紬「梓ちゃん?ティータイムよ?何してるの?」

梓「え」

唯「ねぇねぇあずにゃん、なんで勃ってるの?」

梓「な、失敬な。私は勃ってなんかいませんよ!」

唯「ええー、勃ってるよ~」

梓「そんなことないです」

律「おーいあずさー?勃ってるぞー?」

梓「どこがですか!」

律「いや、どこからどう見ても…」

紬「梓ちゃん、私何か気に障るようなことしちゃった?」

梓「だって皆さんが…」

澪「なぁ梓?さっきからずっと勃ってるのには何か理由があるんじゃないのか?」

梓「澪先輩まで!」

澪「だってさっきから梓、着席してないじゃないか。違うのか?」

梓「(あ、“たつ”ってそっちか)すみません、違いません。私が立っているのには理由があるんですよ」

唯「あ、分かったよ!あずにゃんが立ってるの、足に毛があるんでしょ!それが痛いから立ってるんだよね?」

梓「(すね毛?)誰の足にですか」

唯「あずにゃん」

梓「そんなひどい。失礼ですよ違いますって…」

律「じゃあ何なんだよ。つーかなんで失礼なんだよ」

唯「毛がないんだったら、あずにゃん吸われるじゃん!」

梓「えっ何に吸われるんですか」

唯「えっイスでしょ?」

梓「なにそれこわい」


澪「私は今の梓の方がこわいけど…?」

梓「つまり、足に毛があれば吸われないんですね」

律「まあ唯の言い分はそうだな」

梓「じゃあ私は足に毛がないのでイスに吸われてしまいますよね」

律「分かってるなら立ってないで早く着席しろって」

梓「えっひどいです!律先輩がそんな薄情な人だとは思いませんでした!私なんかイスに吸われればいいんだって常日頃から思ってたんですね!」

律「いや常日頃は思ってねぇよ。ただ今日はさっさと吸われないのかと思ってるよ。吸われることの何がダメなんだ?」

梓「私にはまだやり残したことがあるので全体的にダメです!」

唯「なに?」

梓「とにかく私は今、吸われてしまうわけには行かないんです」

律「……本当に失礼なこと言うけどごめんな。梓は足じゃなくて頭に毛があるんじゃないかと思うぞ?」

澪「同意せざるを得ないよ」


唯「かわいそうだね~あとかわいいね~あ~ずにゃん」

梓「えっ頭に毛があることを伝えるのって失礼ですかね。寧ろ足の時よりも普通な気がしますけど」

紬「梓ちゃん、それは普通じゃないわ~。以上よ」

梓「いや、そんな言い切らなくても。でもそうですか…少し考え方を改める必要がありそうです」

律「ああ、はっきり言って今日の梓は以上だよ」

梓「はい?今日の私は以上って。私だけ皆さんと違う時間軸にいるかのような。皆さんは以上じゃないんですか」

澪「そのつもりだけど…」

唯「確かに今日のあずにゃんは私たちと違う時空にいたよ。でもそんなあずにゃんもかわいいよ!」

梓「あ、ありがとうございます……じゃなくて!今日の私は、もう終わってしまったんですか?」

律「終わってしまった感はあるな」

梓「なんですか“感”って…。じゃあ何ですか、今日の私は皆さんからみて、“明日の私”って訳ですね…」

澪「寧ろ“明後日の梓”かな。おい律。私上手いこと言えたよ」

律「そっか、山田くん澪埋めといて」

唯「はい」

澪「や~め~ろ~」

唯「ムギちゃん澪ちゃん押さえるの手伝ってー」

紬「どんとこいでーす」

澪「まさかほんとうに埋められるとは」


梓「そういえば、あの…」

律「それにしても、なんつーか今の梓は“明日の梓”ってよりかはアレだな」

梓「……」

紬「なに?」

律「…“明後日の梓”かな」フッ

澪「あっそれ私のネタ」

唯「うまい!座布団二枚!」

紬「もう一声~♪」

唯「座布団十枚!」バサ

律「馬鹿やろうそんなに雑巾乗せんな」

澪「唯は山田くんなのかどうかはっきりしような」

梓「そういえば、あの…楽しそうなところすみませんけど、先輩方は足に毛がなさそうなのに吸われないんですか?」

律「わー、なに言ってんだ梓、私たちは毛がないし見ての通り吸われてるって」

梓「ええっ?先輩方今までずっとイスに吸われてたんですか!?」

律「だから吸われてるだろ」

澪「私は床に埋まってるけどな」

唯「イスに吸われるのってそんな驚かれることかなー?」

紬「ううん。普通なんじゃない?」


梓「皆さん…すごい耐久力ですね」

律「寧ろ立ってる方が憑かれないか?」

梓「ウソ!?」バン

澪「おい机……叩くなよ……心臓止まるかと思っただろ…あまりふざけるんもんじゃないよ……」

