【3部 仲良し姉妹!】

<3月30日 深夜>

唯「そうだ、憂。これ見てみて!」

憂「なになに?」

唯「じゃじゃーん! ”軽音部の入部届”~」←ドラえもん風

憂「わぁ! それ。お姉ちゃん学校から貰ってたの?」

唯「そうそう。高校が3年間保管してたけど、私たちが卒業する時に捨てるっていうから、記念に貰ってきたんだよ」

憂「本当になんとなくで入部しただけなのに、いろんないい人達と出会えたよね~」

唯「この入部届は私にとっての、大吉のおみくじと言っても過言ではないでしょう!」

唯「……気が付けばもう午前0時を過ぎちゃってるね」

憂「お父さんとお母さん。明日には旅行から帰ってくるって電話があったよ」

唯「そっか。じゃぁ大学の入学式とかには間に合うんだね」

憂「それはあの二人も出るに決まってるよ、お姉ちゃんっ」

唯「よーし、それじゃあ寝るとしますかっ」

憂「……ねぇ、一緒に寝ても、いい?」

唯「うん、いいよー」

憂「やったー♪」

唯「それじゃぁ、」

憂「おやすみなさーい」

唯「…………」

憂「…………」

唯「…………」

憂「…………」

唯「…………」

憂「…………」


憂「ねぇ、お姉ちゃん?」

zzz

憂「眠るのはやっ!」

zzz


憂「……」

憂「えへへっ///」


スリスリ

ギュゥっ


憂「……やっぱりお姉ちゃんはあったかいなぁ」


憂(こうしていると、”生きている”って実感できるよ……)


憂(……こんなお姉ちゃんと出会わせてくれた、お父さんにお母さん。ありがとう)


( と く ん っ♪ )


( と く ん っ♪ )


( と く ん っ♪ )


憂(静かだなぁ……)


( と く ん っ♪ )


( と く ん っ♪ )


憂(お姉ちゃんの体温と、心臓の音しか感じない……)


( と く ん っ♪ )


憂(ねぇ、お姉ちゃん……)


憂(お姉ちゃんにとって、あの”入部届”は大吉のおみくじだろうけど、)

憂(私にとっては、お姉ちゃん自身が大吉のおみくじなんだよ)


憂(……私、お姉ちゃん大好きだから、これからも、ずっと一緒にいたいなぁ)

憂(お父さんとお母さん達みたいに……私たちも、許されるならずーっとずーっと)


憂(……だから、今夜だけは……)

チュッ

憂(……///)


憂(おやすみなさい……お姉ちゃん)


zzz

zzz

(おしまい)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 【とある日の夜:平沢家の居間】

憂「……うーん」

唯「どうかした? 憂」

憂「ん……なんか今日は疲れちゃったかなあって」

唯「金曜日だもんね。もう休んだ方がいいよ」

憂「お姉ちゃんは?」

唯「見たいテレビあるし、ギー太やるからまだ起きてるよ」

憂「そっか。……じゃあ、おやすみ」

唯「おやすみー」

 パタン パタン

憂(んー、なんだろう)

憂(ちょっと頭が痛い、かも)

憂(しっかり寝ないと。私が倒れたら……)

憂(……嬉しかったし、お姉ちゃんはしっかりしてたけど、心配はかけたくないもんね)ガチャ

憂(……)パタン

憂「ふー……」

憂(今夜はすぐ寝れそう)

憂(夜更かししちゃだめだよ、お姉ちゃん……)

――――

『風邪』


 【翌朝:憂の部屋】

憂(……ん)

憂「はぁ~……」むくり

憂「……つぅ」

憂「はふ」ブルッ

憂(いけない、完全に風邪ひいてるよ)

憂(もう9時だ……何時間寝てたんだろ。覚えてないや)

憂(寒くて布団から出れそうにない……)

憂(9時だからそろそろ1回目のお姉ちゃん起こしに行かないといけないのに)

憂「……」

憂(ほんとは無理したら立てそうだけど)

憂(……ちょっと期待しちゃったり)

 コンコンッ

憂「! ……」

唯『ういー?』

憂「……ん」

唯『入るよー?』ガチャ

唯「……どしたの、憂。起こしに来ないから心配したよ」

憂(……いつもは起きないのに)

