『おのろけ話』


――
――――


唯『うい、好きだよ』

憂『……わ、わたしも……』

唯『憂……』

憂『わっ、わっ……お、お姉ちゃん!』

唯『……キス、してもいい?』

憂『へっ……』

唯『嫌?』

憂『……その聞き方は、ずるいよぉ……』

唯『えへへ、ごめんね』

憂『……いいよ』

唯『……えへ』

憂『……』

唯『じゃ、目閉じて……』

憂『ん……』

……

純「どうしたの憂、こんなところに呼び出して」

憂「んー?気になる?」

純「憂が呼んだんでしょ」

憂「えへー、そっかぁ、じゃあ仕方ないなぁ」

憂「ちょっとお話してあげるよ、ふふっ」

純「……」イラッ

純「あの、帰っていいかな?」

憂「ま、待って!もうケーキ頼んじゃったから!」

純「……」

憂「その、お話聞いてほしいの……」

純「はじめからそう言いなさい」

憂「ごめんなさい……」


純「……いいよ、どうせ暇だし」

憂「えへへ、ありがと」

憂「じゃあ……」

純「うん」

憂「えっと、昨日ね、お姉ちゃんが……」

純(……マズい予感がする……)

憂「一緒にお風呂入ろーって言ってきてね」

憂「……ムフフッ」ニヤァ

純「な、なにいまの!」

憂「えっ?」

純「今の笑い方初めて見た!」

憂「?」

純「いやいや!」

憂「変な純ちゃん」

純「……」

憂「それでね、実はお風呂一緒に入るの久しぶりで……」

純「まぁ普通の高校生の姉妹は一緒には入らないしね」

憂「私がちょっとためらってると、お姉ちゃんが私を抱きしめて」

憂「『私と入るの、いや?』……って……」キュン

純「……」

憂「ウヒヒッ」

純「!?」ビクッ

憂「私どきどきしちゃって、断れなくて」

憂「……あの時のお姉ちゃん、かっこよかったなぁ……//」

純「……そ、そう」

憂「フフ……」

純「……」

憂「それでねー?お風呂入ったら、お姉ちゃんが私の体洗いたいって言って……」

憂「ウフフ……ふがっ」

純「!?」

憂「えへへ、それでお姉ちゃんに洗ってもらったんだぁ」

純「そ、そう……」

憂「そしたらお姉ちゃん、いつもの様子と違ってて……」

憂「ぬふふっ」

純「!」

憂「大人っぽい声で、『好きだよ……』って言うんだ……//」

憂「えへぇ……」ポワン

純「よ、ヨダレ垂れてるよ憂!」

憂「私はもちろん抵抗したんだけどね?」

憂「でもお姉ちゃんがかっこよすぎて……//」テレリ

純「……」

憂「ひひひっ」

純「……」

憂「そして、お姉ちゃんの唇が段々近づいてきて……」

純「……」

憂「初めてね、お姉ちゃんとちゅーを……」ドキドキ

憂「ふふっ、フフフフ!」ガタン

純「えっ?え?」

憂「きゃーーー!お姉ちゃんきゃー!」タタタ

純「ちょ、ちょっと憂!」

タッタッタ…

純「何あの子……」

純「……」

純(ていうかあの二人そういう関係だったんだ……)

 「失礼します」

 「こちらチョコレートケーキです」

純(……私がお金払うのか……)