梓「吸われなければ憑かれてしまうだなんて…世の中は不条理が多すぎますよ。もうこうなったら私は憑かれて死ぬしかないんですね……」

律「死ぬな。死ぬくらいならイスに身を任せろ」

唯「そうだよ。吸われるんだったら、イスに全てを託しちゃう方がいいよ?」

梓「あ、わかりました。もしかして、皆さんが耐えられるくらいなんだから、大した吸引力じゃないってことですか」

律「吸…?」

紬「淫…?」

唯「力…?」

澪「……」

律「ま、まあ大したことないけど…いや、ないけどさ」

梓「そうでしたか。てっきり私、ブラックホールに吸われてしまうくらいなのかと…えへへ…勘違いしてました」

律「おい澪。梓…なんかもの凄い変換ミスしてるよな」ボソボソ

澪「だな」ボソボソ

梓「先輩方がその様子ならきっと掃除機の弱くらいの吸われ具合なんでしょうね」

律「うん……まあ梓、憑かれるよりはイスに吸わったほうがいいだろ?」

梓「まあそれは…へ?…イスに吸わった?…イスに座った?あ!」

律「気付いたか?」

梓「すいません私ったら冬の日の律先輩くらいとんでもない勘違いを」

律「お前は本当にとんでもないヤツだよ」

梓「どうもご迷惑をおかけしました……」

唯「いいんだよ~あずにゃ~ん。よ~しよしよしよし」むちゅ~

梓「あ!!やめてください!」

唯「“あ!!”って……」

澪「梓はお茶目だな」うんうん

梓「ですが今日の私変でしたよね…」

紬「全然良いのよ!とにかく梓ちゃんが正気だったなら良かったぁ」

梓「ムギ先輩…………」

紬「あ、よもやこの雰囲気は……もしかして告白?告白?来るかしら?」

澪「おちつけよムギ」

律「つーか澪もいつまで律儀に床に埋まってるんだよ。疲れるぞ」

澪「ひぃぃ憑かれるッッ…!」バキィ!

律「おい床割るな?」

紬「それで、どうして私の梓ちゃんは今日中々座らなかったの?」


梓「はい、実は今日登校するときすごくいい野良猫を見つけて……」

唯「ふむ」

梓「すごくよかったので、ババッって」

唯「ふむふむ」

梓「そしたら猫がシュッって」

唯「おぉ」

律「猫がシュッって火でも点いたのか」

梓「なんで私もっとババッっていって、猫をシュッてやったんですよ」

唯「なるほど。どうだったの?」

梓「そしたら猫が私をシュッってやり返して来た上に突如としてジャーンッってやって来たものですので正直すごく驚きましたよ私の説明力のなさに」

唯「そっか。猫に引っかかれちゃったんだね……。痛そうなあずにゃん……」

澪「唯ってやっぱ天才なんだな……」

梓「はい、一応保健室で手当てはしてもらったんですけど、座ると染みるので……あっあと私ムギ先輩のじゃないです」

紬「あ、そうなの」

澪「仕方ないね」

唯「あ、そういえば」

梓「総入れ歯?」

唯「りっちゃん!私正解したよ?」

律「おめでとう。賞金の120円は平沢唯さんの財布から贈呈されます」チャリン

唯「わーい!このお金を使ってジュース買ってこよっと」

紬「でもまだティータイムの前よ」

唯「ムギちゃんのティータイムはベツバラだよ~」

澪「そうか~なら心配ないな~」

唯「本当だね~」

紬「知らないわよ~?」

唯「うん、分かったよ~!というわけで行って参ります!」

律「んじゃ私も行くかな」

梓「あ、私はカルピス」

律「…ん?私お前にカルピス買ってきてやるなんて一言も言ってないんだけど」

梓「じゃあ買ってきて下さい。奢りで」

律「あ?中野shine?」

梓「輝いてるのはサンプラザ田井中先輩です。先輩今最高に輝いてますよ!まぶしいんで早く行って下さい」

律「帰って来たら覚えてろよお前」

梓「きゃー」

唯「いいからそんなとこに突っ立ってないでさっさとドア開けてよぉ~」

律「あぁそうだった」


ドア「ガチャ」

和「うわ」ドサ

唯「和ちゃん!」

律「なんだ!?」

和「ゆ…唯、律…」

律「どうしたんだよ…ドアにへばりついたりしてお前…」

和「ああ、講堂の使用届的なものの提出がまだなのよ」

律「えっ」

澪「りつー?」

律「いやぁ~」

梓「田井中さん悲惨」

律「韻踏むな」


唯「でも和ちゃん、どうしてドアにくっついたまま部室に入ってこなかったのか、まだわかんないよ?」

和「だって入りづらいじゃない」

梓「なんでですか?」

和「いえ……立つとか」

澪紬梓「……?」

和「吸われるとか…なんか、エロい会話してるから…」

唯律澪紬梓「……………えっ」

和「エロい会話してるから……」

唯律澪紬梓「……えっ」

おわり