 ギシ

唯「顔赤いね。風邪ひいた?」

憂「ん、ひいたかも」

唯「昨日から辛そうだったもんね……」ナデナデ

憂(……そういえば、昨日ギー太の音したっけ)

憂(覚えてないけど……たぶん)

唯「食欲はある?」

憂「……ううん」

唯「それじゃ、まず体温計と……濡れタオル持ってくるね」スック

憂「ありがと、お姉ちゃん」

唯「ううん。これぐらいしなきゃ」

 ガチャ パタン

憂(……このあいだの風邪は大変だったけど)

憂(お姉ちゃんもすっかり慣れちゃったみたい)

憂(……わたし、風邪引きすぎかな)

 カチャ

唯「はい憂、体温計」

憂「ありがと……けほっ」

唯「……だいじょぶ?」

憂「んー……」

憂「ちょっと、つらいかも……?」

唯「とりあえず、すぐタオル持ってくるね」たたっ

憂「……えへへ」

憂(お姉ちゃんが頑張ってくれてる)

憂(今日ぐらいいいかな。風邪なんだもん)

憂(体温計……)ギュ

憂(はかって、なんて言ったら流石に怒られちゃうかな?)

憂(うう、あっつい……)

憂(布団も重たくなってきた感じがする)

憂(頭もぼーっとして、じんわり痛むかんじ)

唯「よいしょっとぉ」

唯「うい、持ってきたよ」

憂「……おねえちゃん」

唯「ちょっと待っててね……」ギュギュ

唯「おでこだして。ひやっとするよー」

憂「ん……」

唯「ほれっ」パシャ

憂「うひゃっ。……もー」

唯「ごめんごめん」サスサス

唯「で、体温はどうだった?」

憂「あ……測ってない」

唯「じゃあ測ろっか。体温計貸して」

憂「……ん」

唯「ちょいと失礼しますよー」ゴソゴソ

憂「ひゃっ」

憂(お姉ちゃんの手、冷たい……)

唯「はい、しっかり挟んでね」ポン

憂「……」

憂「あれっ?」

唯「ん?」

憂「お姉ちゃん、部活は?」

唯「部活? そりゃ休むけど」

憂「い、行かなきゃだめだよ。私は平気だから」

唯「やだ、行きたくない。風邪ひいた憂を一人にしてらんないもん」

憂「うれしいけど、でも……」

唯「……じゃあ、憂の体温次第だね」

唯「38度こえてたら、部活行かないで憂の看病する。それならいい?」

憂「……う、うん。いいよ」

憂(ど、どうしよう)

憂(私の熱が38度いってなかったら、お姉ちゃんは部活に行っちゃう)

憂(行っていいんだし、行かないといけないんだけど……行っちゃやだ)

憂(38度いってるのかな……いってて、お願い……)ドキドキ

唯「うい、苦しそうだよ……?」

憂「うう……」

憂(苦しいって言っちゃいたい。お姉ちゃんに心配してほしい、けど)

憂(お姉ちゃんに心配はかけたくないし……でも、言わないとお姉ちゃんが行っちゃう)ドキドキドキ

憂(なんか、どんどん体温が上がってる気がするよ)

憂(悪い子、かなぁ? わたし……)

 ピピピピッ ピピピピッ

唯「ほい、また失礼するね」ペタ

憂「ひゃうっ」

唯「……」

憂「何度だった?」

唯「んー……えっとねー」

憂「……」ドキドキ

唯「じゃん。38度2分でした」ニコッ

憂「……えへ、へへ」

唯「どうしよっか、うい」ギュッ

憂「えっ? ……部活休んで、私の看病しなきゃだよ」

唯「……」

憂「……看病、してほしいです」

唯「おっけー了解。……何か欲しいものはある?」ニコ

憂「……お姉ちゃん」

唯「ん?」

憂「だから、お姉ちゃん……ここに居てって」ギュウッ

唯「……あまえんぼめ」

憂「だめ?」

唯「ううん。ずーっとここにいてあげる」ナデナデ

憂「ありがとう、お姉ちゃん……」

憂(……だいすき)

  おわり



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