純「……」





               ―終―



『憂「私の名前はういだよ!」』


唯たちが1年生の頃。軽音部のメンバーは勉強を教えるために初めて唯の家を訪れた

唯「ここが私の家だよ~あがって―」

律澪紬「お邪魔しまーす!」

憂「お友達?」

唯「軽音部だよ~」

憂「初めまして。平沢う

唯「へっくしゅん!!」

憂「です。姉がお世話になってます」ニコッ

律「(できた子だ!)」

澪「(というか)」

紬「(名前が聞き取れなかった・・・)」

唯「私の部屋にどうぞー」

律「あ、うん」

憂「みなさん、ごゆっくりどうぞ」

澪「(この子の名前なんなんだろう・・・聞き返すのは失礼だよね)」


唯の部屋

澪「さあ、勉強するぞ」

唯「ええ~。もうちょっとゆっくりしようよお」グデー

律「(さっきのあの子の名前が気になってしょうがないな)」

紬「(りっちゃん、私いいこと思いついた)」

律「(?)」

紬「唯ちゃん。唯ちゃんの妹さんの名前って、漢字だとどう書くの?気になっちゃって」

澪「(なるほど。これなら失礼にはならず、妹さんの名前を知ることができる!)」

唯「か、漢字!?(ういの漢字って難しいんだよね・・・)」

澪「ちょうど今シャーペン持ってるんだし、ノートに書いてよ」

唯「うん・・・えーっと」カキカキ

唯「ふう、書けた!」

『憂』

紬「ありがとう。こういう字だったのね」

律「(なるほど、読み方は・・・)」

澪「(たぶん、『ゆう』だろうな)」

紬「(憂鬱の憂ですね)」

律「(『ゆい』と『ゆう』で統一感もある。よし!)」


数十分後

澪「ここがこうしてこうで・・・」

唯「ふむふむ!」

律「(ようやく唯も集中してきたな。しかし私は暇だ)」

律「(せっかくだし、ゆうちゃんと話してみようかな)」


リビング

律「なにやってるの?」

憂「あ、律さん、ですよね?今みなさんにジュースとお菓子を持っていこうと」

律「いやーわざわざわるいね。ほんとに良く出来た子だよ」

憂「えへへ、あ、いえそんなことないですよ」

律「謙遜しちゃてえ。ゆうちゃんみたいな妹を持って唯は幸せだなあ」

憂「!?」

律「私もゆうちゃんみたいな妹が欲しかったよー」

憂「(ゆう・・・ちゃん?なんか私の名前間違えられてるよお)」

律「ゆうちゃんは、今何年生?」

憂「(訂正したいけど、いきなり名前間違ってますなんて言ったら悪いよね・・・)」

憂「中3です」

律「じゃあ受験生か!どこ目指してるの?ゆうちゃんのことだからすごく良い高校狙うのかな」

憂「(うぅ、なんかむずむずするよ)」

憂「お姉ちゃんと同じ桜高に行きたいと思ってますけど、私の学力で受かるかどうか・・・」

律「だいじょうぶだよ、唯だって受かったんだからゆうちゃんなら余裕だよ」

憂「お、お姉ちゃんもすごく勉強頑張ってたんですっ」

律「あ、ごめんごめん」

憂「すいません!突然声出しちゃて・・・」

律「大丈夫だよ。ゆうちゃんは唯が大好きなんだな!」

憂「はい!」

憂「(あれ・・・お姉ちゃんのことなら、こんなに声出したり、自信を持って言えるのに)」

律「ゆうちゃんってさー」ペラペラ

憂「(私は、本当の私の名前を言うこともでいないの・・・?)」


  唯「うい~!ういー。うーいー。うい!ういういうい!」


憂「(大好きなお姉ちゃんがいつも呼んでくれる、大好きな私の名前を!)」


律「ゆうちゃんも高校入ったらぜひ軽音部に・・・」

憂「・・・です」

律「何?ゆうちゃん」



憂「私の名前は うい ですっ!」



唯の部屋

ガチャン

律「みんなー!ういちゃん!ういちゃんが!ジュースとお菓子用意してくれたぞー!」

憂「運ぶの手伝ってくれてありがとうございます」

律「いいっていいって!」

澪「(ういちゃん?)」

紬「(ういちゃんだったのね)」

唯「ういーありがとーー!」

憂「お姉ちゃんっ!」ダキッ

唯「ふおっ!どうしたのうい?」ナデナデ

憂「私の名前はういだよ!」

唯「当たり前じゃん。ういはういだよ~」ナデナデ

憂「えへへ」




おわり



2