梓「もうこの際、これもネタにしちゃお」

梓「あーどんどんネームが増えるー」

梓「えへへーうれしいなー……」

梓「うれしいなー……ヒッグ」

梓「うれ……しいな……」ポロポロ

梓「唯先輩……ほんとに……お願いします」ポロポロ



放課後


梓「どうしようどうしようどうしようどうしよう」カリカリカリカリ

唯「ん? 声にでてるよ?」ペタペタペタ

梓「コレが終わったら……コレが終わったら……」カリカリカリカリ

唯「えへ~楽しみだなー」

梓「どうしようどうしよう、唯先輩としちゃう」カリカリカリカリ

唯「もう何度もしてるじゃーん」

梓「ひぃん!」カリカリカリカリ

唯「筆はやくなったねー。あ! そんなに早くしたいんだ!」

唯「うれしいなー、私も早くしたい」

梓「にゃあああああ!!」

カリカリカリカリ シャッシャ カリカリカリカリ

唯「ラストスパート!」

梓「!!!」

唯「うおお! 私も頑張っちゃうよ! 愛しのあずにゃんのために!」

ペタペタペタ キリキリ ペタペタペタ

梓「う、うまい!」

唯「うん、家でちょっと練習したりしてたから!」

梓「そ、そうなんですか!?」カリカリカリカリ

唯「あずにゃんのお役にたちたいからね! あ、ココこれでいい?」

梓「はい! ありがとございます!」

唯「よし、最後にコレを貼って」

ペタ!

梓「で、できた……」

唯「うん……」

梓「ははっ! できましたー!!」

唯「やったぁー!!」

梓「わー! 私と唯先輩との初体験漫画!!! ついに完成しましたね!!」

唯「夢のコラボレーションだね!!」


梓「はい!! やったぁ……ながかったぁ」

唯「なんか……感慨深いね」

梓「はい、はじめての共同作業でしたから」

唯「なんかそれ、いいね」

梓「こんなに達成感あるんですね……」

唯「うん……」

梓「ふふ」

唯「ねぇ、読んでいい?」

梓「はい。どうぞ」

唯「では失礼して」

梓「……どきどき、って内容はよーくしってるじゃないですか」

唯「うん、私の初体験」

梓「そうですよ」

唯「いまからあずにゃんが経験するから、参考になればなーっと」

梓「う……そうだった……喜びのあまり失念してました」

唯「ねぇあずにゃん……」

梓「ゆ、唯先輩……」

唯「あずにゃん……」

梓「唯先輩……」

唯「ねぇ……」

梓「あ……」

唯「する?」

梓「そ、その前に……」

唯「……そうだね。ん~」

梓「……」

唯「目つぶったほうがいい?」

梓「はい」

唯「おっけぃ……ん」

唯「……」

唯「……あれ?」


唯「あずにゃん?」

唯「どこいったの?」

唯「あ、紙」



【コピーとってきます(≧∀≦)】



唯「……」

唯「……あずにゃあああああああ!!!」



to be continued...



梓「……」

bbbbb

梓「……」

bbbbb

梓「うるさいなぁ……」

bbbbb!

梓「…………」

梓「新着メール30件……」


あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあんなんであずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあんなんであずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん
あずにゃんあずにゃんあずにゃん

梓「ひいいいい!!」

梓「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

prrrrr!

梓「!!」

prrrrr!!

梓「……着信……唯センパイ」

prrrrrrr!!

梓「……」ゴクリ

梓「……はい、もしもし」

『あずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃん』

梓「ひいいいいいいい!!」

『ねぇどうして逃げたの? ねぇどうして? あずにゃんあずにゃんあずにゃん』

梓「ごめんなさい!」

『あずにゃんあずにゃんあ…あ…あ…あ…ああずにゃんあずにゃん』

梓「   」ガクガク


『あずにゃんあずにゃんあずにゃん』

梓「わかりました! すいませんってば! ごめんなさい!」

『……ううん、わかればいいの。私こそごめんね』

梓「いえ、私が全面的に悪いと思います……」

『そんなことないよ。私が無理じいしたから』

梓「も、もう今日は寝ます!」

『うん。おやすみあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃん』

梓「はい、おやすみなさい」

『あずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃん』

梓「……」プツ

ツーツー

梓「……」

梓「…………どうしよう」

梓「いまので許してくれたのかな」

梓「明日が怖い……」


……

梓「おはよーございまーす……」

唯「……おはよう」

梓「うっ……」

梓(なんかすごい憔悴した顔してる)

