、律先輩。本当に遅かったじゃないですか!」

律「いやぁ~、ちょっとね~」

澪「全く…唯は一番初めに来てたんだぞ?お前は部長だろ~?」

律「………あっはは~、ゴメンって!さっ、早速練習するか!」

唯「あれ、りっちゃん。お茶はいいの?」

律「私が今からゆっくりお茶のんでたら練習時間無くなっちゃうぞ~?」

梓「そ、それは良くないです!練習しましょう、練習!」

紬(りっちゃん、何だか元気無い…?)

律「よーし気合い入れていくぞ~」

唯「りっちゃん隊員いつになくやる気ですね!」

律「ん、そうか~?」

梓「やる気なのはいいことですっ!」

澪「律がやる気…珍しいこともあるんだな」

律「澪!失礼だろ、私にっ!」

紬(…)

澪「それじゃ部長さんのやる気が無くならないうちに始めるとするか!」

律「ワン!ツー!スリー!フォー!」

ジャンジャンジャンジャン♪


梓(あれ…この感じ…前にも…)

紬(りっちゃん…?)

澪(…何だ、この違和感…)

唯(なんていうか、全然楽しくない…)


律「ふぅ…結構いい感じだったんじゃないか?」

澪「…あ、ああ。そうだな」

梓「律先輩、また体の調子でも悪いですか…?」

律「ん、何で?」

梓「あ、えっと、いえ、何でもないです…」

律「もう一回位合わせとくかー」


……

律「そろそろやめるか~」

澪「そうだな。時間も時間だし」

紬「じゃあ帰りましょうか」

唯「今日は一杯練習出来たね~」

梓「そうですね…。でも…」

唯「どうしたのあずにゃん?」

梓「…いえ、やっぱり何でもないです」

紬「さて、それじゃあ帰りましょうか」

律「なぁみ「澪ちゃん一緒に帰ろーっ!」

澪「ゆ、唯」

唯「恋人同士なんだから一緒に帰るのは当然だよね!」

澪「あ、あんまり大きな声で言うな、恥ずかしいだろ…」

唯「なんで恥ずかしがるの?もー…」

律「恋…人…?」

唯「うん!あれ、言ってなかったっけ?」

律「あはは…聞いてないなぁ…」

唯「澪ちゃんがね、私に付き合って下さいって!」

澪「わーわー!恥ずかしいからやめてくれ唯!!」

梓(何だろう…律先輩震えてる…?)

律「う…そ、そっか、でもお前ら女同士じゃん!おかしくないか?」

唯「愛の前では性別なんて関係ないのですよりっちゃん!」

律「なんだ…そっか、そうだったんだ。」

澪「…律?」

律「唯、何だその。澪をよろしくな?」

唯「へ?う、うん」

澪「なっ、何でお前が唯にそんな事言うんだよ!?」

律「私、教室に忘れ物してきたから取りに行ってくる。皆、先帰っててくれ!」

梓「先輩!?走って行っちゃった…。」

唯「りっちゃん凄い急いでたね~」

澪「教室に何かよっぽど見られたくないもんでも置いてきたんじゃないか?」

唯「そーなのかなぁ…」

紬「…」

梓「紬先輩?」

唯「澪ちゃん、それじゃあ私たちは行こっか」

澪「唯、今日は家まで送ってくよ」

唯「ホント!?」

澪「うん。唯と少しでも長く一緒に居たいからな。ムギ、梓、じゃあまた明日な」

梓「あっ、はい。また明日…」

紬「澪ちゃん、唯ちゃん、仲良くね~♪」



……

和「書類を教室に忘れるなんて…。ってまた泣き声…唯のクラスの方からね」

律「もう生きてる意味ないよぉ…うええええん…」

和「…律、何やってんの?」

律「うわぁぁああん…」

和「りつ~?」

律「うわぁ!?のどっ、和!?」

和「ちょ…さっきと同じ反応しないで…」


……

紬「私とした事が…なんて失態を…」

梓「どうしたんですか紬先輩?」

紬「唯ちゃんは本当はりっちゃんだったの!」

梓「…えっ、は、はぁ?」



……

和「え!?澪と唯って付き合ってたの!?」

律「そうらしい…。あの後澪から告白したんだよきっと。私もう死ぬよ…」

和「律、とりあえず落ちついて!」

律「もう無理。明日から唯と澪はきっと音楽室でいちゃいちゃし始める」

和「あの二人がそんな事するとは思えないけど…」

律「絶対する。私そんなの見てられない。発狂する」

和(重症ね…)

和「ねえ…それならさ、私と付き合わない?」

律「な、何で?」

和「何でも何も…、だから言ったじゃない、私は律の事が好きなんだってば」

律「いや…でも…、私は澪の事が…」

和「でも澪は唯と付き合ってるんでしょ?」

律「それは…」

和「別に…私は、律が私の事好きじゃなくてもいいよ?律の気が紛れるならそれで」

律「でも…私はそういうのダメだと思うんだ…」

和「そう?」

律「今日はとりあえず帰るよ」

和「…返事待ってる」

律「考えとくよ…」



……

唯「ねえ澪ちゃん、本当に私なんかでいーの?」

澪「何度も言わせるなよ、本当に恥ずかしいんだから。唯がいいの」

唯「…えへへ。照れちゃうな」

澪「唯が言わせたんだろ~?」

唯「ねえ澪ちゃん、キスしよっか」

澪「あ…、うん。し、しよっか」



……

律「はぁ…結構遅くなっちゃったな…」

律「それにしても和の奴どういうつもりなんだ」

律「私をからかってるのかな?」

律「あれ、澪と唯だ…。アイツ等歩くの遅ぇ…」

律「手なんか繋いじゃって楽しそうだな…」

律「私が二人の恋のキューピッドなんだから感謝して欲しいよな全く!」

律「うぅ…。どうしてこうなった…」

律「-っ!キスしてるよ…あ…はは…」



……

唯「澪ちゃんの唇、柔らかかった」

澪「っ、だからな!あんまり恥ずかしい事言わないでくれ!」

唯「澪ちゃん顔真っ赤~」

澪「もう…唯なんて知らないっ」

唯「あ!ごめんごめん、待ってよ澪ちゃん!」

澪「もう~!」

澪(…何だろうこの違和感。さっきのキスとは…何かが違う…)



……

唯「ただいま~」

憂「お帰り、お姉ちゃん。今日は遅かったね?」

唯「ちょっと色々合ってね~」

憂「もうすぐご飯出来るからもうちょっと待っててね!」

唯「うん、分かったよ~」

唯「ねえうい~」

憂「どうしたのお姉ちゃん?」トントントントン

唯「私さ~、澪ちゃんと付き合うことになったんだ~」

憂「へぇ~、そうなんだぁ。…は?」ザクッ

唯「澪ちゃんに好きって言われた~」

憂「えええええ、ははhh」

唯「ご飯まだかな~」

唯「なんだか今日のマーボー豆腐真っ赤だね、辛そう」

憂「…」

唯「ちょっと鉄臭いんだけど、気のせいだよね?」

憂「…」

唯「頂きます♪」



3
最終更新:2010年07月03日 04:30