唯「……」

梓「きょ、今日もいい天気ですねー」

唯「……あぁ、そだね」

梓「……」

唯「あ、私もう教室いくね」

梓「……はい」

唯「それと今日は部活中止だから」

梓「え?」

唯「伝えたよ。じゃあね」

梓「絶対怒ってるよねアレ」

梓「……うぅ、怒らせちゃった」

梓「どうしたら許してくれるんだろう」

梓「わかんないよ……」

梓「あぁやりなおしたい。もう出会った頃からやりなおしたい」

梓「このままじゃお先真っ暗だ」

梓「唯先輩が笑顔じゃない世界なんて……」

梓「私のせいなのに……」

梓「私のせい、なのに……」

梓「うぅ、グス、最近……すぐ涙がでるんだよね」

梓「……こんな顔じゃ憂と純に笑われちゃうよ」

梓「そうだ、憂にも顔あわしづらいな……」

梓「消え去りたい……」

梓「私……ほんと、どうすれば」

梓「唯先輩の笑顔を取り戻すには……」

……

梓「あれから三日」

梓「いろんな策をこうじてみたものの全部空振りに終わった」

梓「アイスをプレゼントしたり、ケーキのいちごを分けてあげたり」

梓「猫耳つけて甘えてみたり……」

梓「うぅ……もう私の頭じゃ思いつかないよ」カリカリカリカリ

梓「もうこの原稿おわったら死ぬんだ」カリカリカリカリ

梓「唯先輩、先立つ不幸をお赦しください」カリカリポロポロ

梓「あ、また涙が……滲んじゃう」

梓「……なんてえっちな漫画だろう」

梓「唯先輩とのえっち……でもそれは……」

梓「怖い……」

梓「もしはじめてを失ったら、唯先輩とはどんな関係になるんだろう」

梓「いま現在は最悪だけど、またあの日のように笑い合えるのかなぁ……」

梓「あ、メール。唯先輩からだ!」



今日うち泊まりにこない?

     by愛しの唯先輩


梓「と、泊り……」

梓「……なんでこのタイミングで」

梓「あっ! もしかして」


『のこのことよく来たね。ほら憂、つかまえて』

『いやですーいやですー』

『ニャーニャーうるさいんだよ糞猫の分際で』

『たすけてーたすけてー』

『おとなしくしろ! べシーン!』

『きゃー』

『今夜は猫鍋だねーお姉ちゃん♪』


梓「あうあうあうあうあう」



梓「パターン2」


『あずにゃ~ん♪ ごめんねー私が悪かったよー』

『にゃーにゃー許してくれるんですかー』

『許すもなにも、あずにゃんは悪いことしてないよー』

『にゃーにゃー嬉しいなー』

『もう、あずにゃんは可愛いんだから! チューチュー』

『にゃーくすぐったいですー♪』

『アハハハハー♪』


梓「ないない」

梓「そんな漫画みたいな展開」

梓「なんて調子のいい頭してるんだ私は」

梓「きっちり謝ろう。許してくれなくても謝ろう」

梓「それで……もし唯先輩がいいなら、許してくれるなら」

梓「……捧げよう。全部」

……

ピンポーン

梓「……ついに来た」

梓「でないなぁ」

ピンポーン

梓「唯先ぱーい。自分から呼んどいて、いないんですかー?」

梓「……?」

ガチャ

梓「!」

唯「やっほー」

梓「あ、唯先輩」

唯「よくきたねー! さぁお上がり」

梓「は、はい」

梓(なんか怖いくらい普通……ここ数日はずっと虚ろな目してたのに)

梓(さすがにもう許してくれたってことかな……ふふ)


唯「ささ、こっちへ」

梓「部屋いくんですか?」

唯「あ、原稿もってきた?」

梓「はい、言われたとおり画材と一緒に」

唯「うん!」

梓「もしかしてまた描くんですか?」

唯「それもあるけどー」

梓「はい?」

唯「とりあえず行こ行こ!」

梓「はい」


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最終更新:2011年01月30日 21:38